転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

文字の大きさ
254 / 418

第253話 [敵情視察。]

しおりを挟む
エンポリアー国に戻ってきた俺はハロルドに頼んでトヨタさんに会える様にしてもらった。

「なんやもう終わったんかいな・・・ってカスミは何処や?」

「2人は今、ガシュウさんの所に行ってますよ。」

「そうか・・・ほな、シュウトはんは例の件を聞きに来たんか?」

「そうですね。後、今日の夕食にガシュウさんと奥様も来られるので、その旨をお伝えしに。」

「何やて、そら一大事やんけ。こりゃあかん急がな!」

そう言いながら去って行こうとするトヨタさんをハロルドがガシッと肩を掴んで止めた。

「何や、なにすんねんハロルド!」

「今から慌ててどうするのじゃ。」

「どうするって教皇陛下が来るんやで急がんでどな・・・おぉ、そうか、教皇陛下が来んのはシュウトはんの所か。」

「そうじゃ、シュウト様は両家に無理をさせない様に取り計らいして頂けているというのにお主は慌ておって。」

落ち着いたトヨタさんにハロルドが呆れているとトヨタさんが俺に軽く頭を下げた。

「そういう事か、シュウトはんは最初からそのつもりやったんかいな。」

「まぁ、カスミちゃんが前世と性格が同じだったらこうなるかなって思ってたんで、一応準備だけはしてあります。」

「さよか、迷惑掛けてすまんのぅ。ほな、わいは菓子折りだけでも用意しとこか。ほんで例の件やな・・・・・」

トヨタさんはそう言うとヘンソンさんの人形を持っているであろうワイダーの領地の場所、知っている限りの闇ギルドの情報を教えてくれた。

「ほんで直ぐにでも動くんか?」

「いえ、とりあえずは人形の有無だけでも確認しようかと。」

「ちゅう事はシュウトはんは、どないな人形か知っとんのか?」

「いえ、一応それらしき人形を発見したらトヨタさんに見てもらおうかと。」

「見てもらうって、わいは此処をそない長いこと離れられんで?」

「あっ、それは大丈夫です。」

俺はそう言うとガシュウさんの時の様にスキルでワイダーの領地を映し出した。

「なんやこれ・・・ワイダーの領地やんけ、無茶苦茶やなぁ・・・。」

「この城で良かったですか?」

「せや、悪趣味な城がワイダーのもんや。」

「じゃあ全体図も映すんで何処に有りそうか教えてもらっても良いですか?」

俺はそう言うと城の立体図を作り出した。

「こないな事まで・・・もうええわ。シュウトはんのやる事思て諦めるわ。」

「その通り、シュウト様を自分の常識に当て嵌める事など誰にも出来ないのじゃ。」

「そうみたいやな。」

2人の会話は納得出来なかったが、人形が有りそうな場所を教えて貰う事にした。その後、何ヶ所か確認し、ついに人形を発見する事が出来た。

「ワルダーはやっぱ阿呆やなぁ、応接室なんかに飾っとったら来るもんに自分は犯人の仲間や言うてるのと一緒やろ。」

「ダンジョンで亡くなってるんで預かってるって事にするんじゃないですか?」

「せやった。実際、奴の邸にはそんな怪しいもんがぎょうさん在るんやけど、もしかしたら殆どはヘンソンはんと同じ様に証拠を残さん様にダンジョンで殺されたんかもしれんなぁ。」

「それでヘンソンさんの人形は彼処に在る物で全部ですか?」

「全部かどうかは知らんけど、わいが知っとんのはアレで全部やで。」

「そうですか。」

「せや、シュウトはん、他に怪しいとこはあらへんのか?」

「何ヶ所か結界や魔道具?で隠し部屋みたいな場所はあるみたいですね。」

「ほんならそこにも何か在るかもしれんなぁ。」

「そうですね。そこも見てみますか。」

俺はそう言うと数ヶ所ある隠し部屋らしき場所を一気に見える様に映し出した。

「人形らしい物は無いですねぇ。」

「せやな。でも怪しい品もんがぎょうさん在るし、在ってはならんもんもあるみたいや、それに帳簿みたいなもんもあるさかい、もしかしたらヘンソンはんの別の人形の在り処も載っとるかもしれんなぁ。」

