大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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三章 黄金の愛と銀の翼の騎士、2人ともぶっ殺す

第二十一話 蘭丸、本気を出す

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 幸助とメアリーが仲良く洞窟の中でさまよっている中、蘭丸達待機組は怪我した者の治療を完了させていた。

「イテテ・・・ありがとうございます、ランマルさん・・・」

「仲間だろう?このくらいは当たり前だ。それにしても、遅いな・・・」

 蘭丸達が帰ってきていない事に不安を抱いているようだ。帰ってこないのは、穴に落っこちて洞窟をさまよっているからだろうか。その代わりと言わんばかりに別の足音がメアリーと幸助が走っていった方向から蘭丸達の方へと向かってきている。

「ん・・・」

 聴力が優れた蘭丸は他の者達よりも素早く聴き取り、立ち上がる。数秒後、フランも立ち上がった。聴こえる足音は全部で4種類。普通の歩き方ではなく、そろりそろりとなるべく音を殺している足音だ。しかし、葉と小枝を踏む音でバレてしまっている。

「・・・ランマル」

「ふらん殿はここにいてほしい。拙者が全員仕留める」

「危なくなったらこっちにすぐに戻ってこい」

「承知」

 フランの言葉に首を縦に頷かせると、蘭丸は近くの木に向かってジャンプした。



「なあ~~親分~~いい加減普通に歩きましょうよ~~こんなちんたらした歩きじゃあ、いつまで経ってもアイツらのいる場所に着きませんって~」

「いいや、やめない。お前らは弱いから普通の冒険者との真正面との戦いにも勝てねぇからな。アモーラ様から時止めの能力も貰ってるのに負けるくらいだからな」

「ぐう・・・正論すぎて何も言い返せねぇや・・・」

 文句を垂れながらも、盗賊達は親分に従って忍び足で近づいていく。しかし、彼らは普段は忍び足なんかしないせいで、落ちている乾燥した葉や小枝を踏みまくりで忍び足の意味がほとんどなくなってしまっている。その経験の少なさが彼を呼んでしまった。

 バタリと突然、毒の葉の海にうつ伏せになるように倒れる下っ端1人の下っ端盗賊。

「どうした?具合でも悪いのk──────」

 歩み寄り、立ち上がらせようとした親分の言葉が詰まる。言葉が詰まった原因は下っ端盗賊の頭に深々と刺さっているナイフだった。刺された箇所からは酷い出血を起こしており、盗賊は既に絶命してしまっている。再生の魔術か奇跡で治しても、生き返る事はないだろう。

「おい!嘘だろ!!起きろよ!!こんな所で寝てたら毒を吸っちまうz──────」

 仲間の死に耐えきれなくて涙を流しながら動かぬ死体になった仲間の身体を揺らしている盗賊の頭にも、ぐさり。とナイフが刺さる。死んだ盗賊は涙を流しながら絶命した。

「ひ、ひぃぃぃぃ!!天罰だぁ!女神アモーラからの天罰だぁぁぁぁぁぁ!!」

 残りの1人は仲間が目の前で原因も分からずに死ぬ光景を見て恐怖したのだろう。武器を捨て、尻尾を巻いて逃げてしまう。

「おい!バカ!勝手に動くんじゃ──────」

 呼び止めようとしたが、数秒遅かった。走り始めた頃には、既に上からナイフが落ちてきており、見事に最後の下っ端盗賊の頭に深々と突き刺さる。

「あっ・・・」

 下っ端の最後の言葉はたった一文字だった。

「な、な、な・・・何て事だ・・・絶対にあの冒険者達だ・・・俺達の気配に気づいていたというのか?」

「左様。お主達の雑な忍び足など、簡単に聞き取れるわ」

「・・・・・・・ああああああああああああああああ!!」

 残された盗賊親分は唐突に発狂しだすと、何もない空間に槍や斧、剣やナイフなどの刃物を無数に生み出し、四方八方に打ち始めた。何も考えずに怒りに任せて放った能力攻撃は、木や植物を斬るだけで、生き物を斬る音は何処からも聴こえてこなかった。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「成程・・・理解した。お主の能力は何もない空間に武器を作る能力。即興で武器が作れる代わりに体力の消耗が激しいようだな。道理で丸っこい身体をしているわけだ」

「体型は元からだ!姿を現せ、卑怯者!!正々堂々と真正面から戦え!!」

「数分前のお主に聞かせてみたいものだ・・・まあ、良い。姿位は見せてやろう」

 木の上から落ちてくる黒い影。ほとんど音もなく、姿を現したのは異国の服装の女の顔をした男だった。

「へっ、女々しい顔した男だな。そんな顔で俺に勝てると思っているのか?」

「・・・・・・ならば、試してみたらどうだ?」

「舐めやがって!うおおおおおお!!」

 サーベルを抜き、男へと振るうが、毎度毎度スレスレの紙一重の状態で避けられてしまい、全然傷つける事が出来ない。余裕のあるよけ方から顔に似合わず、かなりの手練れ。なのに、何故か腰に帯びている異国の剣とサーベルを抜こうとはしない。舐めているのだろうか?なら──────。

「余裕をなくしてやんよ!!!」

 自分の背後以外の全ての方向に槍を生成する。その数驚異の132本!消費したエネルギーは食事10回分!腹も1センチ凹んだ!

「死ねぃ!串刺しパラダイス!!」

 掛け声と共に一斉に槍が飛んでいく。槍が向かっているのに、男がにやけているのは何故だろうか?

「『策士、策に溺れるとは・・・この事だな』」

「は?」

 フラム語ではない言語を呟くと、右へと走っていく。右も当然槍がある。絶対命中だ。だが、命中というのは当たるのが確実だというだけで、確実に殺せるという意味ではないという事を盗賊は知る事になる。

「邪魔だ・・・!」

 男は俺との戦闘中に抜かなかった刀を抜くと、向かおうとしている先の槍だけを薙ぎ払い、ノーダメージで串刺しパラダイスをくぐり抜けてしまった。

「え・・・」

 残った俺はというと、男に刺さるはずだった槍が身体に刺さってしまった。

「あ・・・が・・・そ、そんなバカな・・・」

 槍がありとあらゆる箇所に刺さった盗賊親分は、松ぼっくりのような見た目となり、前のめりに倒れる。倒れる際、胸の部分に浅く刺さっていた槍の石突が倒れた勢いで地面に押されてしまい、盗賊親分は自動的に心臓を貫かれ、絶命した。

「・・・しくじった。幸助とめありーと居場所を聞こうとしたのに・・・仕方ない。自力で探すとしよう」
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