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愛人を連れて来た旦那様
しおりを挟む「初めまして。シャーロット様ですよね? 」
この方は、誰なのでしょう?
旦那様から書斎に来るように言われ、ノックをして部屋に入ると、見知らぬ女性がいらっしゃいました。
「彼女はモア。今日から、この邸に住むことになった。」
「モア……さんが、どうしてこの邸に住むのでしょうか?」
「察しが悪いな。モアは私の愛する人だ。丁重に扱え。」
愛する人……そう聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。ですが、その後すぐ……
「これから、よろしくお願いします。私、好き嫌いが多いので、食事には気を付けてくださいね。それと、部屋は日当たりがいい場所がいいわ。あ、それから、ルーク様は、今日から私と一緒に眠るので、新しい寝室を用意してくださいね。シャーロット様と一緒に寝ていらした寝室なんて、汚いですもの。」
私の頭はスッキリし、この方が旦那様の愛人だということを理解しました。私が妻だと分かっていて、使用人のように扱う愛人。しかも、寝室が汚いから変えろと……
「シャーロット、そうしてやってくれ。」
旦那様は、私のことは考えて下さらないのですね。3年間、あなたの為に尽くしてきたのに……これは、あんまりではないでしょうか?
旦那様、ルーク・レイバーン伯爵と結婚したのは3年前の事でした。私は孤児院育ちで、両親はいません。12歳の時に不思議な力が目覚め、15歳の時に、森で魔物に襲われていたルーク様をお救いしたのが、私達の出会いでした。
それから毎日、ルーク様は孤児院に会いに来るようになり、結婚を申し込まれたのですが、何度お断りをしてもルーク様が諦めることはなく……
一年間、毎日毎日愛していると言われ続けた私は、ルーク様を次第にお慕いするようになっていました。
あんなにも想ってくださっていた旦那様の気持ちは、いったいどこにいってしまわれたのでしょう?
「旦那様、私は使用人ではありません。旦那様の妻です。どうして、このような事をなさるのですか?」
「お前を妻だと思った事は一度もない。当然、お前を愛したこともない。」
一度も愛したことは……ない?
「あれほど、愛しているとおっしゃっていたではありませんか!」
「バカな女ね。ルーク様が愛していたのは、私よ。あなたを愛したのではなく、あなたの力が欲しかっただけ。孤児でそんな醜い容姿なのに、愛されるはずがないじゃない。身の程を知りなさい!」
「お前が役に立ったのは、3年前のあの日だけだ! 3年間何も起こらず、こんなにも平和なのだから、もうお前は必要ない。使用人としても使えないのなら、今すぐ出て行け!」
この方は本当に、あの旦那様……ルーク様なのでしょうか?
出て行けとおっしゃるのでしたら、出て行きます。結界をずっと張り続けていたから、この土地は平和だったのです。そんなことも分からないのですか?
もう結界を張る者はいなくなりますが、大丈夫なのですよね? 二度と私を頼らないでください!
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