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第414話 [生命の揺り篭。Part17]
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「なぁスキア、あの階段ある程度広そうな感じがするんだが、このまま行けるか?」
「お望みであれば。」
「なら階段も一直線だし、下の階層も海中っていうのもあるから行ってくれ。」
俺がそう言うと範囲系の魔法を放っていたルークが発動中の魔法をキャンセルして俺の肩を掴んできた。
「おいおい、流石に無茶し過ぎなんじゃねぇか?」
「ん?そうか?この後も迷路の様に入り組んだ階層も在るんだし、少しは慣れておいた方が良いかと思ってな。」
「そうなのか?」
「あぁ60階層から65階層までは今のところ、マングローブの根みたいな、海中は海中だけど樹木で出来た迷路で、80階層から85階層は岩礁で出来た迷路だな。」
「マジか。なんとなくだが、見た目が変わらないんじゃないか?」
「そうだろうな。ほぼ同じ通路が入り組んでる感じて1階層10kmはありそうだったぞ。しかも岩礁で出来た方は80階層から85階層まで繋がった状態で正解を見つけられなかったら何度も登り降りを繰り返さないと駄目みたいだしな。」
「岩礁の方も10kmか?」
「いや、100kmはあるんじゃないかなぁ。」
「マジかぁ・・・それってシュウトが居ねぇと誰もクリア出来ねぇんじゃねぇか?」
「どうなんだろうな。海龍族は、このダンジョンをずっと護ってきてるんだし、種族特性とかで判別出来るんじゃないか?」
「それはあるかもな。」
「それにそこまで深く潜れるのは海龍族ぐらいだろ?」
「確かに人魚族みたいな水中で生活してる種族は他にも居るだろうが、このダンジョンに潜るには強さが足りないだろうからな。」
「そうだな。強さもそうだが、このダンジョンに入るには許可を得た者しか入れないし、コソコソ侵入しようにも海龍族の目を欺かないと入れないしな。」
「そうだな。」
「まぁ、何にしても通るのはギリギリだとは思うが、この後の事も考えて接触しない様に階段を降りてみろ。」
「「「「「「御意!」」」」」」
俺の話を聞いて気合いを入れ直した6人はお互いを見つめ合ってうなずくとスピードを上げて角度を調整すると一気に階段へと突入していった。
「ここでスピードを上げるなんてやるじゃねぇか。なぁシュウト。」
「そうだな。入り組んだ場所をある程度のスピードで進もうと考えてるならこの程度の障害をゆっくり入ってたら駄目だと思ったんだろうな。」
俺達がそう話している間に階段を抜けたスキア達から次の方向を聞かれた俺は次の階段の方を指し示してからルーク達を呼び寄せた。
「何だ?」
「いや、今日はスキア達に問題が無いなら熟練度を上げる為にも夜まで行ってもらおうと思うんだが、ルーク達もそれで良いか?」
「俺はスキア達に協力するだけだし、それでも良いが、みんなはどうだ?」
「そうだね。僕達もスキア達が良いなら。」
レイがそう言うと全員頷いたので、スキア達に俺の考えを伝えた。
「魔力的には問題ありません。」
「集中力、精神力の方が心配なのか?」
「はい。数時間という長い時間、この魔法を行使した事もございませんので、突然魔法の効果が切れないとも限りませんので、それで問題無いのであれば修練させていただきます。」
「確かにそれはあるかもしれないが、みんなはそれでも大丈夫か?」
俺がそう言うと全員が頷き、ドラウはクラーケン型の魔道具を取り出した。
「ん?ドラウはそれに乗り込むのか?」
「あぁ、突然だと俺が対処出来ねぇってぇのもあるが、みんなも急に足場が無くなったら困るだろ?」
「足場か。まぁあった方が助かるな。」
「それにこれだけ凄い精霊魔法なんだ。長時間の行使で、もしかしたらスキア達も動けねぇかもしれねぇしな。その時はコレに乗せりゃあ安全だろ?」
「動けない?」
俺が疑問に思っているとルークが話しかけてきた。
「シュウトは感じた事がねぇだろうし、これからもねぇかもしんねぇが、膨大な魔力消費と集中力が必要な魔法を使うと一時的にだが、本人の意志とは関係なく動けなくなる事があんだよ。」
「そうなのか?」
「鍛冶をやってる時にもあんだぞ。しかも普段出来ねぇというか、やらねぇ精霊魔法を行使してんだ。可能性としては高ぇだろ?」
「分かった。その時はドラウに任せる。」
「任せろ。そん代わり、魔物が殺到してる最中なら撃退面は任せるぞ。流石にそこまでの設定は急には出来ねぇからな。」
「分かった。みんなもそれで良いよな?」
全員が頷いたのを確認した俺はスキア達に最速で進む様に指示を出して、する事があまり無い俺だけ1人降りて、討伐した魔物を回収する事に務めていった。
途中、必ず通らなければいけないボス部屋は俺が先行してスキア達が入った瞬間に討伐し、どんどん進んで行き、予定では40階層までだったのだが、半強制的に進んだお陰で1日の終了予定時間ギリギリて50階層まで踏破する事が出来た。
「凄え勢いで来れたなぁ。」
「皆んなが手伝ってくれたので私達の魔力量を気にせず、操作だけに集中出来たのが大きいかな。」
「スキア、そうなのか?」
「はい。シュウト様、もし魔力量まで気にしていれば、先程ルークが言った様な勢いは生み出せなかったと私共は感じております。」
スキアがそう言うと他の幻精霊の皆んなが頷いた。
「そうか。だが、精神的には、かなり疲弊しただろうから明日はゆっくり休んでくれ。」
「おっ、自分が無茶な修行をさせたのを自覚したのか?」
「五月蝿いルーク。俺もここまでギリギリを攻めるとは思ってなかったんだよ。」
「まぁ、全員気合いの入れ方が半端なかったもんな。」
「あぁ、その証拠に今座り込んでるだろ?確かに俺が頑張れとは言ったが、何でここまでしたんだ?あっ、ちなみに言っておくが、怒ってる訳じゃないぞ。」
魔力量は殆ど減っていないはずの幻精霊達が座り込んでいるのを見ながら俺がそう言うとスキアが立ち上がろうとしたので、制止しながら話を聞く事にした。
「実際、私共が協力してここまでの事を出来たのは初めてでして、今後の移動を考えると今、頑張らねばというのもありましたが・・・。」
「ん?・・・もしかして楽しくなったのか?」
「・・・はい。」
スキアがそう言うと幻精霊の皆んなが恥ずかしそうにしているのを見て皆んなで笑っていると宿泊場所の準備を終えたドラウが話し掛けてきた。
「しかし懐かしいぜ。」
「懐かしい?」
「あぁ、俺も新しいスキルを手に入れて思い通りのもんを造れる様になった時には、ぶっ倒れるまで造ったもんよ。」
「そういう事か、まぁそれもあって皆んなも笑ってたんだろうけどな。」
「シュウト、それ以外にも理由はあんぞ。」
「何だルーク?」
「こんな危険なダンジョンで挑戦させたって事もあんだよ。」
「・・・だから明日は戦闘に参加しなくて良いって言っただろ。」
「だから笑えんだろ?」
「明日は休ませんのか?」
「あぁ、だからドラウ、明日は魔道具の背に乗せるでも何でも良いから乗せてやってくれないか?」
「中に乗れるって言っただろ?」
「あぁそうだな。じゃあ頼む。」
「あぁ、それに回復設備もあっからな。」
「あぁそれも言ってたな。」
「シュウト、お前らはどうするつもりなんだ?」
「俺達は普通に移動するぞ。」
「なら・・・新しい形態の実験にもなる事だし、背に乗って移動するか?」
「新しい形態?」
「おう、迎撃魔道具だけだと対処出来ねぇ状況も出てくんじゃねぇか?と思ってな。かと言って速く移動する必要があるってなると乗った状態での移動の方が良いだろ?」
「まぁ、そうなるかもな。」
「って事で造ったもんがあるから明日はそれで移動するって事で良いか?」
「あぁ、それでどんな形態なんだ?」
「そりゃ明日のお楽しみって事で。」
「分かった。じゃあ今日は早めに休むか。」
俺がそう言うと皆んなで幻精霊達に肩を貸して中に入っていき、早めに就寝した。
翌朝、出発準備を終えて外に出ると巨大な体長と同じ長さの翼?ヒレを持つ平べったいサメの様な物がすぐそこに置かれていた。
「ドラウ、コレが昨日話してた魔道具か?」
「あぁ、急遽造る事にしたからな、アクイロラムナ・ミラルカエってぇ魔物が居るらしいんだが、それを模した水中移動闘技場を参考に詰められるだけ詰め込んだ自信作だ。」
「アクイロラムナ・ミラルカエって・・・。」
「シュウト、知ってるのか?」
「実際は見た事も無いが、前世で太古の時代に生きていたとされる生き物で、こんな形だったんじゃないかって言われているのを知ってるだけだ。逆にルークは知らないのか?」
