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第5章
伴侶の手がかりsideノヴァ
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ルナイスが一人で潜入に向かったと公爵様から聞いてから一週間と少し。
心配で今すぐルナイスの元に駆けつけたいが、行ったところでルナイスの仕事の邪魔にしかならないし、孤児院への襲撃者は未だ絶えず毎日対処するのに忙しい。
そんな中、公爵様からコルダが帰ってきたことが知らされたので騎士を残し、転移魔法で一時アーバスノイヤー家に足を運ぶことに。
「ルナイスは次の場所へ向かったそうだ。コルダは今地下牢でとある人物の尋問を行っている」
談話室で聞かされた内容にルナイスの仕事が良い方向で動いていることが分かりほっと息をついた。
今ルナイスがやっていることは国王とクラージュ殿下、宰相と公爵とアドルファス様そして俺という限られた人物しか知らされていない最極秘任務であり、使用人もいない防音魔法をかけているこの談話室でも迂闊に発言はできない。
コルダは捕らえられ衰弱していると少し前に聞いたところだが…今は逆に捕らえた者を尋問しているそうだ。
治癒が必要かと思っていたが…必要なさそうだな。
「次の場所ではどうやら例の種族が居るらしいっということのみ報告を受けているが、その者が油断ならぬため一時連絡を絶つとのことだ。心配ではあるが…待つしかない」
はぁっと大きく息を吐き出す公爵様に俺も同じように息を吐き出したい気持ちだ。
例の種族というのは狐族のことだろう。
「ではアマ国へ要請を?」
「あぁ。ガンナーから烏族の者の紹介は受けていた為、既にその者には動いてもらっているがアマ国の協力は絶対に必要になってくる」
公爵様の言葉にいよいよ自国だけでなく、他国をも巻き込む大騒動になってきたと我慢していたため息が我慢しきれず口からこぼれ出た。
数日後
アマ国王からの使者が極秘でアーナンダ国へやって来て、まずは始まりの孤児院から調べるとのことで今朝から深くフードを被った魔術師のような姿をした犬獣人のガウディア様に孤児院の周りなどを紹介したり、未だにやってくる捕らえた野盗共を見せたりとしている。
ガウディア様は特に嗅覚に優れた御仁らしく、辺りのニオイや捕らえた者からのニオイでどういった種族または人物が関わっているのかが分かるらしく、捜査は大幅に進んでいった。
そして野盗に金を握らせた者達を捕縛することに成功したことでルナイスの仕事も思いの外進んでいるらしかった。
捕縛はガウディア様のおかげで騎士が進めていくことが出来たので、ルナイスは黒幕へ繋がる証拠を集めることだけに集中することができるからだ。
そしてルナイスが一人で任務に当たりだしてから約一月ほど。
とある伯爵家で大規模な爆発事故が発生し、多くの人物が巻き込まれる大事件となった。
そしてその事件から完全にルナイスとの連絡が途絶えてしまい俺はもちろん、公爵様も国もルナイスの行方を掴めなくなってしまったのだ。
「公爵様、やはり俺が」
「許可しない。ドラゴン達が落ち着いているのだ…きっと無事だ。ルナイスが今も任務を遂行しているのだとしたらこちらの動きは邪魔にしかならん。下手に動いてルナイスが爆発現場に居たと知れたら相手に怪しまれる可能性だってある。今は我慢しなさい」
公爵様だって本当は今すぐにでもルナイスの無事を確かめに動きたいだろう。
しかし、公爵家当主として…冷静に判断しなければならない立場にあり、感情を制御する姿に自分はまだまだなのだと実感する。
更に2日後
燃え尽きた伯爵家から二つのガラス瓶が届いた。
一つは最初にルナイスが捕らえた子爵家から回収した灰が入ったもので、もう一つは爆発事件のあった伯爵家から回収された灰が入ったガラス瓶だった。
差出人の名前はなかったが、瓶に残る僅かな魔力から差出人はルナイスであることが分かった。
何の指示もなく送られてきたふたつの灰の入ったガラス瓶。
その中の灰を時魔法を使い再生すると一枚の紙になった。
所々穴が空いているが、書かれた文を理解するのにはなんら支障のない程度で、そこには今起こっている事件の重要な証拠となることが書かれてあった。
「公爵様」
「あぁ…すぐに国王へ報告を。ノヴァ今すぐルナイスの元へ」
