123 / 422
第2章
敵はすぐそこにいるのでは?
しおりを挟む悪夢のせいで上手く眠れなくなり、睡眠不足になっている僕。
脳みその動きが悪くなってぼぉっとする時間が増えた。
起きてるけど、半分寝ているような感じ。
そのせいで、夜中に刺客が部屋に入ってきても上手く動けないけど、そういう時はコルダが対応してくれるし、コルダが対応しているのと違うのが来てしまってもホルス様が尻尾だけだして尻尾で叩き潰してくれるから安心安全。
つまり、僕を今最大に悩ませているのは悪夢
どんな夢かというと、
僕は前世の僕で、とーさまやにぃ様達に『前世のお前はいらない』と言われ、暗闇に置いていかれる夢。
目が覚めて、夢だったってきちんと分かっているのだけど…夢であっても心にくるものがある。
それに夢での前世の自分に引きずられてしまうからなのか、憂鬱でどうしようもない虚無感を抱いてしまい魔力が不安定になるのも辛い。
ノヴァやホルス様が一生懸命色々してくれるのだけど、悪魔だけは毎日必ず見てしまうし憂鬱な気持ちは僕の精神的なことだから僕以外にはどうしようもない。
あのとーさまやにぃ様が夢であると確信を得る為に、最近の僕は頻繁にとーさまの執務室やにぃ様のお部屋にお邪魔するようになった。
そんな僕をとーさまもにぃ様を迷惑がることなく、寧ろもっと尋ねてきてくれたらいいのにって笑ってくれる。
だから、僕のことをいらないっていう二人は確かに夢で、あの悪夢が只の悪夢ではないのだと確信する。
「ホルス様、僕が見る悪夢って何か知ってる?」
夜に十分に眠れない僕は、厳重な警備の下お昼寝を取るようになった。
そのお昼寝から目が覚めたところで、いつも寝起きの僕をじっと観察している様子のホルス様に尋ねてみた。
「…そうさな。ルナイス自身が違和感に気が付いたことだし知っておいた方がいいだろうなぁ。」
そんな僕にふむふむと頷いたホルス様が話してくれたのは、毎日見る悪夢は夢魔の仕業だろうということと、ノヴァがそんな夢魔の力を無力化する方法を模索しているとのことだった。
悪魔と人では魔力が違うらしい。
悪魔は人と違って心臓を持たず、魔核と呼ばれる魔力の塊が心臓と同じ役目を担っているのだと言われ、そういえば随分昔に呼んだ悪魔に関する本にそんなことが書かれてあったなっと思い出す。
人間は魔力が尽きれば死ぬし、心臓を貫かれても死ぬ。
悪魔は例え魔力が尽きても、魔核があれば死なない。
そんな風に書かれていた。
ふと、半魔であるノヴァはどうなのだろう?と考える。
今度会った時に聞いてみようと決めて、僕も僕なりに悪夢への対策を考える。
「んー…ホルス様。夢魔の仕業ってことは…夢の中に夢魔が居る可能性がありますか?」
考えて考えて、本の内容を思い出し、そういえば挿絵には必ず夢を見てる人の近くに夢魔が描かれていたなっと思いホルス様に尋ねてみた。
「うむ…我も夢魔に会うたことがないのでなぁ……しかし、その可能性は十分にあるだろう。」
ホルス様もう~んっと考えてくれて、話し合った結果、今晩の悪夢では夢魔の気配を探ってみることにした。
ホルス様は気配に気が付いた僕に夢魔がどうするか分からないから危険だと止めたけど、もうこれ以上安眠を妨害されたくないんだ。
それに悪鬼達もドラゴン達もその悪魔のせいで窮屈な思いを長いことしているし、これ以上僕の周りで問題を起こされたら病む。
「う~む…気合十分だのぉ……知らせておくか。」
今夜絶対気配を探ってやるっと気合十分な僕の横でホルス様が困ったように笑い、とーさま達に思念伝達で僕が今夜やろうとしていることをお知らせしたのだった。
831
あなたにおすすめの小説
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw
ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。
軽く説明
★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。
★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
断罪回避のはずが、第2王子に捕まりました
ちとせ
BL
美形王子×容姿端麗悪役令息
——これ、転生したやつだ。
5歳の誕生日、ノエル・ルーズヴェルトは前世の記憶を取り戻した。
姉が夢中になっていたBLゲームの悪役令息に転生したノエルは、最終的に死罪かそれ同等の悲惨な結末を迎える運命だった。
そんなの、絶対に回避したい。
主人公や攻略対象に近づかず、目立たずに生きていこう。
そう思っていたのに…
なぜか勝手に広まる悪評に、むしろ断罪ルートに近づいている気がする。
しかも、関わるまいと決めていた第2王子・レオンには最初は嫌われていたはずなのに、途中からなぜかグイグイ迫られてる。
「お前を口説いている」
「俺が嫉妬しないとでも思った?」
なんで、すべてにおいて完璧な王子が僕にそんなことを言ってるの…?
断罪回避のはずが、いつの間にか王子に捕まり、最後には溺愛されるお話です。
※しばらく性描写はないですが、する時にはガッツリです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる