〖完結〗お飾り王妃は追放されて国を創る~最強聖女を追放したバカ王~

藍川みいな

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ポーション激売れ

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 アーチル王国が一位になったことで、セリシアの祈りのこもったポーションは作っても作っても売れ続け、ついには予約待ちが出るほどだった。

 「かなり財政が潤いましたね。このお金で、国民の皆さんの家を建ててもらえるよう、職人さんを雇いませんか?」

 セリシアが出した提案は、キリト王に即採用された。色んな行商人に頼み、職人を300人程紹介してもらい、早速家を建ててもらう事にした。

 現時点で他の国からアーチル村へとやって来た住民は、8万人を越えていた……職人と住民が力を合わせても、全員分の家を建てるのは数年はかかりそうだ。

 「王様……私達の家より、まずはお城を作ったらいかがですか!?」

 「私達の住む場所はありますが、皆さん全員の住む場所がありません。皆さんの家を建ててから、城を建てる事にするので心配しないでください。」

 キリトの話を聞きながら、セリシアは幸せを感じていた。お互いを想い合う国王と国民……こんな幸せな国が創れたことに、心から感謝していた。

 雨や風が強い日は、今ある家や新しく作った家や近くの洞窟などで、ぎゅうぎゅうになりながら過ごして来た。一位になった事で、住民が更に増え、不便な暮らしをさせてしまう。一刻も早く、国民全員の家を作らなければ。

 それでも国民が笑顔で暮らせていたのは、セリシアのおかげだった。
 キリト王と共に家を作る国民達のために、セリシアは一人でポーション作成をしていた。

 「セリシア様、少し休んでください。」

 プラストはキリト王の命で、セリシアの護衛についていた。

 「大丈夫です。少しでも皆さんの暮らしが楽になるように、私に出来ることをしたいんです。」

 国が安定するまでは、自分が出来ることを何でもするつもりだった。

 「薬草が足りなくなりました。とりに行ってきます。」

 「私が行ってきます。セリシア様は少し休んでいてください。」

 プラストはセリシアに、少しでも休んで欲しかった。

 「……ありがとう。少しだけ、家で休みますね。」  

 素直にプラストの言うことを聞いたのは、立ち上がれないほど疲弊していた事に気づいたからだった。ずっとポーションに祈りを込め続けていたセリシアは限界だった。

 プラストが薬草をとりに出かけた後、セリシアは自分のベッドに横になった。

 もっとしっかりしなくちゃ……。

 セリシアは自分に言い聞かせながら、眠りについた。


 カタカタカタカタカタカタ……

 ん……ん?なんの音だろう……?
 …………………あれ?体が動かない……!?

 セリシアが目を覚ますと、手足が縛られ、口には布を咥えさせられていた!


 
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