大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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四章 魔族との和平交渉

第三十四話 殺し合いに卑怯なんて通じない

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 ドォン!爆発音と共に急ごしらえで溶接された門が破壊される。俺達は這い出るように門を潜り、再び魔族の町へと侵入した。

 忌まわしい魔族の女子供は町の奥へと走っていき、男、兵士、騎士達は俺達の前に立ちはだかる。世界の癌が人間の真似なんてしてんじゃねぇよ、虫唾が走る。

「殺す!殺す!殺す!」「魔族!魔族ぅぅぅぅ!!」

 俺と幹部3人以外にまともが居ないのはその次に虫唾が走る。あまりにも精神がモロすぎる。たった45回の戦いで精神が崩壊するなんて。元の世界では、甘ったるい生活を送っていたに違いない。まあ、命令は聞くし、目的は一緒だから良いのだが。

 幸か不幸か、俺は元の世界の時代と今いる世界の時代が似ており、しょっちゅう戦争を起こしていた。お陰で他のヨワヨワな奴らとは違って精神が完成されきっている。

 魔族を数十人蹴散らし、千切り、首を跳ね、進んでいく。殺しながら進んでいたら、町の中心と思われる場所へと進んでいた。そこではまだ逃げきれていない女子供が恐怖に震える身体を抱き寄せ合っており、ほんの僅かだが、罪悪感を感じてしまう。人間の真似した魔物ごときが人間様の感情を揺らすんじゃねぇよ。

「忌々しい魔族よ!良く聞け!我々は今日!お前らとの戦いに終止符を打つ!!お前の首をアモーラ様に捧げるから覚悟しておけ!」

 脅し文句を言っても、構えが崩れる事は一切ない。使っている言語は全く一緒なので、通じているはずだ。それでも反応しないのは、魔族が戦いと血に飢えた人の形を真似たバケモノだからだろう。

「終止符を打たれるのはテメェらだ!地上人と異世界人の面汚しが!恥をしれ!!」

「その声・・・裏切者だな!?」

 魔族の騎士達を退けて俺の前に現れたのは俺と同じ異世界人の裏切者だった。

「そうさ、俺は裏切者さ。ところでアンタの名前は?」

 裏切者も挑発には乗ってこない様子。見下される立場だというのに、俺を見下すような表情を浮かべているのが何とも腹立たしい。

「ミストだ。文句あるか?」

「文句はないけど、すぐに消え去ってしまいそうな名前だ」

「・・・はぁぁ?」

 今コイツ俺の名前をバカにしたのか?母がつけてくれた美しい名前をコケにしたな?

「アヒャヒャヒャ!」

「ッッ~~~!!黙れぇぇぇぇ!!」

 裏切者の暴言の何が面白いというのだ。無礼にも笑った仲間をアモーラ様から貰った力で生き埋めにする。数分もすれば窒息して死亡するだろう。

「はぁ、はぁ・・・裏切者、俺の名前をバカにしたお前は生き埋め程度じゃあ、すまさないぞ!地中の奥深く、までマグマに落としてやる!!」

「マグマ!?おいおい勘弁してくれよ!それじゃあ、俺が死んじゃうじゃないか!」

「アモーラ様を裏切ったのだから当然だろう!何を間抜けな事を抜かすんだ!!」

 そろそろイラつきがマックスまで溜まって来たので、能力を使おうと、手の平を裏切者に向ける。案の定、裏切者は必至に止めてきた。

「待って!待って!落ち着こうよ!お互いまだ出会ったばっかりじゃないか!それにミスト、君は話が通じるみたいだし」

 言動は実に腹立たしいが、後ろの話の通じない奴らよりかはマシのようだ。幹部以外と最近話していないし、話すのも良いだろう。

「君は地底人の事を何だと聞いている?」

「女神アモーラ曰く、人間の形をした魔物。いずれ人間を滅ぼす存在だと聞いている」

「俺は魔物ではないと確信があるのだが・・・まあ、その説明は後回しにしよう。魔物だからという理由でミストは地底人を殺すのか?」

「当たり前だ。既に地上に実害が出ている」

「この国にも出ている」

「害虫駆除みたいなものだよ。そして、君はそんなゴキブリ共に同情する気持ちの悪い奴。どうだ?今なら仲間に引き入れてやってもいいぞ?」

「彼らは魔物でも無ければ、害虫でもない!ちゃんとした人間だ。血液を検査すれば分かる。証拠は山ほどあるのにどうしてアモーラとかいう曖昧な理由で殺そうとする?」

「今、アモーラ様の事をバカにしたな裏切者・・・」

 聞いていれば妄言ばかり吐きやがって・・・もう我慢ならない!

「やはり貴様はここで殺す!アモーラ様の為にもな!!」

「そのアモーラは最近どうだ?連絡はしてくるか?脳に直接話しかけてくるか?話しかけてこないだろう?」

「貴様!何故その事を!!」

「どうせ言っても信じねぇから言わねぇよ。それよりも何で連絡が無いか教えてやろうか?それはな、アモーラは身勝手な行動が災いして他の神々に裁かれているんだよ!」

「なっ・・・!そんな馬鹿な!有り得ない!!高潔なアモーラ様が裁かれるなど!有り得ない!!」

「分かるよ、分かる。自分の崇拝するものはなるべく清く正しくあって欲しいよな。俺もそういう感情あるから分かる。ラコルト様が違法薬物栽培してたら絶望するし」

 さっきから人をおちょくるようなことばかり言いやがって。一体何が目的なんだ?話すごとに話題から本題からずれていっているような気がする。イライラしながら裏切者の思考と読もうとしていると、1人の魔族の兵士が裏切者に向かって走ってくるやいなや敬礼をした。

「同志コウスケ殿!準備が完了したそうです!!」

「そっか。それじゃあ、始めますか!」

 何かの開始を宣言すると、腰に帯びた剣を引き抜く。ついに戦う気になったのかと、こちらも武器を構えると、裏切者は剣をこちらには向ける事なく、地面に深々と突き刺した。瞬間、足元が地面に掘られるように刻まれていた模様に沿って真っ白に光りだした。

 白く光った事で自分らが何の上に立っていたかを気づかせる。魔法陣だ。妙に話が長いと思ってたが、俺らを油断させ、時間を稼ぐ為だったのか!

「じゃあな、ミスト・・・・・・・・・『テレポート』!!」

 転移魔術テレポートの名を叫ぶ。魔法陣から抜けようと急いで走り出したが、既に遅く、0.1秒後には全身を浮遊感とサウナ以上の暑さが襲う。

 今、俺は落下しているようだ。光もヤケに強いが、俺達は一体何処に飛ばされたんだ?

 答えはすぐ下にあった。林檎よりも赤い液体状の星の血液と言っても過言ではないマグマが。

「うわ!うわ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 何とか落ちないように抵抗するも、ミストには宙に浮かぶ力は持っておらず、情けなく声を上げながら仲間と共にマグマのプールへとダイブしていくのであった。
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