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7、嫉妬?
しおりを挟むカリュード様は、一体何を仰っているのでしょう!?
訳が分からず、冗談でも仰っているのかと思い、カリュード様の顔を見ましたが……とても冗談を仰っている顔には見えません。
「あの……どういうことでしょうか?」
訳が分からないのだから、直接聞くしかありません。カリュード様は息をふうっと吐き、話し始めました。
「あなたが愛し合っていないと言ったという事は、リックの話を聞いたのですよね? 愛し合っていないなら、いずれ離婚する。その時、俺の妻になって欲しいのです」
話を聞いても、訳が分かりません。私とリック様が離婚したら、どうしてカリュード様と結婚をしなければならないのでしょうか?
「申し訳ありませんが、お断りさせていただきます。カリュード様と結婚する理由がありません」
もしかしたら、私に同情しているのでしょうか……
離婚される私を、不憫に思ったのかもしれません。
「理由ならあります。俺が、あなたを気に入ったのです」
カリュード様が私を!?
「お茶会の帰りに、子爵令嬢と話しているのを偶然聞いてしまいました。あんなに嫌味を言われているのに、自分の事ではなくリックの事で怒っていた。そんなあなたに、一瞬で恋に落ちていました」
そんな風に思ってくださっている事は、素直に嬉しいです。正直、私を想ってくださった方は初めてですから、嬉しくないわけがありません。ですが……
「カリュード様は、リック様のご友人ですよね? それなのにどうしてですか?」
リック様と離婚するにしても、これは違う気がします。
「友人だから、早く離婚させてやりたいのです。なんなら、リックの借金を俺が肩代わりしてもいい」
カリュード様はソファーから立ち上がり、ゆっくり私の方へと近付いて来て隣のイスに座りました。そして、私の顔に手を伸ばして来ました……
「そこまでだ!」
カリュード様の手が、私に触れる寸前で止まりました。声の主は、リック様。いつの間にお帰りになっていたのでしょうか。
「残念。せっかく近くで顔が見れると思ったのにな」
カリュード様は残念そうに、向かいのソファーへと戻りました。
「お前、いい加減にしろ! ミシェルは俺の妻だ!」
リック様は、怒っているようです。いくら愛してもいない妻だとしても、自分がいない間に友人に誘惑されていたら当然ですね。
私も、突然の出来事とはいえ、毅然と振る舞えなかった事を反省しなくてはなりません。
「そんなに怒るなよ。離婚するつもりなんだろ? お前が束縛するのは間違ってる」
カリュード様は、どうしてリック様の気持ちを逆撫でするような事を仰るのでしょう?
「お前には関係ない! ミシェルに二度と近付くな!」
リック様のこんなに怒った顔、初めて見ました。この言葉を、本当の夫として仰ってくださったら、どんなに嬉しいでしょう。だけど私達は、本当の夫婦ではありません。それでも私は……
「カリュード様、二度とこのような事をなさらないでください。私はリック様の妻です。ご理解ください」
私がしっかりしていなかったから、リック様に嫌な思いをさせてしまった。これからは、絶対にこのような事がないようにしてみせます。
「分かりました。今日の所は、帰ります。リック、お前本当は……」
「わーーー!! 帰れ! すぐ帰れ!! 今すぐ帰りやがれ!!」
急に慌てて、どうしたのでしょう? 首を傾げている私をよそに、リック様はカリュード様の背中を押して追い返しました。
2人が応接室から出て行くのを見届けた後、お茶の片付けをする事にしました。お客様を送るのが礼儀だとは思いますが、今日は例外だと思います。
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