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グルタス伯爵との戦い
0169話
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洞窟の中にあった武器や防具は、イオやソフィアが持っているマジックバッグの中に無事収納された。
それなりの量があるのは間違いなかったが、それでもマジックバッグ二つがあれば問題ないだけの量だったのだ
「ソフィアさん、武器や防具は俺たちが持ちましたけど、保存食の類はどうするんです?」
「それは……村の人たちが貰ってもいいんじゃない? あまり品質もよくなかったし」
洞窟の中には、当然だがここに滞在していた兵士たちが食べる保存食の類もあった。
干し肉に焼き固めたパンといった具合に。
ただし、それらは普通の兵士たちが食べるための保存食である以上、味にかんしては平均以下だ。
我慢すれば取りあえず食べられるといった程度のものでしかない。
ソフィアとしては、わざわざその手の保存食は持っていこうとは思わない。
黎明の覇者は資金的に余裕があるので、食料もきちんと自前で確保してある。
食事というのは、傭兵たちの士気に大きく影響する以上、不味い食事を用意するというのはソフィアにとって有り得ない選択肢だ。
もっとも、それは単純にソフィアが美味い食事を食べたいからというのもあるが。
なお、ソフィアを含めた傭兵団幹部たちは、基本的に幹部ではあっても他の傭兵たちとおなじ食事をする。
この辺は、ソフィアの……そして黎明の覇者の幹部の考え方次第だろう。
傭兵団によっては、幹部や団長だけが美味い食事を食べることによって、部下の傭兵たちにもそれを目標とし、自分たちも活躍して団長のようになるといったように奮起させたりもする。
しかし、黎明の覇者はそのようなタイプではなく、団長や幹部も一般の傭兵と同じ食事をすることで団結を高めるといった方針をとっていた。
今の自分たちの状況を思えば、それが最善だと思った……というのもあるが、それ以上にソフィアの性格からだろう。
「では、この食料は村の人たちに渡すということで。持っていきますか? それとも、洞窟に置いておいて、あとで村人たちに取りに来てもらいますか?」
「持っていきましょう。ここに置いておいても、動物やモンスターによって荒らされたりしたら面倒なことになるでしょうし。マジックバッグの方にはまだそれなりに余裕があるしね」
ソフィアのその言葉で、洞窟に残っていた食料も根こそぎマジックバッグに収納されるのだった。
「さて、ここでの用事も終わったことだし、一度村に戻って食料を渡してから本隊を追うわよ。洞窟にあった武器や食料を見れば、やっぱりここにいた兵士たち以外にも侵入している連中が多いのは間違いないでしょうし」
その言葉には、誰も異論を持たない。
今の状況を思えば、出来るだけ急いで仲間に合流した方がいいというのは、明らかだったのだから。
もしここで出遅れるようなことになったら、それこそ侵入している兵士たちが活動を始めかねない。
そうなる前に、出来るだけ早くこの状況をどうにかした方がいいと思うのは当然だった。
黎明の覇者に指示されたのは、領土内に侵入した敵兵士の排除だ。
そうである以上、ここで敵の兵士に好き放題に行動されるのは非常に迷惑だった。
そうならないようにする為には、やはりここで自分たちが兵士たちを倒す必要がある。
だからこそ、ここに長く残るようなことはせず、兵士を倒したということで森から出ることになった。
ただし、死体をそのままにしておくと最悪アンデッドになるかもしれないので、燃やして埋めてといった処理をしてからのことだが。
「罠の類がないから、楽よね」
森から出る中で、そう言うのは罠の解除をした女。
自分が直接罠がないかを調べたり、罠の解除をしたりしただけに、今のこの状況で特に自分がやるべき仕事がないというのは、非常に楽だったのだろう。
