転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第409話 [生命の揺り篭。Part12]

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昼食を済ませた俺達は早速出発する事にした。

「やっぱ見た目通りだな。」

ルークはそう言いながら少し残念そうにしていた。

「ダンジョンなのにとでも思ってるのか?」

「まぁな。此処まで降ってきて感じた事だが、穏やか過ぎねぇか?」

「それは他のダンジョンよりもって事か?」

「あぁ、魔物の強さは別として、ダンジョン自体が他よりも優しさを感じるんだ。」

「優しさ?」

「あぁ、Cランクまでのダンジョンなら冒険者、いや、侵入者に対して何もして来ねぇ事が殆どだが、Bランク以上になってくっと罠やら地形ダメージを意識してんじゃねぇかと思える様なダンジョンが殆どだぞ。」

「・・・確かに魔物が張った様な罠以外は無かったが、地形ダメージで言うなら此処は海中だぞ。」

「あっ、そうか。」

「しかも俺達は鍛錬で今の状況よりも圧倒的に水圧も海流も激しいので慣れる様にしてたんだ。普通だったら呼吸すら難しいはずだぞ。」

「そうだな。穏やかとはいえ、水圧は深海と浅瀬の間ぐらいは感じるし、これくらいだと上位の冒険者なら耐えれるって言っても常時魔法で呼吸や水圧に耐えれる様にする必要が有るだろうから1時間耐えれたら良しってレベルか。」

「だろ?」

「って考えたら罠よりもキツいか。」

「まぁでも罠も無いわけじゃなさそうだけどな。」

「ん?何処にあるんだ?」

ルークはそう言うと周囲を真剣な表情で観察していた。

「あっ、この階層っていうか、今の段階で罠が在るのは50階層以降だぞ。」

「なっ!如何にもその辺にある様な言い方だったじゃねぇか!」

「悪い悪い。まぁでもそんなに大っきい声を出したら・・・ほら、凄い数の魔物が寄って来たぞ。」

俺がそう言いながら周囲を見渡すと夥しい数の魔物が遠くの方から押し寄せて来るのが見えた。

「なっ、なんだこの量の魔物は!スタンピードじゃねぇか!」

「ルークが叫ぶから・・・。」

俺がジト目でルークを見るとルークは皆んなに向かって言い訳を言う様に謝罪していた。

「まぁそんな事よりそろそろ第一波が来るぞ。」

俺がそう言うとルークの事を弄っていた者も含めて全員が戦闘態勢に切り替わり、幻精霊の皆んなが協力して魔力を一点に集中させていた。

「ん?何をするつもりだ?」

俺が不思議そうにそう言うとスキアが話し掛けてきた。

「第一波もそうなのですが、その後から来ている魔物の殆どがAランク以下ですので超範囲攻撃魔法である程度数を減らそうかと思いまして。」

「そんな強力な魔法が有るのか?」

「はい。以前の私共でしたら使用するのに数時間は掛かっていましたし、シュウト様に巡り会うまででしたら使用すら叶わなかった事でした。それと威力的な面でもBランクの魔物をギリギリ倒せるかどうかでしたが、今ならば威力、範囲共にどの程度になるのか試してみたいと思いまして。」

「なるほどなぁ・・・ところでその合成魔法?複合魔法・・・?」

俺がそう言いながら悩んでいるとスキアは俺が言いたい事が分かったのか一点に魔力を集中させながら完全に俺の方へと身体ごと振り返った。

「お、おい、魔法は大丈夫なのか!?」

「問題ありません。人々が精霊の力を借りて扱う精霊魔法は呪文が精霊との会話の役割をしておりますが、私共は元々精霊、これまでも私共が精霊魔法を使用する際に呪文を使っていたと?」

「そういやぁ・・・ん?でも偶に呪文みたいなのを使ってなかったか?」

「アレは呪文ではなく、同じ属性の精霊達に協力してもらう為に集合してもらったりする合言葉の様なものです。まぁでも幻精霊として頂いた今となっては今回もそうですが、協力してもらう様な事をしては逆に危険かもしれませんね。」

「危険?」

「はい。今回発動させる合成精霊魔法“タ・エスカタ”ですと制御が難しくなり仲間まで被害が及ぶ可能性までありますので。」

「タ・エスカタかぁ・・・。」

「シュウト様はこの魔法をご存知なのですか?」

「あ、いや、この精霊魔法自体は知らないが名前がな。」

「名前・・・ですか?」

「あぁ、前世の言語で、その名前の意味が終末って事なんだ。」

「終末?・・・見て頂いたら分かるかもしれませんが、そのままの意味を魔法名にされたのかもしれません。」

「そうなのか?」

「はい。ユグドラシル様がシュウト様と共に世界を救うのであれば覚えなさいと名前の由来と共に教えて頂けた魔法ですので。」

「まぁ、精霊魔法なんだし、ユグドラシルは使えるよなって、もしかして今のスキア達と一緒で誰かと共に行動してたのか?」

「そう聞いております。今回の魔法の名付けも同行していた方が命名したとの事です。」

「なるほどなぁ、その人は俺と同じ世界から来たのかもな。」

俺達がそう話していると1点に集中していた魔力の塊に変化が起こり、虹色に輝くビー玉程の大きさの玉になった。

「完成か?」

「はい。シュウト様、もう発動させても宜しいでしょうか?」

そう言われた俺は魔物の様子を確認した。

「スキア、その精霊魔法は即時発動なのか?それとも放っても直ぐには発動しないとか?」

「1度打ち上げますので、放ってから1、2秒というところでしょうか。」

「分かった。俺の合図で放ってくれ。」

「御意。」

暫く様子を見て、魔物が十分近付いたのを確認した俺が手を上げると虹色の玉が一直線に上がると玉に罅が入ったと思った瞬間、ボン!という衝撃と共に色んな属性が入り交じった津波の様な魔力波が発生し、夥しい数の魔物に当たると当たった瞬間から魔物が蒸発する様に消滅して行った。

