大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

文字の大きさ
138 / 212
四章 魔族との和平交渉

第四話 闘神との契約

しおりを挟む
「きゃあ!!ななな何でこの人裸なんですか!?」

「裸ではない!よく見ろ!!股間は隠してある!」

「だとしても肌の露出が多すぎはしませんかね?」

 変態は両手を広げて近づいてくる。普通なら、剣を構えて牽制するべきなのだろうが、本能が剣を・・・というよりも敵意を持ってはいけないと叫んだ。理由は分からない。こんなの初めてだ。

「はははは!!何故警戒する?こんなにもフレンドリーに接しているというのに」

「初対面は猫被るのが普通なんですよ、

 ファイト―ル?何処かで聞いた事のある名前だ。フランさんが様を付けて話している。それにラコルト様と同じ雰囲気を感じる。いや、むしろラコルト様よりも神々しいまである。まさかとは思うが・・・。

「・・・神様?」

「正解だ!まあ、隠していないから流石に分かるか!!ハハハハ!!」

 色々と隠していない男の正体は案の定、神だった。確か闘神を信仰しているフランさんを使いにした事から考えるに恐らくは闘神ファイト―ルだろう。本能が敵意を向けるのを拒んだのも恐らくは闘神の溢れ出る実力からだろう。

「えっと・・・ファイト―ル様?」

「何だ!」

「俺達が呼ばれた理由ってなんですか・・・?」

 俺とメアリーは別に闘神に仕えているわけではないのに、どうして呼ばれたのだろうか。

「ん?今、不思議に思ったな?そうだろう?そうだろう!!なんたって、君達は俺の信者ではないからな!!ハッハッハ!!説明しよう!!俺は半年前、最近行動が怪しいアモーラの動きを観察!そして!何をしているのか調べあげた!!」

「はぁ・・・」

 やっている事は凄いのだろうが、いかんせん、言葉遣いと声の大きさが、行動の凄さを半減してしまっている。

「その結果!女神アモーラはグレーゾーンで異世界から身体能力の高い人間をこの世界に持ってきている事と、この世界の人間に君を殺させる為に過激派の子らに力を与えている事まで!」

 意外にも、ファイト―ルはしっかりと調べていた事に内心驚く幸助。だが、まだ驚くには少し早すぎた。

「更に!!異世界に飛ばされた君がアモーラに無謀な復讐をしようとしている事も!俺の信者が多い、地底人を殺そうとしている事も!全て知る事が出来たぁ!!」

「・・・貴方が全てを知っている事は十分に分かりました。つまりは俺達に何を言いたいんですか?」

 俺は全てを知っているぜ!・・・何て事をアピールする為に呼んだわけではないだろう。何かもっと、俺達に用が合ってフランさんを使って呼んだはずだ。

 幸助から要件を聞かれると、ファイト―ルは口角をニヤリと上げ、手を差し伸べてきた。

「俺と手を組んでアモーラを神のトップから引きずり下ろしたくはないか?」

 ファイト―ルの要件は、幸助の復讐にも通ずるものだった。恐らくアモーラの性格は玉座に座り過ぎた故の影響。つまりは神のトップという玉座に依存している事になる。そんなアモーラからトップの座を奪い取ったらどうなるだろう?きっと、死よりも屈辱的なはずだ、と幸助は5秒かけて理解した。そして、更に5秒後、幸助は鍛え上げられたファイト―ルの手を握り返した。

「地べたを這いずりまわせましょう」

「その意気だ!!」

「な、なら私も協力します!」

「ほうほう!!君は別にアモーラに何かされたわけでもないのに、何故協力するのかね?」

「それは勿論!コウスケさんの為です!コウスケさんは私の人生の全てと言っても過言ではないですから!!」

 船の錨のように重い発言に、ファイト―ルもニッコリ!彼女の手も握り返した。

「では、君達にはプレゼントをあげよう!!武器を前に出したまえ!!」

「えっ?あ、はい」

 言われるがまま、幸助は剣を、メアリーはガントレットをファイト―ルの前に出す。すると、ファイト―ルは武器の上に手を出し、念じ始めた。

「きえぇぇぇぇぇい!!」

「祈祷師?」

 奇妙な声と共に、ファイト―ルの手の平が光り出す。光は粉のように幸助の武器にふりまかれ、光の粉は武器に付着していく。付着するや否や、変化は始まった。幸助の剣の鍔にはファイト―ルの紋様が刻まれ、メアリーのガントレットの拳部分にも同様の紋様と共に赤のペイントが細部に加わった。

「こ、これは・・・?」

「俺との友情の証のようなものだ!切れ味とか、耐久性は変わらないが、戦いで得る事が出来る経験値は1.5倍になったぞ!!名づけるなら、そう!闘志の剣と闘志の拳だ!!」

「ガチか!!これで俺もレベル10の域を突破できる日も近いというわけか・・・フフフ」

 幸助はワイバーンと戦ってレベルが10になって以降、レベルが10から全く上がらなくなってしまったのだ。どんなに戦って勝っても上がらないレベルを見てうんざりしていた幸助にとっては、経験値増幅はどんなプレゼントよりも貰って嬉しいものだった。

「では、アモーラを引き下ろす前にこの国の抱えた問題を解決しなければな!その問題を解決したら自然とアモーラは不利になるのは確実だ!!」

「フラム王国の問題・・・?まさか・・・!!」

 ここ数十年続いている戦争相手。地下に拠点を有し、地上を手に入れようとしているもう1つの人類・・・。

「地底人・・・別名魔族だ!まあ、魔族という名前はアモーラが勝手につけただけなんだけどな!!君達にはフラムの代表として地底人を説得してきて欲しい!!」

 説得・・・つまり終戦を提案してこい、というかなり難易度の高い依頼だった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...