王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

1番、2番、3番、4番、5番

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闇属性適合者集団の住処へ潜入してから3日。




周りの者達も段々僕達の存在に慣れてきたようで、少しずつ警戒の視線を向けられる時間は減っている。

汚れた格好のまま、当番制の洗濯や料理をする僕にノヴァは微妙な顔をして見てくるが今はぐっと堪えてもらって…。
僕は前世の記憶のお陰か、こういう生活を全然苦に感じていない。


むしろ自分のことを自分でやるってことに何だか懐かしいような気持ちを抱いているんだ。

しかし雇用をつくらなくちゃいけない立場なので任せているだけで、正直自分のことは自分でやった方が早い。



ノヴァと一緒に暮らすようになった時もお家が実家ほど大きくはないから使用人も最小限にしようねって話して、まっさきに僕の身の回りの世話をする人は雇用しなくていいよーって言ったんだけど、そこでノヴァは絶対に首を縦に振らなかったんだ。

何かそこは譲れないところらしい。知らんけど。





逆にノヴァが心配になったけれど、スラムで過ごした時期もあるからノヴァも全然平気みたい。
むしろ僕より馴染んでる感ある。






僕は自分達に興味を持たない者や、好意的な者達から此処がどういう所でこれからどうなっていくのかっということを聞いてみることにした。

相手が探られているっと思わない程度に気を付けながら。



そうして得られた情報は

1番、2番、3番、4番、5番に拾われた者達が集っている集団ということ。


1番は魔力も強いうえ誰よりも虐げられている現状への憎悪が激しい獣人のようで仲間からも恐れられているようだ。

2番は面倒見はいいが警戒心が人一倍強く、何かしくじったりすると一番怒る。
ちなみにこの2番が初日に3番を呼び僕達を睨みつけていた人物だ。

3番は一番穏やかでよく闇属性適合者を拾ってくるけど、裏切者には容赦のない人。

4番は無口でのんびりしていて何を考えているのか分からないが頭の良い人魚族。

5番は顔の半分を包帯で覆い常に黒い大きなローブを被っている謎の人。治療係。




此処にいる集団は1~5番に選ばれてそれぞれの配下に着き、役割が与えられる。


僕とノヴァは3番に拾われてそのまま3番の配下に置かれたから此処では選択や料理などの生活面の役割があるのだとか。





話した者の中には4番の配下に着いている人が居て、その人物は

『今1~5番は皆改革の為にピリピリしている。気になるだろうがあまり此処のことを聞かない方がいい。』

と忠告してくれた。


改革?と首を傾げた僕にそれについても深く追求するなと注意を受けた。
特に1番と2番の配下に聞かれると面倒なことになるそうだ。

あと5番の配下にも注意するようにと言った。



『治癒をしてくれるから気を許しそうになるが…あいつらは助からない者を使って呪術の実験をしている。5番が何族の者なのかも分からないし、できるだけ近づかないほうがいい。』


と小さな声で教えてくれた。





これ以上聞きまわるのは良くないと判断した僕達は聞きまわるのを止めて与えられた役割をこなしつつ聞き耳を立てて情報を集めた。






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