王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第2章

十分罰せられてた

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それぞれの処分が決まったところで成り行きを見守ってくれていたにぃ様が僕をソファに座らせて、僕の横に仁王立ちになって口を開いた。

にぃ様も落ち着いたと思っていたけど、見上げたお顔は未だに不機嫌であった。




「ずっと不思議でならないのですが…本人達が何故この場に居ないのです?」

そう声を上げたにぃ様にとーさまがはぁっと重たい息を吐きだした。

再び部屋の空気が張り詰めてしまったが、僕もちょっと気になっていたことなのでわざと場の雰囲気を和らげることはしないでおいた。



「む、息子のアフは…妻の、妻の監視下に置かれていいいいます!こ、今回の、件で…っ妻が大層怒っておりぃ、じ、自分の監視下外での行動を禁止致しました!…えっと、な、なので、妻からえっと…言伝を。」

サンコン子爵は吃音どもりながらそう言うと懐から一枚の紙を取り出した。


「し、失礼します。…ごほん…『アーバスノイヤー公爵様、ご子息様。まずは直接息子と共に出向き謝罪をするべきところを夫代読のふみという形をとったこと深くお詫び申し上げます。重ねて今回の息子の愚かなる行いによりご子息様の命を脅かした事、大変に申し訳ございません。今回息子と共に出向かなかった理由として決して我が子可愛さでないことを最初にお伝えしておきます。話を聞いて息子を問いただしましたところ息子の性根しょうねが腐っていることが判明いたしました。この状態の愚息を連れて向かった所で更なる不快感を与えてしまうと感じましたので、このような手紙でお詫びする運びとなりました。必ず、必ず性根を叩き直し厳粛な罰をサンコン家としても与え、改心させてから再びお詫びすることをお許しください。どのような罰を下したかは後日、きちんと騎士団を通し正式な書面で提出いたします。今回の件心より深くお詫び申し上げます。』…との…ことです。」




サンコン婦人からの言伝を吃ることなく子爵は読み上げていたが、読んでいる途中でどんどん顔色が悪くなっていっていた。

何か、特別クラスの処分より婦人からの処罰の方が恐ろしそうである。





「なるほど。では、トゥワイス男爵君は?」


「は!処罰の前に勝手な判断をしたこと先にお詫び申し上げます!只今ムアンマルは我が父の監視の元黒煙の森に投げ入れております。先程話した通り反省の姿勢が見受けられずルナイス様の御前に出せない為、本人はここにおりません。」


あ、こっちも十分厳しい罰を与えられてるわ。


温い!って騒いだ数分前の自分が恥ずかしい。




こっそりと顔に熱を溜める僕の頭を慰めるようにそっとノヴァが撫でてくれるけど、その慰めが更に僕の羞恥心を刺激している。





2人が告げた本人不在の理由に僕はもちろん、にぃ様もご納得されたようでこの件に関しての話し合いはやっと閉幕を迎えた。




皆が帰られた後、にぃ様はとーさまに突如部屋に乱入し声を荒らげた事を詫びた後レオを引きずって裏庭へと向かって行った。

恐らく抜けないイライラを解消しに体を動かしに行ったのだろう。




僕もとーさまに話を拗らせたことを謝った。

「私も当事者であるルナイスと先にきっちりと話しておくべきだったと反省している。それから、大人達ばかりの場にルナイスを1人入れたこと…すまなかった。」


とーさまはそう言って謝るので、お互いのごめんなさいで帳消しだねっと仲直りのハグをして僕は部屋に戻った。









後日、二家から誓約書が届いた。
ダンデ男爵は横領など悪事が暴かれ、ドゥヌは学園を去り孤児院に。
両親や関わった使用人などは牢に繋がれたという。


誓約書がなくてももう二度と僕の前に現れることはないだろう。



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