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第407話 [生命の揺り篭。Part10]
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魔力を遮断した事でパラパラと簡単に解けた糸を呆然と見ているルークにドラウはニヤつきながら話し掛けた。
「ルーク、そのまま魔力を遮断した状態で糸を持ち上げてみろ。」
ドラウにそう言われたルークが持ち上げようとすると糸が岩場にくっついて離れなくなっていた。
「何だ?コレってもしかして、ダンジョンだからか?」
「おう。ダンジョンの中は壁も地面も魔力を帯びてるからな。水みてぇに流動する物じゃねぇ限り、粘着質な糸が使用者の意思次第で取れねぇ様にも出来るんだ。」
「粘着性の物質が出てる訳じゃねぇって事か。」
「あぁ、糸に魔力を集中させる事で糸を通った魔力が性質変化する事で魔力自体が粘着性を持つ様になるんだ。」
「だから魔力の無い物にはくっつかないのか?」
「あぁ、相手の魔力と結び付く感じだからな。だからダンジョン内以外だと大地に魔力が殆どねぇから魔力保有量の多い木なんかに投げてくっつけるんだな。」
「なるほどなぁ、なら逆にどの程度ならくっつくんだ?」
「そうだなぁ、魔力を持つモノならって言いてぇところだが、実際はダンジョンならCランク、魔物ならDランクが最低条件だな。それ以下だと何かしらの技術が必要になってくるだろうが、ルークなら出来そうだよな。」
「まぁ、今は必要そうじゃねぇが・・・シュウトの世界じゃ練習も出来なさそうだな。」
「魔力の少ない環境でのって事か?」
「あぁ。」
「不可能だな。」
「だよなぁ。俺達の国ならどうだ?」
「フォスエスペランサ王国は王国全土に魔道具で聖属性の魔力を降り注いで結界の効果を高めてるから無理だぞ。」
「そうか・・・まぁいいや、世界樹の糸で代わりに練習すれば問題無いか。」
「ちなみに言うとそっちの糸は世界樹の糸みてぇに繋げられねぇから必要があれば言ってくれ。それ専用の道具を造るからよ。」
「糸を繋げる魔道具でも造るのか?」
「そうだな。素材が素材だから簡単には造れねぇがな。」
「そうか、分かった。使ってみて繋げる必要があったら頼む事にするな。」
「おう。あぁそうだ、強度もそうだが魔力が少し弱くなるが、結び方がねぇ訳じゃないが、教えた方が良いか?」
「う~ん・・・どの程度下がるんだ?」
「そうだなぁランクを下げないと使えないって程、下がる訳じゃねぇが、熟練者には些細な違いも気になるだろ?まぁその程度だ。後は問題点があるとすれば、俺は分かんねぇが罠の場合、罠が気付かれやすくなるかもしんねぇな。」
「なるほどな。その程度なら意識してりゃあ問題ねぇ、繋げ方にもよるだろうが、その辺は俺が気を付ければ問題ねぇはずだ。」
「分かった。」
ドラウはそう言うとアイテムボックスからもう一本、糸を取り出してルークが分りやすい様に見せながらゆっくりと説明しながら結んでいった。
「あ~ぁ、電車結びか。」
「ん?この結び方に名前なんかあったのか?」
「違う違う前世の記憶だと思うぞ。」
「ん?自分で言ったのに思うってハッキリ分かってる訳じゃねぇのか?」
「あぁ、あっ、でもシュウトは分かるよな。」
「ん?電車結びの事か?」
「それ以外何があるんだよ。」
「まぁそうか。」
「んで?分かるんだろ?」
「あぁ、ルークの趣味だからな。前世でな。」
「糸を結ぶ趣味って何だよ。」
