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四章 魔族との和平交渉
第十二話 恐怖!吸血の鎧の男
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「うぉおおおおおおお!!」
「あぁぁぁぁぁぁ:・・・!」
冷静さを失った先輩冒険者の剣撃は、鎧を着ているはずの男に容易に避けられてしまう。当たったとしても掠った程度で先程のように全く傷を負わせる事ができない。
別に先輩冒険者の力が素早さが落ちたわけではない。寧ろ、短期決戦を意識して体力を湯水のように消耗しているお陰で先程よりも動きは良い。怒りで剣術もへったくれも無くなってしまっているが。
それにも関わらず、全く当たらない。それは何故か?第三者の幸助には良く分かった。
「鎧の男の動きが良くなってる・・・」
2人の冒険者を干からびさせてから鎧の男の動きが明らかに良くなったのだ。胸を貫かれる前よりも素早く、人間らしく剣を回避している。
その事に幸助とメアリーは気づいたが、冷静さを失った先輩冒険者はその事に全く気づいていない。気づかず、相手の術中に底なし沼にハマるように落ちていっている。
幸助は叫んで、その事を伝えようとしたが──────
「うるさい!黙って見ていろ!決して手を出すんじゃないぞ!!」
頭に血が上っており、幸助の言葉に耳を貸そうとはしなかった。もし、幸助が身を挺して訴えても今の彼なら容赦なく幸助を切り伏せるだろう。どうするべきか考えていたその時、最悪のシナリオが訪れてしまう。
「あぁぁぁぁぁ!!」
「ぐぼぉ・・・!!が、はぁ・・・」
波打つ剣に先輩冒険者の剣が弾かれてしまい、その結果、隙だらけになってしまった胸を剣で貫かれてしまったのだ。
「先輩!!」
先輩冒険者を呼ぶ声に彼は返事をする事はできない。何故なら、既に彼の肉体は生命体としての活動を終え、魂は抜けてしまっているのだから。
支える力を失った先輩冒険者の身体は波打つ剣と共に仰向けに倒れていく。鎧の男は先輩冒険者を中心に着々と出来ていく血の池に躊躇なく足を踏み入れると、死体を踏みつけ、刺さった剣を引き抜いた。
「ッッ・・・・!!」
死体を足蹴にするという死者の冒涜の代表例とも言える行為を行った鎧の男に幸助は激しい怒りを覚えると同時に、深呼吸を行い冷静な判断が出来るように心を整える。戦争でも、タイマンでも、常に冷静な者がその場を制する。半年以上この世界で戦い続けてきたお陰で身に着いた教訓だ。
なら、先輩はその事を知らなかったのか?と聞かれると俺は首を横に振る。彼も戦いが溢れるこの世界のこの時代に生まれたのだ。幼き頃から頭に叩き込まれていた。常識と言っても過言ではないだろう。だが、仲間の死はその常識を意図も簡単に覆す程の力を持っていた。ただそれだけの話だ。
俺ももし、目の前でメアリーが殺されたら発狂して敵を一刻も早く殺さんと躍起になっているはずだ。非常に申し訳ないが、先輩達の死は俺に我を忘れる程の怒りを沸かせる事は無かった。ただ、鎧の男を殺さなくてはならない理由は出来た。
「メアリー」
「オーケー・・・」
名前を呼んだだけで心意を理解したメアリーは闘志の剣に雷を纏わせる。自分の拳には纏わせない。タイマンで戦いたいと幸助が背中で語っている事を理解したからだ。
「あぁぁぁぁぁ・・・あああああああああ!!」
標準は狙い通り、幸助に向けられる。複雑な切り傷を作る波打つ剣が鉢金しか巻いていない頭・・・ではなく、腕を狙う。何故、頭を狙わなかったのだろう・・・幸助は鎧の男の真意を考えながらバックラーではじき返し、剣を鎧に押し付ける。
「あばばばばばばばばばばばばばば!!」
剣に帯びた雷は鎧を構成する金属を通し、中身を感電させる。このまま中身が死ぬまで接触させておきたかったが、剣を握っていない方の手が迫ってきている事にいち早く気付いた幸助は、すぐに3歩後退し、鎧の男の手から逃れる。
「危ない危ない・・・コイツさりげなく、俺から先輩達みたいにエネルギー?を吸収しようとしてたぜ絶対」
「それじゃあ、吸収する手を斬っちゃえば良いんじゃないですかね」
「それ、採用!」
鎧の男の波打つ剣を身体を反らして避け、腕ごと剣を弾き、胴体に電撃を喰らわせる。同じ手を二度喰らっているだけでなく、全く対策していないのを見るに、知性ではなく、本能で動いているようだ。
「あああああああああがあああああああああ!!」
そして、またもや手を伸ばして俺のエネルギ―を吸収しようとしてくる。そんな盗人の手を俺は籠手ごと両手を切断した。
「ああああああああ!!ああああぁぁああああ!!」
「今だっ!!」
切断された両腕からホースのように血液を噴射する鎧の男にタックルを決め、仰向けに倒し、鎧ごと男を貫いた。
「ぐぼぉ!!」
「ふんっ!」
兜の隙間から血の泡を吹いているが、構わず剣を捻り肉を混ぜる。内臓と砕けた骨が混ざりあう不快な音は耳に入ってくるが気にせず内臓を破壊していく。
「あ・・・あ・・・」
しばらく藻掻いた鎧の男だったが、手の斬られた腕を幸助の方に伸ばしたのを最後に絶命する。心配だったので、数秒刺しっぱなしにした後に引き抜き、刃に付いた血や内臓の欠片を布で拭った。
「ふう、人を殺すのは全然慣れないな・・・」
「あまり慣れない方が良いと思いますよ。常識が狂ってしまいますから。それよりも・・・コイツ、何だったんでしょうね?」
メアリーは地面に倒れる死に絶えた鎧の男に視線を落とす。非常に厄介な能力を持っていたが、その正体は謎。地底人との戦争で置いて行かれて精神がおかしくなってしまった戦争参加者だろうか?
