80 / 414
第79話 [鬼教官]
しおりを挟む
「拙者をどうするつもりでござるか・・・。」
「宮大工の仕事が忙しくなってもレベルが高ければ楽だろ?」
「まぁそうでござるが・・・。」
「まぁグチグチ言ってても仕方ないからな。とりあえず、真司に乗ったまま昨日踏破した所まで一気に行くぞ。」
「そ、そうでござるな。」
俺達はそう言うと昨日行った階層まで一気に行った。
「流石でござるな。コレなら一気に踏破もシュウトには容易いでござるな。」
「そうだな。踏破だけなら苦労しないな。ダンジョンの進む道も分かってるしな。」
「それが有り得ないでござるよ。普通はマップを持ってたとしても1度通らないと先が分からないだとか分かったとしても魔物の位置までは分からないでござるよ。でないと斥候の意味がないでござるよ。」
「そう言われてもなぁ。コレはアストライアー様が使命をスムーズに行う為に付けてくれたやつだしなぁ。」
「それならば仕方ないでござるが、シュウトが使徒だと知らない相手には隠した方がいいでござるよ。」
「了解、ありがとな。気をつけるよ。さっ次の階へ行こうか。」
そう言いながら俺達は階層を降りて行った。
「おっ此処は平原ゾーンか、畳をドロップする奴は此処に居るんだったよなぁ。」
「そうらしいでござるな。聞くところによると他の草と変わらないから他の魔物を倒した次いでに倒す事があると聞いたでござる。」
「なるほどなぁ。じゃああの辺に居るなぁ。」
「また、マップでござるか?」
「あぁ、表示はされてるからな。草しか見えないけど。」
「確かに草っ原でござるな。」
「じゃあ鎌で攻撃してみて。」
「分かったでござる。」
リョウマはそう言うと腰を低くして俺が指した方向の草を刈り取った。
「結構居たでござるなぁ。」
リョウマが刈り取った場所には畳が何枚もあった。
「コレで茶室の分は足りるか?」
「いや、この畳は王家の茶室には会わんでござるよ。」
「そうなのか?」
「そうでござる。以前触った事があって王家の茶室にと思っている畳はもっと仕上がりというか、質感というか、良さが全然違ったでござるよ。」
「そういうものか。」
「それはそうでござるよ!今回の茶室で未来が変わるかもしれないでござるから。」
「あぁそうだったな。なら一旦、この階層の魔物相手にリョウマがどの程度やれるか、見てから進むか決めるか。」
「分かったでござる。」
リョウマはそう言うと俺が指示した魔物を次々と倒していった。
「下の階層に行っても大丈夫そうだな。じゃあ最後はアレを倒して行くか。」
そう言って俺が指した方向には、これ迄戦ってきた魔物の倍以上もする枯れ木が聳え立っていた。
「アレが魔物ならトレントでござるよ。拙者には無理でござるよ!」
「じゃあ宮大工も無理って言って諦めるのか?」
俺にそう言われたリョウマは少し考えて気合いを入れた。
「ヤルでござる!諦めないでござるよ!」
そう言いながらトレントに突っ込んでいった。
リョウマが近づいた事により、トレントは自身の枝を鞭の様に振り回したり、土の中から根を使って捕まえようとしたりしていたが、リョウマは的確に枝を落とし、根を切っていった。
10分ぐらいだろうか、リョウマはその攻防を続け、トレントは丸裸になってしまい、トレントからの攻撃が来ないのが分かるとリョウマはトレントを切断し、倒した。
「やったぁ!やったぞー!」
「リョウマ、喜んでるところを悪いが時間が掛かり過ぎだ。」
喜びを全身で表していたリョウマは俺の一言で固まり、信じられないと言う様な表情をしていた。
「そりゃそうだろう。横からの攻撃だけじゃなく、地面の下からの攻撃、上からの攻撃、全て見てから反応して、攻撃を潰せてたという事は攻撃を予測して踏み込んだとしても対処出来たはずだ。」
「そ、それは・・・そうかもしれないでござるが、一寸厳し過ぎないでござるか?」
「遊びに来たわけじゃないからな。」
「そ、それはそうでござるが・・・。」
「さ、次だ。下の階層にいくぞ。」
「ちょ、一寸待つでござるよ。」
俺は弱気なリョウマを無視して下の階層へ襲ってくる魔物を一撃で仕留めながら何事も無いような感じで下りていった。
「さっ一先ずは此処でレベル上げしたら、次の階層ボスはこの下の階層にいるからリョウマ、お前にやってもらうから、ある程度レベルを上げたら手伝わないから1人で実戦を積んでいけ。」
「本気で言ってるでござるか?」
「冗談を言ってどうする。それとも宮大工の仕事は諦めるか?」
「や、やるでござるよ。」
その後、暫くはレベル上げに専念し、大丈夫だと判断するとそこからは戦闘技術を磨く為に只管、戦わせた。
『とうちゃ~ん。いっぱい、きをあつめてきたよ~。』
「おっ、よくやったなぁ。」
俺はリョウマに戦闘を指導するのに集中する為に息子に魔物のドロップ品を集める様に頼んであり、かなりの量を持って息子は走ってきたので、マップを確認すると今、リョウマが戦っている相手が最後だった。
「おーい、リョウマ!それで終わりだ。」
「本当でござるか。」
リョウマはそう言うとトレントをあっさり倒した。
「急にどうしたでござるか?」
「この階層にはもう魔物が居ないんだ。」
「は?どういう意味でござるか?」
「真司が残り全部狩ったんだ。」
真司は自分の戦利品を山積みにして嬉しそうにしていたのを見てリョウマはやっと理解した。
「・・・確かに根こそぎって感じでござるな。」
「あぁ、本当はもう少し戦闘技術を上げてからって思ってたが、まぁリョウマも慣れてきただろ。」
「まぁ。」
「じゃあ階層ボスの所に行くか。」
俺がそう言うと何かを諦めた様な雰囲気を出しながらリョウマは頷いていた。
リョウマが頷いたので階層ボスの前室まできた。
「さっ入る前にコレを飲んでおけ。」
俺はそう言うとポーションを取り出し、リョウマに渡した。
リョウマはポーションを飲むと俺の方を不安そうな目で見てきた。
「大丈夫だ。本当にヤバい時は助けるから。」
「本当にヤバいってそれ拙者、死にかけてないでござるか?」
「流石に内弟子でも無いのにそこまではしないって。」
俺がそう言うとリョウマは目を見開き、恐る恐る聞いてきた。
「内弟子だとしたら死にかけるまで戦わせるでござるか?」
「そりゃそうだろ。俺も親父にそうやって教えられてきたからな。まぁ実際、放っておいたら数えられないくらい死んでたし。」
リョウマは唖然としながら、話し掛けてきた。
「シュウトの父上は鬼でござるか?」
「う~ん、どうだろう。小さい頃からそうだったからなぁ。でも周りの友達に言ったら青ざめてたかな。」
「何となく納得出来るでござるよ。とりあえず、内弟子じゃなくて良かったでござるし、シュウトの異常な強さも納得出来たでござる。」
俺はそう言われ、納得出来なかったが、扉を開き、階層ボスの部屋に入っていった。
そこには先程までのトレントよりも遥かに大きいトレントが聳え立っていた。
「あ、あれはビックトレント、Bランクの魔物でござる。」
「そうなのか。でもBランクって言っても弱い方だろ?」
「確かそうでござるけど、Bランクでござるよ!?」
「お前ならイけるって。危なかったら助けるから。」
「そ、そうでござるか・・・まぁシュウトがそう言うのであれば・・・行ってくるでござる!」
そう言ってリョウマはビッグトレントに突撃していった。
その後、ボロボロになりながらも1時間を掛けて漸くビックトレントをリョウマは倒した。
俺はそんなリョウマに近づいて、ポーションを掛けてやるともう1瓶、ポーションを出して手渡した。
「なっ、大丈夫だったろ?」
「何を言ってるでござるか!?何度か死ぬかと思ったでござるよ!」
「そうか?確かに危ないとは思ったけど、死にかけては無かったぞ?」
「なっ!・・・もういいでござるよ。」
「しかし、不思議だよなぁ。」
「何がでござるか?」
「俺や真司が倒してもドロップ品しか手に入らないのにリョウマがやると木の魔物なら木材になって、ドロップ品は別に出てくるからなぁ。」
「あぁそれは多分、拙者が討伐ではなくて、形成のやり方で倒してるからって事なんじゃないでござるか。」
「なるほど、確かに工具戦闘術ってやつだもんなぁ。」
「そうでござるよ。それとレベルもかなり上がったでござるが、工具戦闘術のレベルも5まで上がったでござるよ。」
