俺の推し♂が路頭に迷っていたので

木野 章

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左江内編

誇らしくなってしまった

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俺が遠目でも直ぐに琥珀君だと確信できたのは

三日前に見た時と全く同じ服装だったからだ

着回してるからと言えば終わりだけれど、今見ると少し汚れが着いていたりする


それに、三日前はそこまで気づけなかったけれど

琥珀君の可愛らしいくりっとした目の下には隈がくっきりと浮きでていた

活動していた時よりもかなり痩せていた
毎日あのポスターとお気に入りの写真を見ていたから分かる、絶対に痩せた


…失礼だとは思うけれど、考えるのは一つ


左「…嫌な言い方かもですが、もしかしたらお仕事に就けていないのかな、とか……思ってしまって…」


琥「…仰る通りです、活動停止後は色々とバタついて、お金も、その、暮らせるほどは無くて…家も…」

左「……立って話すのもアレですから、どこか座りましょう」









一度座って話そうと、近くの公園のベンチに行き
自販機で缶コーヒーとココアを買って、琥珀君にココアを渡す

琥「そんな!いいです、僕なんかに!!」

左「いえ、俺が勝手にした事だから、受け取ってください。ぁ、その、やっぱ気持ち悪いですよね!すみません」


琥「気持ち悪くないです!いいんですか、頂いても…?」

左「はい、寧ろ貰って欲しいくらいなので…」

琥「それなら、お言葉に甘えて……何度も、ありがとうございます。」


ココアを渡す時に少しだけ触れた手に、内心物凄く興奮してしまったが

顔には出なかったと思いたい
こういう時まで煩悩ばっかりなの最低だな俺



コーヒーを飲みつつチラッと隣を見ると

琥珀君はココアをちびちびと、とても嬉しそうな顔で飲んでいた

すごくかわいい



琥「あ、あの…そんな見られると恥ずかしいです」

左「…ぇあ、ごっごめんなさい!!!すみません、本当に…」

琥「…えへへ、何だか、ライブの時にくれた視線と同じで…嬉しいです」

左「だって、その…ずっと推してるんですから」

琥「あの、お名前、聞いてもいいですか?ごめんなさい、過去に言ってくれてたなら忘れてしまったので……」

左「さ、左江内 巨輝です!!…名前の通り、冴えないサラリーマンです」

琥「さえない、さん。素敵な名前ですね…!」


今まで散々冴えない冴えないって言われてきてこんな名前好きじゃなかったのに

お世辞だろうと、推しに素敵だなんて言って貰えたと思うとかなり誇らしくなってしまった



琥「……ご迷惑ばかりかけて何も言わないなんてダメですよね。お話、します」

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