「ちょっと、兜外してみますね」
「頼む」
メアリーは比較的血が広がっていない鎧の男の頭部の方まで回り、留め具を外し、鉄兜を脱がせる。脱がせると、そこから現れたのは、幸助と似た系統の顔立ち──────つまりはアジア人の顔だった。
「コウスケさんと同じ東洋の顔の人ですね。でも、どうして・・・」
フラムは宗教も様々な人種もお構いなしに入れる国だ。この世界のアジア人がフラムにいて、戦争に参加していtって可笑しくはない。おかしくはないのだが、触れた相手のエネルギーを自分のモノにする奇妙な能力を見た後に見ると、色々と勘ぐってしまう。それは、自分が異世界から来て、来る際にアモーラから特殊能力を貰える立場だったからだろう。
「メアリー、右肩の鎧も外してくれないか?」
「はい、分かりました・・・・・・って、ええっ!?こ、これって・・・!!」
「やっぱりか・・・」
右肩には幸助の復讐対象である、女神アモーラの紋様が刻まれており、幸助とメアリーを戦慄させた。アモーラは今でも人気の神だ、別に驚く必要はない。それなのに、驚いたのは、アモーラから力を授かった狂信者に痛い目に合わされた過去があるからだろう。
幸助の読み通り、鎧の男の正体は幸助と同じ道を辿ってきた異世界人だったのだ。
「あぁぁぁぁぁぁ:・・・!」
冷静さを失った先輩冒険者の剣撃は、鎧を着ているはずの男に容易に避けられてしまう。当たったとしても掠った程度で先程のように全く傷を負わせる事ができない。
別に先輩冒険者の力が素早さが落ちたわけではない。寧ろ、短期決戦を意識して体力を湯水のように消耗しているお陰で先程よりも動きは良い。怒りで剣術もへったくれも無くなってしまっているが。
それにも関わらず、全く当たらない。それは何故か?第三者の幸助には良く分かった。
「鎧の男の動きが良くなってる・・・」
2人の冒険者を干からびさせてから鎧の男の動きが明らかに良くなったのだ。胸を貫かれる前よりも素早く、人間らしく剣を回避している。
その事に幸助とメアリーは気づいたが、冷静さを失った先輩冒険者はその事に全く気づいていない。気づかず、相手の術中に底なし沼にハマるように落ちていっている。
幸助は叫んで、その事を伝えようとしたが──────
「うるさい!黙って見ていろ!決して手を出すんじゃないぞ!!」
頭に血が上っており、幸助の言葉に耳を貸そうとはしなかった。もし、幸助が身を挺して訴えても今の彼なら容赦なく幸助を切り伏せるだろう。どうするべきか考えていたその時、最悪のシナリオが訪れてしまう。
「あぁぁぁぁぁ!!」
「ぐぼぉ・・・!!が、はぁ・・・」
波打つ剣に先輩冒険者の剣が弾かれてしまい、その結果、隙だらけになってしまった胸を剣で貫かれてしまったのだ。
「先輩!!」
先輩冒険者を呼ぶ声に彼は返事をする事はできない。何故なら、既に彼の肉体は生命体としての活動を終え、魂は抜けてしまっているのだから。
支える力を失った先輩冒険者の身体は波打つ剣と共に仰向けに倒れていく。鎧の男は先輩冒険者を中心に着々と出来ていく血の池に躊躇なく足を踏み入れると、死体を踏みつけ、刺さった剣を引き抜いた。
「ッッ・・・・!!」
死体を足蹴にするという死者の冒涜の代表例とも言える行為を行った鎧の男に幸助は激しい怒りを覚えると同時に、深呼吸を行い冷静な判断が出来るように心を整える。戦争でも、タイマンでも、常に冷静な者がその場を制する。半年以上この世界で戦い続けてきたお陰で身に着いた教訓だ。
なら、先輩はその事を知らなかったのか?と聞かれると俺は首を横に振る。彼も戦いが溢れるこの世界のこの時代に生まれたのだ。幼き頃から頭に叩き込まれていた。常識と言っても過言ではないだろう。だが、仲間の死はその常識を意図も簡単に覆す程の力を持っていた。ただそれだけの話だ。
俺ももし、目の前でメアリーが殺されたら発狂して敵を一刻も早く殺さんと躍起になっているはずだ。非常に申し訳ないが、先輩達の死は俺に我を忘れる程の怒りを沸かせる事は無かった。ただ、鎧の男を殺さなくてはならない理由は出来た。
