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第26話 [爆破実験!]
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ピカッ!ズドーーーーーン!!!!!ゴゴゴゴゴーーー。
俺は余りの眩しさと威力に身を屈めた。
暫しの静寂が流れた・・・・・
「・・・・・ビックリしたぁ」
「「「ビックリした、じゃない!!!」」」
俺が驚いた事を言うと3人は同時に立ち上がり、俺の方を見て同時にツッコんできた。
俺はあまりにも3人の息がピッタリだったので、笑いそうになったが3人の顔が真剣だったので、思わず「すいません。」と謝った。
「まぁ儂らがやらせたのもあるから謝る必要は無いんじゃが凄まじい威力じゃったのぅ。」
「おう!謝る必要はねぇが流石のオレもビビったぞ!」
「・・・」
謝った俺に対し2人は謝罪の必要は無いと言い、ゴッテスさんは1人考え事をしているのか黙っていたが、3人共に興奮している様子だった。
「さて、測定結果はと・・・フムフム・・・まぁアレだけ凄かったんじゃし・・・!なんじゃこれは?属性が表示されとらん!・・・壊れてはおらんようじゃのぅ・・・?」
「ん?どうしたんだキルデス?」
「属性が表示されないんじゃ。」
「威力が有り過ぎて誤作動を起こしてんじゃねぇか?まぁいいや一遍外に出てみおうや!」
「そうじゃの。ここで言ってても仕方ないからのぅ」
そう言うとまだブツブツ言いながら考えてるゴッテスさんを無理やり引っ張ってガルンさんとキルデスさんは出て行くので俺もついて行った。
「ほう。凄いのぅ」
そう言われ、投げた爆心部分の方を見てみると中心から3列分ぐらいの塀は吹き飛ばされていた。
「結界3枚分か、もう1枚分破壊する威力が有ったら俺らも危なかったな!」
「そうじゃのぅ。しかし、ハロルドには感謝せねばいかんのぅ。昨日と同じ所でやっとったら儂ら3人は死んどったのぅ。ハッハッハ。」
えっ!?笑い事じゃないんじゃ・・・
「とりあえず見た感じ大丈夫そうじゃし、中心まで行ってみるかの?」
「そうだな!此処じゃわからん事もあるし!」
そう言いながら中心に向かう3人の後を追った。
「・・・キルデス、コレが原因かもしれんぞ。」
「何がじゃ?」
「属性が表示されなかった原因だよ。」
「どういう事じゃ?」
「似てんだよ、この漂ってる雰囲気がよぅ。」
「何にじゃ?」
「行ったことがねぇから分かんねぇかぁ・・・聖域だよ聖域!」
「聖域?しかし聖域で観測したら出るという光属性は出んだぞ?」
「ちげぇよ!出来たばっかの聖域だよ!」
「ん?何が違うんじゃ?」
「分っかんねぇかなぁ聖域が出来る原因があるだろ!」
「!!!まさか!?」
「そう、そのまさかだよ、神が降臨した後と同じ雰囲気なんだよ!」
!!?マジで!?
そうガルンさんが言った瞬間、3人が俺の方を見た。
「お主・・・いや、貴方様は何者じゃ?」
「・・・シュウトです。」
俺はどう応えたらいいか分からず、つい名前を言った。
「そんな事は分かっと・・・分かっていますのじゃ、そういう事では無くてシュウト殿が・・・」
「良いじゃねぇかそんな事!スっと言えねぇ時点で何かあんだよ!それに良い奴そうなんだし、言えるなら言ってるさ!」
「まぁそうじゃのぅハロルドが気に入ってる時点で儂らに恵みを与える方に違いないからのぅ」
俺が使徒である事言えずに困っているとガルンさんがフォローする様に制止してくれた。
ただ、何となくキルデスさんの俺に対する評価が高止まりしてる気がするなぁ
と思っているとガルンさんが声を掛けてきた。
「じゃあ後はもう1つの方だな!アレも彼処から投げれるのか?」
「ん・・・多分、ギリギリ行けると思います。」
「なら行くぞ!」
俺は俺の話が終わる事にホッとしながらも後について行った。
「じゃあ結界とか戻すから一寸待ってろ!」
そう言われたので待っているとガルンさんが何かのボタンをポチッと押すと壊れた塀の元あった場所からまた別の塀がせり出してきた。
おぉ凄いなぁ機械でもないのにどうなってるんだろう?
