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第349話 [最後の別れ。]
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「どうされますか?」
『・・・どうというと我の転生の事でしょうか?』
「はい。やはり、スピアさんが来られるまでは残られますか?」
『・・・スピア・・・いえ、スピアが元気なのは、ん?・・・。』
ダルクさんは何かが気になったのは俺への返答中に闇に包まれた深海の先の方を見ていた。
俺達がダルクさんに釣られて見ると物凄いスピードで何かが迫って来る感じがした。
「ん?・・・海龍?」
『スピア・・・何で・・・。』
「え?スピアさん?」
俺がダルクさんに聞き返すと同時に迫ってきていたスピアさんと思われる海龍が俺達の前に到着した。
「アンタ!まだ居たのかい?」
『い、居たって我はスピア、お前の事が心配で・・・。』
ダルクさんがそう言いながら話を続けようとするとスピアさんは頭を横に振ってダルクさんの言葉を妨げた。
「アンタは霊なんだ何言ってるか分かんねぇ・・・が、どうせワシの事が心配でとか言ってんだろ?」
『なっ!?・・・そ、その通りだが・・・それにしても・・・その様な言い方は・・・。』
「はぁ~まぁた落ち込んでぇ~死んでもネガティブ感は治らんなぁ~。」
スピアさんはダルクさんの様子を見て呆れながらも悲しそうな表情をしていた。
「す、すいません。」
「何だいアンタは?」
「自分は・・・・・!!?」
スピアさんに話し掛けられ、返答しようとすると後ろから強烈な殺気が放たれたのでビックリして後ろを見るとリヴィアタンがどす黒いオーラを放ちながらスピアさんを見ていた。
リヴィアタンに睨まれたスピアさんは先程までの堂々とした態度から一変、蛇に睨まれた蛙の様に縮こまって震えていた。
「スピア!使徒様に向かってなんという態度じゃ!!!我が眷属としてあるまじき態度!今度という今度は許されるものではないぞ!!!以前から態度を改めよと・・・・・。」
リヴィアタンは声を荒らげながらスピアさんに説教をし始めた。
『また怒らせて・・・。』
「また?」
『はい。スピアはリヴィアタン様以外には態度を変えないというか、他の聖獣様が来られてもあのままなので、度々怒られているんですよ。』
「あぁ、自分の周りにも居ますね。」
『好かれる好かれないが激しく変わりますし、好かれなかった時にリヴィアタン様へ苦情が凄い事も。それだけなら良いんですが、全面戦争になった事も有りましたからね。』
「無い話ではないですよね。」
『他でもそうなんですか?』
「此方の世界に来てからは分からないですが前世ではそういう話も有りましたので。と言ってもその場合は切っ掛けが欲しいだけで、何でも良いんですよ。」
『だからあの時、リヴィアタン様は相手に付け込む隙を与えてどうする?と御怒りだったのですね。』
「そうですね。でもまぁ今回は自分の入りも悪かったですし、止めた方が良いですよね?」
『入りとは?』
「自分が多少なりとも威厳を示す様な話の入り方をすれば今回の様な事は無かったのかな?って思いまして。」
『いえ、それでもスピアは変わらなかったと思います。』
「そうなんですか?」
『はい。皆は否定しますが、あの誰に対しても対等に忖度しない自然体でいられる心に惚れて番いになったのですが、あまりにも変わらず大変でした。』
ダルクさんは大変と言いつつも幸せそうな感じだった。
「幸せだったんですね。」
『そうですね。』
ダルクさんはそう言うと少し恥ずかしそうにしていた。
「さてと、そろそろ・・・リヴィアタンさん。リヴィアタンさん。」
「ガミガミ・・・えっ?あっ!申し訳ありません。こやつは心は良いのですが、節度というものを知りません。シュウト様には不快な思いを申し訳ありません。」
リヴィアタンはそう言うとスピアさんの頭を押さえて無理矢理頭を下げさせていた。