「俺か?う~ん・・・確か、王都の冒険者ギルドで、そんな文献はあったとは思うが、あくまで文献で載ってただけだしなぁ。」
「じゃあ実際は見た事は無いって事か。」
「あぁ、見た可能性があるとすればトルバとコクだろ?」
「あぁこの中だとそうだな。どうなんだ?」
俺がそう言いながらトルバを見るとトルバとコクは唖然とした表情でドラウの魔道具を見上げていた。
「ん?トルバ?」
「あっ、はい。シュウト様、どうされましたか?」
「2人ともドラウの魔道具の形に見覚えがあるのか?」
「はい。もう御姿をお隠しになった海の神様の大戦時に乗られていた聖獣です。」
「姿を隠したって事は、例の大戦で?」
「はい。その通りにございます。」
「まぁでも魔物じゃなくて聖獣だって事らしいぞ。」
「そうなのか?」
「どうしたんだ?内容が違ったのか?」
「正確には分かんねえが、聖獣レベルだったとしたら天災クラスの魔物・・・まぁでもそうか、遠くから姿を見ただけなら被害もねえし、ガタイだけでSランクと表示しても可笑しくねえのか。」
「何一人で納得してるんだ?」
「いや、聖獣ってえなら護ってる場所だったりを仲間や眷属を侵害したり攻撃しねぇ限り、被害がねえよな。」
「まぁ、そうなんだろうな。」
「だから被害がねぇ事、恐らくだが、その聖獣が管理もしくは、眷属と共に過ごしていたナワバリが、その頃の技術力では行けない場所だったって事だ。」
「なるほどな。こっちに来なかったから見た感じで脅威度を判断していたって事か。」
「そういう事だ。」
「まぁそれは良いとしてトルバ、今は居ないのか?」
「私共では分かりかねます。」
「そうか、陸地に居るんだから分からないよな。ならメグミやカスミちゃんはどうなんだ?」
「メグミは会ってないかな。」
「ウチが知っとったらギルドは知っとるはずや。」
「そういうものなのか?」
「あぁ、冒険者ギルドは例え自分の地域に関係無くても魔物の生息域みたいな情報は共有する仕組みが有るからな。」
「まぁ確かに冒険者はいつどこへ行くかは本人次第だもんな。」
「あぁ、特に移動が激しいのが高ランクの冒険者ってぇのもあって、しょうもねぇ事で失わねぇ様に作られた仕組みだからな。」
「なるほどなぁ。」
俺達はそう言うとドラウに促されて魔道具の上に搭乗した。
「お望みであれば。」
「なら階段も一直線だし、下の階層も海中っていうのもあるから行ってくれ。」
俺がそう言うと範囲系の魔法を放っていたルークが発動中の魔法をキャンセルして俺の肩を掴んできた。
「おいおい、流石に無茶し過ぎなんじゃねぇか?」
「ん?そうか?この後も迷路の様に入り組んだ階層も在るんだし、少しは慣れておいた方が良いかと思ってな。」
「そうなのか?」
「あぁ60階層から65階層までは今のところ、マングローブの根みたいな、海中は海中だけど樹木で出来た迷路で、80階層から85階層は岩礁で出来た迷路だな。」
「マジか。なんとなくだが、見た目が変わらないんじゃないか?」
「そうだろうな。ほぼ同じ通路が入り組んでる感じて1階層10kmはありそうだったぞ。しかも岩礁で出来た方は80階層から85階層まで繋がった状態で正解を見つけられなかったら何度も登り降りを繰り返さないと駄目みたいだしな。」
「岩礁の方も10kmか?」
「いや、100kmはあるんじゃないかなぁ。」
「マジかぁ・・・それってシュウトが居ねぇと誰もクリア出来ねぇんじゃねぇか?」
「どうなんだろうな。海龍族は、このダンジョンをずっと護ってきてるんだし、種族特性とかで判別出来るんじゃないか?」
「それはあるかもな。」
「それにそこまで深く潜れるのは海龍族ぐらいだろ?」
「確かに人魚族みたいな水中で生活してる種族は他にも居るだろうが、このダンジョンに潜るには強さが足りないだろうからな。」
「そうだな。強さもそうだが、このダンジョンに入るには許可を得た者しか入れないし、コソコソ侵入しようにも海龍族の目を欺かないと入れないしな。」
「そうだな。」
「まぁ、何にしても通るのはギリギリだとは思うが、この後の事も考えて接触しない様に階段を降りてみろ。」
「「「「「「御意!」」」」」」
