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第377話 [マナド。]
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イワキリさんがゲートに入って暫くすると年配のエルダードワーフを先頭に数十人のエルダードワーフがぞろぞろと出て来て俺達の前に跪いて頭を垂れた。
「え?えっと・・・。」
俺が驚いて困っていると年配のエルダードワーフが頭を上げた。
「私は里長をしておりますヴォルガンと申します。」
「あっ、自分はシュウトと申します。それでどうされたんですか?」
「眷属様!何卒マナドを儂らの恩人であるマナドを許しては貰えぬでしょうか!」
里長のヴォルガンさんがそう言うと此処に居るエルダードワーフが俺達に懇願する様に土下座をしてきた。
「あれ?イワキリさんにも言いましたけど、確かにマナドさんの造った魔道具で亡くなられた方は多いでしょうが、あの地は命懸けで修行する方ばかりですし、今回討伐や一部以外の魔道具の破壊に至りましたが、それは関係の無い無辜の人々を守る為に行っただけで、事情もある程度は把握してますので、別に罰する事はありませんよ。」
「で、では魔道具の事を造った本人から知りたいというのは真でございますか?」
「はい。それにそこの転移ゲートもマナドさんが考案された魔道具ですよね?」
「な、何故それを!?」
「あっ・・・えぇと、それは・・・。」
俺が必要の無い事まで話した事に動揺して困っていると俺の肩を掴んで、ドラウが前に出て来た。
「それは元々マナドが俺が居た里に住んでたからだ。おめぇらも分かるだろ?身近なヤツの造る癖みてぇなのをよぅ。」
「ん?まさか其方のエルダードワーフである眷属様はドワーフの里の出身者で?」
「あぁ、それよりどうなんだ?連れて来れるのか?それとも俺達が行った方が良いのか?どうなんだ?」
「眷属様方を待たせてしまい、申し訳御座いませんでした。今すぐ!」
ヴォルガンさんはそう言うと近くに居たエルダードワーフの人に指示し、ゲートに向かわせた。
そうして待つ間、自分達にもっと普通に接して貰えるように話し合い、やっと全員が立ってくれるところまで納得して貰えたところで、ゲートから人の気配を感じた。
「なんだなんだ?長老方がお揃いで何か問題でもあっ・・・ん?・・・トール兄!!?まさか、トール兄まで追放されたのか!!?」
「トール兄?」
ゲートからの人波をかき分けて出て来たエルダードワーフの人の言葉を疑問に思っているとドラウが肩を叩いてきた。
「俺の親父だよ。」
「トールキンさんか。ん?兄?え?って事はドラウの?」
「叔父だ。」
「ん?叔父?・・・まさかドラウプニルか?」
「おう、久しぶりだな。ってか、相変わらずドラウとは呼ばねぇんだな。」
「当たり前だろ。俺が一生懸命考えた名前だぞ。ドラウじゃ意味ねぇんだよ。」
「相変わらず拘るんだな。まぁどっちでも良いが、俺は追放された訳じゃねぇぞ。」
「じゃあどうしてこんなとこに来たんだ?誰かから逃げてきたのか?」
「嫁さんの魂を救いたいからって危険な研究し続けた所為で俺らを守る為にどっかの誰かから逃げた自分と一緒にすんな!」
「・・・気付いてたのか?」
「当たり前だろ!ガキだったとはいえ、俺もエルダードワーフだぞ。ありえねぇ失敗を繰り返して追放する様に仕向けた事ぐれぇ、色々修行したら分かるっつうの。」
「あぁ、そうか。お前らみてぇなガキや身内以外ヤツらなら騙せると思ってたんだがな。」
「なめんな。」
「で、それなら何でこんな地下まで来たんだ?そこまで分かるまで成長したって事は研究に行き詰まったって事はねぇだろうし、俺を連れ戻す為って訳じゃねぇんだろ?」
「おう。地上の魔道具の事で来たんだよ。」
「地上の?・・・霊魂悪化魔道具の事か。って良く生きて来られたなぁ。」
「戦闘出来る魔道具を造ったからな。」
「はぁ?古代の遺物じゃねぇ限り、俺達エルダードワーフでもそんな技術はねぇだろ?」
「ふん!確かに普通のエルダードワーフならな。」
「ん?じゃあドラウプニルは進化でもしたのか?」
