大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第五話 旅立つ準備、授かる意志

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 今日は色々と学ぶ事が出来た。ギルドや魔物の事もそうだし、この世界が太陽暦を採用している事も、木こりの仕事のコツも。この厳しい世界で生きる術を色々と学べた。

「おう、帰ったか坊主。木こりから聞いたぞ、災難だったな」

「はい。でも、色々と学べましたしこれからの予定も立てる事もできました!はい!昨日の飲み代です!」

「毎度・・・で?今後の予定ってのは何だい?」

「俺、しばらく稼いでからこの町から出て冒険者ギルドに入りたいと思います!!」

「・・・そうか」

 元から店主はテンションが高いタイプの人ではなかったが、俺が冒険者ギルドに入ると言うと、明らかに声のトーンが低くなった。何か不味いことを言ってしまったのだろうか?

「坊主、そういえば俺がお前に親身にしている理由・・・教えていなかったな」

「は、はい・・・」

「俺はな・・・お前と同じように遥か昔に別の世界からこの世界へと送り込まれた者・・・転移者だ」

「え・・・・・・」

 2人しかいない酒場に静寂が漂う。大きく深呼吸をして、呼吸を整えた店主は続きを話す。

「坊主と同じ世界か分からないが、俺は事故で死に、女神アモーラにこの世界へと飛ばされた。最初は使命を果たすべく魔族達と戦い続けた。斬って、殴って、すり潰して、貫いた。だが、ある日、俺は真実を知ってしまった・・・」

「真実?一体何の真実何です?」

「それは話す事は出来ない。女神はいつでも俺達の会話を聞いて、口出しをしてくる。実際俺は真実を知って様々な物を失った。お前にはそうなってほしくないのだ」

 そう語る店主さんはとても悲しそうに苦笑を浮かべる。

「さあ、もう寝ろ。明日も早いんだろ?」

「は、はい・・・お休みなさい・・・」

 女神アモーラ・・・貴女は俺に隠しているのか?今も聞いているんだろう?黙っていないで話したらどうです?

『貴方には関係のない話です。彼の言葉は忘れなさい・・・』

 それ以降、女神アモーラの声は聞こえなくなった。あまり話すなと言ったのは間違いだったかもしれない。

「俺は貴方を信用できない・・・」

 その日は疲れていたのに眠るのに1時間かかってしまった。


 一週間後、俺は木こりの仕事をこなし続け、ついに目標とする金額に到達した。稼いだ額は5万6000アモ。そのお金で怪我を治す『ポーション』、様々な毒を解毒する『解毒ポーション』、携帯食4日分、替えの服数着、リュックサック等を購入した。

 色々と揃っている町だが、まだできたばかりの町らしく一番欲しかった武器や防具が売っている鍛冶屋が無かった。かなり危険な旅になってしまうが仕方ない。武器は町で買う事にしよう。行商人もたまに歩いているらしいので出会えたら行商人から買おう。

 リュックサックに買い集めた品を入れ、背負う。かなりの重量だが、同時に安心感も得た。パンツ一丁で魔物や盗賊から逃げ回っていた時期が懐かしい。

「良し・・・行くか!」

 両手で頬を叩いて気合を入れる。大丈夫、この世界の知識は既に頭に入っている。冷静に物事を見て判断すればピンチも回避できる。

「おい、小僧。もう出発か?」

「はい!短い間でしたがお世話になりました!!この御恩、一生忘れません!!」

「一生か・・・それはありがたい。女々しい事を言うようだが、どうか忘れないでほしい。俺という男がいた事を・・・」

「・・・はい!」

 1週間という短い期間だったが、店主さんには本当にお世話になった。彼のお陰で今も生きていると言っても過言ではない。

「じゃあ、最後に俺からの餞別だ。受け取れ」

 そう言うと、店主は俺に向かって何かをなげてきた。慌ててキャッチすると、確かな重量感が腕に伝わってくる。それに僅かにカチャリという音も・・・これは・・・!

「剣!?」

 なんと!店主が俺に投げてきたのは鞘に納められた刃渡り45センチのブロードソードと言われる剣だった。持ち手を見るにかなり使いこまれているが、刃は新品の如く輝いている。

「もう俺には必要のない代物だ。お前が使ってやれ」

「・・・本当にありがとうございました」

 単なる鉄の重みだけではない。受け取ったブロードソードには店主の静かに燃える思いも込められている。俺は貰った剣を腰に携え、皆に見送られながら町を出て、冒険者ギルドがある城下町へと歩き始めた。
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