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第5章
義理の父登場
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やっぱり相手は只者じゃなかった。
狐族が居た男爵家では騎士が到着する前に撤退した僕よりも早く狐族は姿を消していた。
そして次に潜入した伯爵家で証拠となる灰を瓶に移しているところで再会してしまい、僕の存在がバレて捕らえられそうになってしまった。
咄嗟に残り火があった暖炉に爆薬を投げ入れ大爆発を起こし、視界等を遮り影の中に入り込み難を逃れたが…思った以上に爆薬の威力が強く多くの負傷者を出してしまったことが悔やまれる。
しかし、あれだけの爆発の中死者が出なかったのは運が良かった。
残念ながらあれだけ近距離で爆発に巻き込まれたはずの狐族は捕獲されておらず、今も行方が分かっていない状況にある。
相手方に僕という潜入者がいたことがバレてしまった為に僕は迂闊に動けない状況となってしまい影に潜みながら山々を転々と移動しつつ捜査を続けている。
まさかこんなサバイバルな経験をすることになるとは思っていなかった為に、僕は自給自足の野営生活の方法を良く知らず常にお腹はすいている状態で姿もボロボロだ。
こんな姿をノヴァやにぃ様に見られたらショックを受けられそうだ。
暖炉に投げ込んだ爆薬は実は現地で調達したものだった。
恐らく国を混乱に陥れる際にあちこちで爆発を起こすつもりで用意をしていたのであろう爆薬を伯爵家で発見し、その中からいくつか証拠の為に記録と現物を確保していたのだ。
思わず使ってしまったが…あんな威力の物をあちこちでばらまかれたら溜まったもんじゃない。
事前に幻覚魔法を施し、実物は僕の影の中で全て保管していたから今回の爆発があれくらいで済んだ。
もし回収していなかったら連鎖爆発してもっと甚大な被害となっていただろう…
ひっそりと行動しながらも何とかアーバスノイヤー家へ証拠となるであろう灰を入れたガラス瓶を送ることができた僕は影に潜みながら敵の動向を覗っていたのだが…
「何をしているんだい?」
「…マモン…さん」
「マモンで良い。それで?」
不意に真横に気配を感じた瞬間かけられた声に慌てて影の中に沈んだが、声に聞き覚えがあったためひょこっと顔を出すと、そこにはマモンが面白いものを見つけたと言わんばかりの笑顔で頬杖をついてこちらを見ていた。
まさかの悪魔の登場に動揺してしまった為、魔力が乱れ敵が警戒心を強めてしまったので慌ててマモンを連れてその場を離れた。
「もしやあの野蛮共を尾行していたのか?」
「マモン、今はちょっと相手できないです。見ての通り僕は今すっごく忙しい」
「そのようだな。身なりも以前とは全く変わっているし…それ以上痩せては不味そうだ」
悪魔独特の表現にぐっと心にダメージを受ける。
マモンがそう思うってことは、ノヴァもそう思うかもしれないと思って心が痛い。
だけど今帰るわけにはいかないし…身なりを気にしている余裕もない。
「そう言えば…バグが何やらこちらの子達を保護していたな。何やらまたもや面倒事が起こっているのだとか」
「…全て知っていますね?」
「ふふ…息子が伴侶を心配しながらも伴侶の元へ行けない様子なので私がでしゃばってみることにしたのだが…何か私に頼むことがあるのではないか?」
ニヒルに笑うマモンにぐっと唇を噛む。
正直上位悪魔のマモンに手助けしてもらえるのならこれ以上に心強いことはない状況だが…払う代償が大きすぎる可能性が高い。
「もちろんタダではない。この件が終わったら魔界にノヴァと共に来ることが条件だ」
「??それが手助けしてもらうことの対価ですか?」
マモンから告げられた内容があまりにも予想外すぎて、首を傾げて確認する僕にマモンは頷く。
「息子と息子の伴侶を紹介したい者がいる」
「…それ以上の対価は望まないと誓いますか?」
「あぁ、もちろん」
念の為に確認を重ねて、魔法誓約書にサインもしてくれたのでそこで僕はマモンに手助けしてもらうことをお願いした。
狐族が居た男爵家では騎士が到着する前に撤退した僕よりも早く狐族は姿を消していた。
そして次に潜入した伯爵家で証拠となる灰を瓶に移しているところで再会してしまい、僕の存在がバレて捕らえられそうになってしまった。
咄嗟に残り火があった暖炉に爆薬を投げ入れ大爆発を起こし、視界等を遮り影の中に入り込み難を逃れたが…思った以上に爆薬の威力が強く多くの負傷者を出してしまったことが悔やまれる。
しかし、あれだけの爆発の中死者が出なかったのは運が良かった。
残念ながらあれだけ近距離で爆発に巻き込まれたはずの狐族は捕獲されておらず、今も行方が分かっていない状況にある。
相手方に僕という潜入者がいたことがバレてしまった為に僕は迂闊に動けない状況となってしまい影に潜みながら山々を転々と移動しつつ捜査を続けている。
まさかこんなサバイバルな経験をすることになるとは思っていなかった為に、僕は自給自足の野営生活の方法を良く知らず常にお腹はすいている状態で姿もボロボロだ。
こんな姿をノヴァやにぃ様に見られたらショックを受けられそうだ。
暖炉に投げ込んだ爆薬は実は現地で調達したものだった。
恐らく国を混乱に陥れる際にあちこちで爆発を起こすつもりで用意をしていたのであろう爆薬を伯爵家で発見し、その中からいくつか証拠の為に記録と現物を確保していたのだ。
思わず使ってしまったが…あんな威力の物をあちこちでばらまかれたら溜まったもんじゃない。
事前に幻覚魔法を施し、実物は僕の影の中で全て保管していたから今回の爆発があれくらいで済んだ。
もし回収していなかったら連鎖爆発してもっと甚大な被害となっていただろう…
ひっそりと行動しながらも何とかアーバスノイヤー家へ証拠となるであろう灰を入れたガラス瓶を送ることができた僕は影に潜みながら敵の動向を覗っていたのだが…
「何をしているんだい?」
「…マモン…さん」
「マモンで良い。それで?」
不意に真横に気配を感じた瞬間かけられた声に慌てて影の中に沈んだが、声に聞き覚えがあったためひょこっと顔を出すと、そこにはマモンが面白いものを見つけたと言わんばかりの笑顔で頬杖をついてこちらを見ていた。
まさかの悪魔の登場に動揺してしまった為、魔力が乱れ敵が警戒心を強めてしまったので慌ててマモンを連れてその場を離れた。
「もしやあの野蛮共を尾行していたのか?」
「マモン、今はちょっと相手できないです。見ての通り僕は今すっごく忙しい」
「そのようだな。身なりも以前とは全く変わっているし…それ以上痩せては不味そうだ」
悪魔独特の表現にぐっと心にダメージを受ける。
マモンがそう思うってことは、ノヴァもそう思うかもしれないと思って心が痛い。
だけど今帰るわけにはいかないし…身なりを気にしている余裕もない。
「そう言えば…バグが何やらこちらの子達を保護していたな。何やらまたもや面倒事が起こっているのだとか」
「…全て知っていますね?」
「ふふ…息子が伴侶を心配しながらも伴侶の元へ行けない様子なので私がでしゃばってみることにしたのだが…何か私に頼むことがあるのではないか?」
ニヒルに笑うマモンにぐっと唇を噛む。
正直上位悪魔のマモンに手助けしてもらえるのならこれ以上に心強いことはない状況だが…払う代償が大きすぎる可能性が高い。
「もちろんタダではない。この件が終わったら魔界にノヴァと共に来ることが条件だ」
「??それが手助けしてもらうことの対価ですか?」
マモンから告げられた内容があまりにも予想外すぎて、首を傾げて確認する僕にマモンは頷く。
「息子と息子の伴侶を紹介したい者がいる」
「…それ以上の対価は望まないと誓いますか?」
「あぁ、もちろん」
念の為に確認を重ねて、魔法誓約書にサインもしてくれたのでそこで僕はマモンに手助けしてもらうことをお願いした。
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