もっとも、罠にかんしては楽ではあるものの、それ以外……具体的には兵士の生き残りがどこかに潜んでいたり、盗賊たちが隙を狙っていたりといったこともあるので、完全に安心という訳ではなかったが。
洞窟にいた兵士たちは全て殺したが、イオたちが洞窟に到着したとき、偶然外に出ていた兵士がいないとも限らない。
あるいは洞窟にあった武器や防具の量を考えると、それを受け取りに来た者がいるという可能性も、そこには十分にあった。
もちろん、その辺については罠を解除した女も十分に理解しており、何かあったときには即座に胎動出来るように準備をしていたのだが、結局特に敵と遭遇するようなことはないまま、森から出ることに成功する。
森から少し離れた場所には、二台の馬車があった。
その馬車は黎明の覇者が所有する馬車で、イオたちが森の中に入っている間にも誰かに奪われないようにと御者兼護衛の姿がそこにはある。
……もっとも、二台のうち一台はソフィア専用の馬車で、それを牽くのは一般的な馬ではなく虎のモンスターだ。
虎のモンスターの強さはその辺の傭兵を圧倒しており、それこそ洞窟にいた兵士たちが集団で襲ってきても、それが十人や二十人程度なら特に問題なく倒すことが出来るだけの強さを持っている。
そんな虎のモンスターが牽く馬車を、わざわざ盗もうと考える者はいないだろう。
あるいは虎のモンスターが牽く馬車ではなく、もう一台の普通に馬が牽く馬車を奪おうと考える者ならいるかもしれないが……そちらの馬車を奪うためにも、虎のモンスターが牽く馬車に近付かなければならない。
そのような真似をすれば、それこそ虎のモンスターに襲撃されて、大きなダメージを負う……いや、それどころか死んでもおかしくはなかった。
そういう意味では、馬車を奪われるといった心配はしなくてもいいのかもしれない。
とはいえ、それも絶対ではない。
兵士たちが十人、二十人でも無理なら、個人でそれだけの実力を持っている者……具体的には黎明の覇者と同じランクA傭兵団の鋼の刃に所属する傭兵が馬車を奪おうとすれば、不可能ではない。
もっとも、鋼の刃の傭兵はあくまでも戦場で正面から戦う傭兵団らしい傭兵団だ。
黎明の覇者を率いるソフィアとしては、甘い……もしくはおかしいと思うのだが、鋼の刃にしてみれば、戦場で戦うことこそが傭兵の仕事だと思っているのだろう。
「どうやら馬車も無事だったみたいだし、村に行きましょう。洞窟に食料が残ってるということを教えてあげれば、自分たちで取りにくるでしょうし」
マジックバッグに入れて移動してもよかったのだが、武器や防具よりも食料はさらに多かった。
それを全てマジックバッグに入れるとなると、予想外に時間がかかったのは間違いないだろう。
そこに時間を使うのなら、村人たちに取りに来させた方が手っ取り早いとソフィアは判断したのだ。
あるいは、洞窟がもっと離れた場所にあれば、食料の類も持っていったかもしれない。
しかし兵士たちが使っていたこの洞窟は、村人たちがそれなりに使っている場所と聞かされている。
そうである以上、自分たちがここで無理をする必要はないと判断したのだ。
……ソフィアたちが殺したのとは別の兵士、それこそ武器や防具、食料を受け取りに別の場所から兵士がやって来たのと鉢合わせするといった可能性もない訳ではなかったのだが。
「村にいって、次に先行している本隊と合流するんですよね? 本隊はどのくらい先に行ってると思います?」
イオが何気なく尋ねる。
すこし気になったという程度の疑問だったが、ソフィアはそんなイオの言葉に笑みを浮かべる。
「ローザとギュンターがいるし、他の部下たちも優秀よ? もしかしたら今頃、二つ、三つ、四つといった程度の敵の拠点を破壊している可能性はあるわね。私たちは……少し時間がかかったし」
時間がかかったというのは、イオとレックスが兵士たちを倒すのに時間がかかったというのが理由だろう。