「進化か・・・まぁ、眷属に成ったから良いもんを造れる様にはなったな。」
「眷属?神の眷属にでもなったとでも言うのか?」
「いや、まぁ、何れはそうなるだろうが、そうじゃねぇよ。」
「何れは?どういう事だ?」
「俺は使徒様の眷属に成ったんだよ。そのお陰で色々造れる様になったな。」
「使徒様か・・・使徒様!!?マジか!?」
「あぁ、そんで?救い出せたのか?」
「リアか?まぁな。」
「じゃあもう造らなくても良くなったって事で良いのか?」
「あぁ。アレからだいぶ経つからなぁ。ヤツらにも追われる事はねぇだろうな。」
ドラウ達の話の途中だったが、俺は気になった事があったので、ドラウの肩を叩いた。
「シュウト、何だ?」
「さっきから言ってるヤツらって?」
「ドラウプニル、その人族?は誰だ?」
「俺の仲間だ。」
「その方も眷属様か。ならば答えた方がよさそうだな。背神者って名前の通り打倒神を掲げている組織です。」
「背神者・・・ドラウ、そいつらって今も活動してるのか?」
「確か、親父が言うには俺達の知ってるヤツらだ。」
「知ってる?・・・もしかして殲星会か?」
「あぁ、まぁ殲星会はその背神者のヤツらが他の組織を吸収して出来たらしいがな。」
「なるほどな。」
「トール兄が調べたのか?」
「あぁ、叔父が戻っても大丈夫って保証が無いと帰って来ないだろうって言ってたぞ。」
「そうか・・・トール兄は相変わらずお節介だな・・・。」
マナドさんはそう言うと浮かぶ涙を堪える様に上を向いていた。
俺はマナドさんが落ち着くのを待って話し掛ける事にした。
「それで地上の魔道具の件なんですが・・・。」
「そうでしたな。アレの何を聞きたいので?」
そう言われた俺はダンジョンの事や必要に応じて破壊した事を話した。
「なるほど、アレは外部の者が我々の痕跡を探させぬ為に人が滅多に入らない場所をより入り難くする目的で造った魔道具だったんで、ダンジョンを生成するところまでは想定外ですな。」
「という事は意図した事ではないと?」
「はい。周囲の環境も相まってソウルイーターになるだけで、実際はそこまで強力な魔物に変異出来ないので。後は中途半端に壊さなければ問題無い様にもしていますので。」
「なるほど。」
「ですが、1つ聞かせて頂いても宜しいでしょうか?」
「どうされました?」
「その仰っていた皇族の方は本当に信用出来る方なのでしょうか?」
「それでしたら問題無いと思いますよ。それにもし探し出そうと地面を掘り進めたとしても今の人達の技量では不可能とは言いませんが、何十年も掛かるでしょうし、その時点で移動すれば問題無い・・・というか、此処って攻め込まれた時に誤認させる為の里じゃないんですか?」
「よくお分かりで。」
「おそらくですが、眷属化したエルダードワーフのドラウが完全には把握出来なかった転移ゲートだったら普通のドワーフでも作動方法は分からないでしょうし、人族なら尚のこと、名前すら読み解く事が出来ない様にしてあるのではないですか?」
「はい。掘り進められた場合、逃げ道が無い事から転移ゲートは造りましたし、認識すら難しくしてあるので、そう簡単には見付けられないはずですし、使用するにしても魔力もそうですが、魔道具本体の負担軽減も考慮して制限を掛ける為、龍人族であるフランと炎烏天狗のアイツらは適合アイテムを持たしてるし、エルダードワーフの連中は自分で起動させる事が出来る仕様にしてあるので問題無いはずなのですが、皆の反応を見るにこの転移ゲートはドラウプニルが発見したのでしょうか?」
「おう。エルダードワーフなら配線やなんやらで分かるしな。」
「まぁそうだが、そうか配線か。そこにも認識阻害が必要だったか。」
「この里全体がパイロファイトの炎を利用してるだろうが、ほんで重要な設備っぽいもんには、パイロファイトを数十本も利用してんのにそのゲートだけは他に接続してねぇしな。どうせなら認識阻害もだが、別の何も関係ねぇもんに繋げたりして誤魔化さねぇと阻害だけだと一寸頭の良いヤツならバレんぞ。」
「そんなものか?」