と思っているとまたガルンさんから声が掛かった。
「おい!それじゃあ単発から連続で最後に同時に当てれる限界値の順にな!一応一回一回止めて結果を見るからそのつもりでいろよ!」
俺は「はい。」と言うとガルンさんから「やれ!」と言われたので1枚投げた。
ドカーン!
「おし!次は連続5回!」「はい!」
ド、ド、ド、ド、ドカーン!
「よし!最後は同時にいけ!」
俺はそう言われたので今出来る限界で両手で3枚づつ計6枚を一気に放った。
ヒュンヒュンヒュン・・・ピッ!ドドガーーン!!!
6枚は爆発範囲が重なった所為か、一瞬光ったと思った瞬間、先程では無かったが強い爆発が起こり、身を屈めた。
おぉ~、一緒に爆発するとあぁなるのか~
「ヨシ!爆心地を見に行くぞ!」
ガルンさんはこの威力を想定していたのか1人スタスタと歩いて行ったので後を追った。
ガルンさんは中心に着くと顎髭を撫でながら「やっぱりそうか。」と呟くと俺に話しかけてきた。
「なぁ1ついいか?」
「何ですか?」
「お前、そのカードで曲芸みたいなこと出来たよなぁ」
「はい?出来ますけど・・・?」
「なら、あの的の目の前で1枚を曲線で通過する様に投げて、もう1枚を直線で当てる事は可能か?」
「ん・・・練習すれば何とか出来るかもしれませんけど・・・あの距離だと2、3日は掛かるかも知れませんよ?」
「なら、直ぐにやれるとしたらどの位だ?」
「それなら・・・」と1番近くの塀が有った場所を示した。
「そうか・・・」と言いながら周りをみて考えながら動き回り、ブツブツ言っている。
「どうしたんじゃ?ブツブツ言って?」
「おう!キルデス、ゴッテス一寸来てくれ!」
ガルンさんに呼ばれた2人はガルンさんの所に集まってああでもないこうでもないと話し合っていた。
俺は待ってる間、暇だったのでさっきガルンさんに言われた事が出来る様に練習していた。
集中して練習し、成功率が五割を上回るとガルンさんに声を掛けられた。
「2回に1回は出来る様になったじゃねぇか。ヨシ!とりあえずさっきの場所まで戻るぞ!」
ガルンさんの方をみると2人は威力を測る道具がある元の場所まで戻っていた。
「とりあえず2枚を的に同時に当ててくれ!」
そう言われたので不思議に思いながらも投げてみた。
ドドーン!
暫くしてガルンさんが出てきて爆心地の様子をみる。
「ヨシ!大丈夫だな」
そう言うと俺に話し掛けてきた。
「2枚分の破壊力だと1枚目の結界を破る威力はねぇから言ってた場所でさっき練習した技をやってくれ!」
そう言われたので、向かっているとガルンさんもついてきた。
「アレ?ガルンさんも来るんですか?」
「おう!当たり前よ!目の前で見た方が解ることもあらぁな!」
「そんなものですか。」
「おうよ!」
そう言われ、指定した場所に着いた俺は早速構えた。
「いいぞ!」
ガルンさんの合図に反応し、投げた。
ド、コーーー!
