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第4章
闇属性適合者集団の住処へ
3番は怯える演技をする僕に気遣ってか途中途中他愛もない話をした。
その中で3番がノヴァに
「スラム育ちにしては大きいね。」
と声を掛けたが、ノヴァが
「あそこは闇属性でもある程度の施しはしてもらえた。」
と答え、それに3番はそうなんだっと納得した様子で頷いた。
「僕はね、この国の外から逃げて来たんだ。闇属性って判定を受けてすぐに拘束されそうになった所を母が命を賭して僕を外に逃がしてくれたんだ。それからさ迷ってたら仲間と出会って…」
昔の記憶を思い出し懐かしんでいるような悲しんでいるような顔で3番は自分の境遇を語ってくれた。
恐らく彼の母上は彼を逃がしたことで殺されてしまったのだろう。
僕も生まれる国や時代が違えば、彼のように大切な人を失い逃げ回る生活をしていたかもしれない。
「君達は?兄弟…ではないのかな?」
「あぁ。裏路地で出会った。」
「そっか。どんな形でも頼れる人が傍に居るのはいいよ。もうすぐ…もうすぐ僕達も安心して暮らせる場所を手に入れられるはずだ。」
最後の方は自身に言い聞かせるように小さな声だった。
やはり彼は僕達が探していた集団の人間で間違いない。
「さぁ、此処が僕達の住処だよ。入り口は狭いけど、中は広いんだ。」
3番がそう言って指さす先は人が一人身を屈めてどうにか入れるような洞窟の穴。
「国外から逃げている奴も多いし、種族も色々だからこういう所じゃないと駄目で…頭気を付けてね。」
3番に案内されて狭い穴を潜ると確かに中は広かった。
土が綺麗にならされていて、寒すぎず暑すぎず心地良い気温。
一つの部屋を覗かせてもらえば下に絨毯みたいに布が引かれてあって、その上には厚手の毛布がある。
明かりは最小限だけど、辺りは見えるし間接照明みたいな感じ。
確かにスラムに住む子供からすれば、路地裏で寝るよりは良い環境と言える。
「闇属性以外の者は連れてこないのか。」
「うん。スラム育ちでも闇属性適合者を怖がる子もいるし、闇属性適合者は精神的に不安定なことが多いから…悪感情を向けられたり、他属性の子への劣等感やで攻撃しちゃうことがあるんだ。お互いの安全の為にも此処に連れてくるのは闇属性適合者だけって決めてる。」
ノヴァの問いに3番は悲しそうに笑って答えた。
きっと過去に何かあったのだろう。
「3番!こっちに来てくれ!」
「うん!じゃあ君達は此処を使って。ちょっと五月蠅いだろうけどゆっくり休んでね。」
3番は一つの穴を指さして僕達に言うと急いで呼ばれた方へとかけて行った。
3番を呼んだ人物はじっと僕らを観察するように見ていたが、3番が近づくとふっと視線を逸らしどこかへ歩いていった。
他の穴からこちらを覗う視線が向けられているけど、こちらへ近づいてくる様子はないことから警戒心の強さが伺える。
「また連れて来たのか。」
「此処はそういう所でしょ?そのために僕達は今動いてるんじゃないか。」
「そうだが…増えすぎれば何かあった時に動きずらくなるぞ。」
「元々成功率は低い計画なんだ…このまま嬲り殺しの人生を送るくらいなら少しでも安らげる時間があったっていいじゃないか。」
遠くの方から微かに聞こえてきた3番達の会話から3番は積極的に闇属性適合者の保護を行っているようで、それに対して仲間はあまり良い感情を抱いていない様子だ。
だからさっきの奴は厄介者が増えたっていう感じで僕達を睨んできたのか。
3番は計画が無事成功して、闇属性適合者が安心してくらせる場所を造ることを願ってはいるが現実問題それが難しいことであることを理解してどこか諦めているようだ。
彼の優しくも悲しい顔笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
彼等の計画は阻止しないといけないけれど…彼等が幸せだと、純粋に笑えるようにしたいと強く思った。
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