逃げ出した兵士たちを倒したときのソフィアたちの動きから、もし最初から黎明の覇者の傭兵たちが本気で敵を倒そうとしていた場合、それこそすぐにでも兵士たちは全員殺されていたはずなのだから。
「すいません」
イオが謝ると、レックスもまた謝罪の言葉を口にしながら頭を下げる。
イオとレックスにしてみれば、今のこの状況……予想よりも遅く洞窟の一件が終わったのは、自分たちの行動が遅かったという認識があったからだろう。
実際にそれは間違いではない。
しかし、その辺は最初からしっかりと考えた上で、イオとレックスを選んだのだ。
「気にしなくてもいいわよ。こう言ってはなんだけど、恐らくこういう風になるというのは予想出来ていたから」
「それは……」
ソフィアがあっさりとそう言うのを、イオは複雑な表情で聞く。
自分たちが弱いのは前もって知っており、それを最初から予定に組み込んでいたと言われたのだ。
その件に対して、色々と思うところがあるのは当然だろう。
もっとも、だからといってそれを不満を言うような真似は出来なかったが。
不満を言うくらいなら、最初から黎明の覇者の傭兵たちと同じくらいの実力を発揮すればよかっただけなのだから。
それが出来なかったのは、あくまでもイオとレックスの実力不足でしかない。
自分たちの実力不足を棚に上げ、ソフィアたちを責める……などという真似は、イオやレックスにとっては絶対に避けたいことだった。
そんなみっともない真似を、わざわざするような真似はしたくない。
「次からは頑張ります」
「僕も次からはもっとしっかりとやれるようになります」
イオとレックスがそれぞれに言うのを、ソフィアは頷いて聞く。
「そう、頑張ってちょうだい。もっとも、イオは黎明の覇者に所属するのかどうかをまず決めないといけないけどね」
この戦いが終わったあとには決めると言ったものの、ソフィアはそう言って念を押してくる。
正直なところ、イオとしてはここまでソフィアに必要とされているというのは嬉しい。
……あくまで魔法使いの自分が欲しいのであって、恋愛的な意味でないのは残念だったが。
「どうかした?」
イオの考えていることを読み取ったかのように聞いてくるソフィアに、イオは何でもないと首を横に振るのだった。
それなりの量があるのは間違いなかったが、それでもマジックバッグ二つがあれば問題ないだけの量だったのだ
「ソフィアさん、武器や防具は俺たちが持ちましたけど、保存食の類はどうするんです?」
「それは……村の人たちが貰ってもいいんじゃない? あまり品質もよくなかったし」
洞窟の中には、当然だがここに滞在していた兵士たちが食べる保存食の類もあった。
干し肉に焼き固めたパンといった具合に。
ただし、それらは普通の兵士たちが食べるための保存食である以上、味にかんしては平均以下だ。
我慢すれば取りあえず食べられるといった程度のものでしかない。
ソフィアとしては、わざわざその手の保存食は持っていこうとは思わない。
黎明の覇者は資金的に余裕があるので、食料もきちんと自前で確保してある。
食事というのは、傭兵たちの士気に大きく影響する以上、不味い食事を用意するというのはソフィアにとって有り得ない選択肢だ。
もっとも、それは単純にソフィアが美味い食事を食べたいからというのもあるが。
なお、ソフィアを含めた傭兵団幹部たちは、基本的に幹部ではあっても他の傭兵たちとおなじ食事をする。
この辺は、ソフィアの……そして黎明の覇者の幹部の考え方次第だろう。
傭兵団によっては、幹部や団長だけが美味い食事を食べることによって、部下の傭兵たちにもそれを目標とし、自分たちも活躍して団長のようになるといったように奮起させたりもする。
しかし、黎明の覇者はそのようなタイプではなく、団長や幹部も一般の傭兵と同じ食事をすることで団結を高めるといった方針をとっていた。
今の自分たちの状況を思えば、それが最善だと思った……というのもあるが、それ以上にソフィアの性格からだろう。