カードが当たった瞬間、爆破の方向が前方一直線に発射される様に塀を破壊し、1枚目の結界を突き破っていた。
俺が呆然としていると横にいたガルンさんが「やはりな!」と言いながら背中を叩いてきた。
「予想通りだ!コレで近くで発動してもお前には被害は来ないだろう。後は隣の実験室の許可は取っといてやるから練習したらいい!」
ガルンさんにそう言われたが、いまいちよく分かっていなかった俺は首を傾げていた。
「何だ!あぁそうか説明してなかったな!」
「最初の爆発から被害の激しさがどうなってるか見てるとな、当たった場所の前方の方が被害が激しかったんだ。そこまでは分かるか?」
「は、はい。」
「でだ!連続で投げただろ、その時も僅かだが直線上に爆発してた。んで最後に纏めて爆発させたがその時に極僅かに早かった場所から直線上の被害が強く出てたんだ。コレで分かるな!」
「なるほど練習次第で爆発に指向性を持たせる事が出来るって事ですか。」
「そういう事だ。だからこの街から離れるまでに修得しとけ!」
「ありがとうございます。」
こうして俺たちが話しているとキルデスさん達が近づき、声を掛けてきた。
「話は終わったかのぅ?」
「あぁ、後は此奴を別の場所に案内するだけだ!」
「じゃあ儂らは武具の素材も決まった事じゃし、シュウト殿を待たせるわけにもいかんし、武具の試作に入るゆえ、先に行くからの。」
「キルデスさん、ゴッテスさん、ありがとうございます。」
キルデスさん達はガルンさんの言葉を受け、出ていった。
「じゃあ明日以降に使う実験室を案内するからついて来い!」
ガルンさんはそう言うと先にスタスタと歩いて行ったので後を追った。
「此処が第7実験室だ!とりあえず入れ!」
そう言われ中に入ると長いトンネルの様な場所に出た。
「此処は?」
「此処は指向性のある撃退用魔道具の実験室だ!」
あぁなるほどなぁってかここまで観てきたけど、ハロルドさんって武器商人なの?
「ハッハッハ!」
俺がハロルドさんの事を考えてるとガルンさんが笑い出した。
「お前どうせ旦那の事を悪い事でもしてんのかって考えてるんだろ。」
「い、いやそんな事は・・・」
「ちげぇよ。この施設はあの事件以降に作られたんだよ、次起こっても何とかなる様にな!それに此処は頑丈だろ?万が一対処出来なくてもこの街やこの付近の村から逃げてきた領民が逃げ込める場所として旦那は商会の金で作ったんだよ。」
なるほど!疑ってすいませんハロルドさん!
「それによ、ここ程じゃねぇにしろ、他の街にあるうちの商会の店舗の地下には同じ様な、なんつったけかなぁ・・・シェルターだっけか?・・・まぁいいや、それがあるんだ!」
へぇ~なるほどなぁハロルドさん凄いなぁ
「まっそんな事はいいや。とりあえず明日、何時でもいいから1回来いや!それ迄に準備しといてやるから!」
「何から何までありがとうございます!」
俺がそう言うとガルンさんは頭を掻きながら「そろそろ迎えが来るだろうから行くぞ」と言うとそそくさと出ていったので後を追い、玄関まで戻ってくるとセバスさんが立っていた。
「お疲れ様です、シュウト様。皆様がお邸でお待ちになっておりますので、行きましょうか。」
セバスさんがそう言うとガルンさんがセバスさんに声を掛けた。
「一寸待って、旦那に明日から第7実験室を此奴が街を出てくまで使わせるから許可をくれって言っといてくれ!」
「わかりました。大旦那様には私の方からお伝えしておきます。ただ、ガルンさん、シュウト様はお客様です貴方の言葉遣いは諦めておりますがせめてお名前で呼ばれる様に。」
「お、おう。じゃあなシュウト。」
セバスさんはガルンさんの応えに溜息を吐きながら「シュウト様、行きましょうか。」と言いながら扉を開いてくれたので俺はガルンさんに挨拶して馬車に向かった。
俺は余りの眩しさと威力に身を屈めた。
暫しの静寂が流れた・・・・・
「・・・・・ビックリしたぁ」
「「「ビックリした、じゃない!!!」」」
俺が驚いた事を言うと3人は同時に立ち上がり、俺の方を見て同時にツッコんできた。
俺はあまりにも3人の息がピッタリだったので、笑いそうになったが3人の顔が真剣だったので、思わず「すいません。」と謝った。
「まぁ儂らがやらせたのもあるから謝る必要は無いんじゃが凄まじい威力じゃったのぅ。」
「おう!謝る必要はねぇが流石のオレもビビったぞ!」
「・・・」
謝った俺に対し2人は謝罪の必要は無いと言い、ゴッテスさんは1人考え事をしているのか黙っていたが、3人共に興奮している様子だった。
「さて、測定結果はと・・・フムフム・・・まぁアレだけ凄かったんじゃし・・・!なんじゃこれは?属性が表示されとらん!・・・壊れてはおらんようじゃのぅ・・・?」
「ん?どうしたんだキルデス?」
「属性が表示されないんじゃ。」
「威力が有り過ぎて誤作動を起こしてんじゃねぇか?まぁいいや一遍外に出てみおうや!」
「そうじゃの。ここで言ってても仕方ないからのぅ」
そう言うとまだブツブツ言いながら考えてるゴッテスさんを無理やり引っ張ってガルンさんとキルデスさんは出て行くので俺もついて行った。
「ほう。凄いのぅ」
そう言われ、投げた爆心部分の方を見てみると中心から3列分ぐらいの塀は吹き飛ばされていた。
「結界3枚分か、もう1枚分破壊する威力が有ったら俺らも危なかったな!」
「そうじゃのぅ。しかし、ハロルドには感謝せねばいかんのぅ。昨日と同じ所でやっとったら儂ら3人は死んどったのぅ。ハッハッハ。」
えっ!?笑い事じゃないんじゃ・・・
「とりあえず見た感じ大丈夫そうじゃし、中心まで行ってみるかの?」
「そうだな!此処じゃわからん事もあるし!」
そう言いながら中心に向かう3人の後を追った。
「・・・キルデス、コレが原因かもしれんぞ。」
「何がじゃ?」
「属性が表示されなかった原因だよ。」
「どういう事じゃ?」
「似てんだよ、この漂ってる雰囲気がよぅ。」
「何にじゃ?」
「行ったことがねぇから分かんねぇかぁ・・・聖域だよ聖域!」
「聖域?しかし聖域で観測したら出るという光属性は出んだぞ?」
「ちげぇよ!出来たばっかの聖域だよ!」
「ん?何が違うんじゃ?」
「分っかんねぇかなぁ聖域が出来る原因があるだろ!」
「!!!まさか!?」
「そう、そのまさかだよ、神が降臨した後と同じ雰囲気なんだよ!」
!!?マジで!?
そうガルンさんが言った瞬間、3人が俺の方を見た。
「お主・・・いや、貴方様は何者じゃ?」
「・・・シュウトです。」
俺はどう応えたらいいか分からず、つい名前を言った。
「そんな事は分かっと・・・分かっていますのじゃ、そういう事では無くてシュウト殿が・・・」
「良いじゃねぇかそんな事!スっと言えねぇ時点で何かあんだよ!それに良い奴そうなんだし、言えるなら言ってるさ!」
「まぁそうじゃのぅハロルドが気に入ってる時点で儂らに恵みを与える方に違いないからのぅ」
俺が使徒である事言えずに困っているとガルンさんがフォローする様に制止してくれた。
ただ、何となくキルデスさんの俺に対する評価が高止まりしてる気がするなぁ
と思っているとガルンさんが声を掛けてきた。
「じゃあ後はもう1つの方だな!アレも彼処から投げれるのか?」
「ん・・・多分、ギリギリ行けると思います。」
「なら行くぞ!」
俺は俺の話が終わる事にホッとしながらも後について行った。
「じゃあ結界とか戻すから一寸待ってろ!」
そう言われたので待っているとガルンさんが何かのボタンをポチッと押すと壊れた塀の元あった場所からまた別の塀がせり出してきた。
おぉ凄いなぁ機械でもないのにどうなってるんだろう?
