王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

文字の大きさ
16 / 422
第1章

叔母様とご対面

しおりを挟む


開かれた扉の先には人、人、人。
人が沢山居た。

拍手をして僕達を迎えているが、前世の経験値がある僕には分かる。
何人かの目は濁っていて良くない感情を抱いているだろうことが僕には分かるのだ。


悪くは言われてないけど、兄に言われていたとおり良くない目で僕達を、僕を見てくる奴はチェックしておこう。


「本日は我がアーバスノイヤー家次男、ルナイス・アーバスノイヤーの生誕祭にお越しくださり誠にありがとうございます。」

父、何時もよりスラスラお話してる。
言い慣れてる感ある。


「今回は身内と親しい方々のみのご招待とさせて頂いております。ゆるりとお過ごし下さい。…乾杯。」


「「「乾杯。」」」



父の言葉で止まっていた人々が動き出す。

父は他には分からないように息を吐き出し僕を抱えたまま、部屋を歩き出す。


未だに説明を受けてなくて不服であるが、これは僕の生誕祭であるらしい。
まぁ…1歳の子供に説明しても分からないものね。

でも父は僕がきちんと理解してるって分かってるはずだ。


何故事前に説明してくれないのか。
僕はこう見えて結構人見知りなんだぞ。




それからは案の定、僕を抱えたまま父は広間を歩き出した。

「ルナイス様、お初にお目にかかります。わたくしは貴方の母アリアの妹、アニペ・マーフィーと申します。」

まず最初にご挨拶したのはまさかの母の妹さん。

1歳の父の腕に抱かれた僕にご丁寧に挨拶してくれるこの人は結構魔力高めみたい。
魔力の量というより魔力の強さは何となく感じる。


「レディ・アニペ。本日はご参加下さり誠にありがとうございます。失礼ですが、お連れ様は?」

「婚約者ルド・トゥワイマンは先程無礼者をとっ捕まえて事情聴取に。後程また一緒にご挨拶させて下さいませ。」


笑顔で穏やかに話されているけど、言葉の節々に荒を感じる。


「なるほど。お手を煩わせて申し訳ありません。ワイアット。」

父が呼ぶとすぐ側に大柄なけれどしゅっとした、ただずまいの男の人が現れた。
家令のワイアット・ホークだ。

僕とは関わる機会がほとんどないからまだよくわからない人。
でも有名な騎士を数多く出しているホーク子爵家の5男だとばぁやが言っていた。


貴族階級てややこしくて僕嫌い。
だけどばぁやはこういうのは早い方がいいって英才教育してくる。
まだ1歳なのに…



「まぁ、ワイアット様が着いてくださるのなら心強いですわ!義兄様、両親はルナイス様に会わせない方がよろしいですわ。本当に厚顔無恥な人達ですもの。」


「…そこは私も悩んでいた。やはり何かしてきそうか。」


「弱き者を虐めるのが大好きな方達ですから。ルナイス様、何か失礼な事を言われましたら遠慮なく叔母様を呼んでね。」


アニペ様は先程まで顔を隠していた扇子を閉じて、僕にニッコリと笑いかけてくれる。

よく分からないけど、とりあえずアニペ叔母様は僕の味方になってくれると…



「あぃ」

「まぁ!可愛らしい。」



返事をして片手を上げると両頬を抑えてクネクネと動く叔母様。

叔母様は僕を少しだけ抱いて可愛らしい、可愛らしいと褒めてくれた後、また婚約者さんと来ると言いワイアットを伴って去って行った。


少しばかり個性強めですが、頼もしい叔母様で面白かった。




しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。  謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。  五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。  剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。  加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。  そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。  次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。  一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。  妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。  我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。  こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。  同性婚が当たり前の世界。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

断罪回避のはずが、第2王子に捕まりました

ちとせ
BL
美形王子×容姿端麗悪役令息  ——これ、転生したやつだ。 5歳の誕生日、ノエル・ルーズヴェルトは前世の記憶を取り戻した。 姉が夢中になっていたBLゲームの悪役令息に転生したノエルは、最終的に死罪かそれ同等の悲惨な結末を迎える運命だった。 そんなの、絶対に回避したい。 主人公や攻略対象に近づかず、目立たずに生きていこう。 そう思っていたのに… なぜか勝手に広まる悪評に、むしろ断罪ルートに近づいている気がする。 しかも、関わるまいと決めていた第2王子・レオンには最初は嫌われていたはずなのに、途中からなぜかグイグイ迫られてる。 「お前を口説いている」 「俺が嫉妬しないとでも思った?」 なんで、すべてにおいて完璧な王子が僕にそんなことを言ってるの…?  断罪回避のはずが、いつの間にか王子に捕まり、最後には溺愛されるお話です。 ※しばらく性描写はないですが、する時にはガッツリです

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

処理中です...