俺の話を聞いて気合いを入れ直した6人はお互いを見つめ合ってうなずくとスピードを上げて角度を調整すると一気に階段へと突入していった。
「ここでスピードを上げるなんてやるじゃねぇか。なぁシュウト。」
「そうだな。入り組んだ場所をある程度のスピードで進もうと考えてるならこの程度の障害をゆっくり入ってたら駄目だと思ったんだろうな。」
俺達がそう話している間に階段を抜けたスキア達から次の方向を聞かれた俺は次の階段の方を指し示してからルーク達を呼び寄せた。
「何だ?」
「いや、今日はスキア達に問題が無いなら熟練度を上げる為にも夜まで行ってもらおうと思うんだが、ルーク達もそれで良いか?」
「俺はスキア達に協力するだけだし、それでも良いが、みんなはどうだ?」
「そうだね。僕達もスキア達が良いなら。」
レイがそう言うと全員頷いたので、スキア達に俺の考えを伝えた。
「魔力的には問題ありません。」
「集中力、精神力の方が心配なのか?」
「はい。数時間という長い時間、この魔法を行使した事もございませんので、突然魔法の効果が切れないとも限りませんので、それで問題無いのであれば修練させていただきます。」
「確かにそれはあるかもしれないが、みんなはそれでも大丈夫か?」
俺がそう言うと全員が頷き、ドラウはクラーケン型の魔道具を取り出した。
「ん?ドラウはそれに乗り込むのか?」
「あぁ、突然だと俺が対処出来ねぇってぇのもあるが、みんなも急に足場が無くなったら困るだろ?」
「足場か。まぁあった方が助かるな。」
「それにこれだけ凄い精霊魔法なんだ。長時間の行使で、もしかしたらスキア達も動けねぇかもしれねぇしな。その時はコレに乗せりゃあ安全だろ?」
「動けない?」
俺が疑問に思っているとルークが話しかけてきた。
「シュウトは感じた事がねぇだろうし、これからもねぇかもしんねぇが、膨大な魔力消費と集中力が必要な魔法を使うと一時的にだが、本人の意志とは関係なく動けなくなる事があんだよ。」
「そうなのか?」
「鍛冶をやってる時にもあんだぞ。しかも普段出来ねぇというか、やらねぇ精霊魔法を行使してんだ。可能性としては高ぇだろ?」
「分かった。その時はドラウに任せる。」
「任せろ。そん代わり、魔物が殺到してる最中なら撃退面は任せるぞ。流石にそこまでの設定は急には出来ねぇからな。」
「分かった。みんなもそれで良いよな?」
全員が頷いたのを確認した俺はスキア達に最速で進む様に指示を出して、する事があまり無い俺だけ1人降りて、討伐した魔物を回収する事に務めていった。
途中、必ず通らなければいけないボス部屋は俺が先行してスキア達が入った瞬間に討伐し、どんどん進んで行き、予定では40階層までだったのだが、半強制的に進んだお陰で1日の終了予定時間ギリギリて50階層まで踏破する事が出来た。
「凄え勢いで来れたなぁ。」
「皆んなが手伝ってくれたので私達の魔力量を気にせず、操作だけに集中出来たのが大きいかな。」
「スキア、そうなのか?」
「はい。シュウト様、もし魔力量まで気にしていれば、先程ルークが言った様な勢いは生み出せなかったと私共は感じております。」
スキアがそう言うと他の幻精霊の皆んなが頷いた。
「そうか。だが、精神的には、かなり疲弊しただろうから明日はゆっくり休んでくれ。」
「おっ、自分が無茶な修行をさせたのを自覚したのか?」
「五月蝿いルーク。俺もここまでギリギリを攻めるとは思ってなかったんだよ。」
「まぁ、全員気合いの入れ方が半端なかったもんな。」
「あぁ、その証拠に今座り込んでるだろ?確かに俺が頑張れとは言ったが、何でここまでしたんだ?あっ、ちなみに言っておくが、怒ってる訳じゃないぞ。」
魔力量は殆ど減っていないはずの幻精霊達が座り込んでいるのを見ながら俺がそう言うとスキアが立ち上がろうとしたので、制止しながら話を聞く事にした。
「実際、私共が協力してここまでの事を出来たのは初めてでして、今後の移動を考えると今、頑張らねばというのもありましたが・・・。」
「ん?・・・もしかして楽しくなったのか?」
「・・・はい。」
スキアがそう言うと幻精霊の皆んなが恥ずかしそうにしているのを見て皆んなで笑っていると宿泊場所の準備を終えたドラウが話し掛けてきた。
「しかし懐かしいぜ。」
「懐かしい?」