「糸を結ぶ事自体が趣味って訳じゃなくて釣りが趣味だったんだよ。」
「ツリ?ツリ、ツリ・・・釣りか!」
「ツリって何だ?」
「ドラウが知らないのも無理はねぇさ。漁師だってやってんのは、ごく一部だし、後は金持ちの遊びだしな。斯く言う俺も釣りは好きだが、出来る場所も道具も限られてたしな。今世でもやってたのに思い出すのに時間が掛かっちまうくらいマイナーだからな。」
「なるほどな。ならそのごく一部の漁師はその結び方が出来るって事か?」
「いや、無理だろな。針と糸を結ぶのは前世と変わらねぇぐらいあるとは思うが糸はなぁ・・・。」
「ん?バレない様に変えるとか、強度を上げるとかで結ばないのか?」
「釣りで狙うもんは限られてるし、狙えるもんは何も気にせず突撃する様な魔物だからな。下手に変えねぇし、強度の問題なら千切られそうな糸自体にカバーをするのが、こっちの世界の常識なんだよ。」
「だから前世であれだけ好きだった釣りの事なのにルークも思い出せなかったのか。」
「おう。それに素材にさえ良ければ細工する必要性もねぇからな。」
「素材って世界樹の糸みたいにか?」
「お、おう、そうだな。そうだよな。コレならこれでまたビッグファイトを楽しめるぜ。」
「ビッグファイト?デカい戦い?罠で巨大な魔物と戦うのが楽しみってどういう事だ?ルークなら他の武器とか魔法で戦った方が良くないか?」
「違うぞドラウ。」
「シュウト、何が違ぇんだ?」
「ルークが言ってるビッグファイトって釣りの事なんだよ。」
「釣り?戦いと何の関係があんだ?」
「あぁ、前世だと釣りで大物を釣り上げる為に頑張るというか、必死になるというか、全力で挑む事をビッグファイトっていうんだよ。」
「なるほどな。まぁ確かにルークの顔を見てりゃあ楽しみなのは、推して知るべしって感じだしな。」
そう言ってドラウがルークを見るとルークは世界樹の糸をキラキラした目で眺めていた。
「まぁ、その所為でダンジョンを踏破した後に暇が出来たらルークから色々釣り道具のお願いが来そうだけどな。」
「道具?竿とか専用の針とかか?」
「あれ?知らなかったんじゃなかったのか?」
「知らねぇよ。だが、シュウトが釣り道具とか言った瞬間に幾つか頭に浮かんだんだよ。」
「スキルか?」
「そうだろうな。シュウトに言われた瞬間に色んな種類の竿っていう長い棒と釣り針ってぇのの設計図が頭ん中に入ってきたからな。」
「へぇ~過去に制作された物の情報まで分かるのかぁ。」
「まず間違いないだろうな。なんせスキルを手に入れるまでは解析出来ねぇと思ってた古代の魔道具も触れれば使い方や制作方法がある程度は分かるからな。スキルレベル自体は無いがスキルレベルを上げる様に難しい物の制作や修理を行っていけば例え壊れて破損してる様な魔道具だって解析可能になると思うぞ。」
「って事は今は欠損してる様な物は分からないのか?」
「多少なら問題ねぇが、3分の2以上で尚且つ、重要な役割を担ってる様な部分残ってなければ解析は出来ねぇな。」
「なるほどなぁ・・・それで釣り道具に関してだが、竿、針、糸だけが浮かんだのか?」
「あぁ。」
「じゃあ糸を巻き取る為のリールやルアーなんかの疑似餌っていうのは出て来なかったのか?」
「それも釣りの道具か?」
「あぁ、そうやって聞くって事は出て来なかったんだな。」
「あぁ。詳しく聞きてぇところだが、今じゃねぇな。」
「そうだな。ダンジョン踏破の後か、休憩中だな。とりあえずは糸を持ったままニヤニヤしながら自分の世界に浸ってるルークを戻して先に進むか。」
