転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第410話 [生命の揺り篭。Part13]

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階段を降りて32階層に来るとマップで確認した通り、この階層にも夥しい数の魔物を視認した事もあり、スキアに話し掛けた。

「なぁスキア、さっきの精霊魔法って範囲を絞る事は出来ないのか?」

「シュウト様、申し訳ないのですが、あの魔法を絞る事は出来ません。」

スキアはそう言いながら頭を下げた。

「謝る必要は無いが、“あの魔法は”って事は別の精霊魔法なら方向を指定すればその方向のみにさっきと同じ様な効果の有る精霊魔法が放てるのか?」

「途中で湾曲させる様な事は出来ませんが直線上であれば可能な魔法はございます。」

「それなら使って貰おうかな。って、その精霊魔法は幻精霊に成ってから使った事って有るのか?」

「いえ、私個人で可能な基本となる攻撃魔法は一通り試してはおります、合成魔法も手の空いてる者同士で練習がてら行っておりましたが、全員でとなりますと迷宮の管理上不可能でしたので。」

「なるほど、それは悪かった。」

「いえいえ、私共の修行にもなりますので、お気になさらないで下さい。」

「修行?精霊から変化しても尚、そんなに修行になるのか?」

「はい。最大級の火力を出す為にはシュウト様の世界樹で産まれた精霊達を統率する必要もありますし、他属性の精霊達との連携の訓練にもなります。」

「ある程度必要なくなったとはいえ、最大火力を出すには必要なのか。」

「はい。それに私共がシュウト様の眷属だからなのか、私共に原理は分かりませんが、シュウト様の世界樹が産み出した同じ属性の精霊が各場所での修行を経て強くなると私共も今はまだ微量ですが強くなる事が出来るようでして。」

「そうなのか!?」

「はい。シュウト様の若き世界樹のお世話もしている事もあってか、世界樹が精霊達から返還される力の一部を属性に合わせて分けてくれている様です。」

「へぇ~。ん?・・・それってつまり、俺の世界樹にも意思が宿ってるって事か?」

「話すまでは成長しておりませんが、初めから意思はございましたよ。」

「あっ、だから俺が近くに行った時は色々変化があったのか。」

「その通りです。シュウト様のいらっしゃらない時などは『今日も父上は外の世界に居るの?』とお世話をしている私共に話し掛けてこられますね。」

「そうなのかぁ・・・じゃあ、このダンジョンを踏破し終わって戻ったら感謝を伝えないとな。」

「喜ばれると思われます。」

「そうか、ありがとう。それで話を戻すが、次の階層までの階段があの方角に在るんだが、試しにというか、今後の戦闘までに合成精霊魔法の練習がてら色々試してみないか?」

「よろしいのでしょうか?」

「皆んなも問題無いか?」

「俺は良いぜ。それに危険の少ない時に練習しといてもらわねぇと強敵に対しての戦闘シュミレーションも正確に出来ないしな。」

「確かにそうでござるな。先程の魔法を知らない状態で放たれていたら突然の事で拙者達にも動揺でミスを犯す危険も有るでござるからな。」

「サスケの言う通りだね。」

アキトがサスケの意見に同意すると他の皆んなも頷いたのでスキア達に出来るだけ色々試す様に促した。

「他の皆んなもこの機会に試したいと思うなら今日の夜にでも話し合うって感じで良いか?」

「おう。」

「僕も良いよ。」

「拙者もそれで良いでござる。」

皆んなの同意を得てからスキア達を見るとエダが造ったであろう長い筒を幻精霊全員で持ち、筒の先を進行方向へと向けた。

数秒後、筒の先に七色の光が灯るとスキアが話し掛けてきた。

「シュウト様、放っても宜しいでしょうか?」

「あぁ。」

「タナトス・トレノ!」

スキアがそう叫ぶと筒の先から放たれた光線は3km先の階段付近まで瞬時に届き、少しすると光線を中心とし放射状に拡散し直径20mの範囲に居た魔物を瞬時に消滅させた。

「今です!行きましょう!」

「ん?どういう事だ?」

「シュウト様、説明は後程致しますので、先ずは虹色に光る糸を掴んで下さい。」

「全員か?」

「はい。」

スキアにそう言われた俺達が虹色の糸に触れるとそれを確認したスキアがエダに合図を送った。するとエダが下を向くと同時に地面がせり上がって行き、筒を固定した。

「では参ります。」

スキアがそう言うと幻精霊全員が糸を掴んだ。すると俺達の周りに球体になる様に結界が張られ、地面ごと浮上すると前世の超電導リニアの新幹線の様に超高速で動き出しあっという間に階段前まで辿り着いた。

