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昼下がりのちょうど眠くなるころ、いつもはほとんどいない所長が突然戻って来た。
「野坂くん、ちょっといいかな?」
「はい?」
「こっち来てくれる?」
「…………」
過去の経験から、予測がつかない事態には悪い予感しかしない。
俺はうつらうつらしていた頭を切り替えながら、所長のデスクに向かった。
「本社での話し合いでね、うちではもう契約社員を雇うのをやめようかということになったんだ」
「え?」
やっぱり。
……急転直下。突然の奈落の底。不安定な足元だからこそ簡単に落ちてしまう。真っ黒になった足元から不安が一気に駆け上がってくるのを感じた。さっきまでののどかな昼下がりを返して欲しい。
「あ、違う違う」
俺の顔を見ながら所長が慌てて手を振った。
「今すぐということじゃないんだ。君はまだ契約期間が一年以上あるから、それまでは今のままだよ。今までも希望があれば契約満期後に正社員として迎えることはあったんだけどね、満期を待たずに希望があれば正社員に雇い替えをしたいということなんだ」
「…………」
「できればこのまま事務をやってもらいたいが、君はとても良くやってくれていると久保田くんから聞いているから、君が希望するなら営業職に替わることも可能だよ。どうだい? 悪い話じゃないだろう?」
「…………」
……なんてこった。急転直下どころか、濡れ手に粟、棚からぼた餅じゃないか。これは俺にとって良い話でしかない。このままこのストレスの少ない楽な仕事を続けられる絶好のチャンスだ。
所長が微笑みながら俺に聞いた。
「どうかな?」
中年太りした丸顔が脂ぎっていて、髪が薄くなった頭には汗をかいている。そんな中年男性がこんなに神々しく見えたことが今までにあっただろうか?
「…………」
しかし俺は、すぐに返事をすることはできなかった。
このままこの会社にいるということは、久保田から逃れられないということだ。過去のことがバレたら俺はここにいられなくなるだろう。だから久保田の言うことに従わざるを得なくなる。今以上にがんじがらめにあうんだ。
「……す、少し考えさせてください」
「え? なんで?」
所長が驚いた顔をした。
「すみません」
俺は所長に頭を下げ、自分のデスクに戻った。
くそっ、この仕事に不満なんてないのに! 久保田さえ、久保田さえいなければ! しかし久保田がいなければこの職にもありつけていないんだった……。
やっぱり、久保田から離れるには職を替えることが必要だ。久保田の魔の手が届かない場所を自分で見つける必要がある。こうなったら久保田から逃げることを第一優先に考えよう。最悪アルバイトでもいい。今は恐ろしい久保田から逃げることを先に考えよう。
仕事が終わり、会社を出るとそのままネットカフェへ向かった。募集している求人情報を見るために。家にあるパソコンはロックをかけているとはいえ、久保田に中を見られる可能性があった。あいつならロックを解除して、消したはずの履歴を復活させるくらいのことはしそうな気がしたからだ。
受付で身分証を見せて部屋番号の書かれた伝票を受け取ると、ドリンクバーの烏龍茶を片手に個室へ向かった。
パソコンの画面とキーボードしか置かれていない無機質な机に鞄を置くと、すぐにパソコンの電源を入れた。一時間くらいなら久保田に家に帰っていないことをバレずに済むだろう。
もはや自分の家が安心できる場所ではなくなっていた。久保田は勝手に掃除するし、掃除道具やらキッチン用品に買った覚えのない物が増えていた。まるで自分の家じゃないみたいだ。
久しぶりの自分だけの場所に安心しながらキーボードを触ろうとしたところで、スマホが鳴った。
見ると久保田からだった。
「…………」
即座に無視をした。……どうしてもうバレたんだ? 額に汗がにじみ、キーボードに触れる手がかすかに震えた。