「あぁ、俺も新しいスキルを手に入れて思い通りのもんを造れる様になった時には、ぶっ倒れるまで造ったもんよ。」
「そういう事か、まぁそれもあって皆んなも笑ってたんだろうけどな。」
「シュウト、それ以外にも理由はあんぞ。」
「何だルーク?」
「こんな危険なダンジョンで挑戦させたって事もあんだよ。」
「・・・だから明日は戦闘に参加しなくて良いって言っただろ。」
「だから笑えんだろ?」
「明日は休ませんのか?」
「あぁ、だからドラウ、明日は魔道具の背に乗せるでも何でも良いから乗せてやってくれないか?」
「中に乗れるって言っただろ?」
「あぁそうだな。じゃあ頼む。」
「あぁ、それに回復設備もあっからな。」
「あぁそれも言ってたな。」
「シュウト、お前らはどうするつもりなんだ?」
「俺達は普通に移動するぞ。」
「なら・・・新しい形態の実験にもなる事だし、背に乗って移動するか?」
「新しい形態?」
「おう、迎撃魔道具だけだと対処出来ねぇ状況も出てくんじゃねぇか?と思ってな。かと言って速く移動する必要があるってなると乗った状態での移動の方が良いだろ?」
「まぁ、そうなるかもな。」
「って事で造ったもんがあるから明日はそれで移動するって事で良いか?」
「あぁ、それでどんな形態なんだ?」
「そりゃ明日のお楽しみって事で。」
「分かった。じゃあ今日は早めに休むか。」
俺がそう言うと皆んなで幻精霊達に肩を貸して中に入っていき、早めに就寝した。
翌朝、出発準備を終えて外に出ると巨大な体長と同じ長さの翼?ヒレを持つ平べったいサメの様な物がすぐそこに置かれていた。
「ドラウ、コレが昨日話してた魔道具か?」
「あぁ、急遽造る事にしたからな、アクイロラムナ・ミラルカエってぇ魔物が居るらしいんだが、それを模した水中移動闘技場を参考に詰められるだけ詰め込んだ自信作だ。」
「アクイロラムナ・ミラルカエって・・・。」
「シュウト、知ってるのか?」
「実際は見た事も無いが、前世で太古の時代に生きていたとされる生き物で、こんな形だったんじゃないかって言われているのを知ってるだけだ。逆にルークは知らないのか?」
「俺か?う~ん・・・確か、王都の冒険者ギルドで、そんな文献はあったとは思うが、あくまで文献で載ってただけだしなぁ。」
「じゃあ実際は見た事は無いって事か。」
「あぁ、見た可能性があるとすればトルバとコクだろ?」
「あぁこの中だとそうだな。どうなんだ?」
俺がそう言いながらトルバを見るとトルバとコクは唖然とした表情でドラウの魔道具を見上げていた。
「ん?トルバ?」
「あっ、はい。シュウト様、どうされましたか?」
「2人ともドラウの魔道具の形に見覚えがあるのか?」
「はい。もう御姿をお隠しになった海の神様の大戦時に乗られていた聖獣です。」
「姿を隠したって事は、例の大戦で?」
「はい。その通りにございます。」
「まぁでも魔物じゃなくて聖獣だって事らしいぞ。」
「そうなのか?」
「どうしたんだ?内容が違ったのか?」
「正確には分かんねえが、聖獣レベルだったとしたら天災クラスの魔物・・・まぁでもそうか、遠くから姿を見ただけなら被害もねえし、ガタイだけでSランクと表示しても可笑しくねえのか。」
「何一人で納得してるんだ?」
「いや、聖獣ってえなら護ってる場所だったりを仲間や眷属を侵害したり攻撃しねぇ限り、被害がねえよな。」
「まぁ、そうなんだろうな。」
「だから被害がねぇ事、恐らくだが、その聖獣が管理もしくは、眷属と共に過ごしていたナワバリが、その頃の技術力では行けない場所だったって事だ。」
「なるほどな。こっちに来なかったから見た感じで脅威度を判断していたって事か。」
「そういう事だ。」
「まぁそれは良いとしてトルバ、今は居ないのか?」
「私共では分かりかねます。」
「そうか、陸地に居るんだから分からないよな。ならメグミやカスミちゃんはどうなんだ?」
「メグミは会ってないかな。」
「ウチが知っとったらギルドは知っとるはずや。」
「そういうものなのか?」
「あぁ、冒険者ギルドは例え自分の地域に関係無くても魔物の生息域みたいな情報は共有する仕組みが有るからな。」
「まぁ確かに冒険者はいつどこへ行くかは本人次第だもんな。」
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