転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

文字の大きさ
292 / 418

第291話 [検証。]

しおりを挟む
「ダンジョンの容器に入れて希釈した方はさっき神の瞳で鑑定したら“魂治癒薬(劇薬)・最終手段、成功率5%、本人の生きる意思が僅かでもないと魂が崩壊し、死に至る。成功すれば完全回復。”って結果が出てたから、まぁ魂の崩壊っていうのが怖いが想定内だが、外に出て来たは良いが、もう1つの方は何処で実験するんだ?」

「ご、5%・・・。」

「低いよな。」

「いえ、末期の患者となりますと回復を目的とした治療から延命を目的とした治療に変わるのですが、そうなりますと長くとも3年・・・早ければ1年しか生きる事が出来ない状態に・・・。」

「そうか・・・もしかして食事をしなくなるのか?」

「はい。基本的には強制的に食事を取らせるのですが、飲み込む事すらしなくなってしまいそれ故、亡くなってしまいますし、動く事もしなくなりますので、そちらも強制的に・・・ですが・・・。」

「本人の意思じゃないから徐々にあらゆる筋力も落ちて、生命維持に必要な筋力も落ちる・・・か。」

「はい。ですので、私共が諦めざるを得ない患者にはシュウト様の治療薬は希望の光になるのです。」

「希望の光ねぇ・・・トト、それは患者さんの希望じゃないだろ?」

「そ、それは・・・で、ですが患者の御家族の方の希望の光でもありますし・・・。」

「ん?家族・・・あぁ、一緒に奴隷されてたり、その人だけ攫われてって事も考えられるのか。」

「はい。というよりも延命治療される方に関しては、国の助成金だけでは賄えず、御家族や御仲間の方々の寄付で賄っているのですが、やはり全員を救けるには・・・。」

「それもあって1年から3年か。」

「はい。ですので、シュウト様の治療薬は私共、治療師や御家族、御仲間の方にとっては希望の光、奇跡の薬となるわけです。」

「奇跡の薬ねぇ・・・それでも5%じゃなぁ。」

「シュウト様!5%と言えど死を待つ者にとって!家族の死が確定している者にとっては、その5%ですらないのです!」

「まぁ言いたい事は分かるが、それでも5%だからなぁ・・・。」

「シュウト様。」

俺が余りにも低い数値に希望よりも絶望を与えるんじゃないかと思っているとハロルドが声を掛けてきた。

「何だ?」

「もしかしたらですが、私共でも作製出来る様にと私が用意した聖水の所為で成功率が低いのかもしれません。」

「・・・聖水ならどれも同じじゃないのか?」

「いえいえ、それは違います。聖水に含まれる魔力濃度や聖水の純粋さ等様々な要因により、その場所や聖水を出す人によって違うものなのです。」

「そうなのか。ならアレは何処で手に入れた物だったんだ?」

「元聖騎士で我々攻略組の者の中でも聖魔法で特に純粋な聖水を作り出せる者にお願いして作った物です。」

「急に決まったのにハロルドがそんな純粋な聖水を持ってたって事は何か有ったのか?」

「商品や魔物の素材によっては聖水が必要な物もありますので、確保しておりました。」

「そんな危険な物も有るのか?」

「はい。最近ですとキマイラの素材になりますね。」

「え?俺達は普通に触ってたぞ?」

「魔力抵抗の非常に高い皆様でしたら何の問題もありませんが、私共の様にそこまで抵抗値の高くない者にとっては聖水を飲む事で補うのです。」

「へぇ~なら商人や素材を扱う者なら常識なのか?」

「はい。ですが、聖水自体を作り出せる者や聖水のある場所は限られていますので、どうしても高額になってしまい、ある程度大きな商会や武器や防具、魔道具等を作る者でも高額取引を行える実力のある者だけとなりますが、常識でございます。」

