王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第1章

叔母様とご対面



開かれた扉の先には人、人、人。
人が沢山居た。

拍手をして僕達を迎えているが、前世の経験値がある僕には分かる。
何人かの目は濁っていて良くない感情を抱いているだろうことが僕には分かるのだ。


悪くは言われてないけど、兄に言われていたとおり良くない目で僕達を、僕を見てくる奴はチェックしておこう。


「本日は我がアーバスノイヤー家次男、ルナイス・アーバスノイヤーの生誕祭にお越しくださり誠にありがとうございます。」

父、何時もよりスラスラお話してる。
言い慣れてる感ある。


「今回は身内と親しい方々のみのご招待とさせて頂いております。ゆるりとお過ごし下さい。…乾杯。」


「「「乾杯。」」」



父の言葉で止まっていた人々が動き出す。

父は他には分からないように息を吐き出し僕を抱えたまま、部屋を歩き出す。


未だに説明を受けてなくて不服であるが、これは僕の生誕祭であるらしい。
まぁ…1歳の子供に説明しても分からないものね。

でも父は僕がきちんと理解してるって分かってるはずだ。


何故事前に説明してくれないのか。
僕はこう見えて結構人見知りなんだぞ。




それからは案の定、僕を抱えたまま父は広間を歩き出した。

「ルナイス様、お初にお目にかかります。わたくしは貴方の母アリアの妹、アニペ・マーフィーと申します。」

まず最初にご挨拶したのはまさかの母の妹さん。

1歳の父の腕に抱かれた僕にご丁寧に挨拶してくれるこの人は結構魔力高めみたい。
魔力の量というより魔力の強さは何となく感じる。


「レディ・アニペ。本日はご参加下さり誠にありがとうございます。失礼ですが、お連れ様は?」

「婚約者ルド・トゥワイマンは先程無礼者をとっ捕まえて事情聴取に。後程また一緒にご挨拶させて下さいませ。」


笑顔で穏やかに話されているけど、言葉の節々に荒を感じる。


「なるほど。お手を煩わせて申し訳ありません。ワイアット。」

父が呼ぶとすぐ側に大柄なけれどしゅっとした、ただずまいの男の人が現れた。
家令のワイアット・ホークだ。

僕とは関わる機会がほとんどないからまだよくわからない人。
でも有名な騎士を数多く出しているホーク子爵家の5男だとばぁやが言っていた。


貴族階級てややこしくて僕嫌い。
だけどばぁやはこういうのは早い方がいいって英才教育してくる。
まだ1歳なのに…



「まぁ、ワイアット様が着いてくださるのなら心強いですわ!義兄様、両親はルナイス様に会わせない方がよろしいですわ。本当に厚顔無恥な人達ですもの。」


「…そこは私も悩んでいた。やはり何かしてきそうか。」


「弱き者を虐めるのが大好きな方達ですから。ルナイス様、何か失礼な事を言われましたら遠慮なく叔母様を呼んでね。」


アニペ様は先程まで顔を隠していた扇子を閉じて、僕にニッコリと笑いかけてくれる。

よく分からないけど、とりあえずアニペ叔母様は僕の味方になってくれると…



「あぃ」

「まぁ!可愛らしい。」



返事をして片手を上げると両頬を抑えてクネクネと動く叔母様。

叔母様は僕を少しだけ抱いて可愛らしい、可愛らしいと褒めてくれた後、また婚約者さんと来ると言いワイアットを伴って去って行った。


少しばかり個性強めですが、頼もしい叔母様で面白かった。




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