「メアリー」
「オーケー・・・」
名前を呼んだだけで心意を理解したメアリーは闘志の剣に雷を纏わせる。自分の拳には纏わせない。タイマンで戦いたいと幸助が背中で語っている事を理解したからだ。
「あぁぁぁぁぁ・・・あああああああああ!!」
標準は狙い通り、幸助に向けられる。複雑な切り傷を作る波打つ剣が鉢金しか巻いていない頭・・・ではなく、腕を狙う。何故、頭を狙わなかったのだろう・・・幸助は鎧の男の真意を考えながらバックラーではじき返し、剣を鎧に押し付ける。
「あばばばばばばばばばばばばばば!!」
剣に帯びた雷は鎧を構成する金属を通し、中身を感電させる。このまま中身が死ぬまで接触させておきたかったが、剣を握っていない方の手が迫ってきている事にいち早く気付いた幸助は、すぐに3歩後退し、鎧の男の手から逃れる。
「危ない危ない・・・コイツさりげなく、俺から先輩達みたいにエネルギー?を吸収しようとしてたぜ絶対」
「それじゃあ、吸収する手を斬っちゃえば良いんじゃないですかね」
「それ、採用!」
鎧の男の波打つ剣を身体を反らして避け、腕ごと剣を弾き、胴体に電撃を喰らわせる。同じ手を二度喰らっているだけでなく、全く対策していないのを見るに、知性ではなく、本能で動いているようだ。
「あああああああああがあああああああああ!!」
そして、またもや手を伸ばして俺のエネルギ―を吸収しようとしてくる。そんな盗人の手を俺は籠手ごと両手を切断した。
「ああああああああ!!ああああぁぁああああ!!」
「今だっ!!」
切断された両腕からホースのように血液を噴射する鎧の男にタックルを決め、仰向けに倒し、鎧ごと男を貫いた。
「ぐぼぉ!!」
「ふんっ!」
兜の隙間から血の泡を吹いているが、構わず剣を捻り肉を混ぜる。内臓と砕けた骨が混ざりあう不快な音は耳に入ってくるが気にせず内臓を破壊していく。
「あ・・・あ・・・」
しばらく藻掻いた鎧の男だったが、手の斬られた腕を幸助の方に伸ばしたのを最後に絶命する。心配だったので、数秒刺しっぱなしにした後に引き抜き、刃に付いた血や内臓の欠片を布で拭った。
「ふう、人を殺すのは全然慣れないな・・・」
「あまり慣れない方が良いと思いますよ。常識が狂ってしまいますから。それよりも・・・コイツ、何だったんでしょうね?」
メアリーは地面に倒れる死に絶えた鎧の男に視線を落とす。非常に厄介な能力を持っていたが、その正体は謎。地底人との戦争で置いて行かれて精神がおかしくなってしまった戦争参加者だろうか?
「ちょっと、兜外してみますね」
「頼む」
メアリーは比較的血が広がっていない鎧の男の頭部の方まで回り、留め具を外し、鉄兜を脱がせる。脱がせると、そこから現れたのは、幸助と似た系統の顔立ち──────つまりはアジア人の顔だった。
「コウスケさんと同じ東洋の顔の人ですね。でも、どうして・・・」
フラムは宗教も様々な人種もお構いなしに入れる国だ。この世界のアジア人がフラムにいて、戦争に参加していtって可笑しくはない。おかしくはないのだが、触れた相手のエネルギーを自分のモノにする奇妙な能力を見た後に見ると、色々と勘ぐってしまう。それは、自分が異世界から来て、来る際にアモーラから特殊能力を貰える立場だったからだろう。
「メアリー、右肩の鎧も外してくれないか?」
「はい、分かりました・・・・・・って、ええっ!?こ、これって・・・!!」
「やっぱりか・・・」
右肩には幸助の復讐対象である、女神アモーラの紋様が刻まれており、幸助とメアリーを戦慄させた。アモーラは今でも人気の神だ、別に驚く必要はない。それなのに、驚いたのは、アモーラから力を授かった狂信者に痛い目に合わされた過去があるからだろう。
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