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第78話 [深緑の遺跡]
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コンゴウさんは平伏したまま、動かなくなった。
「コンゴウさん?」
俺が話し掛けても微動だにせず、困っているとリーグさんが声を掛けた。
「これ!立たぬか!シュウト殿がお困りだ!」
リーグさんがそう言うがそれでもコンゴウさんは動かなかった。
セドさんが微動だにしないコンゴウさんの様子を不思議に思ったのか、しゃがんでコンゴウさんの顔を覗き見た。
「あっ、駄目ですねこれ、気絶してますね。」
セドさんがそう言うとバトさんがおもむろにコンゴウさんを起こすと背中を叩いて目覚めさせた。
目覚めたコンゴウさんはもう一度平伏した。
「失礼しました。」
「それはよいから面を上げよ。」
「し、しかし・・・。」
「シュウト殿ならよいのだ。それよりもそう畏まった方が気分を害される。」
「ハッ!」
そうリーグさんに言われ、やっとコンゴウさんは立ってくれた。
「それでシュウト殿は何故態々この者に素性を明かそうと?」
「木材を取りに行く為です。」
「それならば余の近衛兵に連れて行かせれば良かったのでは?」
「いや、その・・・そう!自分も遺跡を見てみたかったんです!」
「なんじゃその取って付けたような言い訳は。」
リーグさんにそう言われ、俺は目を逸らした。
「まぁよい。冒険者ギルドに王家からの依頼としておこう。」
「え?今ギルドは大変なんじゃないんですか?」
「そのくらいなら問題なかろう。完全に何も出来ないのでは、冒険者も生活が出来んし、困っておる者が、依頼も出来んでは困るからのぅ。」
あぁそりゃそうだ。
「それに急ぎ代行の者を送るとか言っとったでのぅ。早ければ2、3日で一旦は落ち着くじゃろうて。」
「そんなに直ぐ来るんですか?」
「ギルドの責任じゃし、あまり長く放置すれば、国が管理し、管理に掛かった費用や慰謝料を上乗せして、請求する事になるからのぅ。」
そんなもんかぁ。
「じゃあとりあえず、コレで自分が強い事は分かって貰えましたか?」
俺がそう言うとコンゴウさんは首が取れるんじゃないかと思えるぐらい首を縦に振った。
「なら、行きましょうか。あっ!模型と説明書はそこに置いておいて下さい。」
それを言うと俺は部屋を出ようとした。
「一寸待たれよ。シュウト殿はダンジョンの位置をご存じなのか?」
「あっ。」
「セドリック、地図を。」
リーグさんは溜息を吐きながらそう言うとセドさんが地図を取りにいったので、俺はとぼとぼとリーグさんの下へ戻った。その後、地図で場所を確認し、コンゴウさんと共に深緑の遺跡へと向かった。
深緑の遺跡へ向かう際に最初は息子に乗れた事をかなり喜んでいたコンゴウさんだったが、息子がある程度の速さを出してからは、息子に必死にしがみついていた所為で、着いた頃には自分で立てない程疲れ切っていた。
「コンゴウさん、大丈夫ですか?立てます?」
「オオヤマジ殿は流石でござるね。あれ程の速さだったのに平然となされているでござる。」
「あれ程って何時もの10分の1も出て無かったですよ。なぁ真司。」
『そうだね。そのひとのためにおそくはしったからね。じゃないとぼくのうえで、はかれそうだったもん。』
「そうだよな。まぁコンゴウさんコレでも舐めて休んで下さい。自分は先に門兵の所で手続きをしてくるんで。」
「す、済まないでござる。」
俺はコンゴウさんに回復丸を渡して深緑の遺跡の門兵の所でリーグさんに用意して貰った許可証を見せて、息子に運ばれてるコンゴウさんと共に深緑の遺跡へ入っていった。
俺はマップで魔物の位置を確認し、倒していった。
「また薪かぁ。確かに植物系の魔物しか出てこないけど、1階層だと薪しか出ないなぁ。あっそうだ!コンゴウさん!レベル上げしましょうか。」
「え?急にどうしたでござるか?」
「いや、自分で潜れた方が今後、良いんじゃないかと思って。」
「然し、それではオオヤマジ殿の経験値を奪ってしまう事に。」
「あぁそれなら大丈夫ですよ。コレで経験値は獲得出来ないんで。」
「確かにこの程度の魔物ではオオヤマジ殿にとっては微々たるものでしょうが。」
「いや、そういう意味ではないんですよ。自分の場合、何をしようとも経験値や熟練度は上がらないんで。」
「どういう事でござるか?」
「まぁ簡単にいうとそういうスキルがあるんで、そのスキルを使わないと意味がないですし、そのスキルもある条件下でないと使う意味もないんですよね。」
「そうでござるか、ところでオオヤマジ殿は普段からそういう話し方なのでござるか?」
「いや、そうでもないですけど。」
「ならば、拙者に気を使う必要などないでござるから普段通りでいいでござるよ。」
「なら、コンゴウさんも普通に話して貰えますか?」
「それは・・・。」
「それじゃこのままで。」
「分かったでござる。ならば、シュウトと呼ぶがいいでござるか?」
「分かったリョウマ、俺もそうさせてもらうな。」
「いいでござるよ。ところでどうやって、拙者が倒すでござるか?自分で言うのもアレでござるけど、剣のスキルも無いでござるし、他にも戦闘系のスキルも無いでござるよ?」
「どうやって兵士になったんだ?」
「他の者より力があるでござるよ。」
「って事は力押しで兵士に?」
「その通りでござる。」
「じゃあスキルって何があるんだ?」
「宮大工のスキルはカンストしてるでござるよ。」
「・・・って事は木の加工は?」
「一瞬で出来るでござるよ。」
「なら、此処の魔物限定ならかなり使えるんじゃないか?」
「確かに植物系の魔物なら使えるかも。」
リョウマはそう言うと小さなバックから大きな鉈や鎌、加工用の斧を出してきた。
「なんで持ってんの?」
「いやぁ、昔から使ってて愛着があるでござるし、有ると落ち着くでござるよ。」
「まぁ、そのお陰で、此処で経験値を獲得出来そうだな。」
「とりあえず、一体動けない状態にしてみるから、使えるかやってみようか。」
「頼むでござる。」
そう決まると俺は適当な魔物を土魔法で固めて連れてきた。
「シュウトはなんでも有りでござるなぁ。」
俺の行動にリョウマは呆れていた。
「何でもいいからやってみろよ。」
「そうでござるな。」
リョウマは大工道具を使うといとも容易く魔物を倒してしまった。
「使えるな。」
「そうでござるな。これ程使えるとは思って無かったでござるよ。」
その後も使えるのが分かった俺達は、一先ずリョウマのレベルに応じて階層を進みながら魔物を倒していった。
「シュウト、面白いスキルが手に入ったでござるよ。」
「どんなのだ?」
「工具戦闘術ってスキルでござる。」
「斧術とかじゃなくてか?」
「そうでござる。」
「なるほどなぁ。色んな大工道具で戦ってたからかなぁ。で、スキルを手に入れて何か変わったか?」
「まだスキルレベルが1でござるから大した事はないでござるが、どの大工道具を使えば倒しやすいとかは何となく分かるようにはなったでござるよ。」
「って事は、工具戦闘術はリョウマが初めてじゃないかもしれないな。」
「そうなのでござるか?」
「あぁ、俺の時は双杖術ってスキルだけど初めからレベルマックスだったからなぁ。」
「そういえば、何で杖?って思ってたでござるが、それがシュウトの本当の戦い方なのでござるか?」
「そうだぞ。本当の名前は大山風流双杖術っていう古武術だからな。」
「なら、何であの時は棒術だったでござるか?」
「あぁそれは俺が使徒って事がバレない様にする為だ。」
「確かに双杖術?だと直ぐにバレるでござるな。」
「あぁ、それよりもこのままだと帰りが遅くなるから一旦帰って明日にするか。」
「もうそんな時間でござるか?」
「あぁ、それにリョウマは家族がいるんだろ?それなら帰った方がいいだろ?」
「まぁそこまで気にしなくてもいいでござるがシュウトに気を使わせるのもアレだから帰るでござるか。」
「よし!じゃあ急いで帰るか。」
俺達はまた息子に乗って王都まで帰っていった。
「ところで、今回手に入れた木材だと茶室に使えそうなのは有ったのか?」
「いや、無いでござるな。使うとしたら家具に使えるかどうかって所でござるよ。」
「なら、もう少し潜る必要があるかもしれないな。」
「なら、家族に遠征って言っておくでござるよ。」
「それでいいのか?」
「問題無いでござるよ。これまでもそういう事がよくあったでござるから。」
「なるほどなぁ。じゃあそうして貰えるか?」
「いいでござるよ。」
俺達はそう言うと明日の約束をして帰って就寝した。
翌朝、東門へ行くとリョウマが先に待っていてくれた。
「遅くなったみたいだな。」
「いや、拙者が楽しみで早く来すぎただけでござるよ。」
「そうならいいけど、荷物多くないか?」
「それはそうでござるよ。何日も潜るのであればテントとか魔除けの香が必要でござろう?」
「いや、昨日要らないって言ったじゃん。」
「なら、地べたで寝るでござるか?」
「いやいや、そんな事しないよ。」
「では、どうするのでござるか?」
「移動式家屋を持ってるからそれで寝るよ。」
「あんなに高い物を持ってるでござるか、流石Aランク冒険者でござるなぁ。」
「そんな事より荷物を俺に預けてくれ。」
「持たせる訳にはいかないでござるよ。」
「気にするな俺にはコレがあるから。」
俺はそう言いながらマジックバックを叩いてみせた。
「そんなに入るでござるか?・・・まぁ移動式家屋を持ってるぐらいでござるもんなぁ。じゃあお願いするでござる。」
俺はリョウマから荷物を受け取るとダンジョンまで昨日よりも少し速いペースで向かった。
「昨日よりスピードが早かったでござるなぁ。」
「昨日で大分レベルも上がったから良いかなぁって。」
「そうでござる!昨日レベルが上がった所為で家の物を大分壊してしまったでござる。物凄く嫁に怒られてしまったでござるよ。」
リョウマは悲しそうにそう言った。
「あぁそれはすまん。言うのを忘れてたよ。」
「いやいや、それはいいでござるよ。嫁もレベルが上がった事で遠征に行っても無事に帰ってくるだろうし、もしかしたら宮大工の方で今後、危ない事も少なくなるかもしれないって喜んでくれたでござるから。」
「そうか、じゃあ今回はもっとレベルを上げて、このダンジョンなら気軽に来れる様にしないとな。」
それを聞いたリョウマは青ざめていた。
「コンゴウさん?」
俺が話し掛けても微動だにせず、困っているとリーグさんが声を掛けた。
「これ!立たぬか!シュウト殿がお困りだ!」
リーグさんがそう言うがそれでもコンゴウさんは動かなかった。
セドさんが微動だにしないコンゴウさんの様子を不思議に思ったのか、しゃがんでコンゴウさんの顔を覗き見た。
「あっ、駄目ですねこれ、気絶してますね。」
セドさんがそう言うとバトさんがおもむろにコンゴウさんを起こすと背中を叩いて目覚めさせた。
目覚めたコンゴウさんはもう一度平伏した。
「失礼しました。」
「それはよいから面を上げよ。」
「し、しかし・・・。」
「シュウト殿ならよいのだ。それよりもそう畏まった方が気分を害される。」
「ハッ!」
そうリーグさんに言われ、やっとコンゴウさんは立ってくれた。
「それでシュウト殿は何故態々この者に素性を明かそうと?」
「木材を取りに行く為です。」
「それならば余の近衛兵に連れて行かせれば良かったのでは?」
「いや、その・・・そう!自分も遺跡を見てみたかったんです!」
「なんじゃその取って付けたような言い訳は。」
リーグさんにそう言われ、俺は目を逸らした。
「まぁよい。冒険者ギルドに王家からの依頼としておこう。」
「え?今ギルドは大変なんじゃないんですか?」
「そのくらいなら問題なかろう。完全に何も出来ないのでは、冒険者も生活が出来んし、困っておる者が、依頼も出来んでは困るからのぅ。」
あぁそりゃそうだ。
「それに急ぎ代行の者を送るとか言っとったでのぅ。早ければ2、3日で一旦は落ち着くじゃろうて。」
「そんなに直ぐ来るんですか?」
「ギルドの責任じゃし、あまり長く放置すれば、国が管理し、管理に掛かった費用や慰謝料を上乗せして、請求する事になるからのぅ。」
そんなもんかぁ。
「じゃあとりあえず、コレで自分が強い事は分かって貰えましたか?」
俺がそう言うとコンゴウさんは首が取れるんじゃないかと思えるぐらい首を縦に振った。
「なら、行きましょうか。あっ!模型と説明書はそこに置いておいて下さい。」
それを言うと俺は部屋を出ようとした。
「一寸待たれよ。シュウト殿はダンジョンの位置をご存じなのか?」
「あっ。」
「セドリック、地図を。」
リーグさんは溜息を吐きながらそう言うとセドさんが地図を取りにいったので、俺はとぼとぼとリーグさんの下へ戻った。その後、地図で場所を確認し、コンゴウさんと共に深緑の遺跡へと向かった。
深緑の遺跡へ向かう際に最初は息子に乗れた事をかなり喜んでいたコンゴウさんだったが、息子がある程度の速さを出してからは、息子に必死にしがみついていた所為で、着いた頃には自分で立てない程疲れ切っていた。
「コンゴウさん、大丈夫ですか?立てます?」
「オオヤマジ殿は流石でござるね。あれ程の速さだったのに平然となされているでござる。」
「あれ程って何時もの10分の1も出て無かったですよ。なぁ真司。」
『そうだね。そのひとのためにおそくはしったからね。じゃないとぼくのうえで、はかれそうだったもん。』
「そうだよな。まぁコンゴウさんコレでも舐めて休んで下さい。自分は先に門兵の所で手続きをしてくるんで。」
「す、済まないでござる。」
俺はコンゴウさんに回復丸を渡して深緑の遺跡の門兵の所でリーグさんに用意して貰った許可証を見せて、息子に運ばれてるコンゴウさんと共に深緑の遺跡へ入っていった。
俺はマップで魔物の位置を確認し、倒していった。
「また薪かぁ。確かに植物系の魔物しか出てこないけど、1階層だと薪しか出ないなぁ。あっそうだ!コンゴウさん!レベル上げしましょうか。」
「え?急にどうしたでござるか?」
「いや、自分で潜れた方が今後、良いんじゃないかと思って。」
「然し、それではオオヤマジ殿の経験値を奪ってしまう事に。」
「あぁそれなら大丈夫ですよ。コレで経験値は獲得出来ないんで。」
「確かにこの程度の魔物ではオオヤマジ殿にとっては微々たるものでしょうが。」
「いや、そういう意味ではないんですよ。自分の場合、何をしようとも経験値や熟練度は上がらないんで。」
「どういう事でござるか?」
「まぁ簡単にいうとそういうスキルがあるんで、そのスキルを使わないと意味がないですし、そのスキルもある条件下でないと使う意味もないんですよね。」
「そうでござるか、ところでオオヤマジ殿は普段からそういう話し方なのでござるか?」
「いや、そうでもないですけど。」
「ならば、拙者に気を使う必要などないでござるから普段通りでいいでござるよ。」
「なら、コンゴウさんも普通に話して貰えますか?」
「それは・・・。」
「それじゃこのままで。」
「分かったでござる。ならば、シュウトと呼ぶがいいでござるか?」
「分かったリョウマ、俺もそうさせてもらうな。」
「いいでござるよ。ところでどうやって、拙者が倒すでござるか?自分で言うのもアレでござるけど、剣のスキルも無いでござるし、他にも戦闘系のスキルも無いでござるよ?」
「どうやって兵士になったんだ?」
「他の者より力があるでござるよ。」
「って事は力押しで兵士に?」
「その通りでござる。」
「じゃあスキルって何があるんだ?」
「宮大工のスキルはカンストしてるでござるよ。」
「・・・って事は木の加工は?」
「一瞬で出来るでござるよ。」
「なら、此処の魔物限定ならかなり使えるんじゃないか?」
「確かに植物系の魔物なら使えるかも。」
リョウマはそう言うと小さなバックから大きな鉈や鎌、加工用の斧を出してきた。
「なんで持ってんの?」
「いやぁ、昔から使ってて愛着があるでござるし、有ると落ち着くでござるよ。」
「まぁ、そのお陰で、此処で経験値を獲得出来そうだな。」
「とりあえず、一体動けない状態にしてみるから、使えるかやってみようか。」
「頼むでござる。」
そう決まると俺は適当な魔物を土魔法で固めて連れてきた。
「シュウトはなんでも有りでござるなぁ。」
俺の行動にリョウマは呆れていた。
「何でもいいからやってみろよ。」
「そうでござるな。」
リョウマは大工道具を使うといとも容易く魔物を倒してしまった。
「使えるな。」
「そうでござるな。これ程使えるとは思って無かったでござるよ。」
その後も使えるのが分かった俺達は、一先ずリョウマのレベルに応じて階層を進みながら魔物を倒していった。
「シュウト、面白いスキルが手に入ったでござるよ。」
「どんなのだ?」
「工具戦闘術ってスキルでござる。」
「斧術とかじゃなくてか?」
「そうでござる。」
「なるほどなぁ。色んな大工道具で戦ってたからかなぁ。で、スキルを手に入れて何か変わったか?」
「まだスキルレベルが1でござるから大した事はないでござるが、どの大工道具を使えば倒しやすいとかは何となく分かるようにはなったでござるよ。」
「って事は、工具戦闘術はリョウマが初めてじゃないかもしれないな。」
「そうなのでござるか?」
「あぁ、俺の時は双杖術ってスキルだけど初めからレベルマックスだったからなぁ。」
「そういえば、何で杖?って思ってたでござるが、それがシュウトの本当の戦い方なのでござるか?」
「そうだぞ。本当の名前は大山風流双杖術っていう古武術だからな。」
「なら、何であの時は棒術だったでござるか?」
「あぁそれは俺が使徒って事がバレない様にする為だ。」
「確かに双杖術?だと直ぐにバレるでござるな。」
「あぁ、それよりもこのままだと帰りが遅くなるから一旦帰って明日にするか。」
「もうそんな時間でござるか?」
「あぁ、それにリョウマは家族がいるんだろ?それなら帰った方がいいだろ?」
「まぁそこまで気にしなくてもいいでござるがシュウトに気を使わせるのもアレだから帰るでござるか。」
「よし!じゃあ急いで帰るか。」
俺達はまた息子に乗って王都まで帰っていった。
「ところで、今回手に入れた木材だと茶室に使えそうなのは有ったのか?」
「いや、無いでござるな。使うとしたら家具に使えるかどうかって所でござるよ。」
「なら、もう少し潜る必要があるかもしれないな。」
「なら、家族に遠征って言っておくでござるよ。」
「それでいいのか?」
「問題無いでござるよ。これまでもそういう事がよくあったでござるから。」
「なるほどなぁ。じゃあそうして貰えるか?」
「いいでござるよ。」
俺達はそう言うと明日の約束をして帰って就寝した。
翌朝、東門へ行くとリョウマが先に待っていてくれた。
「遅くなったみたいだな。」
「いや、拙者が楽しみで早く来すぎただけでござるよ。」
「そうならいいけど、荷物多くないか?」
「それはそうでござるよ。何日も潜るのであればテントとか魔除けの香が必要でござろう?」
「いや、昨日要らないって言ったじゃん。」
「なら、地べたで寝るでござるか?」
「いやいや、そんな事しないよ。」
「では、どうするのでござるか?」
「移動式家屋を持ってるからそれで寝るよ。」
「あんなに高い物を持ってるでござるか、流石Aランク冒険者でござるなぁ。」
「そんな事より荷物を俺に預けてくれ。」
「持たせる訳にはいかないでござるよ。」
「気にするな俺にはコレがあるから。」
俺はそう言いながらマジックバックを叩いてみせた。
「そんなに入るでござるか?・・・まぁ移動式家屋を持ってるぐらいでござるもんなぁ。じゃあお願いするでござる。」
俺はリョウマから荷物を受け取るとダンジョンまで昨日よりも少し速いペースで向かった。
「昨日よりスピードが早かったでござるなぁ。」
「昨日で大分レベルも上がったから良いかなぁって。」
「そうでござる!昨日レベルが上がった所為で家の物を大分壊してしまったでござる。物凄く嫁に怒られてしまったでござるよ。」
リョウマは悲しそうにそう言った。
「あぁそれはすまん。言うのを忘れてたよ。」
「いやいや、それはいいでござるよ。嫁もレベルが上がった事で遠征に行っても無事に帰ってくるだろうし、もしかしたら宮大工の方で今後、危ない事も少なくなるかもしれないって喜んでくれたでござるから。」
「そうか、じゃあ今回はもっとレベルを上げて、このダンジョンなら気軽に来れる様にしないとな。」
それを聞いたリョウマは青ざめていた。
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