「では、この食料は村の人たちに渡すということで。持っていきますか? それとも、洞窟に置いておいて、あとで村人たちに取りに来てもらいますか?」
「持っていきましょう。ここに置いておいても、動物やモンスターによって荒らされたりしたら面倒なことになるでしょうし。マジックバッグの方にはまだそれなりに余裕があるしね」
ソフィアのその言葉で、洞窟に残っていた食料も根こそぎマジックバッグに収納されるのだった。
「さて、ここでの用事も終わったことだし、一度村に戻って食料を渡してから本隊を追うわよ。洞窟にあった武器や食料を見れば、やっぱりここにいた兵士たち以外にも侵入している連中が多いのは間違いないでしょうし」
その言葉には、誰も異論を持たない。
今の状況を思えば、出来るだけ急いで仲間に合流した方がいいというのは、明らかだったのだから。
もしここで出遅れるようなことになったら、それこそ侵入している兵士たちが活動を始めかねない。
そうなる前に、出来るだけ早くこの状況をどうにかした方がいいと思うのは当然だった。
黎明の覇者に指示されたのは、領土内に侵入した敵兵士の排除だ。
そうである以上、ここで敵の兵士に好き放題に行動されるのは非常に迷惑だった。
そうならないようにする為には、やはりここで自分たちが兵士たちを倒す必要がある。
だからこそ、ここに長く残るようなことはせず、兵士を倒したということで森から出ることになった。
ただし、死体をそのままにしておくと最悪アンデッドになるかもしれないので、燃やして埋めてといった処理をしてからのことだが。
「罠の類がないから、楽よね」
森から出る中で、そう言うのは罠の解除をした女。
自分が直接罠がないかを調べたり、罠の解除をしたりしただけに、今のこの状況で特に自分がやるべき仕事がないというのは、非常に楽だったのだろう。
もっとも、罠にかんしては楽ではあるものの、それ以外……具体的には兵士の生き残りがどこかに潜んでいたり、盗賊たちが隙を狙っていたりといったこともあるので、完全に安心という訳ではなかったが。
洞窟にいた兵士たちは全て殺したが、イオたちが洞窟に到着したとき、偶然外に出ていた兵士がいないとも限らない。
あるいは洞窟にあった武器や防具の量を考えると、それを受け取りに来た者がいるという可能性も、そこには十分にあった。
もちろん、その辺については罠を解除した女も十分に理解しており、何かあったときには即座に胎動出来るように準備をしていたのだが、結局特に敵と遭遇するようなことはないまま、森から出ることに成功する。
森から少し離れた場所には、二台の馬車があった。
その馬車は黎明の覇者が所有する馬車で、イオたちが森の中に入っている間にも誰かに奪われないようにと御者兼護衛の姿がそこにはある。
……もっとも、二台のうち一台はソフィア専用の馬車で、それを牽くのは一般的な馬ではなく虎のモンスターだ。
虎のモンスターの強さはその辺の傭兵を圧倒しており、それこそ洞窟にいた兵士たちが集団で襲ってきても、それが十人や二十人程度なら特に問題なく倒すことが出来るだけの強さを持っている。
そんな虎のモンスターが牽く馬車を、わざわざ盗もうと考える者はいないだろう。
あるいは虎のモンスターが牽く馬車ではなく、もう一台の普通に馬が牽く馬車を奪おうと考える者ならいるかもしれないが……そちらの馬車を奪うためにも、虎のモンスターが牽く馬車に近付かなければならない。
そのような真似をすれば、それこそ虎のモンスターに襲撃されて、大きなダメージを負う……いや、それどころか死んでもおかしくはなかった。
そういう意味では、馬車を奪われるといった心配はしなくてもいいのかもしれない。
とはいえ、それも絶対ではない。
兵士たちが十人、二十人でも無理なら、個人でそれだけの実力を持っている者……具体的には黎明の覇者と同じランクA傭兵団の鋼の刃に所属する傭兵が馬車を奪おうとすれば、不可能ではない。
もっとも、鋼の刃の傭兵はあくまでも戦場で正面から戦う傭兵団らしい傭兵団だ。