「だな。」
俺達はそう言うとルークに声を掛けて出発する事にした。
「じゃあ皆んな行くか。」
俺の合図で出発の準備を終えた俺達は先に進む事にした。
6階層から一気に10階層に到着した俺達が10階層のボス部屋へ入るとゴールデンアクアスパイダーというアクアスパイダーの最上位種が鎮座していた。
「海なのにまた蜘蛛か。」
「シュウトの言いてぇ事は分かるがアレも海で生息してる魔物に変わりはないぞ。まぁ、もしかしたら低潮期ってぇのも有んのかもしんねぇけどな。」
「あぁ、確かにそうかもな。」
「まっ、何にしてもドラウ、アレも良い素材が取れると思うか?」
「糸か?・・・かなり確率低い素材になるとは思うが有るんじゃねぇか?」
「確率が低いって何で分かるんだ?あの魔物を取り扱った事でも有るのか?」
「いや、スキルの関係なんだと思うが感覚で分かるんだ。としか言い様がねぇな。」
「ハッキリとはしねぇけどって事か。」
「あぁ。」
「ならシュウト、倒してくれ。」
「ん?俺か?」
「確実に出そうと思ったら出せるだろ?」
「どうだろうな。まぁ皆んながそれで良いなら俺1人で倒すけど皆んなもそれで良いのか?」
俺がそう言うと全員が頷いたので、俺は瞬時にボスであるゴールデンアクアスパイダーの懐に入って掌底を一撃放つと姿を残したまま絶命させた。
しかし、絶命して動かなくなったのにも関わらずドラウが近付いて来なかったので声を掛ける事にした。
「で?後はどうすれば良いんだ?」
「尾の根元を裂いて金の玉が無いか調べてくれ。」
「俺がするのか?」
「多分だが、その方が良い気がするんだ。」
「それもスキルか?」
「あぁ。」
「分かった。にしてもアクアスパイダーは口から糸を飛ばしてたけど上位種だと別なのか?」
「いや、同じだと思うぞ。アクアスパイダーも粘着糸は口から出る様になってっけど、作り出すのは尾の根元付近の糸玉にあるんだよ。」
「なるほどなぁ。」
俺はそう言うとドラウの指示を受けながら尾の根元を裂くと金色と黒色が揺らめく不思議な玉が出て来た。
「コレか?」
「多分な。」
そう言うドラウに取り出した玉を渡すとドラウは残りの死体を収納してから不思議な玉を凝視していた。
「どうだった?」
「間違いねぇ、金皇糸玉だ。」
「狙ってた物って事か?」
「あぁ。調べて分かった事だが、ゴールデンアクアスパイダー数万体に1体の確率で手に入るってなってたな。」
「数万体に1体ってコイツって最低でもSSランクの魔物だよなぁ?」
「間違いなくSSからSSSのランクだろうな。」
「そんなのが数万体って・・・。」
「だから確率が低いって言っただろ?」
「偶々倒したのが持ってて良かったな。」
「いや、多分偶々じゃねぇぞ。」
「ドラウ、どういう事だ?」
「確かに数万体に1体って事だが、戦闘の長さや外殻の損傷具合で確率の変動有りってぇのも載ってるからな。」
「外殻の修復にもそのえぇと・・・。」
「金皇糸玉な。」
「そうその糸玉の糸が素になってるって事か?」
「外殻を後で調べてみないと分かんねぇが、身体を構成してる主成分が金皇糸玉から出てるって考えで間違いねぇだろうな。」
ドラウがそう言うとルークが金皇糸玉を見ながら話し掛けてきた。
「そういやぁ、あの蜘蛛と戦ってる時に一撃で倒し損ねた奴が尾っぽの付け根を光らせて修復してる感じだったな。しかも外殻をぶっ壊して死んだ奴も暫く光ってたし、無傷で倒す事が1番大事になってくんじゃねぇか?第一SSやSSSランクの魔物を一撃な上、内傷だけで倒せるヤツなんて居ねぇから天文学的確率になんじゃねえ?」
