転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

文字の大きさ
417 / 418

第416話 [生命の揺り篭。Part19]

しおりを挟む
「シュウト、今日はどこまで降りる予定なんだ?」

「ん?ルーク、急にどうしたんだ?」

「いや、ここまでの進行具合で考えっと最低10階層は下る事になんだろ?」

「まぁそうだな。」

「って事はそれ以上だと迷路みてぇな階層に差し掛かる事になるだろ?」

「そうだな。やっぱり危険なのか?」

「あぁ、シュウトの神の瞳があるとしても1日で、そこのゾーンは踏破しないと結局戻らないといけない状況になりかねねぇと思ってな。」

「確かにそれだと面倒か。・・・分かった。なら今日は迷路ゾーンの入り口で泊まる事にするか。」

「まぁ普通は地図があったとしてもそんな事考えねぇが、かなり入り組んでんなら移動距離も普通に下る速さじゃねぇだろうからな。」

「それなら・・・よし!ゆっくり行く訳じゃないが、混戦を想定した訓練もするぞ。」

「混戦を想定した訓練か、確かに必要だな。何も考えずに出入りしてたら出入り口が直ぐにバレるだろうしな。」

「あぁ、各自のスキルで関係のない場所から出入りしている様に見せかけるとか、戦闘中にいかに騙せるかも深手を負った際には必要だろうしな。」

「ならシュウトはスキル移動が基本って事か。」

「俺はな。それで皆んなを移動させる事も可能だが、それだけでは戦略の幅が広がらないし、各自で考える事も必要だろ?」

「あぁ。」

「って事で皆んなも分かったな。」

俺がそう言うと全員が頷いたので早速出発する事にした。

その後、予定通り魔道具に搭乗したまま討伐し、討伐の合間合間に各々試行錯誤しながら戦闘訓練を行っていき、60階層の迷路入り口で早めの就寝して朝を迎えた。

「ん?どうしたんだシュウト?」

俺が朝から首を捻って考え込んでいるとルークにそう声を掛けられた俺は皆んなにも見える様に神の瞳で確認した地図を可視化した。

「地図?何か変化があったのか?」

「あぁ、数日前まではマングローブの迷路にもかなりの数の魔物が居たんだが、今は半分以下になっててな。」

「半分?この赤い点か?」

「あぁ、普通に減ってるだけなら他の階層に移動したとかも考えられるんだが、コレを見てくれ。」

俺はそう言うと最短ルートが分かりやすい様に表示した。

「探索しつつ下ってる?」

「やっぱりルークもそう見えるか?」

「あぁ、道に迷いつつもって感じにも見えるな。」

「だが、リヴィアタンさんには誰かが居るみたいな事は聞いてないしと思ってな。」

「長く潜り続けてる海龍族の誰かって可能性もあるだろ?それにここは普通のダンジョンともかなり違うし、普通にダンジョンの外と同じ様に餌を求めて徘徊してる種類も居るかもしれないぞ。」

「確かに前者は今のところ発見出来ないが、後者の方は群れで動き回ってる魔物が居るなぁ。」

「ならソイツらじゃねぇか?」

「まぁ可能性は高そうだな・・・。」

俺がそう言いながら再び考えているとルークは俺の顔を覗き込みながら声をかけてきた。

「ん?まだ何かあんのか?」

「・・・ちょっとな・・・。」

「何だよ。・・・もしかして何かシュウトの勘に引っ掛かるもんでもあんのか?」

「何となくだが、少し急いだ方がいい気がしてな。」

「・・・どの程度だ?」

「う~ん、そうだなぁ・・・焦る程じゃない感じか?」

「そうか・・・よし!スキア達は復活したか?」

ルークがそう言うと少し離れた場所に居たスキアがスゥーと近付いてきた。

「私共であれば昨日シュウト様に休ませて頂いたおかげで万全ですよルーク。」

「ならよぅ、昨日と同じスピードとまでは言わねぇけど、それに近い速度で進めるのか?」

「ここからはシュウト様から入り組んだ道と聞いてますからどの程度のスピードを出せるかは分かりませんが、シュウト様の御命・・・御希望であれば私共に断る理由などは無いですよ。」