黎明の覇者を率いるソフィアとしては、甘い……もしくはおかしいと思うのだが、鋼の刃にしてみれば、戦場で戦うことこそが傭兵の仕事だと思っているのだろう。
「どうやら馬車も無事だったみたいだし、村に行きましょう。洞窟に食料が残ってるということを教えてあげれば、自分たちで取りにくるでしょうし」
マジックバッグに入れて移動してもよかったのだが、武器や防具よりも食料はさらに多かった。
それを全てマジックバッグに入れるとなると、予想外に時間がかかったのは間違いないだろう。
そこに時間を使うのなら、村人たちに取りに来させた方が手っ取り早いとソフィアは判断したのだ。
あるいは、洞窟がもっと離れた場所にあれば、食料の類も持っていったかもしれない。
しかし兵士たちが使っていたこの洞窟は、村人たちがそれなりに使っている場所と聞かされている。
そうである以上、自分たちがここで無理をする必要はないと判断したのだ。
……ソフィアたちが殺したのとは別の兵士、それこそ武器や防具、食料を受け取りに別の場所から兵士がやって来たのと鉢合わせするといった可能性もない訳ではなかったのだが。
「村にいって、次に先行している本隊と合流するんですよね? 本隊はどのくらい先に行ってると思います?」
イオが何気なく尋ねる。
すこし気になったという程度の疑問だったが、ソフィアはそんなイオの言葉に笑みを浮かべる。
「ローザとギュンターがいるし、他の部下たちも優秀よ? もしかしたら今頃、二つ、三つ、四つといった程度の敵の拠点を破壊している可能性はあるわね。私たちは……少し時間がかかったし」
時間がかかったというのは、イオとレックスが兵士たちを倒すのに時間がかかったというのが理由だろう。
逃げ出した兵士たちを倒したときのソフィアたちの動きから、もし最初から黎明の覇者の傭兵たちが本気で敵を倒そうとしていた場合、それこそすぐにでも兵士たちは全員殺されていたはずなのだから。
「すいません」
イオが謝ると、レックスもまた謝罪の言葉を口にしながら頭を下げる。
イオとレックスにしてみれば、今のこの状況……予想よりも遅く洞窟の一件が終わったのは、自分たちの行動が遅かったという認識があったからだろう。
実際にそれは間違いではない。
しかし、その辺は最初からしっかりと考えた上で、イオとレックスを選んだのだ。
「気にしなくてもいいわよ。こう言ってはなんだけど、恐らくこういう風になるというのは予想出来ていたから」
「それは……」
ソフィアがあっさりとそう言うのを、イオは複雑な表情で聞く。
自分たちが弱いのは前もって知っており、それを最初から予定に組み込んでいたと言われたのだ。
その件に対して、色々と思うところがあるのは当然だろう。
もっとも、だからといってそれを不満を言うような真似は出来なかったが。
不満を言うくらいなら、最初から黎明の覇者の傭兵たちと同じくらいの実力を発揮すればよかっただけなのだから。
それが出来なかったのは、あくまでもイオとレックスの実力不足でしかない。
自分たちの実力不足を棚に上げ、ソフィアたちを責める……などという真似は、イオやレックスにとっては絶対に避けたいことだった。
そんなみっともない真似を、わざわざするような真似はしたくない。
「次からは頑張ります」
「僕も次からはもっとしっかりとやれるようになります」
イオとレックスがそれぞれに言うのを、ソフィアは頷いて聞く。
「そう、頑張ってちょうだい。もっとも、イオは黎明の覇者に所属するのかどうかをまず決めないといけないけどね」
この戦いが終わったあとには決めると言ったものの、ソフィアはそう言って念を押してくる。
正直なところ、イオとしてはここまでソフィアに必要とされているというのは嬉しい。
……あくまで魔法使いの自分が欲しいのであって、恋愛的な意味でないのは残念だったが。
「どうかした?」
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