120 / 422
第2章
龍神の加護とは
しおりを挟む
ホルス様へノヴァの紹介が終わったところで、そう言えばノヴァに伝えていなかったなっとホルス様が僕の傍に居て下さっている理由をお話した。
「龍神の加護…か。なるほど…過去に公爵様から加護を持っているかもしれないと聞いていたが龍神の加護とはな。」
「ノヴァ、龍神の加護ってどんなものなの?」
とーさまに聞こうと思っていたけど、ノヴァも知ってそうだったので尋ねてみた。
「古い文献に書かれていた内容からすると、ドラゴンとの意思疎通が図れることとドラゴンを従えさせるそうだが…ホルス殿、いかがでしょうか?」
「うむ。従えさせる力というよりは我らがこの子等を守り、この子等の望みを叶えてやりたいというお節介で勝手に動いているのだ。つまり力というより、ドラゴンに愛される存在という訳だ。それと加護をもつ者はドラゴンのように魔力に優れ、自己再生能力も高い。しかし龍神の加護を受ける者は何かしら欠陥を抱えている者が多いのがなんとも哀しいものよなぁ。」
ノヴァがホルス様に古い文献からの知識が間違っていないか尋ねたところで『あっ』っと思った。
そうだ。加護がどんなものなのかホルス様に聞いたらよかったと考えの足らなさに少し恥ずかしくなった。
しかしノヴァは羞恥心にもぞる僕よりもホルス様が欠陥を抱えている者が多いという言葉に体をピクっと反応させ、少しだけお顔が怖くなる。
「龍神の加護の影響で…欠陥を抱えるのですか?」
「否。欠陥を抱える者を不憫に思い龍神が加護を与えるのだ。しかし…そうだな…ルナイスはちと特殊ではあるな。」
欠陥という言い方が気に入らないのか、ノヴァは一瞬口を噤んだが、他の言い方も思い浮かばなかったのか渋々と尋ね、それに対してホルス様は否と即答した。
加護の影響で欠陥を抱えているのなら許さないぞって感じが凄くノヴァから感じられていたので、違ったようで一安心。
でも…
「特殊??」
「あぁ。ルナイス、お主前世の記憶があるだろう?恐らくお主の魂をこちらへ導いたのは龍神であろう。9年ほど前に龍神よりこれから生まれる愛し子を見守るようにと神託が下っておった。龍神の考え等、我等には分からぬ領域であるが愛し子とはルナイス、お主の事だと我は思う。」
僕が特殊とは?と首を傾げ、返ってきた言葉に驚いた。
異世界転生なんて本当にあるんだーって呑気に思っていた時もあったけど、まさか龍神様が僕の存在を知りこの世界に導いてくれた何て考えたこともなかった。
予想外すぎる話に僕は固まってしまって言葉を発することもできない。
「つまりは、ルナイスは歴代の加護者の中でも群を抜いて龍神のお気に入り、というわけだな。」
何てことないように話をまとめたホルス様。
お気に入り…と言われても僕は龍神様を知らないからどう反応をすればいいのか分からない。
そもそも前世から神様は人が絶望から救われる為に創造した存在で、人に関与する存在だとは思っていなかったのだ。
本当に存在したのだとしても、神様は人を救うこともなければ人を罰することもないという認識だった。
「神は存在する。この世界ではな。お主の前の世界ではどうか知らんが…お主ならばそのうち龍神様と話をする機会があるだろうよ。神への疑問はその時に当人から聞くが良い。」
「…はぃ。」
僕の思考を呼んだのか、ホルス様はそう言ってくれたけど僕はまだ処理が追いついていなくて気の抜けた返事を返した。
ノヴァはそんな僕をぎゅっと抱き寄せて、落ち着かせるように優しく背中を撫でてくれていた。
_________
☆お知らせ☆
『魔法の凄い人現れる』というだいぶ前に更新したお話で、ノヴァの口調がその後のお話と違うことに今更気が付きましたので修正を入れました。
ストーリーに変更はありません。
「龍神の加護…か。なるほど…過去に公爵様から加護を持っているかもしれないと聞いていたが龍神の加護とはな。」
「ノヴァ、龍神の加護ってどんなものなの?」
とーさまに聞こうと思っていたけど、ノヴァも知ってそうだったので尋ねてみた。
「古い文献に書かれていた内容からすると、ドラゴンとの意思疎通が図れることとドラゴンを従えさせるそうだが…ホルス殿、いかがでしょうか?」
「うむ。従えさせる力というよりは我らがこの子等を守り、この子等の望みを叶えてやりたいというお節介で勝手に動いているのだ。つまり力というより、ドラゴンに愛される存在という訳だ。それと加護をもつ者はドラゴンのように魔力に優れ、自己再生能力も高い。しかし龍神の加護を受ける者は何かしら欠陥を抱えている者が多いのがなんとも哀しいものよなぁ。」
ノヴァがホルス様に古い文献からの知識が間違っていないか尋ねたところで『あっ』っと思った。
そうだ。加護がどんなものなのかホルス様に聞いたらよかったと考えの足らなさに少し恥ずかしくなった。
しかしノヴァは羞恥心にもぞる僕よりもホルス様が欠陥を抱えている者が多いという言葉に体をピクっと反応させ、少しだけお顔が怖くなる。
「龍神の加護の影響で…欠陥を抱えるのですか?」
「否。欠陥を抱える者を不憫に思い龍神が加護を与えるのだ。しかし…そうだな…ルナイスはちと特殊ではあるな。」
欠陥という言い方が気に入らないのか、ノヴァは一瞬口を噤んだが、他の言い方も思い浮かばなかったのか渋々と尋ね、それに対してホルス様は否と即答した。
加護の影響で欠陥を抱えているのなら許さないぞって感じが凄くノヴァから感じられていたので、違ったようで一安心。
でも…
「特殊??」
「あぁ。ルナイス、お主前世の記憶があるだろう?恐らくお主の魂をこちらへ導いたのは龍神であろう。9年ほど前に龍神よりこれから生まれる愛し子を見守るようにと神託が下っておった。龍神の考え等、我等には分からぬ領域であるが愛し子とはルナイス、お主の事だと我は思う。」
僕が特殊とは?と首を傾げ、返ってきた言葉に驚いた。
異世界転生なんて本当にあるんだーって呑気に思っていた時もあったけど、まさか龍神様が僕の存在を知りこの世界に導いてくれた何て考えたこともなかった。
予想外すぎる話に僕は固まってしまって言葉を発することもできない。
「つまりは、ルナイスは歴代の加護者の中でも群を抜いて龍神のお気に入り、というわけだな。」
何てことないように話をまとめたホルス様。
お気に入り…と言われても僕は龍神様を知らないからどう反応をすればいいのか分からない。
そもそも前世から神様は人が絶望から救われる為に創造した存在で、人に関与する存在だとは思っていなかったのだ。
本当に存在したのだとしても、神様は人を救うこともなければ人を罰することもないという認識だった。
「神は存在する。この世界ではな。お主の前の世界ではどうか知らんが…お主ならばそのうち龍神様と話をする機会があるだろうよ。神への疑問はその時に当人から聞くが良い。」
「…はぃ。」
僕の思考を呼んだのか、ホルス様はそう言ってくれたけど僕はまだ処理が追いついていなくて気の抜けた返事を返した。
ノヴァはそんな僕をぎゅっと抱き寄せて、落ち着かせるように優しく背中を撫でてくれていた。
_________
☆お知らせ☆
『魔法の凄い人現れる』というだいぶ前に更新したお話で、ノヴァの口調がその後のお話と違うことに今更気が付きましたので修正を入れました。
ストーリーに変更はありません。
867
あなたにおすすめの小説
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw
ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。
軽く説明
★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。
★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
断罪回避のはずが、第2王子に捕まりました
ちとせ
BL
美形王子×容姿端麗悪役令息
——これ、転生したやつだ。
5歳の誕生日、ノエル・ルーズヴェルトは前世の記憶を取り戻した。
姉が夢中になっていたBLゲームの悪役令息に転生したノエルは、最終的に死罪かそれ同等の悲惨な結末を迎える運命だった。
そんなの、絶対に回避したい。
主人公や攻略対象に近づかず、目立たずに生きていこう。
そう思っていたのに…
なぜか勝手に広まる悪評に、むしろ断罪ルートに近づいている気がする。
しかも、関わるまいと決めていた第2王子・レオンには最初は嫌われていたはずなのに、途中からなぜかグイグイ迫られてる。
「お前を口説いている」
「俺が嫉妬しないとでも思った?」
なんで、すべてにおいて完璧な王子が僕にそんなことを言ってるの…?
断罪回避のはずが、いつの間にか王子に捕まり、最後には溺愛されるお話です。
※しばらく性描写はないですが、する時にはガッツリです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる