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第365話 [夢幻の都。]
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俺の仲間、幻精霊達の能力を確認し、タケノミヤさんが納得したところで、この後の行動を話し合ってから安否を知らせる為に里へと戻って行き、直ぐに街へ行く為に里の外へと出てきた。
「話し合いはしましたけど、本当に直ぐに戻るんですね。」
「はい。それは里の者も分かってはいる事ですので。」
「陰陽師としての使命が有ると?」
「はい。私が此処に来るという事は修練の為なので何時も直ぐに戻ります。ただ何時もと違うのは今回のように配下の者たちがこれ程亡くなる事は無かったという事だけです。」
タケノミヤさんはそう言うと少し寂しそうな顔をしていた。
「長い付き合いだったのですね。」
「確かに少し寂しい気持ちはありますが、魂は私が死を迎えるまで傍にいてくれますので。」
「傍に?」
「はい。高位の陰陽師となりますと配下の者たちと契約し、配下の者たちは死した後も仕える事が出来ます。」
「高位じゃないと出来ないんですか?」
「はい。能力値の問題で出来ません。」
「なるほど。でも死んだ後も縛るっていうのは・・・。」
「勿論、配下の者が心から希望すればこその術でございます。」
「心から・・・それなら良いのか・・・でも契約次第ですよね?」
「・・・あぁ、確かに契約なので無理にする事も可能ですが、その様な状態で契約した者を召喚する場合はそれ相応の力も必要ですし、契約が少しでも破られた場合、術者が召喚した者から直接、危害を受ける形になりますので、余程増長した者でない限り、その様な事は致しません。」
「なるほど、それなら良かった。」
「では街へ参りましょうか。」
タケノミヤさんはそう言うので俺が周りをキロキロしているとタケノミヤさんが声を掛けてきた。
「どうされましたか?」
「いえ、そのぅ、誰も来ないなぁと思って。」
「あぁ、それでしたら迎えは来ませんよ。」
「えっ?馬も居ないみたいですし、じゃあ・・・。」
「ウマ?あぁ、移動用の従魔ですか。」
「はい。バイコーンやグラニみたいな魔物の馬です。」
「かなりの上位種ですね。ですがシュウト殿の言いたい事は分かりました。ですが、陰陽師はその様な従魔は使いません。」
「そうなんですか?」
「はい。己が力量を他者へ示す意味も込めて、この様なモノを召喚致します。」
タケノミヤさんはそう言うと魔法陣を足で地面に描き呪文を唱えた。すると魔法陣の中から首の無い馬が出現した。
「これは?」
「首無馬です。」
「見たまんま・・・あっ、でも前世でもそんな名の妖怪の話が・・・あれ?首切れ馬だっけ?」
「確かに地方によってはそう呼ぶので間違いありませんよ。」
「ならその首無馬に騎乗して帰るんですか?」
「騎乗するのであれば空を飛ぶ事も可能なタイバを召喚致しますね。」
「頽馬・・・それも陰陽師として知られている魔物って事ですよね。」
「そうですね。正確かどうかは分かりませんが泰山府君様がお創りになられたとも伝承されております。」
「あぁやっぱり。じゃあ召喚し直す・・・っていう事ですか?」
「いいえ。」
「えっ?じゃあノブツナさん達が引いているその真っ赤な馬に騎乗してくと?」
「暁馬には乗りません。先程も申し上げましたが、力量を示す指針ですので頭数が必要になってきます。」
「頭数?というと?」
「多くの首無馬に馬車を引かせる事で藩境にある関所を通る際や街に入る為に止められる事もなくなり、スムーズに移動が可能なのです。」
「頭数次第で高位の陰陽師だと示すと?」
「はい。この国の根幹である陰陽師はそれだけ特別な存在なのです。」
「なるほど・・・。」
「あっ、でも国に護られてる分、犯罪を犯せば通常鞭打ち100回で済む様な軽犯罪でも極刑に処させる可能性があります。まぁ法の穴を潜り抜けて悪どい事もしている輩はおりますが・・・。」