「まぁ、俺でもゲートを起動させるのに数時間は掛かるだろうから見付かっても問題ねぇとは思うが、やっぱり親父が言ってた通りだな。」
「ん?トール兄はなんて言ってたんだ?」
「そそっかしいし、詰めが甘い、魔道具造りなら俺より上だが、安全性を重視しない所為でボロが出るし、思慮不足だって言ってたぞ。」
「トール兄らしいと言うかなんと言うか。少し褒めたら後はボロかすだな。」
「上のもそうだが、俺も親父と同意見だな。」
「バカヤロウ親子揃って、それはねぇだろ?」
「そうか?じゃなかったら今みたいに俺に指摘されてねぇだろ。」
「う~ん・・・まぁいいや。それよりドラウプニル、お前もデカくなったみてぇだが、嫁さんは出来たのか?」
「あぁ、居るぞ。」
「おっ、どんな人なんだ?お前はちっこい頃から変わりもんだったからなぁ。普通じゃねぇだろ?」
「普通かぁ・・・まぁ、違うが目の前に居るぞ。」
「目の前?・・・まさか、龍人族の?ん?誰かに似てんなぁ・・・。」
「似てるも何も親父のパートナーのドランの娘のニップルだよ。」
「ニップル!!?」
何処からか驚いた大きな声が聞こえたと思った次の瞬間、奥の方から龍人族の人が此方へ向かって凄い勢いで飛んできたかと思うとドラウの前で急停止した。
「嘘では無いのだな?」
「龍人族?・・・ドラン?違うな。さっき言ってたフランか?」
「そうだ。で、どうなんだ?」
「嘘じゃねぇよ。なぁニップル。」
「えぇ。お父さんに似て・・・叔父さん!?」
「おっ、母さんに似て綺麗になったなぁ。」
「何で?叔父さんは遠くに旅に出たんじゃ・・・。」
「旅に・・・か。まぁ間違ってはないな。」
「どういう事?」
「どういう事も何も俺のパートナーはそこに居るマナドだからな。エルダードワーフを1人で何処かに行かせる訳にはいかないだろ?しかも皆んなを守る為に出て行くようなヤツをな。」
「ん?まさか、最初から知ってたのか?」
「当たり前だろ。どれだけ長い間パートナーをしてると思ってるんだ。お前の考えなんて手に取る様に分かるさ。まぁでもそうか、あの小さかったニップルが大人の女性になったんだなぁ。」
フランさんはマナドさんに向かってニヤリと笑みを浮かべながらサムズアップをした後、ニップルに近付いて頭を撫でながらそう言った。
「え?えっと・・・。」
俺が驚いて困っていると年配のエルダードワーフが頭を上げた。
「私は里長をしておりますヴォルガンと申します。」
「あっ、自分はシュウトと申します。それでどうされたんですか?」
「眷属様!何卒マナドを儂らの恩人であるマナドを許しては貰えぬでしょうか!」
里長のヴォルガンさんがそう言うと此処に居るエルダードワーフが俺達に懇願する様に土下座をしてきた。
「あれ?イワキリさんにも言いましたけど、確かにマナドさんの造った魔道具で亡くなられた方は多いでしょうが、あの地は命懸けで修行する方ばかりですし、今回討伐や一部以外の魔道具の破壊に至りましたが、それは関係の無い無辜の人々を守る為に行っただけで、事情もある程度は把握してますので、別に罰する事はありませんよ。」
「で、では魔道具の事を造った本人から知りたいというのは真でございますか?」
「はい。それにそこの転移ゲートもマナドさんが考案された魔道具ですよね?」
「な、何故それを!?」
「あっ・・・えぇと、それは・・・。」
俺が必要の無い事まで話した事に動揺して困っていると俺の肩を掴んで、ドラウが前に出て来た。
「それは元々マナドが俺が居た里に住んでたからだ。おめぇらも分かるだろ?身近なヤツの造る癖みてぇなのをよぅ。」
「ん?まさか其方のエルダードワーフである眷属様はドワーフの里の出身者で?」
「あぁ、それよりどうなんだ?連れて来れるのか?それとも俺達が行った方が良いのか?どうなんだ?」
「眷属様方を待たせてしまい、申し訳御座いませんでした。今すぐ!」
ヴォルガンさんはそう言うと近くに居たエルダードワーフの人に指示し、ゲートに向かわせた。
そうして待つ間、自分達にもっと普通に接して貰えるように話し合い、やっと全員が立ってくれるところまで納得して貰えたところで、ゲートから人の気配を感じた。
