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10年前のあの日から
しおりを挟む「それなら問題はありません! 私は病弱ではありませんので!」
今まで散々、病弱だとか、身体が弱いだとか言っていたローレンが、あっさり今までの事を嘘だと言った。
「何を言っている? お前はすぐ体調が悪くなったり、咳が出たりするではないか。」
「お父様、あれは全部演技です。病弱なフリをすれば、お父様もお母様も私を大切にしてくださったから。お姉様は容姿も良くて頭も良かったから、そうでもしないと私をかまってくれなかったでしょう?」
「全部……嘘だったというのか……? ずっと私達を騙してきたのか!?」
お父様は相当ショックのようです。ですが、良く考えたら、健康なのだから喜べばいいのに。
「お医者様も、病気ではないとおっしゃっていたではありませんか。だから、私は健康です! リアム王子、私を婚約者に……」
「ローレン嬢、君が健康だろうとなかろうと、私はローレン嬢に全く興味はない。私が想っているのは、アイシャだけだ!」
今……想っているのはって……
「私の何がいけないの!? お姉様のものは私のものよ!!」
「……ローレン、いい加減にしなさい。お前は、アイシャには勝てない。何もかもが負けているのだ。」
ブルーク侯爵はローレンの本性を知り、ようやく目が覚めたようだ。
「アイシャ、今日から城で暮らそう。父上の承諾も得ている。」
「お父様、私は行きます。」
「ああ……そうしなさい。今まで、すまなかった。」
リアム様と共に邸を出て、馬車に乗り王城へと向かう。
「リアム様は、ローレンの事をいつから気付いてらしたのですか?」
リアム様は、ローレンが自分から病弱なフリをしていた事を話すように誘導してた。
「食事会の時からです。元気そうなのに、やたら身体が弱いと言っていたので。アイシャが約束を破るわけがないのは分かっていたしね。」
「私を信じてくれていたんですか?」
「当たり前だ。アイシャは一人じゃないって、言っただろ?」
その瞬間、涙が溢れて来た。あんなに昔の事なのに、覚えてくれてたんだ。
リアム王子はアイシャをそっと抱きしめた。
「10年も待たせてごめん。」
「あの時、リアム様が一人じゃないって言ってくれたから、私は救われました。あの時の笑顔が、私を支えてくれた……だから、何十年でも待てます。」
「そんなには、私が待てない。」
「リアム様……大好き。」
やっと伝えられた。10年前のあの日から、ずっとずっと大好きです。
END
おまけ
後日、ブルーク侯爵は国王から呼び出され、王城へと向かった。
「呼ばれた理由は分かるな?」
「それは……リアム王子の婚約者を、かえようとした件でしょうか?」
「私はハッキリと、リアム王子の婚約者はアイシャだと言ったはずだが? お前達は私の言った事を軽んじているのか!?」
「陛下を軽んじるなどと、滅相もございません! 」
「そなたは伯爵に降格とする! 爵位を剥奪したいところだが、この国の王妃になる者の両親だから仕方がない。だが、お前のもう一人の娘ローレンは、貴族に嫁ぐことを禁じる事とする!」
「……ご命令を、しかと承りました。」
ローレンは貴族に嫁ぐ事を禁じられた事で誰にも嫁がず、両親からも見捨てられ、誰からも愛されることなく孤独な生涯を終えた。
END
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退会済ユーザのコメントです
両親、主人公に一言も謝罪なし。。
気づいただけで反省なし。。平民落ちでもいいくらいですね。。
大変面白かったー。一気に読んでしまいました。王子はやっぱりキチンと人となりを見てましたね🎵ローレンは自業自得だろうけど、両親の処分は中々に軽かったですね‼️国王がいっていた意味は分かりますが未来の国王妃の両親が平民ではやはり後ろ楯があるのとないのでは印象が違いますよね❗最後はハッピーエンドで嬉しい🎵😍🎵これからも面白くて良いものを期待しています‼️頑張って下さいね🎵応援してます‼️