大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第六話 ギルドに入団!始まる冒険者としての生活

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 険しい道だった。長く厳しい道のりだった。

 歩けば魔物に襲われ、夜に眠れば追いはぎの盗賊が襲ってくる。少しでもリュックから目を話したら小動物に携帯食を喰われ、旅終盤には狩りを強いられた。可愛いリスを殺して泣きながら食べたのはこれからいい思い出として残っていくことを期待する。

 店主から貰った剣は大いに役に立った。お陰でステゴロでゴブリンと戦う羽目にならなかったし、盗賊からも身を守る事ができた。元冒険者の手入れが施されているからか、剣の切れ味はとても良く、剣術素人の俺でもなんとか魔物を倒す事ができた。

 そんな死と隣り合わせの道を歩く事、丸3日!!夕日が沈みゆく中、俺はフラム王国の中心、フラム城の城下町へと辿り着いた。城下町へと到着した俺は思わず、ありきたりな言葉を発してしまう。

「すげぇ・・・」

 息苦しく感じる人の群れ、響く金属音に地面を走る車輪音。前世ハマっていた中世ヨーロッパを舞台としたRPGの町そのものだった。ここで転移から5度目の異世界に来た自覚が芽生える。

 ぼーっと街並みを眺めていると、一つの大きな建物が目に入る。女神アモーラらしき女性が刻まれた大きな盾の形の看板の着いた小綺麗な建物だ。盾の看板の下にはデカデカとこう書かれている『冒険者ギルド』と。

「早速発見。それじゃあ、行きますか!」

 テンションがかなり上がっている幸助は走ってギルドへと向かった。


「どうだ!この立派なツノ!!凄いだろ!!一角竜のツノだぜ!!」

「「おおーー!!」」

「どうです?レディ?私のパーティに入りませんか?貴女のような美しい僧侶は是非ともうちの専属僧侶になっていただきたい」

「えへへ~そうですか~では、よろしくお願いしますぅ~」

 冒険者ギルドに入った瞬間、耳に入って来たのは数えきれない程の賑やかな会話と酒に酔う男達の叫びだった。どうやらギルドの中には酒場やレストランも設備されているようで、仕事終わりであおう勇ましい男女が酒を飲み、肉や魚を口に運んでいる。

 楽しそうな酒場に魅了されていると、ちょいちょいと肩を誰かにつつかれた。正気に戻った俺は後ろをふり向くと後ろに1週間前に林で魔物から助けてくれた少女冒険者が立っていた。頭の特徴的なウサギの耳のように大きな赤いリボンのお陰ですぐに分かった。

「ひっさしぶり~~!元気だった?その様子からして元気そうだけど!!」

「うん!そっちこそ!元気そうだね!改めてあの時は助けてくれてありがとう!!お陰で今があると言っても過言じゃないよ!」

「えへへ~そう?私もしかして凄い良い事しちゃった?やったぁ!!」

 ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ女冒険者。見ているこちらも元気が出る。

「ここに来たって事はギルドに入団しに来たんだよね?それならこっちだよ!!」

 手を引っ張られて連れていかれたのは入口から真っすぐ進んだ先にある受付窓口のような場所。そこにはいかにも仕事ができそうな美人の女性が受付嬢として座っており、突然やって来た俺を暖かな笑顔で迎え入れてくれた。

「受付嬢さん!この子、ギルドに入りたいんだって!!」

「はい、ではこちらに貴方のお名前と出身、その他の詳細をご記入してください」

 受付嬢が取り出したのはガサガサの質の悪い羊皮紙。これも店主から聞いた話だが、フラム王国にはまだ木で作る紙の技術が無いらしい。

 文字は日本語ではないが、女神に直接脳に言語をダウンロードしてもらったお陰で書く事はできる。身長や体重を書く欄もあるのか。年齢は18で誕生日は2月14日。身長は確か175センチだったか?それでいて体重は末期癌の時は45キロまで落ちていたけど、今の体は健康だった頃と同じだから、地球にいた頃と同じ63キロと書いておこう。さて、最大の難点である出身地だが、何て書こうか・・・。

「受付嬢さん!この人、転移者なんだって!!」

 悩んでいた所、横にいた少女冒険者が大声で申告してしまった。『転移者』と聞いて静まり返る酒場の冒険者達、始まるひそひそ話。やはり転移者は珍しいのだろうか?

「転移者の方ですか!かしこまりました。では、出身地の欄には転移前に住んでいた国をご記入下さい」

 一方の受付嬢さんは職歴が長いのか驚く姿を見せず、適切な対応をしてくれた。転移前の国で良いならと俺は出身地に『日本』とフラム語で記入した。

「あの、名前とか出身地とか書くのは分かるんですが、何で身長と体重?」

「依頼主の方の中には冒険者の詳細を要求する人がいるんです。その為の身長体重ですね。あと、緊急でパーティを組みたい他の冒険者の方に詳細として閲覧してもらう為です」

 確かに俺も指名依頼するなら、相手の詳細は知っておきたいかもしれない。中世でまだ技術も未発達だというのにシステムがかなりしっかりとしている。

「・・・はい!登録完了です!貴方はこれでこのギルドの一員です!頑張って依頼をこなして下さい!」

「はい・・・!って、入団料金とかは取られないんですか?」

「はい!取りません!その代わりとして命の保証ができませんから!!」

 物騒な事を満面の笑みで言ってくる受付嬢さんがとても怖い。何ならそこらへんの魔物より怖いかもしれない。

「では、次にこちらのカードに貴方の血を一滴垂らして下さい。このカードの名前は『ステータスカード』、貴方の身体能力や技術の高さを数字として表記してくれます」

「えっ、すご・・・」

「因みに私はレベル4だよ!凄いでしょ!!」

 少女冒険者はそう言って俺に自分のステータスカードを見せてくれる。レベル、体力、魔力、筋力、俊敏、耐久、頭脳と書かれており、文字の横には数字が表記されている。これは果たして技術なのか?それとも魔法なのか?

『魔法です』

 説明ありがとうメガミサマ。そして3日ぶり。あともう喋らないでくれ耳障りだから。

 女神を適当にあしらいながら渡された裁縫針で人差し指を刺し、出てきた血を垂らすと、真っ赤な血が一瞬で羊皮紙のカードに染み込み、文字の横に数字を表記した。レベルの文字の横には1と表記された。

「ふむふむ・・・レベルは当然ながら1、体力と筋力と耐久が平均より高めで、俊敏と頭脳が平均的で、魔力が低めですか・・・はい!分かりました!ではこれにて入団申し込みを終了させていただきます!お疲れ様でした!!」

「やったね!これで君も冒険者だね!コウスケ!!」

「うん!これからよろしくね。えっと・・・名前そういえば聞いて無かったね」

「そう言えばそうだね!私ったらバカだなーー!私の名前はアンリ・ラパン!!男の子みたいな名前だけど、れっきとした女の子だからよろしく!!」

「ああ、よろしくアンリ!」

 こうして俺の冒険者としての人生が始まった。ついに自由な人生のスタートである。
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