「凄い威力だなぁ・・・あの数の魔物がどんどん消滅してくぞ。」

俺がマップを確認しながらそう言ってスキア達の方を見ると放ったはずのスキア達が全員唖然として呆けていた。

「ん?スキア、どうしたんだ?」

「・・・。」

「スキア?」

「ハッ!すいません!私共もあれ程の威力が有るとは思ってもなかったので。」

「放った事は無いのか?」

「幻精霊と成ってからは初めてでございます。ですのであれ程とは・・・。」

「まぁ確かに凄い威力だな。最初のグループどころか、後ろに居た魔物も全て倒したっていうか、何時まで終わらないんだ?」

「さぁ?」

「さぁ?ってどういう事だ?」

「えぇと前回使用した際はこれ程の威力もありませんでしたし、彼処までの距離まで届いている事も驚きですし、まだ衰えた様子も無い状況で何と言ったら良いのか・・・。」

「じゃあ逆に聞くが、あの威力は前に発動した時からみて、どの程度衰えた感じがするんだ?」

「見た限り威力はほんの少しだけ衰えたとしか・・・。」

「なるほどな。まぁそこは俺と同じだな。しかし・・・これってSSランクの魔物まで消滅してないか?どう思うルーク?」

「見えてたヤツで良いならそうだな。」

「だよな。強そうな魔物も苦しんで消滅してたもんな。」

「あぁ、多少生き残っても第2波、第3波の魔力波で消滅してたな。にしてもコレならこの精霊魔法、なんで言ったっけ・・・タ・何たらかんたらで倒して進めば良いんじゃねぇか?スキア達もそれ程、魔力を消費してる感じもしねぇしよ。」

「魔力は確かにそんな感じがするけど、どうなんだ?」

「はい。一人でとなりますとかなり消費するでしょうが、全員であればそれ程消費致しません。」

「なるほど。って事は連発も可能か?」

「可能ですが、先行した魔法が魔物に当たった際にスピードが落ち、その魔法にぶつかり増幅されるだけですが、使用しながら進みますか?」

「う~ん、止めておこう。」

「シュウト、何でだ?」

「何でって・・・なら聞くがルーク、此処はどんなダンジョンだ?」

「どんなダンジョンって・・・あぁそうか、全部消滅させたら大変な事になるだろうな。」

ルークがそう言うとスキア達が少し焦った表情に変わった。

「まぁでもスキア達も気になくても大丈夫だろ。例えこのままこの階層の魔物を消滅させたとしても1階層ぐらいならそこまで心配する事はないはずだ。それに責任って言うなら使わせたのは俺だし、何より誰かさんが叫ばなかったらこんな事にはならなかっただろうしな。」

「お、おい!それじゃまるで俺が悪ぃみてぇじゃねえか!」

「え?誰もルークなんて言ってないだろ?」

「言ってはないが、確実に俺だろ!」

「って事はルーク、お前自身が悪いと?そうらしいぞスキア。」

「ありがとうございますルーク。」

「そうじゃねぇって!」

そう言いながらボケあっているとアキトが近付いてきた。

「そんな事より先に進まないのかい?」

「そんな事って何だよ!アキトも見てただろ?シュウトがあんな事言わなきゃ俺も叫ばなかったって。」

「見てたけど?それならこの後は気を付けようねで良いじゃん。それよりも折角魔物も居ないんだし、先に進んだ方が良くない?」

「ま、まぁそうか、そうだな。皆んなも気を付けろよ。」

「ルークが言うか?」

俺がそう言うと全員が爆笑した。

「まぁとりあえず、下への階段までの魔物も消滅したし、進むか。」

俺がそう言うと皆んなが笑いながらも頷いてくれたので、スピードを上げて階段付近まで移動した。

「なぁシュウト。」

「何だ?」

「とりあえず進んだものの魔物を探知出来ねぇけど、あの精霊魔法ってどうなったんだ?」

「アレか?アレならこの階層の一番外側の壁に当たって消滅したぞ。」

「って事は、この階層の魔物は?」

「壁で跳ね返った魔力波が当たってない魔力波に当たって対消滅する感じで全部消えたから1部は消滅してないけど、数的に言えば元の100分の1以下ってところだろうな。」

「へぇ~上手く生き残ったのも居たのか。」

「そうだな。まぁ言ってみれば、あの精霊魔法の弱点ってとこだな。」

「壁にって事は地面に潜ってたヤツも大丈夫だったって事にならねぇのか?にしては下にも警戒してたが、探知出来なかったぞ?」

「相当深く潜ってないと難しいだろうな。考えてもみろよ。スキア達の精霊魔法にはエダも含まれてるんだぞ。土に潜った程度で魔力が届かないとでも?かなり深ければ防げるとは思うが、それこそ下の階層ギリギリじゃないと無理なんじゃないか?」

「言われてみれば、まぁでも面白ぇ魔法だったな。シュウトが言った終末ってぇのも分かるぜ。」

「そうだな。」

俺達はそう言うと階段を降りていった。




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