「それは調べる価値が有りそうですね。ところで彼処の魔道具って普通の通信魔道具って訳じゃないですよね。」

「せやな。恐らくは闇ギルド専用のもんやろうな。」

「アレも調べれば色んな場所の闇ギルドの支部を逆探知出来るかもしれんな。」

「なら、あの人形と隠し部屋の物は全部回収する方向で考えた方が良いかもしれませんね。」

「せやな。その方がええやろうな。」

その後、邸に居る者の配置、其奴らの鑑定をある程度行い、考えているとトヨタさんから声を掛けられた。

「どないしたんや?」

「奴等に気付かれない様に注意して鑑定してるんですけど、全員かなり悪辣な連中ですね。」

「せやろなぁ。表には出せへん様なもんが集まっとるというか、殆どは闇ギルドの連中ちゃうか?」

「そうみたいです。ただ・・・。」

「ただ、何や?」

「奴隷にされてる人や攫われたであろう人は何処にも居ないなぁと思って。」

「そら居らんやろう。自分の邸に犯罪の証拠であるもんを置いとかんやろ。」

「そうなんですね。自分はてっきり最低でも2~3人は居るのかと。」

「あぁ、なるほどな。彼奴にそういう趣味はあらへんよって。」

「そうなんですか。」

「そういうのはプロ相手やないとせんちゅうのは有名やさかい。」

「なるほど、なら奴隷や攫われてきた人達は何処に居るか分かりますか?」

「流石にそれは分からんのぅ。」

「そうですか。なら別の方法で探してみます。」

「どうすんねや。」

「丁度、自分の使命を待ってる霊達が固まっている場所が在るんで、その方達に聞いてみます。」

「どんな場所や?」

トヨタさんにそう聞かれた俺は遺体がそのまま捨てられている大きな穴を映し出した。

「なんやこれ!?」

「そうですよね。信じられませんよね・・・。」

「シ、シュウトはん・・・。」

「シュウト様!!!」

トルバが急に影から出てきて俺の肩を掴んで叫んだ。

トルバが突然現れた事にビックリしていると隣りで大穴を見ていたトヨタさんが崩れ落ちた。

「え?あっ、トルバ、急に現れたらビックリさせたじゃないか。」

「ふぅ・・・ちゃうでシュウトはん、何方か知らんけど、その人のお陰で助かったんや。気ぃ付いたら腰抜かしてもうたわ。」

「え?」

俺がそう言いながら混乱していると汗だくになったハロルドが声を掛けてきた。

「シュウト様の怒気に御座います。」

「怒気ってそんなに出てたのか?」

「出てた出てた、久々に死ぬかと思たわ。」

「それはすいません。」

「ええ、ええ、気にせんとき。あんなん見たら普通なら誰でもあぁなるって。」

「ありがとうございます。あっ!でもそれだとこの部屋以外にも被害が!」

「それでしたら私が結界を張りましたので問題ありません。」

「そうか、悪いなトルバ。」

俺がそう言うとトルバは会釈をして再び影の中に消えた。

「シュウトはんの執事やとしても普通やあらへんなぁ。」

「それはそうです。」

「なんやハロルドは何もんか知ってんのか?」

「知ってるも何もお前も知ってる方だぞ。」

「知っとる?」

「あぁ、四聖獣の玄武様じゃ。」

「げ、玄武様やとぉー!」

「そうじゃ、シュウト様が従えておるのは知っておろう。」

「かぁー!参った。降参や、シュウトはんには驚かされてばっかやのぅ。ちゅうか玄武様かぁ・・・あん時の事は・・・覚えてへんやろうなぁ。」

「トヨタさんはトルバ達に会った事が有るんですか?」

「他の四聖獣方には会うた事はあらへんけど玄武様には会った事は有るで、わいが悪党に追われとる時にその悪党をプチッと潰して助けてくれはったんや。」

「なるほど、そんな事があったんですね。」

「せや、シュウトはん。」

「何ですか?」

「夕食の時でええさかい、わいに紹介してくれへんか?あん時の礼が言いたいねん。」

「分かりました。」

俺達がそう話しているとセバスが映し出されている大穴を見て首を振っていた。

「どうしたんだセバス?見てて気持ちのいいモノではないだろ。」

「いえシュウト様、そうではなく此処を拡大して頂く事は出来ますでしょうか?」

「此処か?」

「やはりそうですかぁ・・・。」

セバスはそう言うと神妙な面持ちで考え込んでいたので気になって聞いてみた。

「何かあったのか?」

「何と申しましょうか必要最低限の物が無く、代わりに程度の悪い結界と此方も何時壊れてもおかしくない様な火魔法を自動で定期的に放つ魔道具が置かれているのです。」

「必要最低限って?」

「こういう集団墓地、集団埋葬と言いますか戦時中や大災害にて仕方なく遺体を1ヶ所に集める事は有るのですがその際には浄化魔法や浄化効果のある魔道具を最低限設置する義務が御座います。」

「・・・アンデットにならない様にって事か。」

「はい。ですが、あの場所にはアンデットに対抗する為の魔道具、それも何時壊れてもおかしくない物しか設置されていません。」

「最低だなぁ・・・ん?一寸待てよ、この近くって集落がないか?」

俺はそう言うと見える範囲を拡げた。

「確かに御座いますね。恐らくはスラム街ではないかと。」

「スラム街って事はやっぱり住民が居るんだよなぁ、なら何でこんなに近くに大穴が在るんだ?」

「そりゃ、ワルダーの野郎が民の事を金としかみてへんからや。彼奴からしたらスラム街の人間は家畜以下やと思とんねん。」

「それなら逃げようとはしないのですか?」

「逃げとうても島から出るには奴のいう一般市民が1年掛けてようやく貯まるか貯まらんかの金額が必要やし、それで1人分や、しかも身内のもんを1人は島に残しとかんといかんねん。」

「・・・酷いですね。なら小舟か・・・流石に無理ですね。」

「断崖絶壁に囲まれとる島やからな。出来たとしても奇跡をなんぼ程掛けたら生きて出れるかっちゅうレベルやな。せやからあの阿呆は領民に何してもええ、思てんねん。」

「なるほど、それでセバス、アレでどのくらい持ちそうなんだ?」

「怨みの強さによって変わると思われますが詳しくは現地に行って調べて見ない事には正確な判断は出来ませんが、1週間程かと。」

「分かった。」

「アカンで!シュウトはん、行ったらアカンで!」

「トヨタ、何を慌てておる。」

「いやだってもう夕食の時間やん。」

トヨタさんが急に真剣な顔でそんな事を言ったお陰で爆笑に包まれ、全員が穏やかな気持ちになった。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

最強超人は異世界にてスマホを使う

萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。 そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた―― 「……いや草」

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...