タケノミヤさんはそう言うと怒りの表情になり周りの家来の人達を怯えさせていた。
「タケノミヤさん?」
「あっ、申し訳ありませんお恥ずかしところを。で、では召喚致します。」
タケノミヤさんは慌ててそう言うと数十頭の首無馬を召喚し、続けて袖口から家一軒はありそうで、しかもあらゆる場所に金で装飾されているド派手な馬車を取り出した。
その馬車は地面に着くと同時に前方から縄が幾つも出て首無馬、一頭一頭絡み付くと馬車の前方に誘導する様に動いた。
「凄い・・・。」
「シュウト殿、面白いでしょう?普通は一頭一頭配下の者たちが行うのですが、コレは私自身が作り上げた呪具が付けられている特別製なのです。」
「いや、まぁ確かにそれも凄いんですけど・・・。」
「タケノミヤ様、シュウト殿は馬車の方に驚いておる様ですじゃよ。」
「馬車ですか?確かに普通よりも大きいですけど・・・。」
タケノミヤさんが不思議そうにそう言うとノブツナさんが再び声を掛けてきた。
「シュウト殿、タケノミヤ様が不思議そうになさっておるのは大きさは陰陽師じゃからじゃし、豪華さは皇族じゃからなのじゃよ。」
「あぁ、なるほど。あっ、でもそういう事なら逆に他の皇族の人達の馬車は大きく無いんですか?」
「そうじゃ、他よりは大きいサイズではあるが、態々大きくせんでも空間拡張されておるからのぅ。」
「えっ?じゃあ・・・。」
「それは見てもらえば分かる。」
ノブツナさんはそう言うと全員に合図をして馬車の後方へ行くと馬ごと中に入っていき、別の場所から出て来た。
「えっ?馬運車も兼ねて?」
「バウンシャとは何か分からんが配下の従魔を乗せて移動出来る様になっておるんじゃよ。さっ、中へ。」
ノブツナさんに促されるままに入り口と思われる扉から中に入ると全員が乗り込んできた。
「えっ?護衛は?」
「この馬車が特別仕様というのもあるが、陰陽師の馬車であれば、この国では心配無いのぅ。」
「それは国の根幹っていうのが、関わってくるんですか?」
「それも有るが、この国の者であれば陰陽師に危害を加えるという事は呪いを受ける覚悟が必要じゃ。」
「そういう術が?」
「死しても発動するらしいぞ。」
「タケノミヤさん、そうなんですか?」
「はい。陰陽師の術者レベルが高ければ高い程、強力な呪詛を放ちます。それこそ、一族郎党全てを呪い殺す程に。」
「そこまでですか・・・それなら誰も襲っては来ませんね。」
「ただ知られてはいませんが、相手のレベルが倍以上有ったり、上位の存在だった場合、呪いが効かなかったり、下手をすれば呪詛返しを受ける事もあります。」
「もしかして使い所に困る術なんですか?」
「いえ、陰陽師と名乗れるまでになるには、それ相応のレベルに達してないと名乗れませんし、馬車を使用するにはレベル100以上ですので。」
「という事は最低でも200ですか。それなら態々危険を犯さないでしょうね。」
「はい。ですが、シュウト殿でしたら全ての陰陽師を滅ぼしてもどの様な支障も無いと思います。」
「と、突然どうしたんですか?」
「なんとなくです。シュウト殿が躊躇されない様にと思いまして。」
「はぁ・・・でも確かにレベルはアレですけど、何でそう思ったんですか?」
「シュウト殿は既に人族では無いですよね?」
「分かるんですか?」
「それは勿論、陰陽師としてと言いたいところですが、あの神気を感じて人族と思う方はいらっしゃらないと思います。」
「あ、あぁ。」
「それを含めて言いますと私共、陰陽師のレベルでは聖獣様には呪いは効かせる事が出来ませんので、その聖獣様以上のシュウト殿に呪いを掛けても意味無く、全て自身に返ってきます。」
「・・・なるほど。」
俺達がそう話していると弓兵の人達に話に行っていたノブツナさんが返ってきた。
「どうされたのじゃ?そろそろ行かねばシュウト殿が困るのではないか?」
「おぉ、そうです。申し訳ありません。」
「いえいえ、自分も話が弾んでて忘れてましたし。」
「では参りましょうか。」
タケノミヤさんはそう言うと印を組み、呪文を唱えるとユラっと馬車が動き始め、木々が生い茂る方へ進んで行き、俺が「えっ?」っと驚いていると木々が自ら避けて道が出来、その道を進んで行った。
暫く森の中を走っていると突然何かを飛び越えた。
「おっ?崖?」
「はい。地獄山と行き来するには渓谷を越える必要がありますので。」
「というか、馬車で飛びましたよね?」
「はい。その辺は普通の馬車とは違い、どの様な場所でも行ける様にと設計されてますので。」
「なるほど。だから馬車に呪術や護符が多く散りばめられているんですね。」
「流石、シュウト殿ですね。パッと見は分からない様に施してあるのですが、シュウト殿には意味は無いのですね。」
「たまたまです。面白い作りだったんでどうなってるのかなぁと思って。」
俺達はその後も話が弾んで暫く話し続けた。
「タケノミヤ様、そろそろスピードを落とさぬと儂らの街に突っ込んでしまいますぞ。」
「おぉ、これはこれは・・・。」
タケノミヤさんはそう言うと印を組み、スピードを落としていた。俺はその姿を見つつも外を眺めると丁度、丘の上に来ていた様で、街の全貌が遠目からハッキリと見え、江戸時代の城下町と室町時代の都が合わさった様な街があった。
「街というか、煌びやかな都って感じですね。」
「そう言われると嬉しくなるのぅ。確かに儂らの街は外の者からは‘’夢幻の都”と呼ばれておるので、見る者によっては恐ろしくもあり、魅力的でもありと感じるそうじゃ。」
「あぁ、なるほど。街全体で護符や呪詛の役割を果たしているんですね。」
「分かりますか。邪を祓い、外敵が襲って来たとしても呪いで実情を計らせない様にしたり、街に入れば、害意の有る者であれば、方向感覚を失わせる事で迷い、最終的には餓死にまで追い込む事が可能になっております。」
「凄いですけど、それだけじゃないですよね?」
「はい。この街は各所に在る陰陽寮とは違う特殊な陰陽寮が在る為、術の失敗により、魔物が内部から外に出ない、出さない様にしてあります。」
「それって街の人達は大丈夫なんですか?」
「緊急事態の場合、如何に動くかは街の民であれば把握していますので問題ございません。」
「それなら良かった。じゃあそろそろ消えますね。」
俺はそう言うとスキア達に頼んで姿を消してもらった。
「話し合いはしましたけど、本当に直ぐに戻るんですね。」
「はい。それは里の者も分かってはいる事ですので。」
「陰陽師としての使命が有ると?」
「はい。私が此処に来るという事は修練の為なので何時も直ぐに戻ります。ただ何時もと違うのは今回のように配下の者たちがこれ程亡くなる事は無かったという事だけです。」
タケノミヤさんはそう言うと少し寂しそうな顔をしていた。
「長い付き合いだったのですね。」
「確かに少し寂しい気持ちはありますが、魂は私が死を迎えるまで傍にいてくれますので。」
「傍に?」
「はい。高位の陰陽師となりますと配下の者たちと契約し、配下の者たちは死した後も仕える事が出来ます。」
「高位じゃないと出来ないんですか?」
「はい。能力値の問題で出来ません。」
「なるほど。でも死んだ後も縛るっていうのは・・・。」
「勿論、配下の者が心から希望すればこその術でございます。」
「心から・・・それなら良いのか・・・でも契約次第ですよね?」
「・・・あぁ、確かに契約なので無理にする事も可能ですが、その様な状態で契約した者を召喚する場合はそれ相応の力も必要ですし、契約が少しでも破られた場合、術者が召喚した者から直接、危害を受ける形になりますので、余程増長した者でない限り、その様な事は致しません。」
「なるほど、それなら良かった。」
「では街へ参りましょうか。」
タケノミヤさんはそう言うので俺が周りをキロキロしているとタケノミヤさんが声を掛けてきた。
「どうされましたか?」
「いえ、そのぅ、誰も来ないなぁと思って。」
「あぁ、それでしたら迎えは来ませんよ。」
「えっ?馬も居ないみたいですし、じゃあ・・・。」
「ウマ?あぁ、移動用の従魔ですか。」
「はい。バイコーンやグラニみたいな魔物の馬です。」