と思っているとまたガルンさんから声が掛かった。
「おい!それじゃあ単発から連続で最後に同時に当てれる限界値の順にな!一応一回一回止めて結果を見るからそのつもりでいろよ!」
俺は「はい。」と言うとガルンさんから「やれ!」と言われたので1枚投げた。
ドカーン!
「おし!次は連続5回!」「はい!」
ド、ド、ド、ド、ドカーン!
「よし!最後は同時にいけ!」
俺はそう言われたので今出来る限界で両手で3枚づつ計6枚を一気に放った。
ヒュンヒュンヒュン・・・ピッ!ドドガーーン!!!
6枚は爆発範囲が重なった所為か、一瞬光ったと思った瞬間、先程では無かったが強い爆発が起こり、身を屈めた。
おぉ~、一緒に爆発するとあぁなるのか~
「ヨシ!爆心地を見に行くぞ!」
ガルンさんはこの威力を想定していたのか1人スタスタと歩いて行ったので後を追った。
ガルンさんは中心に着くと顎髭を撫でながら「やっぱりそうか。」と呟くと俺に話しかけてきた。
「なぁ1ついいか?」
「何ですか?」
「お前、そのカードで曲芸みたいなこと出来たよなぁ」
「はい?出来ますけど・・・?」
「なら、あの的の目の前で1枚を曲線で通過する様に投げて、もう1枚を直線で当てる事は可能か?」
「ん・・・練習すれば何とか出来るかもしれませんけど・・・あの距離だと2、3日は掛かるかも知れませんよ?」
「なら、直ぐにやれるとしたらどの位だ?」
「それなら・・・」と1番近くの塀が有った場所を示した。
「そうか・・・」と言いながら周りをみて考えながら動き回り、ブツブツ言っている。
「どうしたんじゃ?ブツブツ言って?」
「おう!キルデス、ゴッテス一寸来てくれ!」
ガルンさんに呼ばれた2人はガルンさんの所に集まってああでもないこうでもないと話し合っていた。
俺は待ってる間、暇だったのでさっきガルンさんに言われた事が出来る様に練習していた。
集中して練習し、成功率が五割を上回るとガルンさんに声を掛けられた。
「2回に1回は出来る様になったじゃねぇか。ヨシ!とりあえずさっきの場所まで戻るぞ!」
ガルンさんの方をみると2人は威力を測る道具がある元の場所まで戻っていた。
「とりあえず2枚を的に同時に当ててくれ!」
そう言われたので不思議に思いながらも投げてみた。
ドドーン!
暫くしてガルンさんが出てきて爆心地の様子をみる。
「ヨシ!大丈夫だな」
そう言うと俺に話し掛けてきた。
「2枚分の破壊力だと1枚目の結界を破る威力はねぇから言ってた場所でさっき練習した技をやってくれ!」
そう言われたので、向かっているとガルンさんもついてきた。
「アレ?ガルンさんも来るんですか?」
「おう!当たり前よ!目の前で見た方が解ることもあらぁな!」
「そんなものですか。」
「おうよ!」
そう言われ、指定した場所に着いた俺は早速構えた。
「いいぞ!」
ガルンさんの合図に反応し、投げた。
ド、コーーー!
