転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第378話 [神機。]

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フランさんはニップルと里の事や身内の事を楽しそうに話した後、ドラウの方に向き直った。

「ドラウプニル、ニップルは龍人族には珍いしいか弱い子だ。これから先、眷属になったとはいえ、エルダードワーフのお前が守っていけるのか?」

「戦闘での強さの事を言ってるなら問題ねぇし、経済的な事は分からねぇが使徒様の国で重要なもんは俺が造る事になるからなぁ、食いっぱぐれはねぇんじゃないか?」

「国に、使徒様に仕えるなら問題なかろうが、強さが問題ないとはどういう事だ?」

「俺自身には戦う力はねぇが、それ専用の魔道具で身を守る事は可能だって事だ。まぁそれは置いといて、ニップルを守る必要なんて殆どねぇと思うぞ。」

「どういう事だ?もう既にお前の言う魔道具でガッチリ固めているのか?」

「そうじゃねぇ。今のニップルが相当強いってだけだ。」

「はぁ?そんな事は有り得ないだろ?」

「そう思うなら実際、手合わせでもしたらどうだ?どうせ手も足も出ねえと思うがな。」

「なんだと!俺を舐めてるのか!」

「事実だ。ニップルは他の眷属同様、使徒様に鍛えられてるからなぁ。」

「他の眷属?という事はニップルも眷属なのか?」

「あぁ、やってみるか?ニップルもやりたそうだぞ。」

ドラウがそう言ってニップルの方を指すとニップルから闘志の様なオーラが滲み出ていた。

「お、おう。気迫が、まるで姉さんみたいだな・・・。」

ニップルが前に出るとフランは少し汗をかきながら前に出た。

「ニップル、龍仙化や魔法は使うなよ。」

「分かってるわシュウト。」

俺がそう言うとニップルは不意に放ってしまわない様に魔力を抑えて構えた。

「とうとう俺も加減される様な歳になったか・・・。」

フランさんはそう言うと少し肩を落としながら構えた。

「いつでもどうぞ。」

「いくら眷属に成ったとはいえ、年上を舐めると痛い目を見るぞ。」

フランさんはそう言うと間合いを一気に詰めて高速の連撃技を繰り出した。しかし普段からルーク達と鍛えまくってるニップルには遅く感じた様でスルリスルリと躱し、攻撃していいものか悩んでいる様子が見えた。

暫くして、攻撃が当たらないと感じたのかフランは上空に飛び、魔力を両手に込めると勢い良くニップルに向かって振り下ろした。

「風切り玉!!!」

フランさんが叫んだ様に風の刃が乱気流の様に激しく回り、玉の様な形の攻撃がニップルの方に放たれた。

ニップルはその攻撃が周りの人にまで被害が及ぶ事を感じ取ったのか、静かに構え、目を見開くととんでもないスピードで風切り玉に向かって正拳突きを放った。すると音速を超えるスピードで放たれた拳は空気を切り裂き、その拳圧で風切り玉を消し去ってしまった。

「かぁ~参った、参った。」

フランさんはそう言う諸手を挙げて降参の意思表示をしながらニップルの前へと降りてきた。

「歳の所為かと思ったが俺どころか里の龍人族全員で掛かっても勝てんわ。」

「種族が違うからね。」

「種族?眷属にして頂いたお陰で、進化したという事か?」

「えぇ。龍仙人族に成ったわ。」

「なんと!?龍人が仙人と成れたという事か!?」

「そうみたい。普通はというか、伝承では仙人というのは人族の存在進化先のイメージがあるし、龍人族も別の存在進化は在るけど仙人に成ったというのは聞いた事がないよね。多分だけど、シ・・・使徒様の種族が人族だったのが関係してるんだと思う。」

「ほう。此度の使徒様は人族という事か・・・ならば引かれたのだろうな。それで悲しいかな俺では測れないから聞くが存在進化してどの程度の強さになったんだ?」

「どの程度だろ?よく分からないかなぁ。」

「ならAランクの魔物だったらどうだ?」

「楽勝かな。っていうよりSランクでも苦戦なんてしないかな。」

「め、滅茶苦茶だなぁ。」

「そうなのかなぁ~?周りもそうだし、ドラウの造った魔道具なんて1人じゃ無理って思えるのも有るから自分の強さがどの程度とかは分からないかも。」

ニップルがそう言うとフランはドラウの方を驚いた様子で見ていた。

「夫婦揃って常識の枠外って事だな。まぁ、それなら安心・・・いや、それだけの強さが必要だって事か?」

「そうだね。使徒様の使命を手伝うっていう神託も有るからね。」

「神託・・・どうしようも無いのか?」

「う~ん・・・使徒様なら断っても強要する様な人じゃないから無理な時は大丈夫って言ってくれるけど、使徒様や神様のお役に立ちたいって気持ちもドラウと共に進みたいっていうのも有るから使徒様のお手伝いをしないって選択肢は私にはもう無いかな。」