それでも震える手で求人情報サイトを見つけたところで、机に置いていたスマホがまた鳴った。恐る恐る見ると、今度は久保田からではなかった。
母親からだった。
親から連絡が来るのは久しぶりだ。会社を辞めたことは自分からはまだ言っていない。何度か電話が来ても無視をしていた。現状を話せば心配させるし、隠したとしてもなぜが母親にはバレてしまうような気がしたからだ。久保田が勝手に言ったらしいが、いつかはちゃんと自分で話さなくてはとは思っていた。
俺は気乗りしないままスマホを耳に当てた。
「……はい」
『あら。出てくれた』
「…………」
それでもいざ母さんの声を聞くと、言葉が詰まった。
『心配しなくてもいいのよ。お母さんはあんたが元気にしてればいいんだから。あのねぇ、久保田さんの家にかぼちゃ送ったって伝えといてくれる?』
「…………」
『あんた引っ越したんだったらそれくらいは教えといてくれてもいいのにねぇ。しょうがないから久保田さんの家に送ったわ』
なぜ、久保田の家に。
『あんたずいぶんと良い人を見つけたんだねぇ』
「…………」
『お母さん、安心したわ。あんた小さい頃から要領悪くて心配してたけど、あの人にだったらあんた任せられるわよ。何でも頼ってしまいなさい。あんなにあんたのことを思ってくれる人なんて二度と現れないわよ』
「……母さん」
『いいの。大丈夫よ。お母さんはあんたが誰と付き合おうが、幸せになってくれればいいんだから。天国のお父さんにも紹介したいから今度一緒に帰ってらっしゃい』
「…………」
俺は椅子から転がり落ちそうになった。
「おいっ‼」
勢いよく家のドアを開けると、久保田がワイシャツにエプロンをしてキッチンに立っていた。
「どこに行ってたんですか? 何度も電話したのに。事故にあってるんじゃないかと心配しましたよ」
久保田がかぼちゃに包丁を当てながら飄々とした顔で言った。
「おまえっ、母さんにどこまで話したんだっ⁉」
「どこまでって」
久保田がでかいかぼちゃを楽々と真っ二つに切った。
「僕と付き合ってるところまでです」
「……なっ……」
なんてこった! 俺は雷にうたれたようによろめいた。
久保田が平然とスプーンを使ってかぼちゃの種を取り出す。
「お母さん、あなたのこと薄々気が付いていたみたいですねぇ。だからむしろほっとしたみたいですよ。変な男と付き合ってないかと心配していたみたいですから」
「…………」
こいつ、俺の中で転職以上にセンシティブな問題を母さんに勝手に言いやがったのか? しかも母さんも薄々気が付いていたって? なんてこった!
地球が揺れるのを感じた。
しかし久保田は気にせずに、勝手に持ち込んだよく切れる包丁で、かぼちゃをザクザクと切り分け始めた。
「お母さん、よっぽどあなたに飢えていたみたいですね。あなたの話をするとすごく喜んでくれるんですよ。一緒に見た映画の話だとか、一緒に行ったお店の話だとか、あなたに作った食事の話だとか、あなたが今仕事中にハマっているゲームの話だとか」
「……ちょっと待て、うちの母さんとどんだけ話してんだよ!」
久保田がかぼちゃを切りながら、考えるように上を見上げた。
「二日に一回くらいですかね。あ、お母さんの方から電話をくれるんですよ?」
「…………」
俺はついに畳にへたり込んだ。
「あなたをよろしくと言ってくれました。いいお母さんですね」
「…………」
母さんの洗脳は俺の知らないところでとっくに済んでいたようだった。
……家族まで巻き込んで、こいつはいったいどこまで俺の人生に入り込めば気がすむんだ? まさか母親にまで手を出すとは。
「どうしました? 泣いてるんですか?」
畳に突っ伏していると、久保田が肩に触れた。
「大丈夫ですよ。もし僕たちの交際に反対する者がいたら、僕がやんわりと排除するだけですから」
「…………」
久保田の言葉に涙が止まった。
……じゃあもし、母さんが反対していたら、母さんはこいつにやんわりと排除されていたのか? なんて恐ろしい奴なんだ、こいつは……。なんて恐ろしい奴なんだ!
「野坂さん、またこれ数字間違えてましたよ?」
「え?」
後ろの席の久保田に書類を渡された。
「あ」
確認すると確かに間違えていた。初歩的なミスだが、これがこのまま客のところに行っていたら大変なことになっていただろう。久保田が気が付いていなかったらと思うとヒヤヒヤする。最近こういうミスが増えた。それもこれもちゃんと眠れていないせいだ。
「野坂さん、ちゃんと謝罪して反省してくださいね」
「え? あ、すみませ」
後ろを振り返ると、いつの間にか真後ろに立っていた久保田に覆い被さられた。俺は慌てて逃げようとしたが、机と久保田に挟まれて身動きが取れない。
「……か、会社ではやめろって!」
「大丈夫です。誰も帰ってきませんよ」
それでも万が一ってことがあるだろうが! たまに帰ってくるんだってば!
抵抗すると久保田に喉輪をするように首をガシリと掴まれた。
「……ぐぇっ」
そのまま口と口を合わされる。なんて非人道的なやり方だ! 首から手を離さない久保田に抵抗するために、久保田のネクタイを引っ張った。すると、さらに久保田の舌が入ってきた。
逃げる舌を追いかけるように、久保田の舌が動く。しかしすぐに捕まって思うがままに遊ばれる。
……俺にはもう、こいつから、逃げられる術はないのか?
「……んっ……」
久保田の口が離れると、今度は舌に舌が誘い出されて、口の外で舌と舌が仲が良さそうにからみ合った。
何をやってるんだ俺は! ……だめだって、こいつとこんなことしちゃ! こいつはヤバい奴なんだから!
そう思っているのに、後頭部と顎をガッシリと押さえられ、思う存分、唇を吸われ、俺も奪い返すように久保田の体にしがみついていた。
……誰か、こいつを止めてください!
「野坂くん、ちょっといいかな?」
「はい?」
「こっち来てくれる?」
「…………」
過去の経験から、予測がつかない事態には悪い予感しかしない。
俺はうつらうつらしていた頭を切り替えながら、所長のデスクに向かった。
「本社での話し合いでね、うちではもう契約社員を雇うのをやめようかということになったんだ」
「え?」
やっぱり。
……急転直下。突然の奈落の底。不安定な足元だからこそ簡単に落ちてしまう。真っ黒になった足元から不安が一気に駆け上がってくるのを感じた。さっきまでののどかな昼下がりを返して欲しい。
「あ、違う違う」
俺の顔を見ながら所長が慌てて手を振った。
「今すぐということじゃないんだ。君はまだ契約期間が一年以上あるから、それまでは今のままだよ。今までも希望があれば契約満期後に正社員として迎えることはあったんだけどね、満期を待たずに希望があれば正社員に雇い替えをしたいということなんだ」
「…………」
「できればこのまま事務をやってもらいたいが、君はとても良くやってくれていると久保田くんから聞いているから、君が希望するなら営業職に替わることも可能だよ。どうだい? 悪い話じゃないだろう?」
「…………」
……なんてこった。急転直下どころか、濡れ手に粟、棚からぼた餅じゃないか。これは俺にとって良い話でしかない。このままこのストレスの少ない楽な仕事を続けられる絶好のチャンスだ。
所長が微笑みながら俺に聞いた。
「どうかな?」
中年太りした丸顔が脂ぎっていて、髪が薄くなった頭には汗をかいている。そんな中年男性がこんなに神々しく見えたことが今までにあっただろうか?
「…………」
しかし俺は、すぐに返事をすることはできなかった。
このままこの会社にいるということは、久保田から逃れられないということだ。過去のことがバレたら俺はここにいられなくなるだろう。だから久保田の言うことに従わざるを得なくなる。今以上にがんじがらめにあうんだ。
「……す、少し考えさせてください」
「え? なんで?」
所長が驚いた顔をした。
「すみません」
俺は所長に頭を下げ、自分のデスクに戻った。
くそっ、この仕事に不満なんてないのに! 久保田さえ、久保田さえいなければ! しかし久保田がいなければこの職にもありつけていないんだった……。
やっぱり、久保田から離れるには職を替えることが必要だ。久保田の魔の手が届かない場所を自分で見つける必要がある。こうなったら久保田から逃げることを第一優先に考えよう。最悪アルバイトでもいい。今は恐ろしい久保田から逃げることを先に考えよう。
仕事が終わり、会社を出るとそのままネットカフェへ向かった。募集している求人情報を見るために。家にあるパソコンはロックをかけているとはいえ、久保田に中を見られる可能性があった。あいつならロックを解除して、消したはずの履歴を復活させるくらいのことはしそうな気がしたからだ。
受付で身分証を見せて部屋番号の書かれた伝票を受け取ると、ドリンクバーの烏龍茶を片手に個室へ向かった。
パソコンの画面とキーボードしか置かれていない無機質な机に鞄を置くと、すぐにパソコンの電源を入れた。一時間くらいなら久保田に家に帰っていないことをバレずに済むだろう。
もはや自分の家が安心できる場所ではなくなっていた。久保田は勝手に掃除するし、掃除道具やらキッチン用品に買った覚えのない物が増えていた。まるで自分の家じゃないみたいだ。
久しぶりの自分だけの場所に安心しながらキーボードを触ろうとしたところで、スマホが鳴った。
見ると久保田からだった。
「…………」
即座に無視をした。……どうしてもうバレたんだ? 額に汗がにじみ、キーボードに触れる手がかすかに震えた。
それでも震える手で求人情報サイトを見つけたところで、机に置いていたスマホがまた鳴った。恐る恐る見ると、今度は久保田からではなかった。
母親からだった。
親から連絡が来るのは久しぶりだ。会社を辞めたことは自分からはまだ言っていない。何度か電話が来ても無視をしていた。現状を話せば心配させるし、隠したとしてもなぜが母親にはバレてしまうような気がしたからだ。久保田が勝手に言ったらしいが、いつかはちゃんと自分で話さなくてはとは思っていた。
俺は気乗りしないままスマホを耳に当てた。
「……はい」
『あら。出てくれた』
「…………」
それでもいざ母さんの声を聞くと、言葉が詰まった。
『心配しなくてもいいのよ。お母さんはあんたが元気にしてればいいんだから。あのねぇ、久保田さんの家にかぼちゃ送ったって伝えといてくれる?』
「…………」
『あんた引っ越したんだったらそれくらいは教えといてくれてもいいのにねぇ。しょうがないから久保田さんの家に送ったわ』
なぜ、久保田の家に。
『あんたずいぶんと良い人を見つけたんだねぇ』
「…………」
『お母さん、安心したわ。あんた小さい頃から要領悪くて心配してたけど、あの人にだったらあんた任せられるわよ。何でも頼ってしまいなさい。あんなにあんたのことを思ってくれる人なんて二度と現れないわよ』
「……母さん」
『いいの。大丈夫よ。お母さんはあんたが誰と付き合おうが、幸せになってくれればいいんだから。天国のお父さんにも紹介したいから今度一緒に帰ってらっしゃい』
「…………」
俺は椅子から転がり落ちそうになった。
「おいっ‼」
勢いよく家のドアを開けると、久保田がワイシャツにエプロンをしてキッチンに立っていた。
「どこに行ってたんですか? 何度も電話したのに。事故にあってるんじゃないかと心配しましたよ」
久保田がかぼちゃに包丁を当てながら飄々とした顔で言った。
「おまえっ、母さんにどこまで話したんだっ⁉」
「どこまでって」
久保田がでかいかぼちゃを楽々と真っ二つに切った。
「僕と付き合ってるところまでです」
「……なっ……」
なんてこった! 俺は雷にうたれたようによろめいた。
久保田が平然とスプーンを使ってかぼちゃの種を取り出す。
「お母さん、あなたのこと薄々気が付いていたみたいですねぇ。だからむしろほっとしたみたいですよ。変な男と付き合ってないかと心配していたみたいですから」
「…………」
こいつ、俺の中で転職以上にセンシティブな問題を母さんに勝手に言いやがったのか? しかも母さんも薄々気が付いていたって? なんてこった!
地球が揺れるのを感じた。
しかし久保田は気にせずに、勝手に持ち込んだよく切れる包丁で、かぼちゃをザクザクと切り分け始めた。
「お母さん、よっぽどあなたに飢えていたみたいですね。あなたの話をするとすごく喜んでくれるんですよ。一緒に見た映画の話だとか、一緒に行ったお店の話だとか、あなたに作った食事の話だとか、あなたが今仕事中にハマっているゲームの話だとか」
「……ちょっと待て、うちの母さんとどんだけ話してんだよ!」
久保田がかぼちゃを切りながら、考えるように上を見上げた。
「二日に一回くらいですかね。あ、お母さんの方から電話をくれるんですよ?」
「…………」
俺はついに畳にへたり込んだ。
「あなたをよろしくと言ってくれました。いいお母さんですね」
「…………」
母さんの洗脳は俺の知らないところでとっくに済んでいたようだった。
……家族まで巻き込んで、こいつはいったいどこまで俺の人生に入り込めば気がすむんだ? まさか母親にまで手を出すとは。
「どうしました? 泣いてるんですか?」
畳に突っ伏していると、久保田が肩に触れた。
「大丈夫ですよ。もし僕たちの交際に反対する者がいたら、僕がやんわりと排除するだけですから」
「…………」
久保田の言葉に涙が止まった。
……じゃあもし、母さんが反対していたら、母さんはこいつにやんわりと排除されていたのか? なんて恐ろしい奴なんだ、こいつは……。なんて恐ろしい奴なんだ!
「野坂さん、またこれ数字間違えてましたよ?」
「え?」
後ろの席の久保田に書類を渡された。
「あ」
確認すると確かに間違えていた。初歩的なミスだが、これがこのまま客のところに行っていたら大変なことになっていただろう。久保田が気が付いていなかったらと思うとヒヤヒヤする。最近こういうミスが増えた。それもこれもちゃんと眠れていないせいだ。
「野坂さん、ちゃんと謝罪して反省してくださいね」
「え? あ、すみませ」
後ろを振り返ると、いつの間にか真後ろに立っていた久保田に覆い被さられた。俺は慌てて逃げようとしたが、机と久保田に挟まれて身動きが取れない。
「……か、会社ではやめろって!」
「大丈夫です。誰も帰ってきませんよ」
それでも万が一ってことがあるだろうが! たまに帰ってくるんだってば!
抵抗すると久保田に喉輪をするように首をガシリと掴まれた。
「……ぐぇっ」
そのまま口と口を合わされる。なんて非人道的なやり方だ! 首から手を離さない久保田に抵抗するために、久保田のネクタイを引っ張った。すると、さらに久保田の舌が入ってきた。
逃げる舌を追いかけるように、久保田の舌が動く。しかしすぐに捕まって思うがままに遊ばれる。
……俺にはもう、こいつから、逃げられる術はないのか?
「……んっ……」
久保田の口が離れると、今度は舌に舌が誘い出されて、口の外で舌と舌が仲が良さそうにからみ合った。
何をやってるんだ俺は! ……だめだって、こいつとこんなことしちゃ! こいつはヤバい奴なんだから!
そう思っているのに、後頭部と顎をガッシリと押さえられ、思う存分、唇を吸われ、俺も奪い返すように久保田の体にしがみついていた。
……誰か、こいつを止めてください!
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