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第350話 [有用なスキル。]
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《パッシブスキル・フヘンノイキヲカクトクシマシタ。》
《ユニークスキル・ハメツノホウコウヲカクトクシマシタ。》
俺はダルクさんが転生していった場所でダルクさんとの思い出の品を大事そうにしながら座っているスピアさんを横目にリヴィアタンに話し掛ける事にした。
「・・・リヴィアタンさん、里に行く前に此処へ寄ったのってダルクさんのスキルの件もあったんですか?」
「上手く獲得する事は出来ましたでしょうか?」
「はい。出来ましたけど・・・。」
「確かにスキルの件も有りましたが、ダルクが転生出来なかったのか、もしくは出来たのに未練がある為に転生を拒否して残っていたのかを確かめたかったというのもございました。」
「確かに自分みたいに会話が成立しないとどうなのか分からないですもんね。」
「はい。ダルクの事もございますが、今後の事も・・・。」
「今後?・・・もしかして転生出来なかった方が他にも居らっしゃるのでしょうか?」
「いえ、そうでは無く、もしもダルクが通常の転生から外れてしまった存在なのかと。そうであれば、海龍族の中では初となり、そうなれば・・・。」
「なるほど・・・転生不能範囲の拡大を恐れているという事でしょうか?」
「はい。私の情報では現状ですと大陸の3分の1の範囲でランダムに局所的に転生不能ポイントが一時的に発生しては回復している様ですが、私共の行動範囲までとなりますと私共の住む海域も安心出来ないのではないかと愚考致した次第です。」
「そうですか・・・3分の1が・・・ん?3分の1!?大陸のですか!?」
「はい。もう1つの大陸に関しては数万年前から何かしらの魔術か、魔道具?技術によって私共の知っている転生からは外れている様ですが。」
「もう1つの大陸?・・・。」
俺はリヴィアタンの言葉を受けてマップを確認すると確かに現在地よりも遥か先に大陸が存在していた。
「どうやら精霊の転生システムに似た状態になっている様です。」
「なるほど・・・ところで大陸の転生不能範囲ってマップで示せますか?」
俺はそう言うとリヴィアタンにマップを拡げて見せた。
「それですと此処から此処までの様です。」
「此処もか・・・。」
リヴィアタンが示した範囲には誰も住んで居ない危険地帯と聞いている場所も範囲として、含まれてはいるが、ヤマトの一部も含まれていた。
「此処って・・・。」
「シュウト様?」
「はい。どうされましたか?」
「ダルクの件は・・・。」
「あぁ、申し訳ありません。ダルクさんはどうやったかは分かりませんがスピアさんへの想いが強過ぎたのか、拒否されていた様です。」
「では転生不能範囲に居たという事では・・・。」
「安心してください、それは無いですね。」
「そうですかぁ。」
リヴィアタンはそう言うとホッとしてからリヴィアタンは再び話し掛けてきた。
「それでダルクのスキルを獲得出来たという事は水中での呼吸は可能になったと考えても宜しかったでしょうか?」
「あ~多分、スキル通りならば可能ですね。と言っても流石に一寸勇気は要りますが。」
「その様ですね。海龍族の中でもスキル取得から水中で呼吸を行うまで数ヶ月掛かる者も居ますからね。」
「えっ?海龍族って全員が水中呼吸が出来るんじゃないんですか?」
俺が驚いてそう聞くとリヴィアタンは少し微笑んだ様な表情をしながら話し始めた。
「海で生息しているといっても水中呼吸する訳ではなく一度の呼吸で、かなり長い時間潜り続ける事が出来る者も存在しますので。」
「あぁ、前世でも海の生き物で居ましたね。」
「シュウト様の前世の魔物?生物?は分かりませんが、そういう者が居るとご理解頂けると助かります。ですので、シュウト様には先にと。」
「なるほど、皆んなが水中呼吸のスキルを獲得するまでに出来る様にという事ですね。」
「はい。失礼だとは思いましたが、その通りです。」
「いえいえ、普通なら相当な覚悟が必要でしょうからお心遣い感謝します。」
俺はそう言うとリヴィアタンに頭を下げた。
さてと、やっぱりそうは言っても流石にビビるけど、アクティブじゃなくパッシブって事は自動だしな。リヴィアタンさんの心遣いに感謝して・・・やるか!
俺はそう思うと息を整えてから覚悟を決めて、ドラウから貰った魔道具を外して呼吸してみた。
「おぉ・・・これは凄い。」
俺がスキルの恩恵に感動しているとリヴィアタンから声を掛けられた。
「も、もう・・・私の考えが浅はかでした。まさかすぐ様覚悟なさるとは・・・。」
「リヴィアタンさんのお心遣いを無駄にする様で自分の方こそ、もう訳ありません。ですが、ルーク達の修行の間に出来る事もありますし、少し気になる事も有りますので、時間が出来た事に感謝致します。」
「そう言って頂けると有り難い限りですが、ダルクのスキルは問題無さそうでしょうか?」
「問題無いどころか、これからの戦闘がかなり有利になる事は間違いないかと。」
「それ程でしたか。ダルクもシュウト様に御礼が出来たと思えるでしょう。」
「本当に凄い贈り物です。ダルクさんから頂いた“不変之息”は陸上、水中だけでなく吸い込むだけでダメージを受ける様な環境や炎を吸い込んだとしても何も影響を受けず、例え空気の無い宇宙であっても魔力を変換して呼吸が可能なのです。」
「魔力を変換という事は御自身の魔力が消費されるという事でしょうか?」
「普段は外に漂っている魔力が変換される様で、魔力が無い場所だと自分の魔力が消費されますが、極少ない消費量なので、影響が無いのと変わりません。」
「それは素晴らしい。だからダルクは毒の含まれる海域でも大丈夫だったのですね。」
「そうなりますね。それにもう1つのスキル“破滅之咆哮”は魔力を込めれば込める程、威力が増しますし、試してないのでハッキリとは申せませんが、かなり使い勝手の良い攻撃スキルみたいですしね。」
「え!!?破壊之咆哮を獲得されたのですか!!?」
「はい。もしかして拙かったですか?」
「拙くはないのですが、シュウト様が仰っている様に使い勝手の良いものだった記憶が無いものですから。」
「・・・もしかして、ダルクさんって魔力のコントロールが得意ではなかったのですか?」
「ダルクに限らず、元々魔力量がかなり多い種族ですので、コントロールが得意な者は少ないかと。」
「あぁそうなんですね。」
「はい。どんな戦いにおいても持ち前の魔力量の多さを活かしての戦闘が主になっていますね。ですからダルクが使う際には破滅之咆哮を放った後は周囲に破滅の魔力が残ってしまい、少数での戦闘以外は味方に被害が出る為に使用禁止を言い渡してありました。」
「確かにコントロールが不十分で余分な魔力が撒き散らされてしまった場合はそうなるでしょうね。」
「ではシュウト様ならば、どうお使いになるのか参考までにお聞きしても宜しいでしょうか?」
「先程も話した通り試してみない事には・・・そうですねぇ、例えば武器や防具に咆哮を放って破滅の効果を付与したり、他の魔法に混ぜてみたり、態と魔物の進行方向に放って罠として使うとか、今思い付くのはこのぐらいでしょうか。」
「魔法や罠は分かりますが、御自身の武具に付与ですか・・・破滅の効果で武具が消滅しないのでしょうか?」
「そこは魔力のコントロールと他のスキルとの組み合わせでなんとかなると思いますので、後は試行錯誤ってとこですかね。」
「なるほど、武具に関してはシュウト様にしか出来ないと思った方が良さそうですね。」
「どうでしょう、スキルの組み合わせによっては他の方も可能かと・・・ところでリヴィアタンさんの言い方だと他の方も破滅之咆哮を使える方が居らっしゃるのですか?」
「一部の者は使えますが、先程も申した様に魔力のコントロールを行うっていう事を考える事すらしませんので。」
「あぁ。けど海龍の方は使えるんですね。」
「はい。ダンジョンのスタンピードが発生した際には私も含む全員で破滅之咆哮を放ち抑え、ダンジョンに突入する事になっていますので。」
「なるほど、その為のスキルなんですね。」
「はい。私共の様に特別なダンジョンを管理している種族には与えられているスキルなのです。」
「なるほど・・・えぇっと、それ程のスキルを自分が獲得しても良かったのでしょうか?」
「シュウト様ならば問題ないでしょう。それで違和感などはございませんか?」
「違和感?」
「はい。呼吸の方です。そのスキルは私の知る限りダルクしか持っていませんでしたので。」
「そうなんですか?パッシブというか、普通のスキルだったので他にも多くの方が所持しているのかと。」
「スキル名は同じでもそこまでのスキルではなかったかと。」
「あぁ、そういう事も有るんですね。」
「はい。海龍族の殆どが持つ水撃砲という魔法でも使う者によって、水の龍が襲い掛かる様な魔法から敵に接触した瞬間に爆発するモノ、極限まで貫通力を持ち、一直線にしか効果がないモノまで、凡庸なスキルで有るが故に性質が異なる場合があり、どうやらシュウト様はダルクのスキルをその性質ごと継承された様でしたので。」
「なるほど。それでしたら問題ありません。顔に膜が張った様な感じで、多少の違和感はありますが、直ぐに慣れそうなので。」
「それは良かったです。では、そろそろ里へと向かいますでしょうか?」
「自分達は良いですが、スピアさんはどうされるのですか?」
「スピアは墓守の重責を自ら望みましたので、本人の意思が変わらない限りは生涯此処で生活する事になります。」
「そうなんですね。」
「はい。ですのでスピアの事は暫くそっとしておくつもりでございます。」
リヴィアタンがそう言いながらスピアさんの方を見るとスピアさんはまだダルクの事を想って目を閉じて動かないでいた。
「ではシュウト様、行かれますか?」
「お願いします。」
リヴィアタンさんはそう言うと俺達を乗せて里に向かい、深く潜っていった。
《ユニークスキル・ハメツノホウコウヲカクトクシマシタ。》
俺はダルクさんが転生していった場所でダルクさんとの思い出の品を大事そうにしながら座っているスピアさんを横目にリヴィアタンに話し掛ける事にした。
「・・・リヴィアタンさん、里に行く前に此処へ寄ったのってダルクさんのスキルの件もあったんですか?」
「上手く獲得する事は出来ましたでしょうか?」
「はい。出来ましたけど・・・。」
「確かにスキルの件も有りましたが、ダルクが転生出来なかったのか、もしくは出来たのに未練がある為に転生を拒否して残っていたのかを確かめたかったというのもございました。」
「確かに自分みたいに会話が成立しないとどうなのか分からないですもんね。」
「はい。ダルクの事もございますが、今後の事も・・・。」
「今後?・・・もしかして転生出来なかった方が他にも居らっしゃるのでしょうか?」
「いえ、そうでは無く、もしもダルクが通常の転生から外れてしまった存在なのかと。そうであれば、海龍族の中では初となり、そうなれば・・・。」
「なるほど・・・転生不能範囲の拡大を恐れているという事でしょうか?」
「はい。私の情報では現状ですと大陸の3分の1の範囲でランダムに局所的に転生不能ポイントが一時的に発生しては回復している様ですが、私共の行動範囲までとなりますと私共の住む海域も安心出来ないのではないかと愚考致した次第です。」
「そうですか・・・3分の1が・・・ん?3分の1!?大陸のですか!?」
「はい。もう1つの大陸に関しては数万年前から何かしらの魔術か、魔道具?技術によって私共の知っている転生からは外れている様ですが。」
「もう1つの大陸?・・・。」
俺はリヴィアタンの言葉を受けてマップを確認すると確かに現在地よりも遥か先に大陸が存在していた。
「どうやら精霊の転生システムに似た状態になっている様です。」
「なるほど・・・ところで大陸の転生不能範囲ってマップで示せますか?」
俺はそう言うとリヴィアタンにマップを拡げて見せた。
「それですと此処から此処までの様です。」
「此処もか・・・。」
