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愛人の浮気相手
しおりを挟むセイバンに離縁の話をするのは、しばらくやめにした。そして、マリアナの事を徹底的に調べ始めた。
「レイチェル様、キーファ様がおいでになられました。」
「お通しして。」
キーファ様はブリンジス侯爵のご子息で、私の幼なじみだ。
「久しぶりだな、レイチェル。私を邸に呼ぶなんて珍しいな。」
「お久しぶりです。実は、ご相談があるのです。」
レイチェルはキーファに、今までの事を全て話した。
「あの野郎……ふざけやがって!!」
「ふふっ。私のために怒ってくださるのですね。」
「当たり前だ!君は俺の大切な幼なじみだからな!で、どうするつもりなんだ?」
「実は……」
マリアナの事を調べ始めて直ぐに、マリアナには他に何人も男がいることがわかった。ずっとセイバンがいるのにどうやって……?と疑問に思ったが、子守りをセイバンに任せ、マリアナは働きに行くという理由で男達と会っていたのだ。
セイバンは何も知らず、ずっと子守りをさせられていた。
「こうなると、マリアナの子供がセイバンの子かも怪しいな。」
それが自然の考えだった。だがレイチェルは……
「あの子はセイバン様の子だと信じたいです。そうでなかったら、あんなに嬉しそうにあの子を見ていたセイバン様が可哀想……」
「……君はバカか?あんな男にまだ未練があるのか!?」
「それはありません!ただ、お父様を思い出してしまっただけです。」
セイバン様に嫁いで来てから、お父様には会っていない。お父様は辺境伯で、国境近くに住んでいる為、遠いという理由もあるけど……お父様に会わせる顔がないというのが本音だ。
お父様……会いたいです。でも今は、
「マリアナのしている事を、セイバン様に分からせようと思うのですが、手伝ってくださいますか?」
私が呼び出しても、きっとセイバン様は来てくれない……だから、キーファ様にお願いする事にした。
セイバン様とマリアナ、そしてマリアナの浮気相手達、全員にこの邸に集まっていただきます。
もちろん、皆さん一人一人呼び出すので、この邸に呼ばれたのは自分だけだと思って来るはず。
そしてそこで、旦那様と離縁させていただきます。
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