〖完結〗妹は病弱を理由に私のものを全て欲しがります。

藍川みいな

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リアム王子の決断

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 もう朝……昨日ずっと寝てたからか、リアム様の事を考えていたからか、一睡も出来なかった。 
 昨日、何があったかは分からないけど、ローレンは自信満々だった。お父様もお母様も、ローレンの味方なのだから、リアム様に私の悪口を沢山言ったのは明らか。
 私……リアム様に誤解されてるのかな? こんな状況で私の想いを伝えても、受け入れてはくれないかもしれない。

 今日もまた、時間ピッタリに、リアム王子はブルーク侯爵邸を訪れた。

 「ようこそ、お待ちしておりました。ローレンもアイシャも、応接室で待っております。どうぞ、お入りください。」

 リアム王子が応接室へと足を踏み入れると、

 「リアム王子! 今日もまた会えて本当にうれしいです!」

 ローレンは満面の笑みを浮かべて、リアム王子に近寄った。

 「今日は、お願いがあって参りました。……お願いというより、これは決定事項です。」

 ローレンとブルーク侯爵は、とても嬉しそうな顔をしている。

 「それは、ローレンを婚約者にすると言うことでしょうか?」

 「いいえ。私の婚約者のアイシャを、城へ連れて行きます。」

 「はあ!? どうしてそうなるんですか!?」

 ローレンは可愛い演技を忘れたようで、素になっていた。

 「アイシャをこの邸に……あなたがたの元には、置いておけないと判断したからです。」

 「ま、待ってください! 何故そのような事になるのですか!? 昨日はローレンと、いい感じだったではありませんか!」

 「そうよ! 私で力になれることがあったら、言ってくださいって、おっしゃってくれたじゃないですか!」
 
 「昨日は、あなたがたに合わせただけに過ぎません。またアイシャに、会わせていただけなかったら困りますからね。」

 リアム様は、分かってくださっていたんだ……

 「ローレンは身体が弱いのです! どうか、ローレンを選んでやってください!」

 ブルーク侯爵はリアム王子に向かって頭を下げた。

 お父様は、そんなにローレンが大事なの? 

 「頭をあげてください。そんなに病弱をアピールする意味が分かりません。」

 「へ? どうしてですか? 身体が弱いのだから、守ってあげたくなるでしょう? 私はか弱いんですよ!」

 「私はこの国の第一王子で次期国王です。私の妻になるということは、この国の王妃になるということ。世継ぎの王子を産める、健康な女性が良いに決まっているでしょう?」


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