リヴィアタンが示した範囲には誰も住んで居ない危険地帯と聞いている場所も範囲として、含まれてはいるが、ヤマトの一部も含まれていた。
「此処って・・・。」
「シュウト様?」
「はい。どうされましたか?」
「ダルクの件は・・・。」
「あぁ、申し訳ありません。ダルクさんはどうやったかは分かりませんがスピアさんへの想いが強過ぎたのか、拒否されていた様です。」
「では転生不能範囲に居たという事では・・・。」
「安心してください、それは無いですね。」
「そうですかぁ。」
リヴィアタンはそう言うとホッとしてからリヴィアタンは再び話し掛けてきた。
「それでダルクのスキルを獲得出来たという事は水中での呼吸は可能になったと考えても宜しかったでしょうか?」
「あ~多分、スキル通りならば可能ですね。と言っても流石に一寸勇気は要りますが。」
「その様ですね。海龍族の中でもスキル取得から水中で呼吸を行うまで数ヶ月掛かる者も居ますからね。」
「えっ?海龍族って全員が水中呼吸が出来るんじゃないんですか?」
俺が驚いてそう聞くとリヴィアタンは少し微笑んだ様な表情をしながら話し始めた。
「海で生息しているといっても水中呼吸する訳ではなく一度の呼吸で、かなり長い時間潜り続ける事が出来る者も存在しますので。」
「あぁ、前世でも海の生き物で居ましたね。」
「シュウト様の前世の魔物?生物?は分かりませんが、そういう者が居るとご理解頂けると助かります。ですので、シュウト様には先にと。」
「なるほど、皆んなが水中呼吸のスキルを獲得するまでに出来る様にという事ですね。」
「はい。失礼だとは思いましたが、その通りです。」
「いえいえ、普通なら相当な覚悟が必要でしょうからお心遣い感謝します。」
俺はそう言うとリヴィアタンに頭を下げた。
さてと、やっぱりそうは言っても流石にビビるけど、アクティブじゃなくパッシブって事は自動だしな。リヴィアタンさんの心遣いに感謝して・・・やるか!
俺はそう思うと息を整えてから覚悟を決めて、ドラウから貰った魔道具を外して呼吸してみた。
「おぉ・・・これは凄い。」
俺がスキルの恩恵に感動しているとリヴィアタンから声を掛けられた。
「も、もう・・・私の考えが浅はかでした。まさかすぐ様覚悟なさるとは・・・。」
「リヴィアタンさんのお心遣いを無駄にする様で自分の方こそ、もう訳ありません。ですが、ルーク達の修行の間に出来る事もありますし、少し気になる事も有りますので、時間が出来た事に感謝致します。」
「そう言って頂けると有り難い限りですが、ダルクのスキルは問題無さそうでしょうか?」
「問題無いどころか、これからの戦闘がかなり有利になる事は間違いないかと。」
「それ程でしたか。ダルクもシュウト様に御礼が出来たと思えるでしょう。」
「本当に凄い贈り物です。ダルクさんから頂いた“不変之息”は陸上、水中だけでなく吸い込むだけでダメージを受ける様な環境や炎を吸い込んだとしても何も影響を受けず、例え空気の無い宇宙であっても魔力を変換して呼吸が可能なのです。」
「魔力を変換という事は御自身の魔力が消費されるという事でしょうか?」
「普段は外に漂っている魔力が変換される様で、魔力が無い場所だと自分の魔力が消費されますが、極少ない消費量なので、影響が無いのと変わりません。」
「それは素晴らしい。だからダルクは毒の含まれる海域でも大丈夫だったのですね。」
「そうなりますね。それにもう1つのスキル“破滅之咆哮”は魔力を込めれば込める程、威力が増しますし、試してないのでハッキリとは申せませんが、かなり使い勝手の良い攻撃スキルみたいですしね。」
「え!!?破壊之咆哮を獲得されたのですか!!?」
「はい。もしかして拙かったですか?」
「拙くはないのですが、シュウト様が仰っている様に使い勝手の良いものだった記憶が無いものですから。」
「・・・もしかして、ダルクさんって魔力のコントロールが得意ではなかったのですか?」
「ダルクに限らず、元々魔力量がかなり多い種族ですので、コントロールが得意な者は少ないかと。」
「あぁそうなんですね。」
「はい。どんな戦いにおいても持ち前の魔力量の多さを活かしての戦闘が主になっていますね。ですからダルクが使う際には破滅之咆哮を放った後は周囲に破滅の魔力が残ってしまい、少数での戦闘以外は味方に被害が出る為に使用禁止を言い渡してありました。」
「確かにコントロールが不十分で余分な魔力が撒き散らされてしまった場合はそうなるでしょうね。」
「ではシュウト様ならば、どうお使いになるのか参考までにお聞きしても宜しいでしょうか?」
「先程も話した通り試してみない事には・・・そうですねぇ、例えば武器や防具に咆哮を放って破滅の効果を付与したり、他の魔法に混ぜてみたり、態と魔物の進行方向に放って罠として使うとか、今思い付くのはこのぐらいでしょうか。」
「魔法や罠は分かりますが、御自身の武具に付与ですか・・・破滅の効果で武具が消滅しないのでしょうか?」
「そこは魔力のコントロールと他のスキルとの組み合わせでなんとかなると思いますので、後は試行錯誤ってとこですかね。」
「なるほど、武具に関してはシュウト様にしか出来ないと思った方が良さそうですね。」
「どうでしょう、スキルの組み合わせによっては他の方も可能かと・・・ところでリヴィアタンさんの言い方だと他の方も破滅之咆哮を使える方が居らっしゃるのですか?」
「一部の者は使えますが、先程も申した様に魔力のコントロールを行うっていう事を考える事すらしませんので。」
「あぁ。けど海龍の方は使えるんですね。」
「はい。ダンジョンのスタンピードが発生した際には私も含む全員で破滅之咆哮を放ち抑え、ダンジョンに突入する事になっていますので。」
「なるほど、その為のスキルなんですね。」
「はい。私共の様に特別なダンジョンを管理している種族には与えられているスキルなのです。」
「なるほど・・・えぇっと、それ程のスキルを自分が獲得しても良かったのでしょうか?」
「シュウト様ならば問題ないでしょう。それで違和感などはございませんか?」
「違和感?」
「はい。呼吸の方です。そのスキルは私の知る限りダルクしか持っていませんでしたので。」
「そうなんですか?パッシブというか、普通のスキルだったので他にも多くの方が所持しているのかと。」
「スキル名は同じでもそこまでのスキルではなかったかと。」
「あぁ、そういう事も有るんですね。」
「はい。海龍族の殆どが持つ水撃砲という魔法でも使う者によって、水の龍が襲い掛かる様な魔法から敵に接触した瞬間に爆発するモノ、極限まで貫通力を持ち、一直線にしか効果がないモノまで、凡庸なスキルで有るが故に性質が異なる場合があり、どうやらシュウト様はダルクのスキルをその性質ごと継承された様でしたので。」
「なるほど。それでしたら問題ありません。顔に膜が張った様な感じで、多少の違和感はありますが、直ぐに慣れそうなので。」
「それは良かったです。では、そろそろ里へと向かいますでしょうか?」
「自分達は良いですが、スピアさんはどうされるのですか?」
「スピアは墓守の重責を自ら望みましたので、本人の意思が変わらない限りは生涯此処で生活する事になります。」
「そうなんですね。」
「はい。ですのでスピアの事は暫くそっとしておくつもりでございます。」
リヴィアタンがそう言いながらスピアさんの方を見るとスピアさんはまだダルクの事を想って目を閉じて動かないでいた。
「ではシュウト様、行かれますか?」
「お願いします。」
リヴィアタンさんはそう言うと俺達を乗せて里に向かい、深く潜っていった。
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