「ハハッ、命令って言いかけたな。まぁ、シュウトは緊急でもねぇ限り命令する様なヤツじゃねぇからな。まぁでも今回は希望とかじゃねぇんだ。ただなぁ・・・。」

「ただ?何かあった様な言い方ですね。」

「あぁ、シュウトがこの先で何かあるって感じてるみてぇで、少し急いだ方がとか言ってたからよぅ。」

「ならば全力で行った方が良いのではないですか?」

ルークの言葉を聞いてスキアが真剣な顔でそう言うとルークは少し考えてから答えていた。

「・・・その必要はねぇはずだ。」

「何故そう思うのですか?」

「本当に急ぐならシュウトが自分のスキルで全員を移動させるはずだ。それをするつもりがねぇって事は、何かは感じてるがそれ程緊急的な事じゃねぇって事だ。」

「それはルークの勘ですか?」

「勘ってぇより、前世から知ってるシュウトの勘で助けられてきた経験ってやつだ。」

「経験ですか・・・その経験から私共にスピードを要求してきたという事ですね?」

「あぁ、それにどうせシュウトの事だ。スキア達が余力のある走りをしてたら後で小言を言われっぞ。」

「それは許されませんね。分かりました安定とスピードのギリギリに挑戦致しましょう。」

スキアはそう言うとアモネス達の下へと戻って行った。

「って事で良いかシュウト?」

「あぁ、それは良いんだが、さっきのは何だ?」

「さっきの?何の事だ?」

「俺が小言を言うとか、嫁姑問題みたいな事言ってたじゃないか。」

「!!?・・・あぁ・・・えぇと・・・そ、そりゃアレだ、言葉のあや?ってやつだって。」

「言葉のあやだとしてもだ。ルークは普段からそう思ってるって事だよなぁ?」

「い、いや、そんな事は・・・。」

「有るよな?まぁ良い、今後はルークだけ言葉で伝えるんじゃなくて行動で示す事にするから。」

「ちょ、ちょっと待とうか。俺だって限界まで修練するんだ。そんな事したら身体が持たねぇって!」

「だが言葉だけだと駄目なんだろ?」

「そうじゃねぇって!悪かった!俺が悪かったから勘弁してくれって!」

ルークはそう言うと手を合わせて俺に対して拝む様に謝ってきた。

「分かった。ダンジョンから帰ってから手合わせするっていうなら許そう。」

「ゲッ!マジでか?」

「ん?なら修練後に俺が居る時は毎回・・・。」

「分かった!分かったから手合わせする!手合わせするから!」

俺が言い切る前に焦った様子で必死に言ってくるルークに笑うのを我慢しながら答えた。

「・・・じゃあ話は終わりだな。皆はもう乗ってるみたいだから俺達も乗り込むぞ。」

「お、おう。」

俺がそう言うとルークは項垂れながらスキア達が使用した精霊魔法の上に搭乗するとアキト達から慰められていた。

「さぁ出発するぞ。」

俺はそう言うとスキア達を先導するように走り出した。

しばらく走っていると神の瞳で見た通り魔物の死体すらなく、戦闘の痕跡すらなかった。

俺は直線上に長い通路が続く場所に差しかかるとスキアに声を掛けてからルークの下へと移動した。

「なぁルーク、戦闘の痕跡すらないのはダンジョンだからか?」

「まぁそうだな。この場所でいつ戦闘があったかにもよるが、1日以上経過してる場合は痕跡が無くなる事は大いにあるな。」

「それはダンジョン自体に損傷があってもか?」

「・・・忘れてるみたいだから言うが普通、壁なんかは破壊出来ねぇからな。」

「いや、それは分かってるが、ダンジョンに生えてる木々なんかは違うだろ?」

「まぁな。・・・あぁ、ここが木で出来た通路だからか。そういう点でいうと太く通路の役割をした樹木は壁と同等だと思って間違いないから変化はねぇだろうな。」

「そういう事か。」

「まぁでも多少の痕跡はあったぞ。」

「そうなのか?」

「あぁ、今通ってるルートには自生した小枝みてぇのはねぇが、誰も通ってねぇと思える場所には生えてたからなぁ。」

「という事は戦闘はあったって事か?」

「まぁ、このまま進むなら検証出来ねぇが通ってねぇだろうなってシュウトが思う場所なら分かるんじゃねぇか?」

「なるほどなぁ・・・ルーク、地図とルートを映し出すから暫くの間、スキア達に指示してくれないか?」

「シュウトはどうするんだ?通って無さそうな場所まで行ってみるのか?」

「いや、ここからスキルで確認してみるよ。一寸慣れない事をするから集中したくてな。」

「分かった。その間は任せろ。」

ルークの返事を聞いた俺はルークの前に地図を映し出してから神の瞳で魔物が存在している箇所を重点的に見て行くとルークの言った様に萌芽が幾つも生えていた。

「ルークの言った通りだな。」

「やっぱりそうか。」

「あぁ、萌芽が無いのが戦闘の痕跡なんだろうな。」

「ホウガ?」

「ルークが小枝って言ってたやつだよ。」

「あぁ。」

「それにしても結構広範囲での戦いがあったのか、残ってる魔物が居る場所以外の場所には萌芽は見当たらなかったな。」

「そうなのか?」

「あぁ、偶然かもしれないがルークも見てくれ。」

俺はそう言うと地図に魔物の位置と萌芽が無かった位置を映し出した。

「・・・偶然ってぇのは戦略的に進んでるって事か?」

「あぁ、ルークはどう思う?」

「魔物の中には集団戦を得意としてるヤツらもいる上に海の魔物の殆どを生み出しているダンジョンだからなぁ。高ランクで集団戦を得意とした魔物が居ても不思議じゃねぇからこれだけじゃ判断しにくいな。」

「集団戦が得意な魔物もいるのか。」

「前に討伐した蟻みてぇな魔物だって狼みてぇな魔物も居るんだ。海ならもっと俺が知らねぇ多種多様な魔物が居るだろうよ。」

「って事は・・・。」

「シュウトの考えてる事の可能性がねぇ訳じゃねぇが、まだ心配する程じゃねぇよ。って言いてえとこだがシュウトの考えも分からねぇ訳じゃねぇしな。どうする?」

「どうする?って何がだ?」

「魔物が居ねえ分、障害も無く進めてっから昼には迷路を突破出来るからなぁ、このまま進むか?」

「そうだなっていうか、この先も似た感じだから思ったよりも進めそうだけどな。」

「そうか。って言ってる間に抜け出せたな。」

ルークがそう言うと、階段を降った先には海底火山が遠くに聳える深海が広がっていた。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

最強超人は異世界にてスマホを使う

萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。 そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた―― 「……いや草」

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...