王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第1章

1歳児の逆襲

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次に挨拶を交わしたのが、父の親しい友人らしいエイデン・ヒル侯爵とその息子で兄の友人ヒュー・ヒル様。


「本日はルナイス様の生誕祭にお招き下さり誠にありがとうございます。」
「おめでとうございます。」


胸に手を当てて少し腰をおり挨拶をした親子。
父が礼を口にすると顔をあげて爽やかに笑った。



「今日も早速デリカシーのない輩が来ているそうだな。」


先ほどとは打って変わってフランクな話し方だが、父はそれに不快な顔をすることはなく同意するように頷き大きなため息を吐き出した。


「息子の誕生日くらい邪魔をしないでほしいのだが…」


「まぁ、アーバスノイヤー家に平穏って言葉は似合わないわな。」


「誰よりも平穏な日常を望んでいるよ。」


「それ以上にアーバスノイヤーを楽しんでいるくせによく言う。」



父とヒル侯爵はぽんぽんと会話のキャッチボールを投げあって楽しそうにしている。



「アドルファス、また身長が伸びたか?」


「あぁ。」


「今度手合わせしてくれないか?」


「あぁ。」



父達の隣では兄とヒュー様が平和に会話しているが、兄の返答が不愛想すぎて面白い。
「あぁ」しか言わない兄をヒュー様は気にしている様子もなくニコニコと笑っているが、本来であればしらけた空気になるところだ。

兄の社交力が心配である。




「ヴォホン!…孫の顔を見に来たのだが、良いだろうか?」

友人同士の楽しい雰囲気の中、無遠慮に侵入してきたおじさん。
一気に空気が悪くなったし、兄何て物凄く睨みつけている。

僕を顎で孫だと指したのだから、この人は僕にとってお爺さんにあたる人なのだろうけど、父も兄もとても歓迎している様には見えない。

ということは…母の両親だろう。


叔母が顔を扇子で隠しながら僕に会わせない方が良いと言っていたけど、向こうからずけずけと来られてしまった。



ヒル侯爵を押し退けてぐいぐいっと僕達の前に来たお爺様とその横にいるお祖母様。
お祖母様は扇子で口元を隠しているけれど扇子の上から覗く目がジロジロと僕を見ている。
お爺様も孫の顔を見に来たと言うが僕に向ける目はとても孫を見るおじいちゃんの顔ではない。



「ほぅ…それが我が娘を殺した化け物か。魔力が多いそうだな、どうだ?それの魔力を使って魔力晶まりょくしょうを作らないか?」

お爺様は下品なニヤニヤした笑みを浮かべて父に意気揚々と話すが、この人には父から放たれる重たーい気を感じないのだろうか?
魔力も溢れて近くにいる僕は少しお腹がぐるぐるしてきたよ。


「父上。ルナイスを。」

隣に居た兄が父の腕から僕を救出してくれてやっとお腹のぐるぐるが少し収まる。

たぶん父の魔力に当てられて僕のお腹に溜まっている魔力がうねうねしてたのだと思う。


「相変わらず品と知性の欠片もないお方だ。あの子の名はルナイス・アーバスノイヤーだ。お前如きが好きにできる玩具ではない!人間を材料とした魔力晶を作るという禁忌を口にしたこと、きちんと国王の耳にも届けてやろう。」


「な!ちょ、ちょっとした冗談ではないか!アーバスノイヤー家の当主は冗談も通じぬのか!!それに私はお前の義理の父でそれらの祖父だぞ!」


魔力晶が何なのかは分からないけど、父の言葉からけして良いものではないことが分かる。



「そんな不気味なもの生かす価値がありますの?魔力晶にして人々の役に立てた方が国王陛下もお喜びになられるのではないですか?」

お祖母様の言葉にお爺様そうだとでも言うように何度も頷く。

人を魔力晶に変える

それは口にすることも禁忌であると先程父が言っていたのに堂々と再び口にしたのは何故だ?


ただの馬鹿なのか、何か理由があるのか…



どちらにせよ、先程から人のこと好きなように言ってくれる。

僕が爆誕してから1年間、何も分からぬ赤子と侮るなよ老害共め!


ブチィ

シュッ


「っ!!こいつ!」


ブチィ

シュッ


「っ!!こ、この!!」



煩わしい服のボタンを引きちぎりお爺様とお祖母様に投げつける。

見事どちらも顔に当たって効果抜群!


「う?」


後は何も分かりませんって顔をすれば良い。

まだ1歳児なので。



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