「へぇ~。なら、もう少し無理が効きそうだな。」
それを聞いてリョウマはしくじったって顔をしていたが、俺はスルーして、話をした。
「分かってないとは思うがそろそろ晩飯の時間だからドロップ品と木材を片付けたら部屋を出た所で、晩飯食って寝るからな。」
「もうそんな時間でござるか。そういえば、お腹も減ったでござるよ。」
「よし!じゃあ頑張った御褒美に俺が何か作ってやるよ。」
「良いのでござるか?」
「あぁ、レベル上げの所為で色んな物を壊されたくないしな。」
「あっ、鬼が居るでござる。」
「鬼ってなんだよ。優しくしてるだろ?怪我もしてないし。」
「それはポーションのお陰では・・・。」
「何言ってんだよ。どこも欠損してないし、レベルも上がったろ。」
「確かに50は超えたでござるが・・・。」
「とりあえず、飯が出来るまで力加減の練習がてら箸でも作っといてくれ。出来なきゃ飯抜きだし、外で寝てもらうからな。」
俺がそう言いながら薪を渡すと信じられないって顔で俺を見てきた。
「鬼でござる。鬼教官でござる。」
「いやいや、そうしないと色々壊す事になるだろ?そうなったら物によっては弁償もんだぞ?」
「いや、言ってることは分かるでござるが・・・。」
リョウマが言い訳をしようとしたのでジッと見ると観念したのかリョウマは箸作りを開始した。
リョウマは箸を作っては加減を間違えて壊し、作っては壊しを繰り返して2時間やり続けてやっと壊さず箸を使える様になったので、そのまま食事を終わらせた。
「よし!じゃあ寝るか。」
俺はそう言いながら移動式家屋を出してリョウマに入る様に進めた。
「宮大工の仕事が忙しくなってもレベルが高ければ楽だろ?」
「まぁそうでござるが・・・。」
「まぁグチグチ言ってても仕方ないからな。とりあえず、真司に乗ったまま昨日踏破した所まで一気に行くぞ。」
「そ、そうでござるな。」
俺達はそう言うと昨日行った階層まで一気に行った。
「流石でござるな。コレなら一気に踏破もシュウトには容易いでござるな。」
「そうだな。踏破だけなら苦労しないな。ダンジョンの進む道も分かってるしな。」
「それが有り得ないでござるよ。普通はマップを持ってたとしても1度通らないと先が分からないだとか分かったとしても魔物の位置までは分からないでござるよ。でないと斥候の意味がないでござるよ。」
「そう言われてもなぁ。コレはアストライアー様が使命をスムーズに行う為に付けてくれたやつだしなぁ。」
「それならば仕方ないでござるが、シュウトが使徒だと知らない相手には隠した方がいいでござるよ。」
「了解、ありがとな。気をつけるよ。さっ次の階へ行こうか。」
そう言いながら俺達は階層を降りて行った。
「おっ此処は平原ゾーンか、畳をドロップする奴は此処に居るんだったよなぁ。」
「そうらしいでござるな。聞くところによると他の草と変わらないから他の魔物を倒した次いでに倒す事があると聞いたでござる。」
「なるほどなぁ。じゃああの辺に居るなぁ。」
「また、マップでござるか?」
「あぁ、表示はされてるからな。草しか見えないけど。」
「確かに草っ原でござるな。」
「じゃあ鎌で攻撃してみて。」
「分かったでござる。」
リョウマはそう言うと腰を低くして俺が指した方向の草を刈り取った。
「結構居たでござるなぁ。」
リョウマが刈り取った場所には畳が何枚もあった。
「コレで茶室の分は足りるか?」
「いや、この畳は王家の茶室には会わんでござるよ。」
「そうなのか?」
「そうでござる。以前触った事があって王家の茶室にと思っている畳はもっと仕上がりというか、質感というか、良さが全然違ったでござるよ。」
「そういうものか。」
「それはそうでござるよ!今回の茶室で未来が変わるかもしれないでござるから。」
「あぁそうだったな。なら一旦、この階層の魔物相手にリョウマがどの程度やれるか、見てから進むか決めるか。」
「分かったでござる。」
リョウマはそう言うと俺が指示した魔物を次々と倒していった。
「下の階層に行っても大丈夫そうだな。じゃあ最後はアレを倒して行くか。」
そう言って俺が指した方向には、これ迄戦ってきた魔物の倍以上もする枯れ木が聳え立っていた。
