俺の推し♂が路頭に迷っていたので

木野 章

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左江内編

一番推せるなぁ

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琥「こんなに美味しそうなのを、僕が食べていいんですか……!?」

左「はい、惣菜屋さんで買ったのをレンチンしただけなんですけど…」



惣菜屋で買った青椒肉絲と唐揚げ、家に置いてあったサラダを平皿に
冷凍のご飯をお椀に移し
即席だけど晩御飯らしくなったテーブル



皿に琥珀君の分を少し多めに盛り付けておいた

惣菜屋さんのおばちゃん、多く入れてくれてありがとう……!!



左「それじゃあ、頂きます」

琥「頂きます……!!!」


一人で食べる時は思い出した時にしかしない挨拶を丁寧にして

青椒肉絲を口に放り込み、ホカホカのご飯を後追いさせる

ん~、やっぱこれが一番美味い…!


不意に、目の前に座る琥珀君はどんな風に食べてるかなと見てみる


琥「んむ、……っ…!」


なんと、ほっぺにパンパンに詰めながら
ほろほろと涙を流していた

うわほっぺ可愛すぎだし推しの涙綺麗過ぎ………

じゃない、な、なんで泣いてるんだ!?!?
俺レンチンするだけで不味いもの入れたか!?

と、一瞬心臓が止まりそうになったのだが



琥「凄い、おいひぃれす…っ!」

左「あ、あぁ~、びっくりした…それなら良かったです」

琥「こんな美味しいの初めてれふ……!」


買ってきただけのお惣菜にそんな喜んでくれるなんて、作っても無いのに何だか感激してしまう

そりゃ数日ろくに飯食べて無いんだ、美味いに決まってるよな…もっと食べさせてあげたい


左「お惣菜屋さんに多く盛って貰えたので、沢山食べて下さい。」


そう言うと嬉しさを全面に溢れさせた顔でこくこくと頷き、またご飯を頬張る



今まで追っかけしていた時に見てきた顔とは全然違う
メイクもヘアセットもしていない、衣装も着ていないし
間近で見ると目のクマや唇のカサつきが眼鏡越しによく見える


だけど

目の前にいるその琥珀君が、一番推せるなぁ
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