公爵様からの支持を受けて俺は直ぐに転移魔法を展開し、爆発した伯爵家へと移動した。
心配で今すぐルナイスの元に駆けつけたいが、行ったところでルナイスの仕事の邪魔にしかならないし、孤児院への襲撃者は未だ絶えず毎日対処するのに忙しい。
そんな中、公爵様からコルダが帰ってきたことが知らされたので騎士を残し、転移魔法で一時アーバスノイヤー家に足を運ぶことに。
「ルナイスは次の場所へ向かったそうだ。コルダは今地下牢でとある人物の尋問を行っている」
談話室で聞かされた内容にルナイスの仕事が良い方向で動いていることが分かりほっと息をついた。
今ルナイスがやっていることは国王とクラージュ殿下、宰相と公爵とアドルファス様そして俺という限られた人物しか知らされていない最極秘任務であり、使用人もいない防音魔法をかけているこの談話室でも迂闊に発言はできない。
コルダは捕らえられ衰弱していると少し前に聞いたところだが…今は逆に捕らえた者を尋問しているそうだ。
治癒が必要かと思っていたが…必要なさそうだな。
「次の場所ではどうやら例の種族が居るらしいっということのみ報告を受けているが、その者が油断ならぬため一時連絡を絶つとのことだ。心配ではあるが…待つしかない」
はぁっと大きく息を吐き出す公爵様に俺も同じように息を吐き出したい気持ちだ。
例の種族というのは狐族のことだろう。
「ではアマ国へ要請を?」
「あぁ。ガンナーから烏族の者の紹介は受けていた為、既にその者には動いてもらっているがアマ国の協力は絶対に必要になってくる」
公爵様の言葉にいよいよ自国だけでなく、他国をも巻き込む大騒動になってきたと我慢していたため息が我慢しきれず口からこぼれ出た。
数日後
アマ国王からの使者が極秘でアーナンダ国へやって来て、まずは始まりの孤児院から調べるとのことで今朝から深くフードを被った魔術師のような姿をした犬獣人のガウディア様に孤児院の周りなどを紹介したり、未だにやってくる捕らえた野盗共を見せたりとしている。
ガウディア様は特に嗅覚に優れた御仁らしく、辺りのニオイや捕らえた者からのニオイでどういった種族または人物が関わっているのかが分かるらしく、捜査は大幅に進んでいった。
そして野盗に金を握らせた者達を捕縛することに成功したことでルナイスの仕事も思いの外進んでいるらしかった。
捕縛はガウディア様のおかげで騎士が進めていくことが出来たので、ルナイスは黒幕へ繋がる証拠を集めることだけに集中することができるからだ。
そしてルナイスが一人で任務に当たりだしてから約一月ほど。
とある伯爵家で大規模な爆発事故が発生し、多くの人物が巻き込まれる大事件となった。
そしてその事件から完全にルナイスとの連絡が途絶えてしまい俺はもちろん、公爵様も国もルナイスの行方を掴めなくなってしまったのだ。
「公爵様、やはり俺が」
「許可しない。ドラゴン達が落ち着いているのだ…きっと無事だ。ルナイスが今も任務を遂行しているのだとしたらこちらの動きは邪魔にしかならん。下手に動いてルナイスが爆発現場に居たと知れたら相手に怪しまれる可能性だってある。今は我慢しなさい」
公爵様だって本当は今すぐにでもルナイスの無事を確かめに動きたいだろう。
しかし、公爵家当主として…冷静に判断しなければならない立場にあり、感情を制御する姿に自分はまだまだなのだと実感する。
更に2日後
燃え尽きた伯爵家から二つのガラス瓶が届いた。
一つは最初にルナイスが捕らえた子爵家から回収した灰が入ったもので、もう一つは爆発事件のあった伯爵家から回収された灰が入ったガラス瓶だった。
差出人の名前はなかったが、瓶に残る僅かな魔力から差出人はルナイスであることが分かった。
何の指示もなく送られてきたふたつの灰の入ったガラス瓶。
その中の灰を時魔法を使い再生すると一枚の紙になった。
所々穴が空いているが、書かれた文を理解するのにはなんら支障のない程度で、そこには今起こっている事件の重要な証拠となることが書かれてあった。
「公爵様」
「あぁ…すぐに国王へ報告を。ノヴァ今すぐルナイスの元へ」
公爵様からの支持を受けて俺は直ぐに転移魔法を展開し、爆発した伯爵家へと移動した。
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