「なんだなんだ?長老方がお揃いで何か問題でもあっ・・・ん?・・・トール兄!!?まさか、トール兄まで追放されたのか!!?」
「トール兄?」
ゲートからの人波をかき分けて出て来たエルダードワーフの人の言葉を疑問に思っているとドラウが肩を叩いてきた。
「俺の親父だよ。」
「トールキンさんか。ん?兄?え?って事はドラウの?」
「叔父だ。」
「ん?叔父?・・・まさかドラウプニルか?」
「おう、久しぶりだな。ってか、相変わらずドラウとは呼ばねぇんだな。」
「当たり前だろ。俺が一生懸命考えた名前だぞ。ドラウじゃ意味ねぇんだよ。」
「相変わらず拘るんだな。まぁどっちでも良いが、俺は追放された訳じゃねぇぞ。」
「じゃあどうしてこんなとこに来たんだ?誰かから逃げてきたのか?」
「嫁さんの魂を救いたいからって危険な研究し続けた所為で俺らを守る為にどっかの誰かから逃げた自分と一緒にすんな!」
「・・・気付いてたのか?」
「当たり前だろ!ガキだったとはいえ、俺もエルダードワーフだぞ。ありえねぇ失敗を繰り返して追放する様に仕向けた事ぐれぇ、色々修行したら分かるっつうの。」
「あぁ、そうか。お前らみてぇなガキや身内以外ヤツらなら騙せると思ってたんだがな。」
「なめんな。」
「で、それなら何でこんな地下まで来たんだ?そこまで分かるまで成長したって事は研究に行き詰まったって事はねぇだろうし、俺を連れ戻す為って訳じゃねぇんだろ?」
「おう。地上の魔道具の事で来たんだよ。」
「地上の?・・・霊魂悪化魔道具の事か。って良く生きて来られたなぁ。」
「戦闘出来る魔道具を造ったからな。」
「はぁ?古代の遺物じゃねぇ限り、俺達エルダードワーフでもそんな技術はねぇだろ?」
「ふん!確かに普通のエルダードワーフならな。」
「ん?じゃあドラウプニルは進化でもしたのか?」
「進化か・・・まぁ、眷属に成ったから良いもんを造れる様にはなったな。」
「眷属?神の眷属にでもなったとでも言うのか?」
「いや、まぁ、何れはそうなるだろうが、そうじゃねぇよ。」
「何れは?どういう事だ?」
「俺は使徒様の眷属に成ったんだよ。そのお陰で色々造れる様になったな。」
「使徒様か・・・使徒様!!?マジか!?」
「あぁ、そんで?救い出せたのか?」
「リアか?まぁな。」
「じゃあもう造らなくても良くなったって事で良いのか?」
「あぁ。アレからだいぶ経つからなぁ。ヤツらにも追われる事はねぇだろうな。」
ドラウ達の話の途中だったが、俺は気になった事があったので、ドラウの肩を叩いた。
「シュウト、何だ?」
「さっきから言ってるヤツらって?」
「ドラウプニル、その人族?は誰だ?」
「俺の仲間だ。」
「その方も眷属様か。ならば答えた方がよさそうだな。背神者って名前の通り打倒神を掲げている組織です。」
「背神者・・・ドラウ、そいつらって今も活動してるのか?」
「確か、親父が言うには俺達の知ってるヤツらだ。」
「知ってる?・・・もしかして殲星会か?」
「あぁ、まぁ殲星会はその背神者のヤツらが他の組織を吸収して出来たらしいがな。」
「なるほどな。」
「トール兄が調べたのか?」
「あぁ、叔父が戻っても大丈夫って保証が無いと帰って来ないだろうって言ってたぞ。」
「そうか・・・トール兄は相変わらずお節介だな・・・。」
マナドさんはそう言うと浮かぶ涙を堪える様に上を向いていた。
俺はマナドさんが落ち着くのを待って話し掛ける事にした。
「それで地上の魔道具の件なんですが・・・。」
「そうでしたな。アレの何を聞きたいので?」
そう言われた俺はダンジョンの事や必要に応じて破壊した事を話した。
「なるほど、アレは外部の者が我々の痕跡を探させぬ為に人が滅多に入らない場所をより入り難くする目的で造った魔道具だったんで、ダンジョンを生成するところまでは想定外ですな。」
「という事は意図した事ではないと?」
「はい。周囲の環境も相まってソウルイーターになるだけで、実際はそこまで強力な魔物に変異出来ないので。後は中途半端に壊さなければ問題無い様にもしていますので。」
「なるほど。」
「ですが、1つ聞かせて頂いても宜しいでしょうか?」
「どうされました?」
「その仰っていた皇族の方は本当に信用出来る方なのでしょうか?」
「それでしたら問題無いと思いますよ。それにもし探し出そうと地面を掘り進めたとしても今の人達の技量では不可能とは言いませんが、何十年も掛かるでしょうし、その時点で移動すれば問題無い・・・というか、此処って攻め込まれた時に誤認させる為の里じゃないんですか?」
「よくお分かりで。」
「おそらくですが、眷属化したエルダードワーフのドラウが完全には把握出来なかった転移ゲートだったら普通のドワーフでも作動方法は分からないでしょうし、人族なら尚のこと、名前すら読み解く事が出来ない様にしてあるのではないですか?」
「はい。掘り進められた場合、逃げ道が無い事から転移ゲートは造りましたし、認識すら難しくしてあるので、そう簡単には見付けられないはずですし、使用するにしても魔力もそうですが、魔道具本体の負担軽減も考慮して制限を掛ける為、龍人族であるフランと炎烏天狗のアイツらは適合アイテムを持たしてるし、エルダードワーフの連中は自分で起動させる事が出来る仕様にしてあるので問題無いはずなのですが、皆の反応を見るにこの転移ゲートはドラウプニルが発見したのでしょうか?」
「おう。エルダードワーフなら配線やなんやらで分かるしな。」
「まぁそうだが、そうか配線か。そこにも認識阻害が必要だったか。」
「この里全体がパイロファイトの炎を利用してるだろうが、ほんで重要な設備っぽいもんには、パイロファイトを数十本も利用してんのにそのゲートだけは他に接続してねぇしな。どうせなら認識阻害もだが、別の何も関係ねぇもんに繋げたりして誤魔化さねぇと阻害だけだと一寸頭の良いヤツならバレんぞ。」
「そんなものか?」
「まぁ、俺でもゲートを起動させるのに数時間は掛かるだろうから見付かっても問題ねぇとは思うが、やっぱり親父が言ってた通りだな。」
「ん?トール兄はなんて言ってたんだ?」
「そそっかしいし、詰めが甘い、魔道具造りなら俺より上だが、安全性を重視しない所為でボロが出るし、思慮不足だって言ってたぞ。」
「トール兄らしいと言うかなんと言うか。少し褒めたら後はボロかすだな。」
「上のもそうだが、俺も親父と同意見だな。」
「バカヤロウ親子揃って、それはねぇだろ?」
「そうか?じゃなかったら今みたいに俺に指摘されてねぇだろ。」
「う~ん・・・まぁいいや。それよりドラウプニル、お前もデカくなったみてぇだが、嫁さんは出来たのか?」
「あぁ、居るぞ。」
「おっ、どんな人なんだ?お前はちっこい頃から変わりもんだったからなぁ。普通じゃねぇだろ?」
「普通かぁ・・・まぁ、違うが目の前に居るぞ。」
「目の前?・・・まさか、龍人族の?ん?誰かに似てんなぁ・・・。」
「似てるも何も親父のパートナーのドランの娘のニップルだよ。」
「ニップル!!?」
何処からか驚いた大きな声が聞こえたと思った次の瞬間、奥の方から龍人族の人が此方へ向かって凄い勢いで飛んできたかと思うとドラウの前で急停止した。
「嘘では無いのだな?」
「龍人族?・・・ドラン?違うな。さっき言ってたフランか?」
「そうだ。で、どうなんだ?」
「嘘じゃねぇよ。なぁニップル。」
「えぇ。お父さんに似て・・・叔父さん!?」
「おっ、母さんに似て綺麗になったなぁ。」
「何で?叔父さんは遠くに旅に出たんじゃ・・・。」
「旅に・・・か。まぁ間違ってはないな。」
「どういう事?」
「どういう事も何も俺のパートナーはそこに居るマナドだからな。エルダードワーフを1人で何処かに行かせる訳にはいかないだろ?しかも皆んなを守る為に出て行くようなヤツをな。」
「ん?まさか、最初から知ってたのか?」
「当たり前だろ。どれだけ長い間パートナーをしてると思ってるんだ。お前の考えなんて手に取る様に分かるさ。まぁでもそうか、あの小さかったニップルが大人の女性になったんだなぁ。」
フランさんはマナドさんに向かってニヤリと笑みを浮かべながらサムズアップをした後、ニップルに近付いて頭を撫でながらそう言った。
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