「なるほどなぁ。」
俺達はそんな話をしながらボスを討伐した事で出現したアイテムを回収すると休憩の時間にもなっていなかったので、そのまま先に進む事にした。
「ルーク、そのまま魔力を遮断した状態で糸を持ち上げてみろ。」
ドラウにそう言われたルークが持ち上げようとすると糸が岩場にくっついて離れなくなっていた。
「何だ?コレってもしかして、ダンジョンだからか?」
「おう。ダンジョンの中は壁も地面も魔力を帯びてるからな。水みてぇに流動する物じゃねぇ限り、粘着質な糸が使用者の意思次第で取れねぇ様にも出来るんだ。」
「粘着性の物質が出てる訳じゃねぇって事か。」
「あぁ、糸に魔力を集中させる事で糸を通った魔力が性質変化する事で魔力自体が粘着性を持つ様になるんだ。」
「だから魔力の無い物にはくっつかないのか?」
「あぁ、相手の魔力と結び付く感じだからな。だからダンジョン内以外だと大地に魔力が殆どねぇから魔力保有量の多い木なんかに投げてくっつけるんだな。」
「なるほどなぁ、なら逆にどの程度ならくっつくんだ?」
「そうだなぁ、魔力を持つモノならって言いてぇところだが、実際はダンジョンならCランク、魔物ならDランクが最低条件だな。それ以下だと何かしらの技術が必要になってくるだろうが、ルークなら出来そうだよな。」
「まぁ、今は必要そうじゃねぇが・・・シュウトの世界じゃ練習も出来なさそうだな。」
「魔力の少ない環境でのって事か?」
「あぁ。」
「不可能だな。」
「だよなぁ。俺達の国ならどうだ?」
「フォスエスペランサ王国は王国全土に魔道具で聖属性の魔力を降り注いで結界の効果を高めてるから無理だぞ。」
「そうか・・・まぁいいや、世界樹の糸で代わりに練習すれば問題無いか。」
「ちなみに言うとそっちの糸は世界樹の糸みてぇに繋げられねぇから必要があれば言ってくれ。それ専用の道具を造るからよ。」
「糸を繋げる魔道具でも造るのか?」
「そうだな。素材が素材だから簡単には造れねぇがな。」
「そうか、分かった。使ってみて繋げる必要があったら頼む事にするな。」
「おう。あぁそうだ、強度もそうだが魔力が少し弱くなるが、結び方がねぇ訳じゃないが、教えた方が良いか?」
「う~ん・・・どの程度下がるんだ?」
「そうだなぁランクを下げないと使えないって程、下がる訳じゃねぇが、熟練者には些細な違いも気になるだろ?まぁその程度だ。後は問題点があるとすれば、俺は分かんねぇが罠の場合、罠が気付かれやすくなるかもしんねぇな。」
「なるほどな。その程度なら意識してりゃあ問題ねぇ、繋げ方にもよるだろうが、その辺は俺が気を付ければ問題ねぇはずだ。」
「分かった。」
ドラウはそう言うとアイテムボックスからもう一本、糸を取り出してルークが分りやすい様に見せながらゆっくりと説明しながら結んでいった。
「あ~ぁ、電車結びか。」
「ん?この結び方に名前なんかあったのか?」
「違う違う前世の記憶だと思うぞ。」
「ん?自分で言ったのに思うってハッキリ分かってる訳じゃねぇのか?」
「あぁ、あっ、でもシュウトは分かるよな。」
「ん?電車結びの事か?」
「それ以外何があるんだよ。」
「まぁそうか。」
「んで?分かるんだろ?」
「あぁ、ルークの趣味だからな。前世でな。」
「糸を結ぶ趣味って何だよ。」
「糸を結ぶ事自体が趣味って訳じゃなくて釣りが趣味だったんだよ。」
「ツリ?ツリ、ツリ・・・釣りか!」
「ツリって何だ?」
「ドラウが知らないのも無理はねぇさ。漁師だってやってんのは、ごく一部だし、後は金持ちの遊びだしな。斯く言う俺も釣りは好きだが、出来る場所も道具も限られてたしな。今世でもやってたのに思い出すのに時間が掛かっちまうくらいマイナーだからな。」
「なるほどな。ならそのごく一部の漁師はその結び方が出来るって事か?」
「いや、無理だろな。針と糸を結ぶのは前世と変わらねぇぐらいあるとは思うが糸はなぁ・・・。」
「ん?バレない様に変えるとか、強度を上げるとかで結ばないのか?」
「釣りで狙うもんは限られてるし、狙えるもんは何も気にせず突撃する様な魔物だからな。下手に変えねぇし、強度の問題なら千切られそうな糸自体にカバーをするのが、こっちの世界の常識なんだよ。」
「だから前世であれだけ好きだった釣りの事なのにルークも思い出せなかったのか。」
「おう。それに素材にさえ良ければ細工する必要性もねぇからな。」
「素材って世界樹の糸みたいにか?」
「お、おう、そうだな。そうだよな。コレならこれでまたビッグファイトを楽しめるぜ。」
「ビッグファイト?デカい戦い?罠で巨大な魔物と戦うのが楽しみってどういう事だ?ルークなら他の武器とか魔法で戦った方が良くないか?」
「違うぞドラウ。」
「シュウト、何が違ぇんだ?」
「ルークが言ってるビッグファイトって釣りの事なんだよ。」
「釣り?戦いと何の関係があんだ?」
「あぁ、前世だと釣りで大物を釣り上げる為に頑張るというか、必死になるというか、全力で挑む事をビッグファイトっていうんだよ。」
「なるほどな。まぁ確かにルークの顔を見てりゃあ楽しみなのは、推して知るべしって感じだしな。」
そう言ってドラウがルークを見るとルークは世界樹の糸をキラキラした目で眺めていた。
「まぁ、その所為でダンジョンを踏破した後に暇が出来たらルークから色々釣り道具のお願いが来そうだけどな。」
「道具?竿とか専用の針とかか?」
「あれ?知らなかったんじゃなかったのか?」
「知らねぇよ。だが、シュウトが釣り道具とか言った瞬間に幾つか頭に浮かんだんだよ。」
「スキルか?」
「そうだろうな。シュウトに言われた瞬間に色んな種類の竿っていう長い棒と釣り針ってぇのの設計図が頭ん中に入ってきたからな。」
「へぇ~過去に制作された物の情報まで分かるのかぁ。」
「まず間違いないだろうな。なんせスキルを手に入れるまでは解析出来ねぇと思ってた古代の魔道具も触れれば使い方や制作方法がある程度は分かるからな。スキルレベル自体は無いがスキルレベルを上げる様に難しい物の制作や修理を行っていけば例え壊れて破損してる様な魔道具だって解析可能になると思うぞ。」
「って事は今は欠損してる様な物は分からないのか?」
「多少なら問題ねぇが、3分の2以上で尚且つ、重要な役割を担ってる様な部分残ってなければ解析は出来ねぇな。」
「なるほどなぁ・・・それで釣り道具に関してだが、竿、針、糸だけが浮かんだのか?」
「あぁ。」
「じゃあ糸を巻き取る為のリールやルアーなんかの疑似餌っていうのは出て来なかったのか?」
「それも釣りの道具か?」
「あぁ、そうやって聞くって事は出て来なかったんだな。」
「あぁ。詳しく聞きてぇところだが、今じゃねぇな。」
「そうだな。ダンジョン踏破の後か、休憩中だな。とりあえずは糸を持ったままニヤニヤしながら自分の世界に浸ってるルークを戻して先に進むか。」
「だな。」
俺達はそう言うとルークに声を掛けて出発する事にした。
「じゃあ皆んな行くか。」
俺の合図で出発の準備を終えた俺達は先に進む事にした。