「そうか・・・命は1つなんだから大切にしろよ。」

フランさんはそう言うとドラウの方を見た。

「ドラウプニルも頼むぞ。」

「わぁてるよ。ニップルの事は命に変えても守るって決めてっからな。」

「そうじゃない。お前がドラウプニルが死ねば、ニップルの心には深い傷が刻まれる事になる。そんなヤツを見るのはアイツだけで十分だ。」

フランさんはそう言うとマナドさんの方を見た。見られたマナドさんは頭を搔いて別の方を見ていた。

「分かった。自分自身もニップルの事も必ず生きて帰れる様にする。」

「分かれば良いんだ。ニップルもな。」

「うん。」

ドラウ達はその後も色んな話をしていた。

暫くして、ドラウが何かを思い出した様に手を叩くと真剣な表情に変わってマナドさんの方を見た。

「ドラウプニル、そんな真剣な顔して何だ?」

「転移ゲートの事を教えてくれないか?」

「転移ゲートをか?何でだ?」

「色々役に立ちそうだと思ってな。」

「役に立つか・・・う~ん、俺の一存じゃなぁ、里の存続に関わるかもしんねぇしなぁ。」

「まぁそうだな。それなら里のヤツらと・・・おぉ、そうだ!シュウト、この前預かったやつを見せても良いか?」

「預かったって、あの人形か?」

「おう。」

「見せてどうするんだ?」

「多分だが、アイツらにとっても特別な物のはずだからな。」

「そうなのか?」

「多分な。それと預かって分かったが、アレ本当の意味での修復は俺じゃねぇと出来ないみたいだしな。」

「へぇ~そうなんだな。」

「少しは驚いたらどうだ?」

「ドラウだからな。」

「何だそれ。あっ、何時ものお返しってやつか?」

「バレたか。」

そう言って一頻り笑うとドラウはエルダードワーフ達の前に完全修復された武甕槌を出した。

「こ、これは・・・カヤ様が、別次元の神であり、鍛冶の祖であるトバルカイン様から転生の折に授かったといわれる神機《武甕槌命》。」

「やっぱ爺さん達は知ってたんだな。」

「えっ?トバルカイン?トバルカインってドラウのユニークスキルになかったっけ?」

「そうなんだよ。俺もそのスキルは鍛冶師としての腕前が上がるだけだって思ってたんだがよ。あの人形を見て触った時にスキルに反応があるって感じて、その後も修復作業等で触れる度にユニークスキルのトバルカインが昇華されてる感じがしてな。結果的に言うと武甕槌は失った元の力の一部を取り戻した事で《武甕槌命》になり、より強力な人形になったって訳だ。」

「それは分かったけど、どう違うんだ?」

「簡単に言うとパペットマスターのスキルを持つシュウトが特別な力で練り上げた糸を付ける事で起動し、一定時間使用する事で復旧したスキルが使用可能になるんだ。」

「復旧したスキル?」

「あぁ、普通なら付与とかで出来る様になるスキルだが、その・・・エルダードワーフ達が言ってた神機の元々備わってるスキル《神降ろし》が可能になったんだよ。」

「神降ろし!!?それはどの神様も降ろせるって事か?」

「あぁ。但し、シュウトの魔力等の武甕槌命へ込めた総量が発動時間に代わるし、降ろせる神格の違いにもなるからな。」

「なるほどなぁ。しかしまぁ何で皆さんは泣いてらっしゃるんですか?」

俺がそう聞くと里長のヴォルガンさんが涙を拭って答えでくれた。

「それはカヤ様が私共を助けてくれた折にカヤ様の人形をカヤ様と共に制作したという経緯があり、此処におる者は全て子供の頃にカヤ様のお世話になった者達だからです。」

「なるほど。」

「そして、カヤ様からの遺言を私共が生きている間に果たせると感激しているのです。」

「遺言とは?」

「この武甕槌命を欠損1つ無く完璧な状態で持って来られる者が現れた際には、その者を助け、里が過ごしにくい場所になった折には、里を捨て、武甕槌命と共に国を離れて欲しいとの事でした。」

「そうなんですね。では転移ゲートの事を教えてもらえると思っても?」

「はい。カヤ様自身に恩を返す事は叶いませんでしたが、カヤ様の遺言を遂行する事で恩を少しでも返せると思いますので。」

「あっ、でもエルダードワーフの人は此処に居る人達だけじゃないですよね?」

「はい。里には100人程の同胞がおります。しかし、心配なさる事はありません。里に居る者達はカヤ様に助けられた者達の子孫ですし、カヤ様の像を建て、感謝を忘れないという意味も込めて里のルールとしてカヤ様に関わる事は長老の総意で決定する事になっています。」

「では、此処に居る皆さんは合意したと思っても宜しいのでしょうか?」

俺がそう言いながらエルダードワーフ達を見ると全員が涙を流しながら頷いていた。すると待ってましたとばかりにドラウがマナドの方へ行き、2人は転移ゲートの操作盤らしき物がある方へと歩いて行った。

「それでもう1つの方はどうしますか?」

「もう1つというと国を、里を離れる事ですな?」

「はい。幾ら過ごし易い環境が有るからといって地下は地下、自分からすると生き難い環境かと思われるのですが・・・。」

「環境ですか・・・此処で生まれた者も居ますので、里に戻り話し合う必要がございます。」

「自分としてはこのままの方が安心だと思っている方を無理矢理とは思ってはおりませんので、その方の意思を尊重してあげて下さい。」

「承知致しました。つかぬ事を伺いますが、私共がついて行くとした場合は何処へ行く事になるのでしょうか?」

「そうですねぇ・・・ドワーフの里でも良いとは思うのですが此処とはかなり環境が違うので難しいかと思いますので、我々の国、フォスエスペランサ国でしょうか。小さい、それこそ他の国の王都より少し大きいぐらいの場所ですが、国内に入るには審査も厳しいので、悪い輩は入る事は出来ないので、その点は安心して貰えるかと思います。」

「使徒様の国ですか!!?」

俺の言葉を聞いていたエルダードワーフも炎烏天狗も心臓が止まりそうな勢いで驚き、全員仲良く膝から崩れ、座り込んでしまった。
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