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6、応援することに決めました
しおりを挟む「俺は愛する人と生涯を共にしたいと思っていたから、あのように君を傷付ける態度を取ってしまった」
何でしょう……
天国から地獄に落とされた気分です。愛してはいないから勘違いするなと言われているみたいです。
「どうしてそこまで? 貴族の家に生まれたのなら、愛する人との結婚なんて出来ないって分かっていたはずですよね? 愛する人がいるならまだしも、そのような方がいるとは思えません」
リック様の言動から、そういった方がいるとはとても思えません。それに、令嬢が苦手だということは、相手を探すことさえ困難に思えます。それでも、愛にこだわる理由があるのでしょうか?
「……父と母は、無理やり結婚させられたんだ。もちろん、それが貴族の家に生まれた者の務めだと思っていた時期もあった。長年、夫婦として共に暮らしていれば、愛情や情が芽生えたりするのかもしれないしな。
だが父と母は、今もお互いを心底嫌っている。子を作れと言われて俺が生まれたが、俺は2人が目を合わせた所も会話している所も見た事がない。そんな結婚に、なんの意味がある? 俺は、いつか生まれてくる我が子に、そんな思いをさせたくはなかった」
……私は、無神経な事を言っていたのですね。両親の事を聞かれた時、寂しそうな顔をされていた理由が分かりました。
「仕方がないですね。私も応援してあげます。ですが、イバラの道ですよ? 借金はかなりありますし」
「分かってる。借金は、なるべく早く返す。その後は……」
リック様は何かを言いかけてやめました。きっと、その後に続くのは、離婚したい……でしょうね。私には、そんなリック様を引き止める事は出来そうにありません。
お茶会は散々でしたが、リック様の本心が聞けて良かったと思います。
邸に着くまで、リック様と色々な話をしました。これから離婚するにしても、良い友人でいられるような気がします。彼が愛する人と幸せになれるように、応援したいと素直に思えました。
*****
お茶会の日から3日が経ったある日、カリュード様が邸を訪ねて来ました。
「急に来てしまい、申し訳ありません」
約束をしていなかったのか、リック様はまだお帰りになっていません。いつ帰るかもわからず、お待たせしてしまうとは思ったのですが、外は雨が降っていたので、止むまではとお引き止めしました。
「こちらでお待ちください。今、温かいお茶をお持ちします」
カリュード様を応接室にお通しした後、執事のジェイスにリック様への伝言を頼みました。きっと、王城にいるでしょう。
温かいお茶を持って応接室へと再び戻り、お茶をお出ししました。
「執事に伝言を頼みましたので、すぐにお戻りになると思います」
「ありがとうございます」
カリュード様はお茶を一口飲むと、カップを置いて外を見ました。窓に打ち付ける雨が、いっそう強くなって来ています。お引き止めして、正解だったようです。
お客様を1人にするわけにはいかず、そのままカリュード様が座っているソファーの向かいのイスに腰を下ろしました。
「失礼なことを聞いて申し訳ないのですが、リックはあなたを愛していますか?」
この聞き方……
カリュード様は、リック様が愛する人と結婚したいと思っている事をご存知なのですね。
「いいえ、私達は愛し合っておりません」
リック様のご友人に、嘘をついても仕方ありません。
「それならば、私と結婚をしませんか?」
……はい!?
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