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スベマナ王国の最後
しおりを挟む「な!?お前は聖女なのだろう!?魔物から私達を守る義務がある!」
ジオン王の自分勝手な言葉に、
「そんな義務はありません。ジオン王が優秀な聖女を追放したのですよ。聖女に助けてもらおうとは、虫が良すぎませんか?」
ごもっともだと臣下たちは納得しかけたが、このままでは魔物に殺されてしまう!
「聖女様!お願いします助けてください!」
「せめて、私達も一緒にスベマナから出させてください!」
臣下たちは国の事を諦め、スベマナを出て行く事を決意した。
「ふざけるな!お前達は、国を捨てる気か!!」
「そうお思いになるなら、陛下一人で残ったらいいじゃないですか!」
「そうだ!スベマナがこうなったのも、あんたが女にうつつを抜かしてセリシア様を追放したからじゃないか!」
自分の事は棚に上げ、言いたい放題だ。
「私についてこられても、私は自分の身しか守りません。それでは、失礼します。」
「おい!待て!兵士長、アイツを捕まえろ!」
兵士達が聖女を捕まえようとした瞬間……
ぱあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!
聖女の体が光に包まれ、兵士達を弾き飛ばした!
聖女はそのまま城から出て行く。
ジオン王もその場にいたもの達も、あまりの凄さにもう何も言えず黙って立っていた。
国民はほとんど残っていない上に、聖女もいないスベマナは、もう国ではなかったが、その事を告げずに去って行ったのは聖女の最後の優しさだ……この後すぐに、スベマナは壊滅するだろう。
「その瞬間までは、国として王として散りなさい。」
協会の聖女が去った後、王都を守っていた兵士達が次々と力尽きていき、城まで魔物が侵入するのは時間の問題になっていた。
ジオン王は何も出来ないまま、時間だけが過ぎていき……
ドォーーーッッン!!
城の外で大きな音が聞こえ、門が破られ、次々に魔物達が城の中へと侵入して来た!
「なぜこんな事に……。スベマナは、ずっと一位だったのに……。」
ジオン王の嘆きが虚しく響いていた。
スベマナ王国壊滅……
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