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第4章
友人の認識に反論…できない
しおりを挟む結局相手がどういう力があって、どう接触してくる心配があるのかなどなど…分からないことが多すぎるし、しばらくは龍神様に監視されているはずだから深刻には考えないことにしてもらった。
それでもにぃ様とノヴァは心配してくれて、取り合えずの処置として僕は常にノヴァの薄い結界を3重に重ねられることになった。
ノヴァの負担になるし、しなくていいって言ったんだけどホルス様に神に人間の常識など通用せんから念の為やってもらっておきなさいと言われ渋々受け入れることとなった。
が、僕はここでにぃ様達にとーさまにはこの事を伝えないようお願いした。
今まで僕のことで沢山大変な目に合わせてきていて、今も魔獣が出る穴だ正体不明の結界だ何だと色んな問題を抱えさせてしまっているのに、そこに更に僕もしかしたら神様に狙われているかもなんてお話なんてしたらきっととーさまは天に召されてしまう。
可哀想すぎてこれ以上問題ごとを抱えさせたくない。
にぃ様はとーさまが後でこの事を知ったら何故言わなかった!と叱られるぞっと言うけれど、裏切り者さえいなければとーさまにバレるのは早くても問題が発生してからだ。
有効な対処法が無い問題なのだから問題が起きてから考えていくしかないので、僕はそれでいいと思う。
そう告げるとにぃ様もノヴァも僕がその判断をするのなら従うと言ってくれたので、神様問題はとーさまにはお知らせしないことが決定した。
もちろんヨハネスやコルダ達にもとーさまに報告しないよう命じた。
「テトラ君、ごめんなさい。」
「俺がルナイスを見くびり、自身の力を慢心しただけだ。謝る必要はない。」
夕食の席で姿を現したテトラ君に即謝罪をすれば、いつもよりも眉間に深い皺を作りながらも謝罪をする必要はないと言った。
やっぱり僕のこと見くびっていやがった…と思ったけれど、テトラ君は本当に僕の謝罪を必要としていないようで自身の驕りを猛省している様子だったのでこれ以上絡むのは止めて大人しく自分に宛がわれた席に戻ることにした。
こそっとテトラ君の護衛さんにテトラ君の股間は無事なのかと目配せして尋ねれば、護衛さんは正しく理解してくれたようでコクリと頷いてくれた。
それに僕は胸を撫でおろした。
彼はハデス辺境伯を継ぐ人だ。
今回の出来事で使い物にならなくなった、などという事になれば大問題であるし、流石に申し訳なさすぎる。
僕とテトラ君の問題じゃなくなるし、何だかんだ僕はこの先もテトラ君と良い友人でありたいと思っているのでこのようなことで友好関係に亀裂が入っては死んでも悔やまれる。
「意外と気にするんだな。大丈夫だ。」
「意外とって…僕をどんな人物だと捉えているのか気になる発言だね。」
「お前は『僕を舐め腐ったお前が悪い。自業自得でしょ?』って言う人間だと認識していた。」
「…テトラ君が相手じゃなかったら…そう言ってるね…うん。」
護衛さんからの返答で安心したけれど、やっぱり気になってチラチラとテトラ君を見ているとそれに気が付いたテトラ君が自ら大丈夫だと教えてくれたけど、正直者すぎる彼は余計な言葉までつけてくる。
心外だなっと拗ねながら返した言葉に帰ってきた言葉に、僕は反論することができなかった。
相手がテトラ君じゃなければ、僕は確かにテトラ君が言った通りの言葉を相手に投げかけていただろうし謝罪もしなかっただろう。
そう思うと…何か自分って自覚している以上に性格に難があるように思えてきた。
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