「いえいえ、お気になさらず。ところでスピアさんはダンジョンに潜っていたのではなかったのですか?」
「そりゃアン・・・シュ、シュウト様、ワシ・・・わ、私がさ、探してた、もん・・・宝物が、見つけ・・・発見?・・・発掘?・・・。」
「スピアさん、話しづらければ普段通りで良いですよ。」
「そうか?そん・・・いや、いえ、そ、そう言う訳には・・・。」
スピアさんはそう言うとリヴィアタンの方を見ていたので、俺はリヴィアタンに先に話を通す事にした。
「リヴィアタンさん、このままですと話が進まなさそうですので、スピアさんには普段通りに話してもらっても良いですか?」
「シュウト様がそう仰られるのであれば、致し方ありません。スピア、此度はシュウト様が許された為、普段通りに話しなさい。次はありませんよ。」
「は、はい!」
「ではスピアさん、スピアさんが探し出した宝物というのはもしかしてダルクさんとの思い出の品ですか?」
「そうや。何でシュウト様が知ってんの?」
「ダルクさんから聞いていたので、それより見付かって良かったですね。ダンジョンで剣等の武器や防具みたいな物はダンジョンに吸収されて状態がある程度良い物は宝箱の中身として、それ以外は完全に吸収され、魔物の一部になるはずなので。」
「それはワシも知ってる。けどワシとダルクの剣は飾りみたいなもんやし、武器としては使ってなかったから状態はええんよ。そやから宝箱から出ると思って探してたんよ。」
「それで2人で潜った場所よりも手前で見付かったって事ですか?」
「ん?手前やと見付からんかったから次の階層まで潜ってボス倒したら出てきてんよ。」
スピアさんがそう言うとダルクさんは顎が外れんばかりに口を開けて驚いていた。
「ダルクさん、それ程驚いているという事は難しい事なんですよね?」
『・・・。』
「ダルクさん?」
『・・・あっ、すいません。2人でギリギリの戦闘だったので・・・。』
「という事はスピアさんは何方かと一緒に?」
「ん?ダルクがワシ1人やと無理とか言ってんの?」
「そうですね。2人でギリギリだったと。」
「ダルクが死んでから数年、ワシが何もしてなかったと?確かに助け出されて数週間は動けんかった。やけど動ける様になってからは死にものぐるいで鍛えた。周りに止められても・・・それでもダルクと潜った時と同じ実力だと?」
「では御1人で?」
「当たり前や、ワシのワシだけの為に他のもんを巻き込めんからな。」
『彼処を1人で?しかも数年で?・・・有り得ない・・・彼処はそんな生易しい場所では・・・。』
ダルクさんがブツブツと独り言の様に話しているとスピアさんはその様子を見て聞こえないはずなのに頭を横に振った。
「どうせ有り得へんとでも思ってるんやろうな。というか、喋ってんのやろう・・・ワシがどれだけアンタを愛してたか、アンタ以上は、この先居らん。だから命を削ってでも挑み続けたんよ。ダルク、分かってくれんの?」
『・・・。』
「何か言ってよ。ワシにはアンタを想う事も許されんって事?一緒に死なんだワシはアンタに愛される事も許されんの?」
スピアさんがそう言うとダルクさんはハッとした顔でスピアさんを見つめて話し始めた。
『そんな事はない!我はお前に生きて欲しい!我の事など忘れて!』
「・・・何て言ってるか分からんよ。」
『・・・シュウト様、伝えて貰えないでしょうか?』
「・・・御自分で・・・。」
俺はそう言うとダルクさんを魔力で包み、ダルクさんに実体を与えた。
「これで触れ合え、直接話せるはずです。」
「本当ですか!?」
「アンタ・・・声が・・・。」
2人は驚いてお互いを見つめ合った。
「・・・スピア・・・ありがとう。」
「・・・当然じゃないか・・・ワシを番いにしようとする物好きはアンタくらいだ。そんなアンタを愛さないはずがないやろ?」
2人はそう言うと暫くの間、抱きしめ合う様に絡み合っていた。
「スピア・・・。」
「何だい?」
「我の事は忘れて生きてくれないか?」
「!!?・・・やっぱりそんな事だと思ったよ!」
バシ!ボキッ!
「ギャー!!!」
「ど、どうしたんだ!!?」
スピアさんはダルクさんの言葉に怒ったのか、尻尾で思いっきりダルクさんに攻撃を加えようとしたが、俺の魔力で出来た身体に弾き返されて尻尾の先が変な角度で折れ曲がって怪我をしてしまった。
「すいません。魔力を込め過ぎたようです。」
「・・・そ、そうか。シュウト様・・・使徒様の魔力で出来てたから・・・。」
ダルクさんはそう言いながら納得していたが、スピアさんはのたうち回っていた。するとリヴィアタンが呆れた様にスピアさんに近付き回復魔法で治していた。
「あー痛かったー。」
「スピア、シュウト様の魔力で出来ているのです。少し考えたら分かるでしょう。」
「リヴィアタン様、そうでした。ダルクがいらん事言うから忘れてました。」
「気を付けなさいね。」
「はい。ありがとうございます。」
リヴィアタンはスピアさんの言葉を聞くと微笑ましそうな表情をしながら後ろへと下がった。
「まぁそんでもしょうもない事言ってくれるやん?」
「だが!死んだ我を想っていても幸せに・・・。」
ダルクさんが話そうとするとスピアさんは優しく尻尾でダルクさんの口を塞いだ。
「ワシもアンタも一途や。アンタがそんな事言っても無理なんは分かるやろ?」
スピアさんがそう言うとダルクさんは悲しそうに目を瞑り、頷いた。
「だから剣も取り戻したし、名誉ある墓守の役割も勝ち取ったんよ。それがワシの幸せや。こればっかりはアンタの言う事は聞かんよ。」
スピアさんは言いたい事は言ったとばかりにダルクの口から尻尾を外した。
「・・・それで良いのか?」
「ワシが望んだ事や。ワシの気が変わらん限り続けさせて貰うつもりやよ。」
「そうか・・・分かった。だが無理だけはするなよ。新しい番いを見付けたかったら遠慮する必要はないからな。」
「遠慮?ワシが?」
「そうだな。まぁ、先に逝ってごめんな。」
「ホンマにな。」
2人はその後も話し続け、暫くするとダルクさんはスピアさんと別れを惜しむ様に再び絡み付いてから離れて、俺に近付いてきた。
「シュウト様。最後の別れは済みました。」
「もう宜しいのですか?」
「はい。転生させて下さい。」
「承知しました。スピアさんも宜しいですか?」
俺がそう聞くとスピアさんは頷いて返してきたので、俺はゆっくりとダルクさんを転生させた。
『・・・どうというと我の転生の事でしょうか?』
「はい。やはり、スピアさんが来られるまでは残られますか?」
『・・・スピア・・・いえ、スピアが元気なのは、ん?・・・。』
ダルクさんは何かが気になったのは俺への返答中に闇に包まれた深海の先の方を見ていた。
俺達がダルクさんに釣られて見ると物凄いスピードで何かが迫って来る感じがした。
「ん?・・・海龍?」
『スピア・・・何で・・・。』
「え?スピアさん?」
俺がダルクさんに聞き返すと同時に迫ってきていたスピアさんと思われる海龍が俺達の前に到着した。
「アンタ!まだ居たのかい?」
『い、居たって我はスピア、お前の事が心配で・・・。』
ダルクさんがそう言いながら話を続けようとするとスピアさんは頭を横に振ってダルクさんの言葉を妨げた。
「アンタは霊なんだ何言ってるか分かんねぇ・・・が、どうせワシの事が心配でとか言ってんだろ?」
『なっ!?・・・そ、その通りだが・・・それにしても・・・その様な言い方は・・・。』
「はぁ~まぁた落ち込んでぇ~死んでもネガティブ感は治らんなぁ~。」
スピアさんはダルクさんの様子を見て呆れながらも悲しそうな表情をしていた。
「す、すいません。」
「何だいアンタは?」
「自分は・・・・・!!?」
スピアさんに話し掛けられ、返答しようとすると後ろから強烈な殺気が放たれたのでビックリして後ろを見るとリヴィアタンがどす黒いオーラを放ちながらスピアさんを見ていた。
リヴィアタンに睨まれたスピアさんは先程までの堂々とした態度から一変、蛇に睨まれた蛙の様に縮こまって震えていた。
「スピア!使徒様に向かってなんという態度じゃ!!!我が眷属としてあるまじき態度!今度という今度は許されるものではないぞ!!!以前から態度を改めよと・・・・・。」
リヴィアタンは声を荒らげながらスピアさんに説教をし始めた。
『また怒らせて・・・。』
「また?」
『はい。スピアはリヴィアタン様以外には態度を変えないというか、他の聖獣様が来られてもあのままなので、度々怒られているんですよ。』
「あぁ、自分の周りにも居ますね。」
『好かれる好かれないが激しく変わりますし、好かれなかった時にリヴィアタン様へ苦情が凄い事も。それだけなら良いんですが、全面戦争になった事も有りましたからね。』
「無い話ではないですよね。」
『他でもそうなんですか?』
「此方の世界に来てからは分からないですが前世ではそういう話も有りましたので。と言ってもその場合は切っ掛けが欲しいだけで、何でも良いんですよ。」
『だからあの時、リヴィアタン様は相手に付け込む隙を与えてどうする?と御怒りだったのですね。』
「そうですね。でもまぁ今回は自分の入りも悪かったですし、止めた方が良いですよね?」
『入りとは?』
「自分が多少なりとも威厳を示す様な話の入り方をすれば今回の様な事は無かったのかな?って思いまして。」
『いえ、それでもスピアは変わらなかったと思います。』
「そうなんですか?」
『はい。皆は否定しますが、あの誰に対しても対等に忖度しない自然体でいられる心に惚れて番いになったのですが、あまりにも変わらず大変でした。』
ダルクさんは大変と言いつつも幸せそうな感じだった。
「幸せだったんですね。」
『そうですね。』
ダルクさんはそう言うと少し恥ずかしそうにしていた。
「さてと、そろそろ・・・リヴィアタンさん。リヴィアタンさん。」
「ガミガミ・・・えっ?あっ!申し訳ありません。こやつは心は良いのですが、節度というものを知りません。シュウト様には不快な思いを申し訳ありません。」
リヴィアタンはそう言うとスピアさんの頭を押さえて無理矢理頭を下げさせていた。
「いえいえ、お気になさらず。ところでスピアさんはダンジョンに潜っていたのではなかったのですか?」
「そりゃアン・・・シュ、シュウト様、ワシ・・・わ、私がさ、探してた、もん・・・宝物が、見つけ・・・発見?・・・発掘?・・・。」
「スピアさん、話しづらければ普段通りで良いですよ。」
「そうか?そん・・・いや、いえ、そ、そう言う訳には・・・。」
スピアさんはそう言うとリヴィアタンの方を見ていたので、俺はリヴィアタンに先に話を通す事にした。
「リヴィアタンさん、このままですと話が進まなさそうですので、スピアさんには普段通りに話してもらっても良いですか?」
「シュウト様がそう仰られるのであれば、致し方ありません。スピア、此度はシュウト様が許された為、普段通りに話しなさい。次はありませんよ。」
「は、はい!」
「ではスピアさん、スピアさんが探し出した宝物というのはもしかしてダルクさんとの思い出の品ですか?」
「そうや。何でシュウト様が知ってんの?」
「ダルクさんから聞いていたので、それより見付かって良かったですね。ダンジョンで剣等の武器や防具みたいな物はダンジョンに吸収されて状態がある程度良い物は宝箱の中身として、それ以外は完全に吸収され、魔物の一部になるはずなので。」
「それはワシも知ってる。けどワシとダルクの剣は飾りみたいなもんやし、武器としては使ってなかったから状態はええんよ。そやから宝箱から出ると思って探してたんよ。」
「それで2人で潜った場所よりも手前で見付かったって事ですか?」
「ん?手前やと見付からんかったから次の階層まで潜ってボス倒したら出てきてんよ。」
スピアさんがそう言うとダルクさんは顎が外れんばかりに口を開けて驚いていた。
「ダルクさん、それ程驚いているという事は難しい事なんですよね?」
『・・・。』
「ダルクさん?」
『・・・あっ、すいません。2人でギリギリの戦闘だったので・・・。』
「という事はスピアさんは何方かと一緒に?」
「ん?ダルクがワシ1人やと無理とか言ってんの?」
「そうですね。2人でギリギリだったと。」
「ダルクが死んでから数年、ワシが何もしてなかったと?確かに助け出されて数週間は動けんかった。やけど動ける様になってからは死にものぐるいで鍛えた。周りに止められても・・・それでもダルクと潜った時と同じ実力だと?」
「では御1人で?」
「当たり前や、ワシのワシだけの為に他のもんを巻き込めんからな。」
『彼処を1人で?しかも数年で?・・・有り得ない・・・彼処はそんな生易しい場所では・・・。』
ダルクさんがブツブツと独り言の様に話しているとスピアさんはその様子を見て聞こえないはずなのに頭を横に振った。
「どうせ有り得へんとでも思ってるんやろうな。というか、喋ってんのやろう・・・ワシがどれだけアンタを愛してたか、アンタ以上は、この先居らん。だから命を削ってでも挑み続けたんよ。ダルク、分かってくれんの?」
『・・・。』
「何か言ってよ。ワシにはアンタを想う事も許されんって事?一緒に死なんだワシはアンタに愛される事も許されんの?」
スピアさんがそう言うとダルクさんはハッとした顔でスピアさんを見つめて話し始めた。
『そんな事はない!我はお前に生きて欲しい!我の事など忘れて!』
「・・・何て言ってるか分からんよ。」
『・・・シュウト様、伝えて貰えないでしょうか?』
「・・・御自分で・・・。」
俺はそう言うとダルクさんを魔力で包み、ダルクさんに実体を与えた。
「これで触れ合え、直接話せるはずです。」
「本当ですか!?」
「アンタ・・・声が・・・。」
2人は驚いてお互いを見つめ合った。
「・・・スピア・・・ありがとう。」
「・・・当然じゃないか・・・ワシを番いにしようとする物好きはアンタくらいだ。そんなアンタを愛さないはずがないやろ?」
2人はそう言うと暫くの間、抱きしめ合う様に絡み合っていた。
「スピア・・・。」
「何だい?」
「我の事は忘れて生きてくれないか?」
「!!?・・・やっぱりそんな事だと思ったよ!」
バシ!ボキッ!
「ギャー!!!」
「ど、どうしたんだ!!?」
スピアさんはダルクさんの言葉に怒ったのか、尻尾で思いっきりダルクさんに攻撃を加えようとしたが、俺の魔力で出来た身体に弾き返されて尻尾の先が変な角度で折れ曲がって怪我をしてしまった。
「すいません。魔力を込め過ぎたようです。」
「・・・そ、そうか。シュウト様・・・使徒様の魔力で出来てたから・・・。」
ダルクさんはそう言いながら納得していたが、スピアさんはのたうち回っていた。するとリヴィアタンが呆れた様にスピアさんに近付き回復魔法で治していた。
「あー痛かったー。」
「スピア、シュウト様の魔力で出来ているのです。少し考えたら分かるでしょう。」
「リヴィアタン様、そうでした。ダルクがいらん事言うから忘れてました。」
「気を付けなさいね。」
「はい。ありがとうございます。」
リヴィアタンはスピアさんの言葉を聞くと微笑ましそうな表情をしながら後ろへと下がった。
「まぁそんでもしょうもない事言ってくれるやん?」
「だが!死んだ我を想っていても幸せに・・・。」
ダルクさんが話そうとするとスピアさんは優しく尻尾でダルクさんの口を塞いだ。
「ワシもアンタも一途や。アンタがそんな事言っても無理なんは分かるやろ?」
スピアさんがそう言うとダルクさんは悲しそうに目を瞑り、頷いた。
「だから剣も取り戻したし、名誉ある墓守の役割も勝ち取ったんよ。それがワシの幸せや。こればっかりはアンタの言う事は聞かんよ。」
スピアさんは言いたい事は言ったとばかりにダルクの口から尻尾を外した。
「・・・それで良いのか?」
「ワシが望んだ事や。ワシの気が変わらん限り続けさせて貰うつもりやよ。」
「そうか・・・分かった。だが無理だけはするなよ。新しい番いを見付けたかったら遠慮する必要はないからな。」
「遠慮?ワシが?」
「そうだな。まぁ、先に逝ってごめんな。」
「ホンマにな。」
2人はその後も話し続け、暫くするとダルクさんはスピアさんと別れを惜しむ様に再び絡み付いてから離れて、俺に近付いてきた。
「シュウト様。最後の別れは済みました。」
「もう宜しいのですか?」
「はい。転生させて下さい。」
「承知しました。スピアさんも宜しいですか?」
俺がそう聞くとスピアさんは頷いて返してきたので、俺はゆっくりとダルクさんを転生させた。
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