大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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一章 クソみたいな女神とクソみたいな異世界転移

第七話 冒険者の朝が来た

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「ふわぁぁ・・・良く寝た・・・」

 久しぶりのしっかりとしたベッドで眠った俺は特に何処も痛める事なく起きる事ができた。3日間野宿だった俺にとっては十分すぎる贅沢だ。

 幸助が睡眠に利用した施設は冒険者ギルドに付属する宿。食事も無い上に1部屋1部屋がとても狭く、壁も薄いが、1泊300アモと驚きの価格で眠れる貧乏な俺にとってはありがたい宿だ。

「よぉ、起きたか新人」

「あ、おはようございます」

「聞いたぜ、お前転移者なんだってな?」

「はい、1週間前くらいに魔の森に転移されました!パンツ一丁で!」

「魔の森!?おいおい!良く生きてたな!!」

 ギルドに所属する冒険者はお世辞にも優しそうな見た目はしていない。しかし、それなりに苦労しているらしく、新人イビリやパワハラはせず、親切にしてくれる良い人達ばかりだ。

 冒険者には色んな経歴の人がいる。元兵士、元盗賊、元貴族など、身元は様々だ。色んな人達がいるからこそ転移者の俺でもそこまで敬遠される事は無かったのだろう。

 冒険者は自由である。故にいつ起きても、いつ依頼に行っても文句は言われない。いわばフリーターのような職業だ。だが、大体の冒険者達は7時までには起きてギルドへと向かう。自分の望む依頼を手に入れる為だ。新しい依頼は毎日8時に掲示板に貼られ、それを100を優に超える冒険者達が我先にと依頼を取り合う。一言で言うならば、早い者勝ちなのだ。

 俺も先輩たちを見習って7時に起きて、30分で支度を終わらせ、ギルドへと向かう。ギルドに着くと、依頼が貼り出されるまで残り20分あるというのに既に依頼掲示板の前には大勢の冒険者達が依頼を待ち構えている。

「おっはよう!コウスケ!今日もいい天気だね!!」

「おはよう、アンリ」

 ギルドに入るや否やアンリが話しかけてくる。朝早いというのに大声を出せる元気は何処から湧いてくるのだろうか?

「あれ?コウスケ。並ばなくて良いの?さもないと良い依頼取られちゃうよ?」

「逆に割り込んで良い依頼取ったら他の冒険者から怒られそうだし、最初は余った楽そうな依頼をやりたいしね」

「ふ~~ん・・・じゃあ、私m──────」

「アンリちゃんアンリちゃん!こっちこっち!一緒に討伐依頼行こうよ~~!!」

 掲示板の所から媚びを売るような男の声が聞こえてくる。声の方向を向くと、俺と同い年位の魔術師らしき男がアンリに向かって手を振っていた。声と男のとろけたような顔からして、どうやらアンリに好意を向けているようだ。丁度いい。多分アンリは俺を依頼に誘いにやってきたのだろうが、今の俺は一人で依頼をこなしてみたいみたい気分だ。ここは魔術師の彼に押し付けるとしよう。

「行ってきなよ。俺は良いからさ」

「え?で、でも・・・」

「良いから良いから」

 アンリは少し残念そう・・・というか悲しそうな表情を浮かべると魔術師の男の方へと歩いて行った。

「アンリちゃん、アイツ誰?昨日はいなかったけど」

「彼はね、1週間前にこの世界に来た転移者だよ」

「ええ!?転移者!?駄目だよアンリちゃん~そんな怪しいヤツと一緒に居ちゃ~~」

 やはり、転移者を怪しく思う者も少ないようだ。おっと、そんな事を思いながらぼーっとしていたら受付嬢さんが掲示板の前へとやってきて、依頼を貼り始めた。

「おっ!飛竜退治!!これ行ってみよ!」

「宝石商の護衛ね・・・。依頼の出来次第で宝石もらえちゃうかも・・・!」

「おい!その洞窟探索の依頼は俺が最初に見つけたヤツだぞ!!」

「バッカ野郎。早いモン勝ちじゃい」

 物騒な依頼から夢のある依頼まで貼りだされているようだ。流石は国の中心にあるギルド、聞いているだけで心が弾む。しかし、こうやって賑やかな所を見ているとふと疑問に思う。魔族はどうしたんだと。

『魔族と人間の争いは実に70年程続いています。貴方に分かりやすく言うなら、百年戦争ですかね?』

 百年戦争。イギリス対フランスの世界でもかなり有名な戦争。その名の通り、100年続いた戦争であり、前半にはエドワード黒太子、後半にはジャンヌ・ダルクが登場した事でも有名である。百年戦争は100年間ずっと戦争していたわけではなく、良く休戦をしていたらしい。長い期間だと1年も休戦したこともあるとか。

 つまり女神アモーラは『今は休戦中』と言いたいのだろう。

『その通りです。ですので、今のうちに魔界に攻め込んで魔族の王を仕留めてほしいのですが・・・』

 レベル1になんちゅうお願いしてんですか。勘弁してくださいよ。後、さりげなく魔族討伐をやらせようとしないで下さい。俺の自由を侵害してますよ。

『・・・チッ』

 ついに舌打ちしやがったよこの女神。国教のシンボルが何やってんだよ。

 必要な知識といらん会話をしていると、いつの間にか掲示板の前の人混みは無くなっていた。先輩冒険者達は依頼を手に取り、冒険へと向かっていったようだ。

「さてさて残された依頼はっと・・・」

 『草原で薬草収穫』、『村の近くの洞窟にゴブリンが住み着きました。助けて下さい』・・・。

「う~~んどれも魅力的だけど、何か刺さらないな・・・お?」

 残った依頼を品定めしていると、とある依頼の紙が目に入る。

「『山奥の神像への御供え物』・・・良いね、行こう!!」

 そう言って指を弾くと、依頼の紙を掲示板から剥がした。
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