大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す

第十八話 ワイバーンとの契約

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 十数秒程、目の前で起きた落雷に硬直していた幸助は雷を打ってヘトヘトになっているジューペの方へと走っていき、文句を言いに行く。

「なあなあなあ!!魔術ぶっ放す時にさ、もう少し前置きあっても良かったんじゃないかな!?」

「し、仕方ないだろ・・・心身ともに限界だったんだからさ・・・何かに例えるならずっと息継ぎしないで水中にいるようなもんだったんだからさ・・・」

「分かりやすい説明ありがと!!でもさ、流石にやり過ぎじゃないか?」

 ワイバーンは身体のありとあらゆる所から黒い煙を出しており、目は白目を向いてしまっている。倒れてから既に2分は経過しているが、立ち上がる様子が全くない。それどころか生気すら感じない。村長達には殺さないようにとお願いされた冒険者達だったが、どうやら殺してしまったようだ。

「え・・・僕の魔術凄くね?」

「付け足すならアタシの防御エンチャントも凄いけどね」

 むふーっ!と変な声を出しながら胸を張るメアリーの頭を撫でる幸助。さて、村長達にはどう説明するかと思った時だった。

 幸助の後ろから大きな足が地面を掻く音と、低い唸り声が聴こえてくる。幸助の方を向いていた冒険者達は全員武器を構え、戦闘態勢を取る。後ろを振り向いていない幸助も後ろで何が起きているのか、大体予想がついたようで、顔を真っ青にしながら、抜剣し、振り向く。

 振り向いた先にいたのは身体から黒い煙を出しながらも、立ち上がるワイバーン。幸助の火炎車とジューペの全力の天罰パニッシュメントによって負わされた傷とやけどは脅威の再生力によって修復され、万全の状態となってフ再び冒険者達の前へと立ちはだかる。

「ごめん!やっぱ訂正!!まだまだ未熟でしたぁぁぁぁ!!ごめんなさいぃぃぃ!!」

「バッカ!怯えんな!!構えろ!!」

 冒険者達は戦闘の準備を整えるが、既に体力と魔力は消耗しきっており、先程のように戦う事なんて出来なかった。戦いの末に待っているのは勝利ではなく、死なのは確実。隙を見て下山し、マロン村で体勢を整えるか・・・全員がそう考え、足を後ろへと引いた。













『見事だった人間共よ・・・我は大いに感動した・・・』

 突如、なんの予兆も流れる謎の声。妙に威厳のある声は、幸助達を震撼させる。聞こえた時、第一に思ったことが武器を抜いてはいけないだった。抜いたらバチが当たると直感で理解した。

 異世界人であり、神との交流のある幸助と蘭丸は頭の中から聞こえてくる声に既視感を覚える。脳内に直接話す業。それは、女神アモーラが異世界人に連絡を取る為に使っていた手段にとても似ていたのだ。

「誰だ!?」

『お前たちの目の前にいるではないか。それともお前らは盲目なのか?』

 目の前にいるのは、立ち上がったワイバーン。その事実に驚くが、あり得なくはないと思ってしまうのは、ワイバーンが完全なる人間の上位互換だからだろう。

『我はお前らと舌の構造が違う為、念力で脳内に直接我の言葉を届けている。不快な者がいれば遠慮なく言ってくれ』

「あ、あの!すみません!もう少し音量下げてもらうことってできます?」

『あい分かった』

 ジューペが要求すると、聞こえてくる声の音量が下がる。この時、幸助と蘭丸は女神アモーラはわざと音量を大きくしていたことに気づいて更に腹を立たせる。

 冒険者達はワイバーンの言葉に首を傾げた。言葉自体に疑問を持ったのではない。喋り方に違和感を抱いたのだ。先程まで殺しあっていた間だというのに、ワイバーンはまるで冒険者達を讃えるように話している。そのわけは聞く前に、ワイバーンが話してくれた。

『お前らは我を楽しませてくれた。だから、こうして礼を述べている。感謝するぞ、人間。おかげで暇死せずに済んだ』

 いきなりの造語にワイバーンの威厳が少し霞むが、同時にチャンスだと冒険者達は考えた。話せるという事は交渉できるという事。追い払うよりももっと平和的な解決が可能となったという事なのだ。

 早速、フランは交渉を試みることにした。

「すみません!少しお願い良いですか?」

『なんだ?言ってみろ』

「この山の麓に村があるのはご存知ですよね?その村が貴方の咆哮で被害を被っています!何とかやめてもらう事はできるでしょうか!?」

『容易い事だ、約束しよう。我は麓の村を襲わない。村から攻撃をしてこなければな』

「それは村人に話しておきます!ですので、こちらの紙に貴方の体のほんの一部分を付着させて下さい!!」

 フランが取り出したのは契約の神の力が宿った結び草で作った契約書。この紙で作られた契約書に自分の名前、または体の一部分を入れれば、契約は成立。契約した者は契約内容を破る事ができなくなるという裏切りを起こさせない為に作られたような紙である。

 ワイバーンはどうやら紙に宿っている力を感じ取ったようで、涙を一滴、契約書に垂らした。契約書にはマロン村が攻撃してこない限り、攻撃しないようにと書かれている。

『・・・これで良いな?』

「はい!あと、もう一つ頼まれて欲しいことがあるんですが、よろしいでしょうか?」

『言ってみろ』

「そうですか!では──────」

 フランはもう一つのお願いをすると、ワイバーンは快く承認してくれた。
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