ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。

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# 39 スキルの相性

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スキル「神託視オラクルサイト」と、水を扱うスキルを持っている雨に死角はない。それもなぜか元々、特殊な訓練を受けたかのように銃器を使い、体術も並外れている。素人が武装した程度では今の雨を止められるものではない。

「そこに隠れている人も出てきてくださる?」
「ひぃ⁉ お願いします。命だけは!」

近くの車の後ろに隠れていた男性が、手をあげて出てきた。

顔の大部分を青黒く腫らしている。いったいどんな殴られ方をしたらここまで、顔を腫らすことができるのか?

「それで、あなたと転がっている人たちの関係は?」
「はい、実は……」

雨が消した3人は、この街で一番大きなPlayer達のグループメンバーだそうだ。一部の非Playerや同じPlayerでも戦闘向きじゃない人々を奴隷のように扱っている連中らしい。

そういう輩ってどこにでもいるんだね。

雨が豆丸の方を見て、無言だが指示を仰いでいる。
助けてあげたいけど、今はミカドを一刻も早く助け出してあげたい。彼らを助けるべきか悩んでいると、カグヤが男性に質問した。

「オジサン達を助けたら何をくれるの?」

野球で例えるなら、予告済みド真ん中ストレート。

「野菜とかでしたら……」
「微妙~もっと他にないの?」
「ちょっと待って」

カグヤが他にないか確認していたが、待ったをかける。他のものより野菜がいい。なぜなら以前、米はかなり集めたので足りているが、野菜等の生鮮食品が足りていない。長生きしたいなら食事はバランスよく摂っておきたい。

そのため、豆丸の畑には、まだ種を播いていないため、野菜が欲しかった。この世界ではすでに販売ルートは崩壊しているので、男性が野菜を持っているということは畑を持っているということになる。

「拠点はどこですか?」
「街外れなんですが……」

何か言いづらそう。
少し間を置いて、彼らこの街のPlayerが郊外にある刑務所を拠点としていることを話してくれた。










「あそこですか?」
「はい」

──30分後、やってきたのは、ほぼ畑に囲まれている高い塀に囲まれた刑務所。

考えてみると、囚人を逃がさないために頑丈で高く作られたコンクリートの壁は、そのまま外敵の侵入を防ぐ要塞にもなる。

都会の方では考えられないくらい広い敷地を有しており、中には30棟以上のビニールハウスがあり、農業や畜産も更生プログラムに組み込まれていて、人数が少なければ、自給自足も可能だという。

怯えている目の前の男性は、一般市民で世界がおかしくなってから、この刑務所内に逃げ込んだそうだ。そこで見たのは、Playerに目覚めた一部の受刑者による大量虐殺。1週間くらいは市内に生存している女性をさらい、男性や年寄り子どもをことごとく皆殺しにする狂った連中で、化け物よりも恐ろしいと肩を震わせている。

男性の能力は〝限定透過〟──物体を通り抜けることができるが、自然の物、例えば石などは透過できないが、コンクリートなど人工のものは、すり抜けることができると教えてもらった。

刑務所の中に残っている危険な連中は7人。透過能力を持つ男性の他にまともなのは2人いて、彼らも暴力に屈して抵抗できないという。非Playerは全員、女性で男どもに毎夜、ひどい目に遭わされているそうだ。

「一人、とても危険な男がいます。例のミッションをクリアしていて、能力を2つ持っています」

呼吸を止めている間、透明になるスキルと、高速反応という常人の10倍の速さで知覚、反応できるスキルを持っているため、誰もその男に逆らう者がいないそうだ。

その男は確かに厄介そうだ。
だけど……。

「オジ様」
「はい、まかせてください」

話を聞く限り、特に問題なさそう。
雨もそのことに気づいており、豆丸に対し刑務所内に立て籠もっている武装した男たちの捕縛を頼んできた。

さっそくスニャイパーと100体のモリをストレージから出す。

外を監視している男をスニャイパーの肉球弾で狙撃してもらう。肉球弾には色々なバリエーションがあり、睡眠作用や麻痺作用があり、撃ち抜かれた見張りの男は、監視台の上で崩れるように昏倒した。

森羅バン蔵の樹木階段、ジャンリルの氷の滑り台。塀を乗り越えて100体のモリが流れ込む。豆丸達は塀の外で待機していると、しばらく銃撃音が続いていた。

この刑務所の攻略は簡単だった。
塀の高ささえクリアできれば何てことはない。ただ物量で押し切るだけ。

音が止んで数分。
豆丸たちが、ゆっくり刑務所の中に乗り込むと、すでに武装していた6人がモリ達に捕まって、ツタ忍の蔦でグルグル巻きにされて、刑務所の入り口の地面に気絶したまま転がっていた。

例の男がいない。

まだ見つかっておらず、モリ達が男の行方を捜している。

「本当に大丈夫なんですか?」

たまらず男性が豆丸に質問してきた。

「ええっ、ここなら▪▪▪▪、特に問題ないわ」

豆丸の代わりに雨が答えた。
答えながら、腕を組んでいたはずの脇からパンっ、という音が聞こえた。

「──ううっ」
「ほらね?」

雨の真横にいたリーダー格の男が姿を現し、よろめき、ナイフを落した。

「彼自身のスキルの組み合わせも私のスキルとの相性も最悪なのよ」

腕組みした状態から真横に発砲して男は完全に虚を衝かれたようだ。

雨の言う通り、人より早く反応できるスキルと呼吸を止めている間しか透明になれないスキルは互いに相性が悪すぎる。人より早く動いてしまうとどうしても酸素が足りず、呼吸してしまう。短い距離なら息を止めたまま、多少は動けるだろうが、今いる場所は遮蔽物の少ない刑務所の入り口。また、銃を具現化するスキルは気絶している連中のもの。そのため、どうしても近づいて攻撃しなければならない。

姿を消していても攻撃する瞬間、方向がわかる。雨の神託視オラクルサイトからすると、数秒後に攻撃する方向がわかっていれば簡単に対処ができる。








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