「アレが魔物ならトレントでござるよ。拙者には無理でござるよ!」
「じゃあ宮大工も無理って言って諦めるのか?」
俺にそう言われたリョウマは少し考えて気合いを入れた。
「ヤルでござる!諦めないでござるよ!」
そう言いながらトレントに突っ込んでいった。
リョウマが近づいた事により、トレントは自身の枝を鞭の様に振り回したり、土の中から根を使って捕まえようとしたりしていたが、リョウマは的確に枝を落とし、根を切っていった。
10分ぐらいだろうか、リョウマはその攻防を続け、トレントは丸裸になってしまい、トレントからの攻撃が来ないのが分かるとリョウマはトレントを切断し、倒した。
「やったぁ!やったぞー!」
「リョウマ、喜んでるところを悪いが時間が掛かり過ぎだ。」
喜びを全身で表していたリョウマは俺の一言で固まり、信じられないと言う様な表情をしていた。
「そりゃそうだろう。横からの攻撃だけじゃなく、地面の下からの攻撃、上からの攻撃、全て見てから反応して、攻撃を潰せてたという事は攻撃を予測して踏み込んだとしても対処出来たはずだ。」
「そ、それは・・・そうかもしれないでござるが、一寸厳し過ぎないでござるか?」
「遊びに来たわけじゃないからな。」
「そ、それはそうでござるが・・・。」
「さ、次だ。下の階層にいくぞ。」
「ちょ、一寸待つでござるよ。」
俺は弱気なリョウマを無視して下の階層へ襲ってくる魔物を一撃で仕留めながら何事も無いような感じで下りていった。
「さっ一先ずは此処でレベル上げしたら、次の階層ボスはこの下の階層にいるからリョウマ、お前にやってもらうから、ある程度レベルを上げたら手伝わないから1人で実戦を積んでいけ。」
「本気で言ってるでござるか?」
「冗談を言ってどうする。それとも宮大工の仕事は諦めるか?」
「や、やるでござるよ。」
その後、暫くはレベル上げに専念し、大丈夫だと判断するとそこからは戦闘技術を磨く為に只管、戦わせた。
『とうちゃ~ん。いっぱい、きをあつめてきたよ~。』
「おっ、よくやったなぁ。」
俺はリョウマに戦闘を指導するのに集中する為に息子に魔物のドロップ品を集める様に頼んであり、かなりの量を持って息子は走ってきたので、マップを確認すると今、リョウマが戦っている相手が最後だった。
「おーい、リョウマ!それで終わりだ。」
「本当でござるか。」
リョウマはそう言うとトレントをあっさり倒した。
「急にどうしたでござるか?」
「この階層にはもう魔物が居ないんだ。」
「は?どういう意味でござるか?」
「真司が残り全部狩ったんだ。」
真司は自分の戦利品を山積みにして嬉しそうにしていたのを見てリョウマはやっと理解した。
「・・・確かに根こそぎって感じでござるな。」
「あぁ、本当はもう少し戦闘技術を上げてからって思ってたが、まぁリョウマも慣れてきただろ。」
「まぁ。」
「じゃあ階層ボスの所に行くか。」
俺がそう言うと何かを諦めた様な雰囲気を出しながらリョウマは頷いていた。
リョウマが頷いたので階層ボスの前室まできた。
「さっ入る前にコレを飲んでおけ。」
俺はそう言うとポーションを取り出し、リョウマに渡した。
リョウマはポーションを飲むと俺の方を不安そうな目で見てきた。
「大丈夫だ。本当にヤバい時は助けるから。」
「本当にヤバいってそれ拙者、死にかけてないでござるか?」
「流石に内弟子でも無いのにそこまではしないって。」
俺がそう言うとリョウマは目を見開き、恐る恐る聞いてきた。
「内弟子だとしたら死にかけるまで戦わせるでござるか?」
「そりゃそうだろ。俺も親父にそうやって教えられてきたからな。まぁ実際、放っておいたら数えられないくらい死んでたし。」
リョウマは唖然としながら、話し掛けてきた。
「シュウトの父上は鬼でござるか?」
「う~ん、どうだろう。小さい頃からそうだったからなぁ。でも周りの友達に言ったら青ざめてたかな。」
「何となく納得出来るでござるよ。とりあえず、内弟子じゃなくて良かったでござるし、シュウトの異常な強さも納得出来たでござる。」
俺はそう言われ、納得出来なかったが、扉を開き、階層ボスの部屋に入っていった。
そこには先程までのトレントよりも遥かに大きいトレントが聳え立っていた。
「あ、あれはビックトレント、Bランクの魔物でござる。」
「そうなのか。でもBランクって言っても弱い方だろ?」
「確かそうでござるけど、Bランクでござるよ!?」
「お前ならイけるって。危なかったら助けるから。」
「そ、そうでござるか・・・まぁシュウトがそう言うのであれば・・・行ってくるでござる!」
そう言ってリョウマはビッグトレントに突撃していった。
その後、ボロボロになりながらも1時間を掛けて漸くビックトレントをリョウマは倒した。
俺はそんなリョウマに近づいて、ポーションを掛けてやるともう1瓶、ポーションを出して手渡した。
「なっ、大丈夫だったろ?」
「何を言ってるでござるか!?何度か死ぬかと思ったでござるよ!」
「そうか?確かに危ないとは思ったけど、死にかけては無かったぞ?」
「なっ!・・・もういいでござるよ。」
「しかし、不思議だよなぁ。」
「何がでござるか?」
「俺や真司が倒してもドロップ品しか手に入らないのにリョウマがやると木の魔物なら木材になって、ドロップ品は別に出てくるからなぁ。」
「あぁそれは多分、拙者が討伐ではなくて、形成のやり方で倒してるからって事なんじゃないでござるか。」
「なるほど、確かに工具戦闘術ってやつだもんなぁ。」
「そうでござるよ。それとレベルもかなり上がったでござるが、工具戦闘術のレベルも5まで上がったでござるよ。」
「へぇ~。なら、もう少し無理が効きそうだな。」
それを聞いてリョウマはしくじったって顔をしていたが、俺はスルーして、話をした。
「分かってないとは思うがそろそろ晩飯の時間だからドロップ品と木材を片付けたら部屋を出た所で、晩飯食って寝るからな。」
「もうそんな時間でござるか。そういえば、お腹も減ったでござるよ。」
「よし!じゃあ頑張った御褒美に俺が何か作ってやるよ。」
「良いのでござるか?」
「あぁ、レベル上げの所為で色んな物を壊されたくないしな。」
「あっ、鬼が居るでござる。」
「鬼ってなんだよ。優しくしてるだろ?怪我もしてないし。」
「それはポーションのお陰では・・・。」
「何言ってんだよ。どこも欠損してないし、レベルも上がったろ。」
「確かに50は超えたでござるが・・・。」
「とりあえず、飯が出来るまで力加減の練習がてら箸でも作っといてくれ。出来なきゃ飯抜きだし、外で寝てもらうからな。」
俺がそう言いながら薪を渡すと信じられないって顔で俺を見てきた。
「鬼でござる。鬼教官でござる。」
「いやいや、そうしないと色々壊す事になるだろ?そうなったら物によっては弁償もんだぞ?」
「いや、言ってることは分かるでござるが・・・。」
リョウマが言い訳をしようとしたのでジッと見ると観念したのかリョウマは箸作りを開始した。
リョウマは箸を作っては加減を間違えて壊し、作っては壊しを繰り返して2時間やり続けてやっと壊さず箸を使える様になったので、そのまま食事を終わらせた。
「よし!じゃあ寝るか。」
俺はそう言いながら移動式家屋を出してリョウマに入る様に進めた。
119
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
低利貸屋 レイヴン ~ 錬金?いや、絶対秘密だが増金だ
おーぷにんぐ☆あうと
ファンタジー
スキルという能力を日常的に使用する世界で、主人公が持つスキルは、黙っているだけでお金が増えるという飛んでもないスキル。
しかも、購入費、修繕費、治療費。この世で値段がついているものは、物だろうと怪我だろうと病気だろうと何でも買い取れる派生スキルも持っていた。
普段は、金貸しを生業としている、そんな彼にも秘めた目的がある。
その目的を達成するために、相棒クロウとともに今日も冒険者を相手に商売をする。
お金を使った派生スキルを活用し、立ち塞がる敵を吹き飛ばしていく。そんなお話です。
尚、本作はカクヨムさまにも掲載しています。
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる