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新しい愛人
「今日から離れに住ませていただくことになりました、ハニラと申します。」
また旦那様が新しい愛人を連れて来た。あなたもどうせすぐに捨てられるわよ。
三年前にセバス・ブライト侯爵に嫁いだミーシャは、呆れ果てていた。セバスは次から次へと愛人を作っては、離れに住まわせていた。
これで何人目だろう……。
ミーシャはセバスの父、サンディからどうしても息子と結婚して欲しいと頭を下げられ、セバスに嫁いだ。
平民のミーシャに頭まで下げた理由は、ミーシャが優秀な聖女だったからだ。
サンディはセバスの無能さに頭を抱えていた。自分が死んだあとのことを考え、ミーシャが必要だと考えた。
この国ゴースティンの国王は、聖女を認めていなかった。それでもミーシャが必要なほど、セバスと国が心配だった。
だが、セバスは納得していなかった。平民のミーシャ、それに見た目も普通……そんなミーシャは自分には相応しくないと思っていたのだ。
それでも、サンディが決めた結婚相手だからと結婚した。
ミーシャとセバスが結婚して一年がたった頃、サンディは病で亡くなった。
その頃から、セバスは次々に愛人を作り、離れに住まわせるようになっていった。
「奥様はどうやって侯爵夫人になれたのですか?容姿も私の方が勝ってるのに。」
今回の愛人はいつもと違った。今までの愛人は、本邸にはあまり来ないのに、ハニラはしょっちゅうやって来て嫌味を言ってくる。
「奥様なんて抱きたくないって、セバス様は毎日私を抱くんです。身体がもたないわ。」
最初はちょっとした嫌味を言ってくるだけだったが、最近は……
「あんたが離れに住めばいいんじゃない?」
「役に立たないゴミは消えればいいのに。」
あからさまに邪魔者扱い……。それだけじゃなかった。
「セバス様ぁ!奥様が私を虐めるんですぅ……私はもう、辛くて耐えられません……。」
虐められてるのは私の方だと思うけど……。私が何を言っても、旦那様が私を信じる事はないのは分かってる。
「ミーシャ、いい加減にしろ!平民だったお前が、侯爵夫人になれただけで十分だろ!?俺の大切なハニラには近づくなっ!!」
何が十分なのでしょう……?私はお義父様にどうしてもと言われて旦那様に嫁ぎましたが、あなたが私を妻として扱った事は一度もありませんでした。
お義父様……申し訳ありません。
私はもう、限界です!!
「旦那様、私は出て行きますので、どうぞそのバカな愛人と破滅してください!!」
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