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アーチル村の順位

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 スベマナが壊滅した頃、協会の別の聖女がアーチル村に結果を報告に来ていた。

 「アーチル村は今回、聖女協会により正式に国と認定されました。つきましては、国名と王をお決め頂き、後日申請いただきますようお願いいたします。」

 「「「ワアァァァァァァァァァァッ!!」」」

 アーチル村から大歓声があがった!

 「それと、こちらが今回の順位になります。」

 渡された紙に書いてあった順位は……

 「一位だーっ!!!」
 
 紙を見て一番に声をあげたのはキリトだった。

 「さすがセリシア様!!」
 「セリシア様は、本当にすごいわ!」
 「セリシア様バンザイ!!」

 本当によかった!アーチル村が国となり、一位になったなんて……。

 「王はセリシア様に決まってるけど、国の名はどうしますか?」

 「私は王にはなりませんよ?」

 「「「えぇぇぇぇ!!」」」

 「私は聖女ですから、日に何度かお祈りをしなくてはなりません。この国はまだ発展途上で、王はやらなければならない事だらけです。アーチル村の村長をしていたお爺さんが王になるべきだと思います!」

 セリシアの言葉に皆納得し、いっせいにゴーシュを見る。

 「あ、いや……わしもそろそろ歳だし、キリトが王になり、セリシア様が王妃になればいいんじゃないかのう。」

 「「えッ!?」」

 二人の顔は真っ赤になり、茹でダコみたいになっていた。

 「爺ちゃん!セリシア様が困ってるだろ!」

 「ばかもの!いつもは好き好き言うくせに、せっかくのチャンスを逃がすな!」

 ゴーシュに背中を押されたキリトは……

 「セシリア様、俺……私の、妻になっていただけますか?」

 キリトの公開プロポーズを、住民達は固唾を飲んで見守っている。

 「……はい!」

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチ……

 「「「おめでとうございます!!!」」」

 盛大な拍手と、盛大な祝福を受けながら、二人は幸せそうに微笑んだ。



 話し合いの結果、国名は『アーチル』となった。ほかの名を提案した者は、誰もいなかったのが理由だ。
 
 こうしてアーチル王国が誕生し、キリト王が即位し、セリシアが王妃となった。



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