カードが当たった瞬間、爆破の方向が前方一直線に発射される様に塀を破壊し、1枚目の結界を突き破っていた。
俺が呆然としていると横にいたガルンさんが「やはりな!」と言いながら背中を叩いてきた。
「予想通りだ!コレで近くで発動してもお前には被害は来ないだろう。後は隣の実験室の許可は取っといてやるから練習したらいい!」
ガルンさんにそう言われたが、いまいちよく分かっていなかった俺は首を傾げていた。
「何だ!あぁそうか説明してなかったな!」
「最初の爆発から被害の激しさがどうなってるか見てるとな、当たった場所の前方の方が被害が激しかったんだ。そこまでは分かるか?」
「は、はい。」
「でだ!連続で投げただろ、その時も僅かだが直線上に爆発してた。んで最後に纏めて爆発させたがその時に極僅かに早かった場所から直線上の被害が強く出てたんだ。コレで分かるな!」
「なるほど練習次第で爆発に指向性を持たせる事が出来るって事ですか。」
「そういう事だ。だからこの街から離れるまでに修得しとけ!」
「ありがとうございます。」
こうして俺たちが話しているとキルデスさん達が近づき、声を掛けてきた。
「話は終わったかのぅ?」
「あぁ、後は此奴を別の場所に案内するだけだ!」
「じゃあ儂らは武具の素材も決まった事じゃし、シュウト殿を待たせるわけにもいかんし、武具の試作に入るゆえ、先に行くからの。」
「キルデスさん、ゴッテスさん、ありがとうございます。」
キルデスさん達はガルンさんの言葉を受け、出ていった。
「じゃあ明日以降に使う実験室を案内するからついて来い!」
ガルンさんはそう言うと先にスタスタと歩いて行ったので後を追った。
「此処が第7実験室だ!とりあえず入れ!」
そう言われ中に入ると長いトンネルの様な場所に出た。
「此処は?」
「此処は指向性のある撃退用魔道具の実験室だ!」
あぁなるほどなぁってかここまで観てきたけど、ハロルドさんって武器商人なの?
「ハッハッハ!」
俺がハロルドさんの事を考えてるとガルンさんが笑い出した。
「お前どうせ旦那の事を悪い事でもしてんのかって考えてるんだろ。」
「い、いやそんな事は・・・」
「ちげぇよ。この施設はあの事件以降に作られたんだよ、次起こっても何とかなる様にな!それに此処は頑丈だろ?万が一対処出来なくてもこの街やこの付近の村から逃げてきた領民が逃げ込める場所として旦那は商会の金で作ったんだよ。」
なるほど!疑ってすいませんハロルドさん!
「それによ、ここ程じゃねぇにしろ、他の街にあるうちの商会の店舗の地下には同じ様な、なんつったけかなぁ・・・シェルターだっけか?・・・まぁいいや、それがあるんだ!」
へぇ~なるほどなぁハロルドさん凄いなぁ
「まっそんな事はいいや。とりあえず明日、何時でもいいから1回来いや!それ迄に準備しといてやるから!」
「何から何までありがとうございます!」
俺がそう言うとガルンさんは頭を掻きながら「そろそろ迎えが来るだろうから行くぞ」と言うとそそくさと出ていったので後を追い、玄関まで戻ってくるとセバスさんが立っていた。
「お疲れ様です、シュウト様。皆様がお邸でお待ちになっておりますので、行きましょうか。」
セバスさんがそう言うとガルンさんがセバスさんに声を掛けた。
「一寸待って、旦那に明日から第7実験室を此奴が街を出てくまで使わせるから許可をくれって言っといてくれ!」
「わかりました。大旦那様には私の方からお伝えしておきます。ただ、ガルンさん、シュウト様はお客様です貴方の言葉遣いは諦めておりますがせめてお名前で呼ばれる様に。」
「お、おう。じゃあなシュウト。」
セバスさんはガルンさんの応えに溜息を吐きながら「シュウト様、行きましょうか。」と言いながら扉を開いてくれたので俺はガルンさんに挨拶して馬車に向かった。
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