「凄ぇなぁ、なぁシュウト。」

「そうだな。まぁでもとりあえず、到着して魔法効果が切れたのか、魔物が近付き始めたし、階段の所のセーフティーゾーンに入ってから話すか。」

「お、そうだな。倒せねぇ訳じゃねぇが、とりあえず向かうか、そこだしな。」

そう言いながらセーフティーゾーンに入ると興奮冷めやらぬ様子で話し掛けてくるルークを余所にスキア達に声を掛ける事にした。

「そういえばさっきの精霊魔法って唱えてたのが魔法名なのか?」

「はい、ユグドラシル様が魔神大戦の際に移動用にお創りになられたと聞いております。」

「魔神大戦?邪神や悪神の他にも魔神とも戦っ・・・魔神大戦ってもしかして、そもそも別の戦いなのか?」

「はい。この世界での戦争ではなく、ユグドラシル様が前に居らした世界での戦争だと聞いております。」

「前の世界?ユグドラシルってこの世界の産まれじゃないのか?」

「ユグドラシル様は色々な世界に分体がございます。ただ意識を持たれている世界樹が本体となります。」

「って事は、俺の世界に在る世界樹も分体なのか?それにしては俺を父とか思ってるんだろ?」

「あの子は分体ではございません。シュウト様の世界とはいえ、シュウト様は此方の世界の住人となっており、同じ世界には世界樹と呼ばれる存在は1つのみにございます。」

「じゃあ俺の世界の世界樹は世界樹じゃないって事か?」

「いえ、紛うことなき世界樹でございますよ。」

「ん?意味がわからん?」

「正確に申しますとユグドラシル様の意識を持つ、もしくは、ユグドラシル様の意識を宿せる分体が1つしか存在出来ないのでございます。出来るのは種だけが存在出来るのです。」

「万が一、この世界の世界樹が倒れたりした時の為とか、そういう事か?」

「はい。可能性が0では無い限り精霊が存在する為に必要だという事で種は存在しております。ただ急成長する為には周囲一帯の生きとし生けるものの生命を糧にする必要がありますので、ゆっくり成長させる為に緊急時で無い限りは別の世界へと意識を飛ばします。」

「なるほどなぁ、じゃあ俺の世界の世界樹は別の存在って事になるのか?」

「別というのは少し違います。実際、ユグドラシル様の意識も飛ばせますので。」

「ん?」

「ただその場合は1つの世界樹に2つの意識が存在する事になりますので数時間しか持ちませんが。」

「へぇ~なら世界樹の子供ってところか?」

「それも少し違います。どちらかといえば姉妹でしょうか。人族でも獣人族でも双生児という存在がいるのと同じ感覚でしょうか。」

「なるほどなぁ。・・・ん?それだと名前も違うのか?」

「名前はユグドラシル様からシュウト様がお付け下さいとの事です。」

「俺?」

「はい。シュウト様の魔力で育っていますので、お子様の様なものだとの事です。」

「分かった。それなら考えておく。」

「お願い致します。」

「まぁそれは良いとして、魔神大戦ってそんなに危険な戦いだったのか?」

「はい。敵対する魔神は1柱でしたが、強力な魔神で数多くの魔人や魔族を生み出し、その中から8体の魔王を生み出し、他の神々と遊戯をする様にその世界を滅ぼそうとしたそうです。」

「・・・あっ、もしかして神は世界に干渉出来ないとかそういう事でか?」

「そうらしいです。ですので、他の神々は勇者という存在とそれに従う英雄を生み出し、世界樹であるユグドラシル様に協力を指示されたそうです。」

「なるほどなぁ、そんな危険な世界だったから移動手段も安全性を重視して敵を倒しながら進む精霊魔法なのか。」

「はい。」

「それにしてももう少しマシな名前は思い付かなかったのかねぇ。」

「そう申されますと?」

「読んで字のごとくって感じだ。タナトスは死を意味する言葉だし、トレノは前世の乗り物の1つだ。」

「そうなのですか?」

「あぁ。移動の仕方は別として、感覚だけは同じ様な感じだったから見たまんま、感じたまんまの名前なんだろうな。」

「敵を殺しながら目的地まで移動するからという事ですね。」

「あぁ、でもそれだと他の精霊魔法も似た感じなのかもな。」

「では次の階層で試させてもらいたい魔法があるのですが、魔法名で効果が分かるという事でしょうか?」

「なんて名前なんだ?」

「プロカミ・キュリオスと言います。」

「プロカミ・キュリオスって事は・・・一定空間を支配する触手でも創り出すのか?」

「やはり分かるのですね。シュウト様の言われる通り敵に大ダメージを与える数本の触手創り出し、空間を私共のモノとする魔法にございます。」

「数本なのか?数十本じゃなくて?」

「はい。それがどうかなさいましたか?」

「いや、数本で触手っていうのも違和感があってな。それで空間支配が可能なのはどれくらいの範囲なんだ?」

「10から20mというところでしょうか。」

「意外と狭いんだな。」

「前回使用した際のものですので、これまで試させて頂いた魔法同様、どの様な変化があるのか、私共も分かりかねます。」

「分かった。試すのは良いが、1つ聞いて良いか?」

「如何なさいましたか?」

「その支配空間で俺達は自由に動けるのか?」

「はい。触れても何の問題もございません。」

「魔法はどうだ?」

「敵や魔物、私共に対し、敵対する意志を持って差し迫る魔法以外は妨害出来ません。」

「ん?それだと俺達を狙ってなかったり、偶然近くに飛んできた魔法は防げないのか?」

「はい。何もしなければ被弾する可能性はございます。ですが、私共の意志で動かせますので。」

「なるほどなぁ。それなら次の階層で一旦、その魔法を使ってもらって、その上で俺達が色々試すのは良いよな?」

「はい。ご自由にして頂けた方が、過度な魔力に対する反応も確認出来ますので。」

「過度な魔力・・・そういうのは試した事が無いのか。」

「はい。」

「なら、早速降りて試すか。」

俺達はそう言うと階段を降りて行った。

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