転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第408話 [生命の揺り篭。Part11]

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10階層以降も多少魔物のランクが底上げされているものの1階層から10階層までと殆ど変わらなかったので、魔物の討伐はそこそこに一気に20階層のボス部屋の前まで踏破した。

「なぁシュウト、昨日の段階だと10階層からは海中戦になるって言ってなかったか?」

「昨日の段階だとそうだったんだが、今みたら30階層までは同じだな。」

「じゃあ、この階層のボスもまた蜘蛛なのか?」

「いや、沼地になってるから別のボスっぽいぞ。」

「ぽいって何だよ。」

「沼地に潜って同化してる所為で全体像が把握出来ない部分があるんだよ。」

「同化?同化かぁ・・・シュウトが分からねぇとなると完全同化が出来る魔物だよなぁ。」

「此処に到達するまでに遭遇してない魔物だが、ルークはどんな魔物か知ってるのか?」

「マッドスキッパーって名前か?」

「マッドスキッパーかぁ・・・ペリオフタルムスバシレウスって名前だし、ルークが知ってるヤツの上位種なのかもな。」

「ん?全然名前が違ぇじゃねぇか。」

「ん?覚えてないか、ルーク、前世のお前に教えてもらったんだがな。」

「ん?俺に?」

「あぁ、ムツゴロウの話をしてる時にな。」

「ムツゴロウ?・・・あぁ、確かにマッドスキッパーと似てんなぁ。」

「その別名というか、属名とか言ってたと思うが、その名前がペリオフタルムスなんだよ。」

「バシレウスってぇのも付いてただろ?」

「アレは王って意味だ。」

「って事は俺が知ってるヤツの上位種か、同系統の上位種かもしれねぇな。」

「で、飛び跳ねて噛み付いてきたり圧死させようとしてきたりするのか?」

「デカい個体ならそうだな。後は唐突に現れてバクっと来る感じだろうな。」

「泥の中を移動してって事か。」

「そうだな。討伐後に周辺の調査を行った時にマッドスキッパーの通った穴を調べたんだが、スキルか魔法で泥を固めて筒を作り出し、泥に圧力を加えて射出台の様な感じにしてたんだ。」

「なるほどなぁって事は此処のボスも似た様な攻撃をしてくるって事か。」

「だろうな。」

「って事で今後の事も考えると・・・エダかコク、何とか出来るか?」

「俺?俺の魔法だと泥を動かすか、大岩で蓋をするとかか?」

「軌道を反らせたり、足場を創れるって事か?」

「まぁ、魔物によっちゃあ沼地でも圧死させれるが、SSランク以上じゃあやってみねぇと分からねぇなぁ。岩礁地帯ならやれる事は多いんだがな。」

「そんなに違うのか?」

「あぁ、俺の岩石王魔法は土も操作出来るが基本的には岩石を創り出して操る事の方が得意だから泥みたいな水分を多く含んだ大地だと少し操り難いんだよ。」

「地面だと何処でもって訳でもないんだな。」

「出来る出来ないで言えば出来るが、相手の強さによっては今回みたいに効果が薄いだろうな。」

「なるほどな。って事は此処みたいなランクだと使いづらいのか。」

「だな。やるなら尖った岩石を創り出して串刺しにしてく方が良いだろうな。シュウトの希望してるのとは違うだろ?」

「そうだな。まぁでもコクのやり方でも倒せるだろうし、妨害も可能だろう?」

「まぁ、土に相手が触れてりゃあ居場所はハッキリと分かるからな。」

「だよな。エダはどうだ?」

「儂も探知で言えばコクと同じじゃのぅ。」

「探知以外はどうなんだ?」

「シュウト様が御希望だと思われる技は可能じゃよ。」

「泥で動きを封じて地上に引っ張りだせるって事か?」

「そうじゃ、攻撃面で言えばコクよりも強くも多彩性も無いが儂は大地であれば関係無いからのぅ。」

「へぇ~元精霊であるエダよりも強いのか。」

「経験値が違うからのぅ。それに精霊は細かい事は苦手なのじゃよ。」

「なるほどな。それなら経験さえすれば差は少なく出来るって事か?」

「そうじゃのぅ、まぁそれはコクも同じじゃないかのぅ。」

「まぁな。慣れりゃ上手く出来るだろうよ。」

「後はそうじゃのぅ、出来ればネロも手伝ってくれるとより楽に倒せるんじゃないかのぅ。」

「ネロ?・・・海中なのに泥から水分を取り除かせようって事か?」

「そうじゃ、その方が儂もコクも容易く倒せるはずじゃよ。」

「へぇ~、でも水中で水を抜くって大変じゃないのか?」

俺がそう言うとネロが艶かしい仕草をしながら近付いてきた。

「そんな事ないわよ。シュウト様のお願いならボス部屋の水という水全てを無くしてあげても良いわよ。」

ネロがそう言いながら俺に近付こうとした瞬間、スキアがネロを羽交い締めした。

「何よスキア。」

「シュウト様がお困りになると何度言えば分かるの!」

「えぇ~まだ何もしてないじゃな~い。」

「まだって事は何かするつもりでしょ!」

「あっ・・・まぁいいわ。」

ネロはそう言うとエダの方を見た。

「ボス部屋に入って直ぐで良いの?」

「そうじゃのぅ、儂は良いがコクはどうじゃ?」

「土から水分が抜けるつうなら最初からねぇのは有りがてぇな。」

「ネロ、そういう事じゃ。」

「良いわよ。シュウト様、もう行きますの?」

「3人の準備が済んでるなら何時でも良いぞ。」

「2人が良いなら私は良いわよ?」

「儂は問題無い。」

「俺も良いぜ。」

3人がそう言うので俺が扉を開き、全員で入り、扉が閉まると直ぐにネロは俺達から少し離れて両手を広げた。するとボス部屋内の水嵩が段々上がっていき、それと同時に足下の泥の感じに変化が生じていった。数秒後に変化が止まるとネロも両手を下げた。