「かなりの上位種ですね。ですがシュウト殿の言いたい事は分かりました。ですが、陰陽師はその様な従魔は使いません。」
「そうなんですか?」
「はい。己が力量を他者へ示す意味も込めて、この様なモノを召喚致します。」
タケノミヤさんはそう言うと魔法陣を足で地面に描き呪文を唱えた。すると魔法陣の中から首の無い馬が出現した。
「これは?」
「首無馬です。」
「見たまんま・・・あっ、でも前世でもそんな名の妖怪の話が・・・あれ?首切れ馬だっけ?」
「確かに地方によってはそう呼ぶので間違いありませんよ。」
「ならその首無馬に騎乗して帰るんですか?」
「騎乗するのであれば空を飛ぶ事も可能なタイバを召喚致しますね。」
「頽馬・・・それも陰陽師として知られている魔物って事ですよね。」
「そうですね。正確かどうかは分かりませんが泰山府君様がお創りになられたとも伝承されております。」
「あぁやっぱり。じゃあ召喚し直す・・・っていう事ですか?」
「いいえ。」
「えっ?じゃあノブツナさん達が引いているその真っ赤な馬に騎乗してくと?」
「暁馬には乗りません。先程も申し上げましたが、力量を示す指針ですので頭数が必要になってきます。」
「頭数?というと?」
「多くの首無馬に馬車を引かせる事で藩境にある関所を通る際や街に入る為に止められる事もなくなり、スムーズに移動が可能なのです。」
「頭数次第で高位の陰陽師だと示すと?」
「はい。この国の根幹である陰陽師はそれだけ特別な存在なのです。」
「なるほど・・・。」
「あっ、でも国に護られてる分、犯罪を犯せば通常鞭打ち100回で済む様な軽犯罪でも極刑に処させる可能性があります。まぁ法の穴を潜り抜けて悪どい事もしている輩はおりますが・・・。」
タケノミヤさんはそう言うと怒りの表情になり周りの家来の人達を怯えさせていた。
「タケノミヤさん?」
「あっ、申し訳ありませんお恥ずかしところを。で、では召喚致します。」
タケノミヤさんは慌ててそう言うと数十頭の首無馬を召喚し、続けて袖口から家一軒はありそうで、しかもあらゆる場所に金で装飾されているド派手な馬車を取り出した。
その馬車は地面に着くと同時に前方から縄が幾つも出て首無馬、一頭一頭絡み付くと馬車の前方に誘導する様に動いた。
「凄い・・・。」
「シュウト殿、面白いでしょう?普通は一頭一頭配下の者たちが行うのですが、コレは私自身が作り上げた呪具が付けられている特別製なのです。」
「いや、まぁ確かにそれも凄いんですけど・・・。」
「タケノミヤ様、シュウト殿は馬車の方に驚いておる様ですじゃよ。」
「馬車ですか?確かに普通よりも大きいですけど・・・。」
タケノミヤさんが不思議そうにそう言うとノブツナさんが再び声を掛けてきた。
「シュウト殿、タケノミヤ様が不思議そうになさっておるのは大きさは陰陽師じゃからじゃし、豪華さは皇族じゃからなのじゃよ。」
「あぁ、なるほど。あっ、でもそういう事なら逆に他の皇族の人達の馬車は大きく無いんですか?」
「そうじゃ、他よりは大きいサイズではあるが、態々大きくせんでも空間拡張されておるからのぅ。」
「えっ?じゃあ・・・。」
「それは見てもらえば分かる。」
ノブツナさんはそう言うと全員に合図をして馬車の後方へ行くと馬ごと中に入っていき、別の場所から出て来た。
「えっ?馬運車も兼ねて?」
「バウンシャとは何か分からんが配下の従魔を乗せて移動出来る様になっておるんじゃよ。さっ、中へ。」
ノブツナさんに促されるままに入り口と思われる扉から中に入ると全員が乗り込んできた。
「えっ?護衛は?」
「この馬車が特別仕様というのもあるが、陰陽師の馬車であれば、この国では心配無いのぅ。」
「それは国の根幹っていうのが、関わってくるんですか?」
「それも有るが、この国の者であれば陰陽師に危害を加えるという事は呪いを受ける覚悟が必要じゃ。」
「そういう術が?」
「死しても発動するらしいぞ。」
「タケノミヤさん、そうなんですか?」
「はい。陰陽師の術者レベルが高ければ高い程、強力な呪詛を放ちます。それこそ、一族郎党全てを呪い殺す程に。」