「ふ~ん。じゃあドワーフの里にも聖水を作り出せる人が居たって事か。」

「いえ、ドワーフの里の方々は物作りに特化されている種族の方々なので基本的には扱えない物は無いそうですよ。」

「へぇ~やっぱり凄いんだな。」

「その中でもドラウ様は眷属に成られたお陰でそれまでよりも多くの素材を自由に扱える様になったとお喜びでしたよ。」

「そうなのか。それは良かった。それでどうしたら成功率が変わると思うんだ?」

「色々研究する必要が有るとは思いますが、おそらくはシュウト様の御力で出来た温泉ですので、シュウト様がお作りになられた聖水が一番相性が良いのではないかと。」

「・・・。」

「どうされましたか?」

「いや、確かに俺の力が温泉になってるらしいが、ソレを作り出してるのは精霊の皆んなだから少し違うんじゃないかと思ってな。」

「・・・確かにそうかもしれませんなぁ・・・でしたらどうされますか?」

「そうだなぁ、試すにしても容器が1つしかないし・・・この中身ってその辺に捨てても大丈夫なのか?」

「!!?捨てるのですか!?」

俺の発言に驚いたトトは俺を思い留まらそうとする為か治療薬を持っている手の下に手をやって防ごうとしていた。

「いや、普通に聖水と温泉を混ぜただけなんだし、そんな事しなくても良いんじゃないか?」

俺がそう言うとハロルドがトトの姿に微笑みながら話し掛けてきた。

「シュウト様、案外正解かもしれませんよ。」

「何がだ?」

「実際、適当に処分する事も危険かもしれませんし、もしかしたら作る度に成功率が変わり、5%ととはいえ、もしかしたら高い成功率なのかもしれませんから。」

「あぁそうか、もしそうなら残念だが、その可能性も有るのか。って事は容器が手に入るまでは実験も出来ないって事か。」

「容器に関してはそれ程、時間は掛からないとは思いますが、それ以前にシュウト様の世界で試す分には容器の必要性は無いのではないでしょうか?」

「あぁ、そういえばそうだな。なら戻る・・・のは後でも良いか。」

「それでも良いかと。」

「じゃあさっきも言ったが、実験場所はどうするんだ?」

「そうですなぁ、此処ですと魂を多少なりとも弱っている方が多く居られると思いますので、王都の方で川の上流の方でしたら周囲の環境を気にせずに実験出来るかと存じ上げますが如何でしょうか?」

「川に影響は無いのか?」

「直接流すわけではありませんし、シュウト様の聖域化の影響も少ないかと。」

「だが、それだと此処に造るって観点から考えたら聖域に近い環境のが良いんじゃないのか?」

「それは確かにございますが、聖域化の弱い地域でもより聖域に近い環境になるのかも分かりますし、もしそうなった場合でも彼処ならばシュウト様の聖域化を強め、魔物の進行も弱める効果も期待出来るかと愚考致します。」

「それならまぁ良いか。じゃあ行くか。」

俺達はそう言うと川の上流の方へ移動した。

「一応上流の方に来たけど、こんな建物って前に在ったか?それとも俺が破壊する前から在ったのか?」

「いえいえ、あの威力で現存する物はございませんよ。というより此処はかつては山脈でしたので有り得ませんよ。」

「あぁ、そういえばそうだったな。って事は造ったのか?」

「はい。哨戒用にとこの周囲を調査する為に建造致しました。」

「なら人が来るなら此処で実験は拙くないか?」

「いえ、周期的に調査しているだけですので問題ございません。それに前回の調査は確か3日前だったかと記憶しておりますので、次に来るのは3週間先になるかと。そうだなセバス。」

「はい。その通りにございます。」

「それなら良いか。」

俺がそう言うとハロルドはマジックバッグから例の箱を取り出して地面に置くと何かの棒も一緒に取り出した。

「ん?何だそれ?」

「コレがございませんと開ける事が出来ない様になっているのです。」

ハロルドはそう言うと箱の横の色の違う部分をスライドさせてそこに持っていた棒を刺し込むとプシューという音と共に蓋の部分がズレ落ちた。

「危険物を扱うなら必要か。」

「はい。此方の解放キーがありませんと開かない様な容器を用意しないと取り扱ってはならないという国際法がございますので。」

「へぇ~そんなのも有るんだなぁ。まぁいいや、じゃあ始めるか。」

俺がそう言うとハロルドが離れてセバスがタライの様な容器に移し替えていた。

暫くして温泉を鑑定すると予想通り温度は下がったが効果はそれ程変わっていなかった。

「とりあえず放置するだけなら問題無さそうだな。」

「はい。出ている湯気に関しては癒される様な気はしましたが、どうだセバス?」

「はい。先程、切った傷口がみるみる塞がりましたので湯気には癒しの効果が含まれているものと考えられます。」

「そうか。なら温泉が冷えた状態ならっていうか、まさか実験の為に傷付けたのか?」

「はい。必要な事ですので。それに軽く傷付けているだけですし、痛みも感じない様にしておりますので問題ありません。」

「それならまぁ良いのか?」

「それでは続けますがよろしいでしょうか?」

俺が悩んでいるとセバスが先に進めようとしたのでとりあえず頷いて返した。

「では冷えた状態でも効能があるのかを確かめますがよろしいでしょうか?」

「どうするんだ?」

俺がそう質問するとセバスは小さなナイフで指先を切るとそこに冷たくなった温泉を掛けた。すると傷口がみるみる塞がり傷を癒してしまった。

「やはり温度での効能の違いはなさそうですね。」

「って事は運ぶ時は温泉の温度を下げて温泉の湯が漏れない構造にしたら問題無いって事か。」

「いえ、もう一度湯気が出るくらい温め直す事で効能が変わるのかを確かめる必要があります。」

「確かに必要だな。」

俺がそう言うとセバスはタライの様な容器の横にあるスイッチを押して温泉を温めだした。

暫く様子を見ながら鑑定し続け、効能に変化は無かったのでハロルドに対して頷いた。

「問題無い様ですね。では後は量を確保して温め続けて湯気等で周囲がどうなるかを確認して温泉に関しては終わりでございますね。」

「そうだな。じゃあ一旦戻るか。」

俺達はそう言うとアイテムボックス改の中に入っていった。






しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

最強超人は異世界にてスマホを使う

萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。 そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた―― 「……いや草」

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...