「出来たわよ。」

ネロがそう言うとエダは坐禅を組み、コクは両手を地面に着けた。すると直ぐに地面に沈んでいた足がせり上がってくると足下が岩の様に硬くなった。

「エダ、足場は固めたぞ。」

「儂も敵を捕獲したぞい。」

「一人で圧殺出来るか?」

「出来ん事もないが想定以上の硬さじし、時間は掛かるかのぅ。」

「それなら捕獲したままで良いから地上に出せるか?」

「それなら簡単じゃ。行くぞコク!」

「来い!」

コクの合図と共に地面が揺れるとボス部屋の中央付近の地面が罅割れ、岩の縄の様な物で縛られた巨大なムツゴロウの姿が現れたと思った瞬間、コクが「アトラスの顎!」と唱えながら地面から手を離し、合掌するとその動きに合わせる様に巨大な牙の形をした岩が無数に出現し、小魚を一口で食べる様に牙を生やした地面がバンッ!という轟音と共に潰してしまった。

「シュウト、どうだった?」

「凄いなぁ。ネロが水気を抜く事で魔物の自由を奪い、エダが捕捉、捕縛し、止めをコクの強力な一撃でか、3人とも素晴らしい連携だったぞ。」

俺がそう言うと3人はお互いを見てから恥ずかしそうにしていた。

「それで?」

「何だ?ルーク。」

「いや、まだ先を急ぐのか?」

「そういう事か、まぁ焦って急ぐ必要は無いが、まだ時間も早いしなぁそうだろドラウ。」

「まぁ、予定してた昼の時間にもなってねぇな。」

「それなら少しでも下に行った方が良いだろうな。」

「おし!今のを見て、皆んなやる気が出たみてぇだし、さっさと行こうぜ!」

「ふっ、ルークが1番やる気みたいだけどな。」

「そりゃあ今のを見てりゃあ、やりたくなるだろ?」

「まぁそうか。じゃあ進もうか。」

「おう!」

俺達はそう言うとこれまでよりも更にスピードを上げて下へ下へと階層を下って行った。

俺達は勢いをそのままに30階層まで到達し、蜘蛛と蟹のボスを討伐し、31階層の入り口のセーフティーゾーンで昼食を摂る事にした。

「凄ぇな。此処までじゃねぇが前世でもこんなのを見た記憶があるぜ。」

「水族館だな。」

「スイゾクカン?スイ・・・あぁ、そんな名前だったな。」

「だろ?まぁ、此処は結界みたいだけどな。」

「スイゾクカンは確か分厚いガラスだったな。遮断って意味だけなら同じだな。」

「強度は違うだろうけどな。」

「レベルが違ぇだろ?まぁいいや、昼飯が済んだら海中戦だな。」

「そのつもりだが、戦えるよな?」

「当たり前だろ?何の為にあれだけの修行をしてきたと思ってんだ?」

「だよな。」

「逆にシュウトはどうなんだ?高水圧や激流での戦闘は大丈夫だろうが、見た感じ穏やかな感じだぞ?そっちには慣れてねぇんじゃねぇのか?」

「ルーク達程の修練時間は無かったからそこまでやってないけど、前世なら結構やってたから大丈夫だろ。」

「あぁ、水中戦がどうとか言って、とんでもねぇ深い水溜まりとか穏やかな海に潜って何時間も戦うとか頭の可笑しい事してたもんな。」

「水溜まりって潜水訓練用のプールだぞ。水溜まりって言うには深いし広過ぎだろ?まだため池なら分かるけど・・・って、こっちにもため池は在るよな?」

「あぁ、農民の為に国として乾燥地帯には整備・・・あぁ、ため池か、忘れてたわ。」

「仮にも王子だったやつのセリフとは思えないな。」

「うるせぇ。ってか、ダムとかいうのもなかったか?それともため池の事をダムって言ったんだっけ?」

「多分、ルークの言ってるのは少し違うかな。ダムは水害を抑える為と電力を作り出す為に川を堰き止めてる物だな。こっちでは無いのか?」

「川を堰き止めるか・・・俺の故郷だとそんな場所はねぇから忘れてたが、他国だとあるって聞いた事は有るな。」

「シュナイダー王国だとしないのか?」

「する必要がねぇっていうのも有るが、それ以上に魔物が蔓延る世界だぞ。造れても維持するのに国家予算をどれだけ注ぎ込む必要があると思うんだ?」

「あぁ、そういえばそうだな。ダムの予算と国民の安全で釣り合うと思わないと国は動かないか。」

「まぁな。ウチの国みたいに平民でも強くする様な国じゃねぇとどれだけ掛かるか。しかも前世だとエネルギー源にもなってただろ?」

「そうだな。魔力なんて便利なエネルギー源は無かったしな。こっちだと不可能じゃないが、必要性は限られる・・・か。」

「それにだ。こっちだと魔法やスキルがあるから大規模なダムよりも魔法やスキルを持つ数人を雇った方が経済的なんだよ。」

「なるほどなぁ。それもそうか。」

「まぁ、それより飯だ!飯!」

「そうだな。」

俺達はそう言うと美しい景色を観るのを止めて昼食を摂る事にした。
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