「そこまでですか・・・それなら誰も襲っては来ませんね。」
「ただ知られてはいませんが、相手のレベルが倍以上有ったり、上位の存在だった場合、呪いが効かなかったり、下手をすれば呪詛返しを受ける事もあります。」
「もしかして使い所に困る術なんですか?」
「いえ、陰陽師と名乗れるまでになるには、それ相応のレベルに達してないと名乗れませんし、馬車を使用するにはレベル100以上ですので。」
「という事は最低でも200ですか。それなら態々危険を犯さないでしょうね。」
「はい。ですが、シュウト殿でしたら全ての陰陽師を滅ぼしてもどの様な支障も無いと思います。」
「と、突然どうしたんですか?」
「なんとなくです。シュウト殿が躊躇されない様にと思いまして。」
「はぁ・・・でも確かにレベルはアレですけど、何でそう思ったんですか?」
「シュウト殿は既に人族では無いですよね?」
「分かるんですか?」
「それは勿論、陰陽師としてと言いたいところですが、あの神気を感じて人族と思う方はいらっしゃらないと思います。」
「あ、あぁ。」
「それを含めて言いますと私共、陰陽師のレベルでは聖獣様には呪いは効かせる事が出来ませんので、その聖獣様以上のシュウト殿に呪いを掛けても意味無く、全て自身に返ってきます。」
「・・・なるほど。」
俺達がそう話していると弓兵の人達に話に行っていたノブツナさんが返ってきた。
「どうされたのじゃ?そろそろ行かねばシュウト殿が困るのではないか?」
「おぉ、そうです。申し訳ありません。」
「いえいえ、自分も話が弾んでて忘れてましたし。」
「では参りましょうか。」
タケノミヤさんはそう言うと印を組み、呪文を唱えるとユラっと馬車が動き始め、木々が生い茂る方へ進んで行き、俺が「えっ?」っと驚いていると木々が自ら避けて道が出来、その道を進んで行った。
暫く森の中を走っていると突然何かを飛び越えた。
「おっ?崖?」
「はい。地獄山と行き来するには渓谷を越える必要がありますので。」
「というか、馬車で飛びましたよね?」
「はい。その辺は普通の馬車とは違い、どの様な場所でも行ける様にと設計されてますので。」
「なるほど。だから馬車に呪術や護符が多く散りばめられているんですね。」
「流石、シュウト殿ですね。パッと見は分からない様に施してあるのですが、シュウト殿には意味は無いのですね。」
「たまたまです。面白い作りだったんでどうなってるのかなぁと思って。」
俺達はその後も話が弾んで暫く話し続けた。
「タケノミヤ様、そろそろスピードを落とさぬと儂らの街に突っ込んでしまいますぞ。」
「おぉ、これはこれは・・・。」
タケノミヤさんはそう言うと印を組み、スピードを落としていた。俺はその姿を見つつも外を眺めると丁度、丘の上に来ていた様で、街の全貌が遠目からハッキリと見え、江戸時代の城下町と室町時代の都が合わさった様な街があった。
「街というか、煌びやかな都って感じですね。」
「そう言われると嬉しくなるのぅ。確かに儂らの街は外の者からは‘’夢幻の都”と呼ばれておるので、見る者によっては恐ろしくもあり、魅力的でもありと感じるそうじゃ。」
「あぁ、なるほど。街全体で護符や呪詛の役割を果たしているんですね。」
「分かりますか。邪を祓い、外敵が襲って来たとしても呪いで実情を計らせない様にしたり、街に入れば、害意の有る者であれば、方向感覚を失わせる事で迷い、最終的には餓死にまで追い込む事が可能になっております。」
「凄いですけど、それだけじゃないですよね?」
「はい。この街は各所に在る陰陽寮とは違う特殊な陰陽寮が在る為、術の失敗により、魔物が内部から外に出ない、出さない様にしてあります。」
「それって街の人達は大丈夫なんですか?」
「緊急事態の場合、如何に動くかは街の民であれば把握していますので問題ございません。」
「それなら良かった。じゃあそろそろ消えますね。」
俺はそう言うとスキア達に頼んで姿を消してもらった。
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