6階層から一気に10階層に到着した俺達が10階層のボス部屋へ入るとゴールデンアクアスパイダーというアクアスパイダーの最上位種が鎮座していた。
「海なのにまた蜘蛛か。」
「シュウトの言いてぇ事は分かるがアレも海で生息してる魔物に変わりはないぞ。まぁ、もしかしたら低潮期ってぇのも有んのかもしんねぇけどな。」
「あぁ、確かにそうかもな。」
「まっ、何にしてもドラウ、アレも良い素材が取れると思うか?」
「糸か?・・・かなり確率低い素材になるとは思うが有るんじゃねぇか?」
「確率が低いって何で分かるんだ?あの魔物を取り扱った事でも有るのか?」
「いや、スキルの関係なんだと思うが感覚で分かるんだ。としか言い様がねぇな。」
「ハッキリとはしねぇけどって事か。」
「あぁ。」
「ならシュウト、倒してくれ。」
「ん?俺か?」
「確実に出そうと思ったら出せるだろ?」
「どうだろうな。まぁ皆んながそれで良いなら俺1人で倒すけど皆んなもそれで良いのか?」
俺がそう言うと全員が頷いたので、俺は瞬時にボスであるゴールデンアクアスパイダーの懐に入って掌底を一撃放つと姿を残したまま絶命させた。
しかし、絶命して動かなくなったのにも関わらずドラウが近付いて来なかったので声を掛ける事にした。
「で?後はどうすれば良いんだ?」
「尾の根元を裂いて金の玉が無いか調べてくれ。」
「俺がするのか?」
「多分だが、その方が良い気がするんだ。」
「それもスキルか?」
「あぁ。」
「分かった。にしてもアクアスパイダーは口から糸を飛ばしてたけど上位種だと別なのか?」
「いや、同じだと思うぞ。アクアスパイダーも粘着糸は口から出る様になってっけど、作り出すのは尾の根元付近の糸玉にあるんだよ。」
「なるほどなぁ。」
俺はそう言うとドラウの指示を受けながら尾の根元を裂くと金色と黒色が揺らめく不思議な玉が出て来た。
「コレか?」
「多分な。」
そう言うドラウに取り出した玉を渡すとドラウは残りの死体を収納してから不思議な玉を凝視していた。
「どうだった?」
「間違いねぇ、金皇糸玉だ。」
「狙ってた物って事か?」
「あぁ。調べて分かった事だが、ゴールデンアクアスパイダー数万体に1体の確率で手に入るってなってたな。」
「数万体に1体ってコイツって最低でもSSランクの魔物だよなぁ?」
「間違いなくSSからSSSのランクだろうな。」
「そんなのが数万体って・・・。」
「だから確率が低いって言っただろ?」
「偶々倒したのが持ってて良かったな。」
「いや、多分偶々じゃねぇぞ。」
「ドラウ、どういう事だ?」
「確かに数万体に1体って事だが、戦闘の長さや外殻の損傷具合で確率の変動有りってぇのも載ってるからな。」
「外殻の修復にもそのえぇと・・・。」
「金皇糸玉な。」
「そうその糸玉の糸が素になってるって事か?」
「外殻を後で調べてみないと分かんねぇが、身体を構成してる主成分が金皇糸玉から出てるって考えで間違いねぇだろうな。」
ドラウがそう言うとルークが金皇糸玉を見ながら話し掛けてきた。
「そういやぁ、あの蜘蛛と戦ってる時に一撃で倒し損ねた奴が尾っぽの付け根を光らせて修復してる感じだったな。しかも外殻をぶっ壊して死んだ奴も暫く光ってたし、無傷で倒す事が1番大事になってくんじゃねぇか?第一SSやSSSランクの魔物を一撃な上、内傷だけで倒せるヤツなんて居ねぇから天文学的確率になんじゃねえ?」
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